新たな人生が始まったのはいいが、まずは服を着なければ何処へも行けない。
俺にストリーキングの気はないからな。
昔はストリートキングだとずっと思ってた。 裸の王様的な意味で。
そういえばストリーキングとスティーブンキングって似てるよね。
「まずは隣の部屋へ行って服を着るか。 今隣の部屋には誰かいんの?」
「いや、誰もいないはずだ」
「でも勝手に服とか持ってきたらまずくない?」
「それに関しては何の心配もいらない。 そもそもこの建物は前のマスターが遺したもので、彼は既に死んでいるからな。 そしてマスターが転生してきたなら結界内の土地ごと全部渡してやれという遺言もある」
「じゃあこの施設と周囲の土地は全部俺のものってことでいいの?」
「そういうことになるな」
「まじか。 なら服を着たらさっそく探検でもするか」
その後俺はバールを左手首に装備し、隣の部屋であらかじめ用意されていた服(半ズボンとか久々過ぎる)を着てこの建物の探検を始めた。
「ところで相続税とかってどうなってんの?」
「結界のせいで誰も中に入ってこれないようになっているから気にする必要は無い。 そもそもこの土地の事を感知できる者はいるのだろうか?」
「あとで『税務署の方から来ました』とか嫌だぜ?」
「それを言うなら国税局じゃないのか?」
そういやここはアメリカなんだっけ。
銃とかあったら撃ってみたいなぁ。
「しかしヤバイなこの家。 いろいろとヤバイのはあるけど、一番ヤバイのはこの標本室だな。 ちらっと覗いたときからそんな予感はしてたけど……もう死んでもいいや」
一通り建物を見終わった俺は、最後に1階の鉱物標本室の中を見ながらそう言った。
なぜ最後にここに来たかって?
それは俺がショートケーキの苺は最後に食べる人間だからさ。
「語彙が貧弱なのは学が足りない証拠だ」
「うっせうっせ。 良いんだよちょっとぐらい足りなくても。 生きていけるから」
さて、この建物はどのようになっていたかを纏めてみよう。
この建物は2階建てで、2階にはリビングやキッチン、風呂をはじめとする生活空間が広がっている一方、1階には多数の用途不明な実験部屋や書斎(取りあえずの着替えが置かれていた部屋)、会議室等があり、まるで大学の研究棟の1フロアのようになっている。
敷地面積はおそらく郊外型コンビニ50個分ぐらいだろう。 多分。
そして書斎にある文献などから判断するに、どうも前の家主は生前の俺と同じく理学系の研究者だったようだ。
その割にはやたらと金を持っていそうである。
理系研究者なんて貧乏なのが普通なのに。
そんなこの家の中で俺が特に興味を惹かれたのは1階にある、先に挙げた鉱物標本室だった。
その標本室の広さはちょっとしたショッピングセンターの食料品売り場並にあり、そこに並べられた鉱物標本コレクションは、鉱物オタの俺をして何でできているのかわからないものが数多く存在する。
きっとそれらの鉱物も、書斎に並ぶ本や実験室に置いてある文献には記載されているはずだ。
新しい人生の夢が一つできた。
いつかこれら鉱物の正体を調べ、さらにこのコレクションを充実させてやろう。
生前の大学にあった標本も十分に凄かったけど、これに比べたらあんなものミジンコ以下だ。
やっべ、これ全部俺のものになんの? おひょーーーー!!
「頭は大丈夫かマスター? 目と顔がおかしいぞ?」
「そりゃ仕方ないだろ。 あれだけのお宝が自分のものになると思ったらそりゃ意識も飛ぶって」
俺は興奮のあまりデバイスの暴言は聞こえなかったことにした。
「でもお前の元マスターって奴すげーな。 これを俺の前世で集めようとしたら兆は下らないぞ」
もちろん単位は米ドルです。 本当にありがとうございました。
間違ってもジンバブエのほうじゃないので悪しからず。
だってバスケットボールみたいな大きさのダイヤモンドの原石とかがごろごろ転がってるんだぜ?
