話をまとめると、こういうことだ。
――――高町なのはは魔法少女である。
……おいこら、そこ。ヒトを憐れむような目で見るんじゃない。なに、今さらだって? 抉るぞコノヤロウ。
とにかく、ヤツは魔法少女らしい。テクマクマヤコンとかピーリカピリララとかそういう平和な系統ではなく、我は放つなんちゃらのなんちゃらとかでっかい鎧着てでっかい金属の杖ブン回して〝顕現!〟とか叫ぶような魔法使いよりの、かなり武闘派な魔法少女らしい。聞いたことねぇぞそんな物騒な魔法少女。つーか魔法少女って何だ。いきなりなんだそりゃ。頼むから俺にいつもの日常を返してプリーズオーマイガッ!
…………しかしながら。
誠に遺憾なことに――――誠に遺憾なことにっ! 彼奴の兄である高町恭也鬼ー様と、その嫁(将来確定事項らしい)であるすずかちゃん似の御姉様こと月村忍さんが、まるで某竜玉のようなとんでもバトルを繰り広げていた高町を見たらしい。というか、そのバトル云々よりも、俺としては鬼ー様がどうやって嫁を獲得したのか興味しんしんでならない。今度命を捨てる覚悟でその秘儀を乞おう。
まぁ、二人の発言に疑いの余地はないし、実際に目の前でその〝変身〟を見せられた以上、〝高町なのは=魔法少女〟という図式はもはや事実と受け止めざるを得ないのだが、こうも非現実的な事が続き過ぎると感覚がマヒすると言うのは本当だな。ファッキンゴッド死にたまふれ。
ただ、高町の奴が魔法少女になったのはごく最近のことであり、ユーノ曰く高町の魔法使いとしての錬度は初心者中の初心者らしい。ただし、まるで人間とサイヤ人の間に生まれた息子のように、アホみたいなポテンシャルを持った、百年に一人と言っていいくらいの逸材だとのこと。なんだそのチート。俺によこせよ。いやさ分けてくれよぅっ!(心の中で号泣しております)
…………既にこの辺で色々とナニかを疑いたくなるんだが、黙って話を進めよう。
そして、先程俺に今世紀最大の衝撃を与えてくれた存在であるフェレットのユーノ。彼(?)曰く、高町の奴がそんな凶悪極まりない存在になってしまったのは彼の所為であり、そして彼がこの世界にやってきたのは、偶然の事故から持ち込まれてしまった21個の〝石〟を回収するためだと言う。
その石こそが、今現在ユーノと高町が探し求める古代に失われし超技術の結晶〝ジュエルシード〟で、今日のブルーデビルといい、昨日今日におけるバニングスさんところの小熊がおかしかったことといい、どうやら全てそれが原因だったとのこと。
……早い話が、後者は俺の所為だったってことだ。
俺が先日拾った青い宝石。まさにそれがジュエルシードで、そうとは知らずに俺がゴールドヘアードオークに渡してしまったばっかりに、あんな珍妙奇天烈極まりない事態に陥ってしまったのである。なんという運命の悪戯だろう。
ただ、そこら辺はグレムリン・バイオレンスのやつがうまくごまかしてくれたので、直接的には俺の所為だとばれた訳ではない。すなわち、俺はこの凶暴な小熊にでかすぎる借りを一つ作ってしまったのだ。あぁ、これから先の人生が地獄で彩られていくようだ……っ!
