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No.15974の一覧
[0] 【A's編完結】俺とデバイスとあるハザード(下ネタ注意)[T・ベッケン](2010/09/19 07:21)
[1] 再出発編 第1話 汚伝はじめました。[T・ベッケン](2010/01/29 00:17)
[2] 再出発編 第2話 だけどよだれが出ちゃう。だってオタクなんだもん。[T・ベッケン](2010/02/14 17:02)
[3] 再出発編 第3話 ここはジョークアベニューです。[T・ベッケン](2010/01/29 10:48)
[4] 再出発編 第4話 Q.まほうってなんでできてる? A.血汗に欲望、金のニワトリでできてるよ。[T・ベッケン](2010/01/29 18:19)
[5] 再出発編 第5話 危険物につき取り扱い注意[T・ベッケン](2010/01/30 03:08)
[6] 再出発編 第6話 感離極の黒い悪魔[T・ベッケン](2010/01/30 14:06)
[7] 再出発編 第7話 次元世界の真実?[T・ベッケン](2010/02/15 13:42)
[8] 再出発編 第8話 戦う決闘者達[T・ベッケン](2010/02/01 17:43)
[9] 出会い編 プロローグ 思い出は時の彼方に[T・ベッケン](2010/02/07 15:52)
[10] 出会い編 第1話 それは不可避な出会いなの?[T・ベッケン](2010/02/16 17:13)
[11] 出会い編 第2話 咄嗟の言い訳はロジカルなの?[T・ベッケン](2010/02/16 17:14)
[12] 出会い編 第3話 わかりあえない気持ちなの?[T・ベッケン](2010/02/06 13:35)
[13] 出会い編 第4話 街は危険がいっぱいなの?[T・ベッケン](2010/02/07 15:51)
[14] 出会い編 第5話 ライバル!?もうひとりの火砲少女なの?[T・ベッケン](2010/02/15 13:44)
[15] 出会い編 第6話 ここは湯のまち、海鳴地獄なの[T・ベッケン](2010/02/10 00:42)
[16] 出会い編 第7話 それは大いなる危機なの?[T・ベッケン](2010/02/11 02:45)
[17] 出会い編 第8話 三人目の魔法使いなの?[T・ベッケン](2010/02/11 18:58)
[18] 出会い編 第9話 決戦は海の上でなの[T・ベッケン](2010/02/13 02:34)
[19] 出会い編 第10話 それぞれの胸の誓いなの[T・ベッケン](2010/02/13 15:24)
[20] 出会い編 第11話 宿命が閉じるときなの[T・ベッケン](2010/02/15 19:32)
[21] 出会い編 エピローグ なまえをよんで[T・ベッケン](2010/02/20 11:07)
[22] 友情編 プロローグ Dear My Master[T・ベッケン](2010/03/17 03:22)
[23] 友情編 第1話 たくらみは公然になの[T・ベッケン](2010/03/17 03:24)
[24] 友情編 第2話 戦いの嵐、ふたたびなの[T・ベッケン](2010/03/17 14:45)
[25] 友情編 第3話 再会、そしてお引っ越しなの[T・ベッケン](2010/06/07 14:42)
[26] 友情編 第4話 新たなる力、乱用[T・ベッケン](2010/09/16 22:39)
[27] 友情編 第5話 それは新たなお友達なの[T・ベッケン](2010/06/07 14:44)
[28] 友情編 第6話 それは普通の日常なの[T・ベッケン](2010/05/08 04:58)
[29] 友情編 第7話 懲りない馬鹿と原罪となの[T・ベッケン](2010/04/24 06:36)
[30] 友情編 第8話 正しい決意、勇気の選択[T・ベッケン](2010/09/16 22:38)
[31] 友情編 第9話 運命[T・ベッケン](2010/09/24 10:54)
[32] 友情編 第10話 聖夜の送り物[T・ベッケン](2010/09/20 10:58)
[33] 友情編 第11話 夜の終わり、旅の始まり[T・ベッケン](2010/09/19 07:18)
[34] 友情編 エピローグ Lots of love[T・ベッケン](2010/09/19 09:42)
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[15974] 再出発編 第1話 汚伝はじめました。
Name: T・ベッケン◆73c3276b ID:e88e01af 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/29 00:17
『ちょっ! タンクに液体窒素入ってねーじゃねーか! 誰だよ最後の当番……あれ? もしかして俺か?』