これ売ったら7代は遊んで暮らせるって。
絶対売らないけど。
だがこのコレクションの真価はそんな比較的ありふれた単結晶などにはない。
例えばパラサイト隕石。
この隕石はぺリドットと呼ばれる宝石の大きな固まりが鉄ニッケル合金のプールの中に浮かぶような形で存在しており、その組織は地表では再現できないといわれている。
また非常に美しく高価な隕石としても有名であり、とある大学では研究の為に10cm×10cm×5mm程度の大きさの薄板試料を購入しただけでその年の研究予算をほとんど使い切ってしまったという話もある。
そんな隕石の100kgはありそうな物がこの部屋には置いてある。
他にも……と解説し始めたらきりがない。
フゥハハー、ホント鉱物標本室は天国だぜー
「喜んでもらえてなによりだ。 前のマスターもこのコレクションを自慢にしていた」
「だろうな。 ところでバール」
「なんだ?」
「この鉱物、全て解析してしまっても構わんのだろう?」
「好きにしろ」
「好きにします」
そうして俺は固有結界――Unlimited Mineral Works――を発動した。
そんな感じで嬉々として鉱物コレクションを観察していたところ、俺は部屋の片隅に『私、いかにも封印されてます』といったような箱がいくつも置かれているのを見つけた。
「なんだこれ?」
箱の1つを手に取れば、そのずっしりとした重さにますます興味が湧いてくる。
「それは開けない方がいいぞ」
「そう言われると開けたくなるのが人情ってもんよ。 ポチっとな」
ギイッ――パタン。
「おいおいおい、これ中身放射性鉱物じゃん。 先に言えよ。 俺今めっちゃ近距離で凝視しちゃったじゃねえかぶっ殺すぞコノヤロウ」
放射性鉱物は非常に綺麗なものが多いから写真で見る分には楽しいが、ぶっちゃけ手には取りたくない鉱物の筆頭である。
次点はクリソタイルとかのアスベスト。 肺に刺さって危険極まりない。
死ぬ寸前とか死ぬのが確定してるならまだしも、生まれてそうそう『被曝して自爆しました。 てへっ☆』とか嫌過ぎる。
「だから開けない方がいいと忠告しただろうに」
「というかお前は放射線とか大丈夫なの?」
「何のための自己修復機能だと思っている」
「何それちょっとずるくない? 不平等じゃん」
俺は自分ことを棚に上げてバールを非難した。
「人の話を聞かないからだ。 これに懲りたら危ないと思った時はそこに近づかないことだな」
「耳に痛い」
「耳が痛いだ。 なんだ、痛いのは存在だけじゃなくて頭もか」
「お前、ホントつっこみ厳しいよね? いろいろとくじけそうだわ」
でも耳に痛いで合ってる気がするんだけどなぁ。
それはともかく、今の出来事によって原爆症の恐怖に恐れおののいた俺は、予定していた標本室の奥にある金庫の開錠を諦めた。
だってプルトニウムやポロニウムとか普通に転がってそうじゃん。
今日のところはこれで勘弁してやるぜ。
というかさようなら、永遠に。
見えないからこそ美しいものって世の中には沢山あるよね。
こうして夢から覚めてしまった俺は2階のリビングに引きあげ、そこに置いてあったソファに腰を下ろした。
そしてふと思ったのは、『この家は家主がいなくなってからどれぐらい経っているのか?』という疑問だ。
特に埃が積もっている様子は見られないが、居なくなってから数日ということはあるまい。
「なあ、この家の前の家主、お前の元マスターってどれぐらい前に亡くなったんだ?」
「死んでからどれだけ経っているのか正確な年数はわからない」
「なんで?」