ともあれ、そういうわけで、原因がわかったらあとは簡単。高町によって原因の石の活動を封印したことで、今日まで続いた〝アリサお嬢様化事件〟は、俺の預かり知らぬところで終わりを迎えていて、実に後味の悪いエンディングを聞かされている俺は、思わず眉間に皺を寄せてしまった。
……俺の所為で別世界の〝アリサ〟に迷惑をかけてしまったというのに、謝罪一つまともにできなかった。それは、結構な負い目となって俺の中で残っている。
そのあたりに関する俺の心持や感想は色々あるので、今は割愛だ。
とにかく、そういうわけで今現在、アリサ・バニングスは元のツンデレ暴力幼女に戻っているし、今日のカリビアンベイにおけるブルーデビルについても、その魔法とやらで方が付いているのだった。
ただし……ブルーデビルの件に関しては少し特殊である。
高町が封印(?)をしたのではなく、途中から割り込んできた第三者に掻っ攫われてしまったというのだ。
ユーノの知らない、しかし同じ系統の魔法を使う少女が現れ、高町より手際よくブルーデビルをしとめて、ジュエルシードを回収してしまったらしい。
そして、海鳴一帯に散らばったらしいジュエルシードは、全部で二一個。そのうちの四つを高町が確保していて、最低でも一つがそのライバルの魔法少女の元にある。
シード一つ回収するのに、あんな化け物を相手にしなきゃいけないというのに、手練の魔法使いまで相手にしなきゃいけないとなると、駆けだし魔法少女である高町一人の手には余る事態だ。
できるならば、そんな高町を助けて欲しい。具体的には、一緒にジュエルシードを探してほしいというのが、最終的なユーノの御願いだった。
結果なんて言うまでもないだろう。
みんな、高町のことは大切に思ってるし、特に鬼ー様と忍さん、美由希さんあたりはノリノリだ。
すずかちゃんやグレムリンガールにしたって、やる気満々だし、これで俺が嫌というわけにはいくまい。
ちなみに、すずかちゃんのおっさんはというと、なんでか渋い顔をしつつも「ここら一帯はツキムラの管轄だ。治安維持は一族の仕事の内でもある」とか言って応援していた気がする。手伝ったりする気はないようで、本当は何を考えているのかさっぱりなお人パート2だ。ちなみにパート1はもちろんのこと高町恭也鬼ー様である。
とにかく、そういうわけで、満場一致で高町の手伝いをすることが決まったのだった。
……ちなみに。
なんでカリビアンベイに鬼ー様と忍さんがいたかというと、すずかちゃんの連絡を受けて、じゃぁ自分達も、というなんだかよくわからないノリで大学をサボってきてたらしい。
実は、密かにその理由を聞いてお互いに親近感を覚えたのは内緒だ。中々ノリがイイねーちゃんのようで非常に好感が持てるネ。さっすがすずかちゃんのおねーさん!
俺はすずかちゃんが好きだ!
「にしても、高町が魔法少女ねぇ~……」
「うぅ、なんだかほんだくんに言われるとすごくはずかしいのですが」
「……どう思うよ、イラックマ?」
「誰がイラックマよ誰が! まったく……〝あっち〟のアンタとは大違いよね、ホント」
「ん? おいこらちょっと待て。まるでその言い方じゃ、向こうの俺がすごく優しかったみたいな言い方じゃねぇか」
「そーよ。そりゃもう私がむしろドン引きするくらいに優しかったんだから。私が『近寄るな馬鹿犬!』って言ったら、ほとんど泣きそうな顔しながら『悩みがあるなら、相談してくれよ?』とか言うんだもん。人生で一番びっくりした、って言っても過言じゃないわね」
「うげっ……勘弁してくれ。なんだその精神的罰ゲーム。冗談じゃねぇぞコノヤロウ」
俺がこのゴールデン・イラックマにそんな台詞を吐いている姿を想像してみて、背筋に蕁麻疹が起きた。ありえねぇ。
「あ、ちなみにすずかは私のポジションだったわよ。気の強いすずかっていうのも新鮮で楽しかったなぁ」
「気の強い私って……アリサちゃんみたいな?」
「そうそう♪ すずかがこう、目を釣り上げて『べ、別にそういう意味じゃないんだからねっ!』とか言ってきたときは、さすがに私もびっくりしたわ」
「にゃはは……まんまアリサちゃんだよね、それ」
「うぅ、なんだか恥ずかしいよ」
なんというツンデレすずかちゃん。ちょっと本気で見たかった気がしないでもない。しかし黒高町、てめーはダメだ。
照れ照れと、頬を朱色に染めてもじもじするすずかちゃんは、間違いなく世界で一番可愛らしい。ぬこなんて目じゃないねっ!