――――6%


『やっべ、また人文の単位落ちてるし。 あーやだなー、来年またこれ受けんのかよー。 つーかこの学部に宗教学とか必要なのか? 意味わかんねー』

――――19%


『……うっわぁ。 後期も落ちたし。 もう浪人確定じゃん。 つっても滑り止めとか受ける余裕もないしなぁ』

――――33%


 書き込み作業中に致命的なエラーが発生しました
 書き込み処理を停止します
 書き込み処理を中断したため残りの記憶データのバックアップを開始します

 バックアップを終了しました
 フェーズCを終了します

 次にフェーズDへ移行します
 培養液の排出を開始――――排出完了
 空気循環ポンプの動作を開――――

 デバイス内部に致命的なエラーが発生しました
 データの消滅を避けるためデータの退避を行います

 データの退避は完了しました
 なおバッファ領域にエラーが発生しているため一部のデータは破損している可能性があります
 今後このデータを閲覧する場合――――











 目が覚めた。
 辺りは真っ暗。
 身体の感覚は……ちゃんとあるな。
 だけどなんか若干の違和感がある。
 なんだ? 手足が短くなってるのか?
 風がなく機械音がしていることから、ここが何処かの部屋の中だろうとは想像がつく。
 また振動を感じないことから乗り物の中って可能性は低いな。
 あとどうも硬い所に寝ているみたいで身体が痛い。

 俺は楽になるために起き上がり胡坐をかいた。
 尻の濡れた感覚が非常に気持ち悪い。

 ん? これ、なんかぬるってしてるぞ?
 何だこれ、スライムか?
 おいやめろ、そういうのは勘弁してくれ。

 見えないことが恐怖を加速する。

 っていうか俺、服着てなくね?


「ファック、いろいろ確認しようにも暗くて何も見えん」

「目は覚めたか?」

「ふぉうっ!!」


 一人ごとのつもりだったのに返事があった。
 暗闇でいきなり声がしたらびっくりするのは仕方がないと思う。
 別にお化けが怖いとかそういったことはないのだ。


「驚くのも無理はない。 目が覚めたらいきなり見知らぬ場所にいたのだ。 聞きたいことがあれば答えよう」


 いきなりそんなことを言われても何も思いつかない。
 とりあえず当たり障りのないことを聞いておくことにしよう。


「あーこれはもしかして死後の世界とかいうやつか?」

「いや違う。 ここは現実世界だ」


 まあ身体の感覚とかもちゃんとあるしな。
 夢ってことは無いか。


「じゃあ拉致されたってこと? 何、俺死ぬの?」

「拉致でもない。 そうだな、わかりやすくいうならば『別の世界で死んだからこちらの世界に転生した』とでも言えばいいのだろうか。 そしてこちらの世界へ召喚したのは私たちだ。 だから殺したりする気は全くない」


 死んだ? 転生?


「え、もしかして俺、一度死んだわけ?」

「そうだ」

「それで転生したってこと?」

「そうだ」


 そっかぁ。
 俺死んだのかぁ。
 なら今この身体に感じる違和感は機械かなんかにでもなったってこと?
 でも機械の駆動音とかは身体の中ではなく外から聞こえてるしなぁ。
 ……考えてもわかんねーや。


「あの、死因とかって――」

「それはわからない」

「あ、そっすか」


 まあ仕方ないか。
 わからないものはわからないで一旦置いておこう。
 それに一度死んだらしいけど、転生したってことは今は生きてるわけだ。
 だったら次は死なないようにすればいい。
 そういやさっきこの世界に召喚したって言ってたよな?