「前のマスターが最後にこの家を出て行った際、彼は転生装置だけを起動しておき私は完全にシャットダウンしてから出て行ったのだ」
まあ日光ないと電池切れするって話だもんな。
「その転生装置ってのは、俺がこの世界で初めにいた部屋の機械の事か?」
「その通りだ。 ちなみにこの家が汚れていないのは定期的に自動清掃する魔法が作動しているからだ」
んー、つまり転生装置から人が出てきたらバールの電源が入るようにしてたってことか。
「あれ? でもそうしたら前のマスターが死んだってこと分からなくない?」
「前のマスターはジェムフィールドと言うんだが、この世界ではかなり有名な学者でな。 彼が死んだときその様子は全世界に報道され、その時の様子は転生装置に接続されていたインテリジェントデバイスにも記録されていた。 私はそこから彼が死んだことを知ったのだ」
ジェムフィールドねぇ。
そういや書斎にJemfieldって書いてある本がいくつかあったな。
まあアレだけ鉱物集めてればジェムおじさんとして有名になるのもわからんでもない。
「ってちょっと待て、転生装置にもインテリジェントデバイスが入ってんの?」
「そうだ。 だがお前をこちらに召喚し、私にいくつかのデータを転送すると同時に機能を停止した」
「それってもう直せないのか?」
「肝心の部分がエラーで破損しているから自己修復はしない。 自分で直そうにも前のマスターが独自の技術で組み上げたものが多く、彼が死んでしまった今となってはそれも無理だろう」
もったいない。
2個あるのなら1個を売れば遊んで暮らせると思ったんだけどな。
当然売るのはバールの方。
鉱物コレクションは絶対売らん。
「そうか、残念だったな。 結構長い付き合いだったんだろ?」
だが俺はそんな考えをおくびにも出さずにそう言った。
「まあそうだ。 だがマスターも安易な金もうけの手段を失ったことは残念だったな。 それと重要な魔法式のデータは私の方に移せたから完全に死んでしまったわけではないとも言える」
『たとえ貴方がいなくなったとしても、貴方は私の中で永遠に生き続けるわ』ってやつか?
でも俺、今そんなに露骨な顔してたかなぁ。
「なんか今の、『魔法式が形見です』みたいな言い方に聞こえたんだけどさ、その魔法式ってやつはデバイスによって特有なものだったりするのか?」
「そうではない。 そうだな、それを理解する為にもまず魔法というものについて説明しよう」
「おお、それは確かに気になる」
「当初魔法とは『魔法式に魔力素を供給して得られる物理的な効果』という定義だった。 だが、その後魔法技術が発展していくうちにいろいろと例外が生まれ、最終的には『魔力素の関与によって発生する現象一般』を指すようになった」
まあありがちな話だな。
「その魔力式と魔力素ってのは?」
「魔力式とは魔法にとって最も重要なプログラムのことだ。 そして、この式によって魔法はどのような効果を生み出すのかが決まる。 また、同じ魔法だとしても魔法式の一部が異なれば、その魔法を行使するのに必要な魔力素の量や効率、発生する効果といったものは変化する」
はぁ、つまりパソコンで言うプログラムと同じだと思えばいいわけか?
得られる結果は同じように見えてもソースコードが違えば容量や効率が違う、みたいな。
「そして魔力素とはこの世界のいたるところに存在する超素粒子の一種だ。 この魔力素は人間の意識場に関係するものとして確認され、この宇宙のいたるところに存在しているダークマターの正体のうちの1つだとも言われている。 もっともそれが本当かどうかは知らないがな」
超素粒子ってことは素粒子よりも小さい物質なのか?