「あ、ちなみになのははすごい無口だった。こう、黒魔術でもやってそうな感じで」
「く、黒魔術っ!?」
「ソレはアレか。こっちで魔法少女やってる弊害なのか」
「や、やだよぅそんなのっ! ほんだくんのばかっ!」
「なんで俺の所為になるっ!?」
なぜか知らんが、高町のヤツに八つ当たりされた。ならばとこちらも頬をひっぱってやる。餅みたいにうにょーんっと伸びて楽しい楽しい。当然、二秒と立たずにロリポップにはたかれて中断せざるを得なかったが。
今現在俺達は月村邸がすずかちゃんの部屋のバルコニーにいた。
話し合い自体は既に終わり、その後の俺による謝罪会見も無事つつがなく終了。
今日はもう遅いので、すずかちゃんの家に泊めてもらうと言う、もうナニ俺明日死んじゃうのかしら?と思いたくなるような幸運に見舞われている。
最初は、こっちに来ていた〝向こうのアリサ〟の話をしていたのだが、たった二日とは言え、それでも俺らとアイツは間違いなく親友をやっていたんだ。そんなやつとの別れが、寂しくないわけがない。だから、湿っぽくなる雰囲気だったので俺が無理やり話題を変更した。
アイツについての話は、後でライムガールと二人っきりで話そうと思っている。この中で、俺だけ挨拶できなかったからな。
「はは……俺、週末生きてるかな」
「殺したって死にそうにない奴が何言ってんのよ」
「ひでぇ言い草だ。俺だって人間なんだから、死ぬときゃ死ぬぞ? 今日なんか、何度そんな気分を味わったことか」
「うん、そうだね……本田君、命がけで私のこと守ってくれたんだもんね」
「いや、そんな大層なもんじゃないって! 単に、アレに巻き込んだのは俺のせいみたいなもんだし、月村さんを守るのはむしろ当然の義務だったから!」
「それでも、ありがとう。私、すごくうれしいよ」
にっこり――――いや、はんなりと微笑むすずかちゃんの笑顔に、俺はそのまま気絶しかねないほど舞い上がった。
わたわたと手を振り回して「そ、そんな気にしなくていいから! ていうか悪いの俺だし、むしろ謝るのは俺の方っ!」なんてしどろもどろに返すのが精一杯だ。
隣でナノハムとゴールディッシュ・グレムリンがくすくす笑っているのが気に障るが、ここはぐっと我慢。大人の器ですよ奥さん。
―――ドスゥン……。
そして〝また〟響き渡る地響きの音。もはや数えるのすら馬鹿らしくなるくらい聞こえていたその騒音に、俺はとうとう我慢できずにげんなりと溜息をついた。
「ところでさ、ばあさんや」
「なんですかい、じいさんや」
「月村邸の庭は、いつから人外バトル頂上決戦の場所になったんかのう?」
「それはもちろん、そのお家の方にお聞きしたらよろしいのではなくて?」
「あ、アリサちゃん、なんだか、帰ってきてからすごくノリノリだよね……うにゃっ!?」
「冗談はアンタの魔法だけにしなさいよね。だぁーれがこんな奴と」
「だ、だからって空手チョップはないとおもうの……」
「あはは……」
視界の端で、樹齢四十数年はありそうな大木が、まるでマッチ棒のように折れていた。
同時に鼓膜を震わす激音。ガサガサガサ、と木の葉があちこちに引っ掛かってかすれる音が夜の静寂を引き裂き、次の瞬間には、遥か十数メートル向こうで同じようなことが繰り返される。
眼下に目を向けると、忍さんと美由紀さんが腕を組んで森に向かって目を凝らしていて、その後ろの方ではメイドさん方がなにやらやっているようだ。
――――早い話が、鬼ー様VSおっさんによる、無制限一本勝負である。
一連の事件の暴露話が終わった後、カリビアンベイでの鬼ー様の活躍っぷりを聞いたおっさんが「高町恭也、と言ったかな? よろしければ、是非手合わせを願いたいのだが」と零したのがきっかけだった。
最初は渋っていた鬼ー様だったが、そんな態度をみたおっさんの「ふむ。では、ツキムラとの婚約は解消だな。仮にも私の末裔を、君のような腑抜けに預けるわけにはいかん」とかなんとか挑発をしだして、おうおうならばやったろうじゃねぇの的殺気をむんむんまき散らしながら二人してイントゥーザフォレストなわけです。ヘルオアヘブンなのです。意味わからんぞバトルジャンキー。
そんなことを考えている間にも、再び地響き。
ここがいくら住宅街の外れとは言え、いくらなんでもご近所迷惑どころか地域迷惑のレベルに達しているんじゃないでしょうか。つーか今夜中だぞ。なにしてんだいい年こいた大人の二人!?