「あの、じゃあ何が目的で転生させたのかって教えてもらってもいい?」

「教えてもいいが、少しこちらで確認したいことがある。 その後でもいいか?」


 転生っつーぐらいだから国が違うとか宗教が違う、時代が違うくらいはあるはず。
 でも何故か言葉が通じてるんだよな。
 日本語が通じてここは日本じゃないっていう可能性は低い。
 かなり自然な発音だから話しているのは日本人だろうか?
 少し試してみるか。


「OK, but there is only another question. What country is here?  It is Japan?
 (わかった。 でもその前に一つ質問。 ここは何処の国だ? 日本だよな?)」

「No. It is USA. Already, the country named "Japan" doesn't exist.
 (いや、違う。 ここはアメリカだ。 そして日本という国は既に存在しない)」

「What? Are you kidding? (マジで? 嘘だろ?)」


 普通に英語で返ってきたな。
 というかそれよりもっと気になる答えが返ってきた。
 アメリカあんのに日本ねーのかよ。
 そんで異世界っつっときながら地球かよ。
 突っ込みどころ多過ぎんだろ。


「Japan was made to enter China by accumulation of fatal mistake by themselves and political judgment by politician. Nowadays, Japan is only one of China.
 (日本は馬鹿な国民と政治的判断によって中国に取り込まれた。 今では日本は中国の省の一つに過ぎない)」


 散々な言われようだなおい。
 しかもめっちゃ小馬鹿にしたような発音だったぞ。
 一体何やらかしたらそんなことになるんだよ日本。

 まあそれはとりあえずいいとして、今の英語もかなりネイティブな発音だった。
 ますますわけがわからん。
 これはもう相手に主導権を渡してしまった方が早いか?


「わかった。 質問はもういいや。 確認に移ってくれていいよ」

「ならそうさせて貰おう。 お前に前世の記憶はあるか? いや、先ほどの会話から記憶が多少あることは既にわかっている。 どの程度残っているか、と言い方を変えよう」


 そうだよな。 喋れてるってことは前世の記憶とか知識とかは残ってるはずだもんな。


「ちょっとまってて。 とりあえず今何か思い出すから」


 そういってから俺は、自分自身についての記憶を整理することにした。

 自分の名前は空野太陽。
 名前を書かされる度にいつも思っていたけれど、なんて嫌な名前なんだ畜生。

 記憶の方は……ああ、死ぬ直前の時のこと思い出した。
 周りが卒論等で糞忙しくしている時期にEDSや真空蒸着装置といった重要な実験装置をぶっ壊したんだ。
 それで発生した居心地の悪い嫌な空気に耐えられなくなって、家に引きこもっている時に倒れて意識を失い、そしてそのまま帰らぬ人となったわけか。

 直接的な死因は心臓発作かなんかだろうか?
 いや、飯とかまともに食ってなかったから餓死って線も考えられるな。
 しかも他に思い出せた記憶も碌なものがねえし。
 とくに最後らへんの記憶なんてトラウマだっつーの。
 はぁ、あの冷たい視線は二度と思い出したくなかったのになぁ。
 もう死因は自殺でいいや。
 また死にたくなってきた。

 他になんかあったっけなぁ……あれ? もしかして浪人時代以前の記憶がない?
 知識の方はちゃんと出てくるのに。


「どうだ?」

「ああ。 なんか一部抜けてるけど、死ぬ直前から遡って9年分ぐらいは覚えてるみたいだ。 あと数学とか物理とかの知識はちゃんと残ってる」


 うーん……でもこの質問もよくわからん。
 俺の記憶に一体何の意味があるんだ?