というかまた意識場とか知らない単語がでて来た。
「質問ばっかりで悪いんだけどさ、意識場って何なん?」
「意識場とは人などの意識を持っている生物から放たれている固有の力場のことだ。 例を挙げるならそうだな、知らない人が凄く近くにいるとき人は何故か圧迫感を感じるだろう?」
「ああ、あるね。 なんかそういったの」
パーソナルスペースの事か。
だったら濃いオタクとかだと意識場は強いのだろうか? そして魔法も凄かったり。
でもパーソナルスペースって脳内電流による電磁場だけが原因じゃなかったんだな。
「後はカリスマ、オーラ、覇気といったものなどもそうだ」
今の話をまとめれば魔力素ってのは電磁場に対する電子みたいなもので、特に人の意志や感情に反応しやすい素粒子ってとこか。
「この説明で理解できたようだな。 なら次は私を含むデバイスというものについて説明しよう」
「お願いします」
「単純に考えるなら、デバイスとは先にでてきた魔法式を記録しておくノートのようなものだと思ってくれればいい」
「ノート? めちゃめちゃ機械じゃん、あんたら」
「そうだな。 これはデバイスという物がもともとは『所有者の脳と無線接続でき、直接書き込む必要がない手帳』として生まれたことに起因している。 まあ、魔法が発見されてからは『魔法を使用する為の道具』としての開発が進んだため、それらの機能はおまけのようになってしまったがな」
「なんでまた手帳がそんなことに」
「それは比較的簡単な魔法ならばデバイスに頼らずとも発動させられるが、複雑な魔法になるととてもじゃないが人間の脳では処理しきれないことに原因がある。 世の中には全20巻の百科事典に相当するような魔法式もあるからな。 そこで人にとっての外部記憶媒体としてその『手帳』に白羽の矢が立ったのだ」
なんだそれ。
魔法式ってそんな無茶苦茶なもんなの?
そりゃ百科事典一冊でも無理なんだから外部記憶媒体は絶対必要だわな。
「また、通常のデバイスだと魔力素の収束や使用する魔法式の効果計算等をある程度は自分でしないといけないのだが、インテリジェントデバイスならばこれらに関しても自力で行う必要が無くなるという利点がある。 まあそういうのが好きなマゾヒストもいるにはいるが、そんな人間はごく少数だ」
なるほど。
そりゃあ無駄に長い魔法式を覚えるぐらいだったら全部デバイスに任せた方が楽だろう。
で、高度な魔法になるとインテリジェントデバイスじゃないと計算がおっつかないってことか?
「最後に話の主題であった『なぜ魔法式がデバイスにとっての形見になりうるのか?』について話そう」
ああ、そういや初めはそんな話だったけ。
すっかり忘れてたわ。
「今までの話からもわかるように魔法式はそれぞれ魔法ごとに容量が違い、デバイスに入る容量には限度がある。 当然、複雑なものほど容量が大きくなる傾向にあり、またデバイスにある記憶領域の空き容量は魔法発動の速さや安定性に関与するといったデータもある」
デバイスがノートみたいなものってことだからな。
計算スペースが多いほうが余裕をもって計算できる分、計算ミスも防げるってことなんだろうか。
「特に極めて複雑な魔法式になるとそれ専用のデバイスや装置を作りそこに魔法式をインストールするといったことが必要な場合もある。 あの転生装置はそういったものの1つで、接続されていたインテリジェントデバイスは移動魔法専用のデバイスとして作成されており、その中には数多くの移動魔法がインストールされていた」
移動魔法ってことは空中飛行とか瞬間移動とかそういったのか?