「おー、そうだよ高町。お前、自分の鬼ー様に技教えてもらえばいいんじゃね? そうすりゃ、そのライバルなんざけちょんけちょんだろ」
「む、むりだようっ! だいたい、そんなこと言うならほんだくんがやってみればいいの! お兄ちゃんとお姉ちゃん、それにお父さんもすっごく厳しいんだから!」
「むぅ…………今こそトラウマを克服する時なのか…………っ!」
「え? なに、アンタマジで教えてもらうつもりなの?」
「そりゃ、まぁ俺だって男の子ですよ? 強さへの憧れってのは当然あるわけでして――――まぁ、あんな人外じみた領域にまでは行きたいとは思わないけどさ。つーかそれ以前に、俺が鬼ー様と一緒に道場に入れるかどうかからなんだけどな」
「そこからなのっ!?」
ついでに、高町の奴が鬼ー様並みの身体能力を持った場合を想像してみて、俺は自分のうかつさに顔を若干青くした。
いかん。今、俺は非常にとりかえしのつかない――――いや、軽率極まりないことをしでかしてしまったような気がする。
そしてその予感は、ふと隣で真剣なまなざしで鬼ー様VSおっさんの様子を眺める高町の姿を見て、嫌なくらいの確信に変わっていった。
「うー……でも私、本当に習ってみようかなぁ」
「あれ……? もしかして俺、なんか立てちゃいけないフラグ立てちゃったりしでかしちゃったり?」
「んなもんいつものことでしょ、アンタは」
「……耳が痛すぎてもげそうです」
金髪幼女の言葉が俺のピュアでガラスなハートを容赦なくえぐり取る。
こいつの身に起きた事件の原因が俺にあるだけに、いつものように強く言えなくなってしまったことが、俺と彼奴のパワーバランスがひっくり返っていることを如実に語っていた。
しかしながら、〝強くなりたい〟と思っているのは割と本気のことだ。
今回の件で自分の弱さを痛感したのもそうだし、おっさんが何気なく言っていた「腑抜けに預けるわけにはいかん」という言葉が物凄くひっかかったからでもある。
もしかしたら、単純に挑発のつもりで言ったのかもしれないけれど、割と本気でそんなことを言ってるようにも見えたから、「ただの冗談かも」なんて、そんな希望的観測は持つだけ悲惨と言うものだ。
俺個人のプライドの問題的にも、将来の備え的な意味でも、高町のお父さんが教えているという〝御神流〟を教わるのは悪くない手段だと思う。
そのためにはまず、俺自身がトラウマを克服しなけりゃならんと言う、さながらK2の如く高くそびえる壁が存在するのだが。
………………………でもま、うん。なんとかなるでしょ。なるなる。…………なるよね?
でも目指せ! 打倒、高町恭也! 当たって砕けろ、ダンディなおっさん! 月村すずかは俺の嫁っ!
「でもまぁ、今はあくまでも〝強くなりたいなぁ〟って感じだから、本気で習いたいとは思ってないなぁ~」
「そっかぁ……」
「ま、教わったって一日二日で強くなれるもんでもないしね。お前が強くなりたいなら、まずはどんな魔法があるかを理解するところからなんじゃねーの?」
「うにゃ? うーん……? そうなのかな?」
「お前とユーノの話を聞いてると、どうにも魔法ってのは〝術式構築〟と〝使用効率〟が大事っぽいじゃん。ようは、どんだけ上手に魔法が使えるようになるか、ってことだろ?」
「うぅ、それはわかってるんだけど、イメージがあまりつかめないの」
「アレだよ、MP馬鹿食いする大威力乱発するより、MP消費少ない初期魔法でちまちま削りつつ、隙を見てしびれさせたりマヒさせたり。でとどめにでかいの乱発とかさ。そういう戦法考える上でも、手持ちの武器に何があるかは確認しないといけないじゃんか。もしくは、うちらがゲームでやるやり方まねるのもアリかもな」
「あ、そっか。うん、それならすごくわかりやすいね!」
「……アンタにしてはまともな事言うわね」
「でも、本田君の言うとおりかも。体を強くできないなら、技を強くするっていうのは間違ってないと思うよ。それに、魔法もうまく使えるようになれば、レベルが違っても勝てるかもしれない」
「アリサちゃん、すずかちゃん……うん、私、魔法をもっと勉強する!」
「私達も、できることがあれば手伝うからね?」
「そうそう。遠慮なんかしないで、どーんと頼りなさい」
「うん、うん! ありがとう、二人とも!」
おー、なんか俺様いつの間にか蚊帳の外。
しかし見目麗しい少女三人の友情劇を眺めるのも悪くはない。俺が無理やり割って入るのは、無粋以外の何物でもないだろう。
ちなみに、高町のペットであるユーノは今、忍さんと一緒にいる美由希さんが連れている。どーやら、ユーノは美由希さんのお気に入りらしい。
同時に、鬼ー様VSおっさんによる人外バトルも決着がついたようだった。
鈍い地響きと共に、一際盛大な轟音が空を貫く。
一体どっちが勝ったのか、と身を乗り出せば――――涼しい顔をしたおっさんが、結構な具合にボロボロになりかけている鬼ー様に肩を貸しながら現れた。
考えるまでもないが、どうやらおっさんが勝ったらしい。
……ってちょいまて。鬼ー様でも勝てないって、どんだけ化け物なんだおっさん。本気で泣くぞ俺。
「お、お兄ちゃんが負けた!?」
「……確か、恭也さんてすごい強かったわよね。すずか、アンタの叔父様ってどんだけ強いのよ?」
「あ、あはは…………私もびっくり」
「俺の未来は絶望に包まれていることが発覚した。割と真面目に死にたいと思う今日この頃DEATH」
「あわわ、お兄ちゃん大丈夫かな!? 私、様子見てくる!」
「あ、待ちなさいよなのは! 私も行く!」
「ほら、本田君も行こう!」
「ほぁ!? お、俺も!?」
「四の五の言わず、きなさいってのっ!」
「うひゃ~!」
ロリポップが、戸惑う俺の手を引っ張って廊下へと引っ張り出す。
本当に俺、こんな受難続きで将来生きていられるだろうか。
それよりなにより、すずかちゃんを嫁にする際の最後の砦がおっさんって…………。
――――こうなったら、しのごの言ってられん。
ぱたぱたと、全員が階下に下りていくのに続きながら、俺は秘かに心の中で決意を固めた。
☆
怪我だらけの鬼ー様と忍さんが部屋にこもった後、俺はパツ金ジャリサと一緒に廊下を歩いていた。
何のことはない。トイレがどこか分からないから案内してもらっているのである。
なんですずかちゃんに頼まなかったかって?