「そうか。 質問の意味が気になっているようなので、この質問をした理由を説明しよう」

「お願いするわ」

「まずここはそちらの今まで育ってきた場所とは全く違う。 地名の一致はある程度予想していたが、そもそも次元が違うのだ。 三次元空間的な繋がりは全くないと言い換えてもいい。 そして人間の記憶や知識といったものは時空の狭間を超えて異なる次元へと移動すると、その時の条件によってはそれらが初期化される可能性が高いことがわかった。 この条件というのは次元を渡る際の身体状態に起因するもので――」


 日本語でOK。
 なんか難しい言葉でいろいろ語ってくれてるけど、何を言っているのかさっぱりわからない。
 よくよく考えてみればそんなことより向こうの世界においてきたオナホやHDの方が気がかりだ。
 死んだあとまで辱められるとか勘弁してほしい。
 火事とかで燃えてくれてないかなぁ、あの部屋。


「――この部屋の装置はそれらの理論に基づいて作られたもので、肉体の死に伴う特殊な魂の次元移動を検出し、その肉体に付随している記憶を魂ごとキャプチャーするためのものだ。 そしてこの装置を用い、こちらで用意した身体に魂をインストールすることで、擬似的な死者蘇生を行うことができると考えられていた。 だがやはり完全に記憶を移すことは不可能だったか。 そもそも肉体の年齢が――」


 というかさっきからなんか頭痛い。
 あと暗い。 暗くて狭くてなんか濡れてるとか一番駄目だろ。 こう、なんか、なあ?
 あー、なんか気持ち悪くなってきた。


「ごめん、その話はもういいわ。 ところでこの部屋って電気とかつかないの?」

「すまない、忘れていた。 今点つけてやろう」


 パッ


「うお、まぶしっ。 ってなんだこりゃ?」


 辺りを見渡してみたところ、ここはどこかの研究施設の一室のようだった。
 部屋の入口付近にはいろいろな機械とそれに繋がるコンソール、ノートの山がおさめられた本棚がある。
 また部屋の隅の方にはワゴン車ぐらいの大きさの箱型の機械が、中央には高さ2m、直径1m程のガラスか何かでできた円柱が横になって設置されている。
 そして俺はその円柱の中にいた。

 あれ? ここって今密閉されてるよな?
 空気の流れが全く感じられないし。
 これって凄く拙いんじゃね?


「ねえ、俺今若干ってレベルじゃない程の息苦しさを感じてるんだけどさ、この中って空気循環してんの?」

「すまん、それも気が付かなかった。 どうも循環ポンプが停止しているようだな。 ちょうどいい、今培養層を解放しよう」

「転生してすぐにまた死ぬとかどんだけだよ」



 炭酸飲料のペットボトルをあける時のような音を立て、培養槽の上の部分が自動ドアみたいに開いて行く。

 うーん、ここは大学の研究室かなんかか?
 どこの研究室も大概そうだけど、ここも例に漏れずごちゃごちゃしてるな。
 つーか若干寒い、って――


「そうだよ、俺服着てねーし。 ねえ、さっきから俺に話しかけてた人、白衣かなんかないの? サイズは――」


 おお、なんか俺の身体ちっちゃくなってんな。
 初めの違和感はこれのせいか。
 これは……小学生ぐらいか?


「衣類については隣の部屋に用意してある。 先ほど鍵は開けておいた」

「だったらついでに持ってきてくれればよかったのに。 俺今超マッパなんだけど。 捕まったらどう責任とってくれんの?」

「そんなことを心配する必要はない。 それと鍵は遠隔で操作できる電子錠だ。 どうしても暗いのが怖いというなら私を持っていけ」

「ち、ちちちげーよ、俺がそんな、暗闇を怖がってるとか、そういったことなんてあるわけねーって」


 現在廊下には電気がついてないので真っ暗だ。
 別にそれがどうしたってことはないんだけどさ。 


「そ、そんなことよりあれだ、あんた何処から喋ってんの? あと持っていけってどういう意味? あと――」


 別に暗いところなんて怖くねーから。 いやまじで。

 俺は心の中で本当のことを思いつつ、立ち上がって辺りを見渡した。
 しかし人影は何処にも見あたらない。
 声がするのはコンソールが置かれた机のあたりか。
 うん、改めて確認しても俺だいぶ小さいな。 120cmちょいぐらい?
 若干足がぷるぷるするのはこの世界に生まれたてだからだろう。 そう、それだ。