おお、なんかわくわくしてきた。
「この移動に関する魔法のうち『転移・転送魔法を応用した未だ存在が確認されてはいない他次元世界への干渉』の魔法式は、インストールされていた移動魔法の中でも特に複雑なもので、この式の応用と転生装置の補助によってマスターはこの世界へと召喚されたのだ。 そしてこの魔法式は前のマスターが独自に組み上げたもので他には存在はしないと考えられる」
だから魔法式が形見がわりになるってことか。
「で、その式をバールが受け継いだと。 でもそれって相当複雑なんだろ? だったらバールにはもう容量とか残ってないんじゃないか?」
「その通りだ。 だからそれらの魔法式を移す際、容量が足りなかったので私に残されていたほとんどの魔法式は削除した。 それでも現在の空き容量は1%に満たない」
「じゃあこれ以上他の魔法式は入らないってことか」
「いや、入れようと思えば簡単なものならば入るだろうが、もしこれ以上入れると今度は魔法の効果や私自身の動作が不安定になる。 今の状態でも簡単なものならばともかく、複雑なものになると『魔法のエキスパートならかろうじてコントロール可能』といったレベルなのだ。 もっとも、今ある魔法式を消してしまえば話は別だがな」
まあ世界に一つだけの魔法式とかそんな貴重なものは消せないよな。
「ちなみに今インストールされている他の魔法式ってどんなの? 『ファイヤー』とか『アイスストーム』とか『ダイヤキュート』みたいなのはないの? あと肉体強化とか感覚加速とか空を飛ぶとか死者蘇生とか回復魔法とか結界魔法とかは?」
やっぱ魔法っていったらそういったものだよな。
ルーラしか使えないドラクエとか塩コショウの掛かってないステーキみたいなもんだろ。
食えるんだけど、なんか味気ない。 そんな感じ。
「ダイヤキュートというのはわからないが、他に挙げられたようなものは全て削除した。 残っているものは圧縮に関するものが12%、移動・転移に関するものが87%だな。 また記憶領域にはこれとは別に私のAIや動作する為にパーティションされている領域もあるが、ここに魔法式をインストールすると魔法式によってはAIが消滅したり、魔力素の取り込みができなくなったりすることがあるのでお勧めはしない」
え? 何それ。 じゃあ俺大きく分けて2種類しか魔法使えないの? まじかよ。
俺も攻撃魔法で環境破壊とかしてみたかったのに。
というか圧縮魔法なんてもう、名前からしてどう考えても攻撃用じゃなくて実験用ですよね?
そんで移動魔法は便利だろうけど、それって工夫して戦闘に使うよりは逃げるのに使った方が早いだろ。 常識的に考えて。
まあ消してしまったものは仕方がない。
気を取り直して質問タイム。
「でもわざわざ残すってことはその圧縮魔法ってのはそんだけすご……ああわかった、それがバールに残された前のマスターのオリジナル魔法なわけだ」
「その通りだ。 まあ他にもオリジナル魔法はいくつかあったのだが、それはこの魔法ほど珍しいものではなく一般に普及してしまったものがほとんどだからな」
「へえ、お前の前のマスターってそんな凄かったんだ」
「この世界で知らない奴はいないと言われるくらいには有名だったな。 まあ、この圧縮魔法に関しては前のマスターが大学教授になった初めの頃にメインで研究していたもので、『特定領域を魔力で作られた膜で包み、そこに圧力をかけたら超高圧を作り出せないか?』ということから生み出された」
ほう、高圧発生装置に魔法を応用したのか。
俺の前世で言うとマルチアンビルとかDAC(ダイヤモンドアンビルセル)とかそういったものの発展形か?
鉱物学者ならではの発想だな。
「ちなみにマスターがこの魔法を用いて出した35PPa(ペタパスカル)という圧力は公式に世界記録として記録されていて、少なくとも私がシャットダウンされるまでは破られていない」
「ちょっ、そんな天文学的な圧力何に使うんだよ! ペタパスカルなんて単位聞いたことないっつーの! 桁が違うとかってレベルじゃねーぞおい!」
「当時やっていた実験のテーマが『恒星中心核における熱核融合の再現』だったのだ。 結局『圧力は条件を満たしていたものの温度が全然足りていないのでほとんど意味がなかった』という結論に達したため実験は失敗とされたが、そもそもこの実験は魔法の力でどこまで圧力をだせるかという力試し的な物だったので、彼としてはそれで満足していたようだ」
どう見てもキ○外です。 本当にありがとうございました。
というかなんだその研究。 危険極まりないな。
もし太陽内部のような熱核融合反応が起こってたらどうするつもりだったんだ?
そりゃそんなことやってりゃ世界的に有名にもなるだろうさ。
まあいい、そういうものならどちらも消せとは言うまい。
それにそんな高圧を叩き出せるのなら消すのはかなり惜しい。
将来こちらの世界で研究者になった時に使えて損はないだろうし。
その日に備えて明日から魔法の練習でもしようかな。
その後も夜遅くまでバールと様々なことを話をしているうち、俺はいつの間にか寝てしまったようだ。
こうして俺の新生活1日目は幕を閉じた。