こんな恥ずかしいこと、すずかちゃんに頼めるかっ!
「まったく……なんで私がアンタを案内しなきゃなんないのよ」
「うっせ。俺だって好き好んでお前に頼んでるわけじゃねぇよ。一応、話したいこともあったんだ」
「…………〝向こう〟の私のことでしょ、どーせ」
「わかってンなら一々茶化すなよ。結構、真面目なんだぞ」
「……ふん」
なんで怒ってるのかわからんが、ともあれこいつを連れ出した本当の意味はそれもある。
俺は、前を行くアリサを呼びとめて立ち止まると、腰を九十度曲げて謝った。
「今回は、ホントにゴメン。俺の所為で、すげぇ迷惑かけた」
「…………は!? ちょ、ちょっと待ちなさいこの馬鹿っ!」
「なんだよ、俺の本気の謝罪なんてめったにないぞ。こんなサービス、めったにないんだからねっ!」
「キモっ」
「ひでぇ!?」
今のは割と本気で傷つきましたママン。
「――――別に、気にしなくていいわよ。きっと、向こうの私もそう思ってるから」
「なんでわかるんだよ。まさか、テレパシーで繋がってたりとかするのか?」
「んなわけないでしょ。ただの勘よ、勘。そもそも、私とおんなじなんだから、私がわからないはずがないじゃない」
「むぅ? いや、そのりくつはおかしい」
「なんでよ! あーもう、いいからそういうことにしとくのっ! 大体、私が良いって言ってんだから、アンタもいつまでもウジウジ言ってんじゃないわよ情けないわね!」
「八つ当たりされた!? いや、確かに怒られるようなことはしたが、今そういう流れだったか?!」
「うっさい黙れShut Up!! 別にアンタのことを気遣ってるわけじゃないんだし、お互いさまでいいでしょ!」
「なんちゅー横暴な」
「そ・れ・に!」
一歩パツ金幼女が前に出ると、俺に向かって振り返りながら、その綺麗な白い手を腰に当てて憤慨したように言った。
「アンタね、私のこと気にするより、すずかの方を気にしなさい!」
「なっ……なな、なにをいきなりっ!?」
「まったく、せっかくこんなチャンスが来てるのに、アンタってばまるっきりヘタレ丸出しなんだもん。見てるこっちがじれったいわよ」
「ちょ、ちょーっとまてぇえええいそこなロリポォオオオップ!!?! ソレはアレか? やっぱり全部が全部ピーピングトムられてやがったりするのか!?」
「当り前でしょ。アンタがすずかにホの字なんて、とっくの昔にクラス中のみんなが知ってるわよ。気付いてないのはすずかとアンタ、あとなのはだけね」
「ワッツァワンダフルワールド!! 略してワールド3!!」
そのまま頭を抱えて悶え転げ回りたい衝動に駆られるが、なんとか人としての尊厳を保つためにも必死に我慢。
一気に顔の表面温度が上昇するのがわかる。ぽっぽと顔が火照り、恥ずかしさで一杯になった感情が暴走するように動悸を誘発する。
なんということだ、我が国家機密がこうも簡単に漏えいしているとは……っ!
ええい、諜報部は何をやっていた! すみません! 「忘れたのか? 俺はポーカーフェイスが得意なんだぜ?」なんて思いあがってましたっ!
「……俺、そんなに態度に出てた?」
「そりゃそうよ。アレだけすずかを意識してたらすぐわかるわ。まぁ、クラスのみんなに言いふらしたのは私だけど」
「うぉおおおおおい!? 何してくれやがってるんですかァアアア!?」
「うっさいわねー……いいじゃない別に。その方が面白いし♪」
「可愛らしく言って許されると思ったら大間違いだぞこのジャリガールっ!」
それまで催していたことなどすっかり忘れて、俺は世界の残酷さにその場で慟哭した。
おお神よ、俺が一体何をしたというのですか! いやしたけど!