「今見えている端末の前にブレスレットがあるだろう。 それが私だ」


 そう言われて机の上を良く見ると、そこには確かに直径1cm強ぐらいの点滅する球がついたブレスレットが布の上に置いてあった。
 その球の色は黄色~オレンジではあるが、見ようによっては金色にも見える。


「金球が喋った?」

「その言い方はやめろ。 それと私は球ではなくインテリジェントデバイスだ」


 どうも俺の言い方が癪に障ったようだ。
 声に若干のイラつきが感じられる。


「インテリジェントデバイス……ってことはなんかAIがついた装置かなんかか?」

「概ねあっている。 ちなみにここでいうデバイスとは、魔法を使用する際の計算補助やスケジュール管理等を行う機械のことを指す」


 ん? まさかこの世界って魔法とかが存在する世界なのか?
 ならこれはあれか、さっき目的は後で説明するって言ってたけど、俺は選ばれた勇者かなんかで、仲間を集めて伝説の武器とか既に歴史から消えてしまった魔法を駆使して魔王を倒せっていう類の話か。
 世界かあ。 俺に救えるかなあ。


「私のようにAI搭載型のデバイスは高性能なものが多くその優秀さは目を見張るほどなのだが、残念ながら非常に高価なためあまり普及はしていない」

「ほうほう」

「さらに私の場合だと日光さえあれば動力の交換や充電の必要もなく、しかもメンテナンスフリーで多少の故障なら自動で修復する機能まで付いている。 その為価格は私1機で星がいくつも買える程で――」


 え、なにこのAI。
 普通機械の分際で自分のこと自慢するか?
 まあいい、それより魔法が存在する世界ならこれだけは聞いておきたい。


「なあ、それより俺も魔法とか使えるんだよな? 現在のレベルとかステータスってわかる?」

「魔法に関しては私がいれば使えるはずだ。 身体の状態に関してはそういった設備のあるところへ行けばわかる」

「なるほど。 あ、そういえばお前の名前とか聞いてなかった。 聞いていい?」

「私は前のマスターにはバールと呼ばれていた」


 バールか。 喋り方が偉そうだけど魔法が使えるのは捨てがたい。


「じゃあさ、バール。 俺のデバイスになってくれない?」

「むしろそれはこちらからお願いしたかったことだ。 そして実はそれこそが私の目的なのだ」

「え? 魔王や世界の危機は?」

「魔王と呼ばれていたものは既に死んでいる。 またこの世界が危機に陥っていたのはずっと昔の話だ」


 なんだよ、魔王死んでんのかよ。
 結局何しに来たんだろう? 俺。


「ところで転生前の記憶が多少残っているそうだが、自分の名前は覚えていないのか?」

「あー、あんまり好きじゃなかったけど前世では空野太陽って名前だった」

「ふむ……。 好きじゃなかったのなら、こちらから名前について1つ提案があるのだが」

「まじで? 恥ずかしくなければそれだけでいいぞ」

「サニー・サンバックというのはどうだ?」


 昔俺がぶち壊した真空蒸着装置の会社名が入っているのはなんの嫌みなんだろうか。
 ま、空の太陽(笑)よりは全然マシか。


「いいなそれ。 じゃあ今度からそう名乗ることにするわ」


 前世での俺の親、見た目が外人の子供に漢字の名前なんてつけてんじゃねえよ。
 顔も思い出せねーけどまじ死んでくれねーかな。
 今となっては死なれてもわかんねーけどさ。

 あ、今ので思い出したけど、前の世界で後生大事にしてたネックレスはどうなったんだろうか?
 あれが無かったらもっと早くに死んでいたかもしれない。


「最後にもう一つ。 俺がこっちに転生した時何か持ってなかった? ネックレスとか」

「いや、何も持っていなかったな。 死んだときの状況が原因なのか、こちらへ形あるものは何も転送できなかったのだ」

「そっか。 まあ死後の世界にお金は持ち込めないって言うしな。 じゃあこれからよろしく頼む」

「ああ。 それと何度も言うようだがここは死後の世界ではないぞ」



 こうして俺は二つのセイを貰い、異世界での新たな生活が始まった。


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