でもでも、これはその仕打ちにしては酷すぎるっ!
天敵にでかすぎる借りを作った挙句、こんな俺のアキレス腱を握られるなど――――俺はそれほど酷いことをしたというのですかっ!?
つーかそもそもこの世界に転生させてる時点で俺はアンタが大っ嫌いだけどな! ふん!
「何が望みだ! 金なんかないぞ! あと俺のコレクションは絶対にあげないからなっ!」
「いらないわよあんなガラクタ」
「がっ……!? 貴様ぁ、言うに事欠いて俺様の魂を込めた作品/子供達をガラクタ呼ばわりしやがったな!?」
「ホント、なんで男ってああいう玩具に夢中になれるのかしら……。私には理解できないわ」
「されたら土下座して嫁に欲しいくらいだな」
「ばーか。……うーん、でもそうねぇ。考えてみれば、私アンタからは迷惑こうむりっぱなしだし、無償で協力してあげるのもなんか馬鹿らしいわね」
「いかん。これは余計なフラグをまたしても立ててしまったオチだろうか。俺の渾名が墓穴掘り人形になりそう」
真剣に自分は呪われているんじゃないかと疑いたくなる。なんでこうも藪を突いてアナコンダを出すような真似を繰り返しているのだろうか。
恐ろしいのは、酷く真面目な思案顔で、真剣に俺への要求を考えている金髪幼女の横顔だ。こやつなら、全裸でラーメンレボリューション踊れとか言いかねない。ふんどし姿でならやってもいいかも知れんが。
しかし、そうやって悩んだのも数秒。そして、要求された内容も、実に意外なものだった。
「――――アンタって、私の名前を呼ぶ時いつも変な呼び方するわよね」
「そりゃそうだろ。なんで天敵のヤツの名前を呼ばにゃならんのだ」
「んじゃこれからソレ禁止ね。私には〝アリサ・バニングス〟っていう立派な名前があるんだから。これからはきちんと〝アリサ〟って呼びなさい。私もアンタのこと、時彦って呼ぶし」
「……あれ? なんかふつーだ。ふつーすぎて肩すかし砲食らった気分だ」
「なんかすごく嫌な秘密道具ねそれ」
「だって、てっきり全裸でラーメンレボリューション踊れとか言われるかと思ったから」
「……今度罰ゲームでやらせてあげましょうか?」
「姫殿下のご用命とあらば喜んでご尊名をお呼びさせていただきますっ!」
「うん、よろしい♪」
くっ……(小)悪魔のような満面の笑みを浮かべて勝ち誇りやがってっ!
いつかその顔を恥と悔しさで真っ赤に染めてやるっ。
「だが、変な手出しはするなよ。お前、月村さんにも土曜に図書館行くように勧めたんだってな?」
「あら、良いじゃない別にそのぐらいなら。むしろ、そのぐらいしないと、アンタ達の仲は全然縮まらなさそうなんだもん」
「余計な御世話だぞコノヤロウ」
「のわりには、随分嬉しそうだけど?」
「ば、ばばばーかっ! だれがっ!」
「あはは♪ それじゃ、さっさと済ませてきなさいよ! まだ一回ぶっ飛ばし足りないんだから」
「ふん、俺様のドンキーで返り討ちにしてくれる」
いつの間にか到着していたトイレ。その前で、俺の首に手綱と言う名の絞首紐をくくりつけた金髪幼女が宣戦布告をしてきた。
どうやらくる直前のゲームで、俺様のドンキーに抱えられてカミカゼされたのをよほど根に持っているらしい。
最後に強気な台詞を残していくあたりは、やはりアイツらしいというかなんというか……。
「ホントに…………余計な御世話だよちくしょう」
正直、やり辛くなったのは間違いない。なにせ、今までは生意気なジャリ幼女としか見てなかったのに、俺の大ポカを軽く流してくれて、しかもすずかちゃんとの仲も取り持ってくれるなどと言ってくれているのだから、頭が上がらないどころの話じゃない。
だというのに、それを鼻にかけるわけでもなく、全然気にしてない風にああも言ってくれるのは――――俺には、勿体なさすぎる〝親友〟だ。
正直、そんじょそこらの大人よりも全然大人だ。人間が出来ていると言ってもいい。
恐らく、一度の人生であんなに〝イイ女〟に出会える回数なんて、それこそ片手の指を満たすか満たさないくらいに少ない。いや、もしかしたら出会えない可能性だってある。
そう考えると、前世でも今世でもそういう〝イイ女〟に出会えた俺は、中々に運がいいのかもしれないな。まぁこうやって転生している時点でアレなんだが。逆にアレすぎて他の事に対する運が軒並み下がってるかもしれないことのほうが否定できない。
…………まぁ、つまり、だ。
「べ、別に借りを作ったなんておもってないんだからねっ!」
誰もいない廊下にそんなことをのたまいながら、俺は月村邸のトイレのドアを明けた。いつか、今借りは必ず返してやるっ!
そして、あまりにも次元の違う〝本物のトイレ〟というものを見て、俺は世界の広さを知ったのだった。
☆
トイレ革命というコンランノキワミから脱した俺は、ついでに喉が渇いたので水でも貰おうと、月村邸の食堂へと無謀な冒険に挑戦していた。
イコール。
「…………むぅ、迷った」
廊下に灯る明かりは最小限で、ただでさえだだっ広い廊下が不気味にライトアップされている。
もう少し俺に風情とかが理解できれば、この仄明るく照らし出された廊下の壁や、やんわりと浮かび上がる天井の絵に優美さを感じるのかもしれないが
、生憎そっち方面に興味はないので、今は単純にこの薄暗さが不気味にしか感じられなかった。
早い話が、ここがどこだかわかりませぬ。
「っかしぃなぁ~……たしか、こっち側がリビング(?)だったから、その向こうに厨房があった気がするんだけど……」
人間、ノリと冒険心だけで行動するとロクな目に遭わない、という実にわかりやすい実例です。てへ☆
「いかん。携帯も置いてきたし、この時間帯に大声で助けを求めるなど、俺の矜持を砕いてあまりある……っ! これは万策尽きたか……」
恥も外聞も捨てる、というのは本当にどうにもならなくなった時だけにしか許されない最終奥義だ。俺はまだ恥も外聞も惜しい。今更だろって? やかましいわっ!
……まずは落ち着こう。
そう、こういうときは焦らず落ち着いてじっくりと冷静に的確に現状把握に勤めるべし。前世のマイラバーはいつも言っていた。〝常に冷静でありながらホットな人間だけが生き残る〟と。ヤツの矛盾極まりないご高説にはいつも頭を捻らざるを得なかったが、今はその言葉の奥に秘められた意味が実によくわかる。裏を返すと、それだけピンチな状況をくぐり抜けてきたからなんだが、今は置いておこう。
さて、まずは現在地だ。
先程のトイレから数分程度の距離にあり、そして高町の暴露話があったリビングから二部屋程離れたところの廊下である。
月村邸がどういう作りになっているかはさっぱりだが、リビングがあるのが2階。すずかちゃんの部屋が3階。そして、食堂は一階だ。
なんとか階段を探して降りたはいいが、どうやらメインホールではない所の階段から下りてしまったせいで、なんだか余計な遠回りをせざるを得ない状況に陥っている気がする。するだけだもん! 絶対そんなことないもん!
……ええい、面倒だ。とりあえず片っ端から部屋をノックして回ろう。
無理やり自分を納得させるために、半ばこじつけのようにしてそう行動指針を固めた俺は、とりあえず廊下の左端の方から攻めることにした。
「あれ、本田君じゃない」
「ほにゃらはっはー!?」
「あはは、何その驚きかた♪」
心臓がマジで止まった気がした。言葉によるハートブレイク攻撃がこの世に存在するとは思いもしませんでした。
顔面蒼白になりながら慌てて声のした方に振り向くと、そこにはメガネを外した湯上り姿の美由希さんがいらっしゃった。
薄闇の中でもわかる、水に濡れた艶やかな黒髪をタオルで覆いながら、ニコニコと笑みを浮かべてこっちに近づいてくる。
幽霊や物の怪の類でないことがわかって、俺はほっと溜息をついた。あぁもう、なんで高町の兄姉はこうも心臓に悪い登場の仕方をするのだろうか。軽いイジメだぞコレ。
「み、美由希さんじゃないっすか。びっくりした、もう喉から肝臓が飛び出るくらいびっくりしたっ! 謝罪と賠償を要求するっ!」
「ごめんごめん。驚かせちゃった?」
「そりゃもう。気配もなくこの薄闇の中、背後で急に声をかけられたら誰だってビビりますがな」
「うーん、気配殺しちゃうのは癖みたいなものだからねぇ、あはは」
「癖で済ませる高町家、マヂパネェっす」
「本田君も習ってみる?」
「謹んでご辞退申し上げます」
「ありゃ、残念」
対して残念そうでもないのに、わざわざ舌を出しておどけて見せる美由希おねーさま。いやー、やっぱノリが良くていいなぁ。
鬼ー様もそれなりにノリはいいんだが、いかんせん悪乗りが過ぎるところがある。おかげで〝あの時〟は…………うぅ……っ! 頑張った、本当によく頑張った俺っ! よくあの地獄のシゴキから生き延びたっ!!
「ガクガクブルブル」
「あちゃー、トラウマ思いださせちゃった」
「なしてっ………なして鬼ー様はあんなに目をキラキラさせてうちをおいかけるんっ!? うちがなにしたっていうんやっ!!」
「おーよしよし。だいじょうぶだよー、恭ちゃんはここにいないからねー」
フラッシュバックが俺の脳髄を掻きまわす。
今や笑う鬼となって俺を嬉々として追いかける鬼ー様の姿が、まるで立体映像の如く目の前で再現されていた時、美由希さんがむんずと俺の顔を両手で挟んだ。
そのままぐにぐにぐに。ぽんぽんと優しく頬を叩かれて、俺は正気にかえる。
「はっ!?」
「よしよし、我に返ったみたいだね。ごめんねー、嫌な事思いださせちゃって。ほら、涙拭いて」
「な、泣いてないっ! 本田君、泣いてないもんねっ!」
「あはは、そんな目をぐしぐし擦って言っても説得力無いよ」
「悪いのは全部鬼ー様だ! 俺は悪くない! 鬼ー様がやれっていったからっ!」
「うーん、まぁ恭ちゃんも子供みたいなところあるから」
苦笑しながらぽんぽんと俺を撫でる美由希さんは、まるで〝しょうがないお兄ちゃんだよねー〟とでも言いたげな感じで鬼ー様をフォローしていた。
いやまぁ、確かに悪い人じゃないし、あの時だってちょっと悪乗りしただけだってのはわかってる。わかってるからこそ、俺にはあの純真な好奇心で俺を試そうとしていた高町恭也という人間が恐ろしいのだ。
まるで俺の限界を超えた先が見たいとでも言いたげなあの瞳。繰り出される竹刀。変貌する世界。俺を襲う凶風。あぁ……思いだしただけでも恐ろしい!
「それより、こんなところでどうしたの? お風呂ならさっき入ったでしょ?」
「あぁ……そうか、ここお風呂だったんだ」
そう言えばと周囲を見回してみて、薄明かりに照らされている廊下の様子が記憶の箪笥から掘り起こされたソレとマッチする。夕食をごちそうになった後、鬼ー様と一緒に入るなどゴメンだという恐怖心故に速攻で入って出たから、あまり記憶に残っていなかった。
「いえ、実は喉が渇いたんで水でも飲みたいなーって食堂を探してたんですけど……」
「なるほど、それで迷っちゃったんだ。ふふ、でも本田君、飲み物が欲しいなら部屋でファリンに頼めば良かったのに」
「いっ!? いやいや、それはちょっと申し訳ないっすよ! たかだか飲み物一つのために人をこき使うとか、何様だよって思うじゃないですか!」
「逆に、こうして屋敷内で迷われた方が、ファリンは困ると思うんだけどなー、お姉さん」
「うぐむっ……」
痛いところを突かれた。にやにやと意地悪気に笑う美由希さんの言う事はまさに正論だ。さらに言うならば、今ここに至るまで、その方法を思いつかなかった。
仕方ない……ここは大人しく部屋まで連れてってもらうとしよう。飲み物はそのあとだ。
「さて、おねーさんもそろそろ戻って寝ようと思うんだけどー……一緒に寝る?」
「へいタクシー!すずかちゃんの部屋まで頼むぜっ!」
「ちえ~、残念♪」
全然残念そうじゃない笑みで、美由希さんは俺の手を引いて歩きだした。
その途中で聞いたことだが、どうやらこんな遅くまで自己鍛錬をしていたらしい。しかも、その相手がおっさんだというから驚きだ。
鬼ー様とあれだけやらかしておいて、まだ美由希さんに付き合う余力があるとか――――マジでオッサン強すぎだろ。
しかも、美由希さん曰く〝私じゃ、200年は修業しないと五分にも持ち込めないね。すごく強いよ〟だそうで。
……さて、将来すずかちゃんを頂くためには、その色々と人の規格外なおっさんという壁を乗り越えなければならないのだが。
――――なんで俺の周りには、こうもいろんな意味で人並み外れた人間しかいないのだろうか。
神様は、きっと俺がヤツを嫌いなのと同じくらい、俺のことが嫌いに違いない。でなければこんなにもアブノーマルな日常が俺を囲んでいるはずがないのだから。
結局、俺の人生の先には強大過ぎてもうどうしていいかわからないような壁が立ちふさがっていることが認識できただけで、なんの解決策も思い浮かばなかった。こうなった以上、もはやなるようになれと開き直るしかあるまい。えへん。
内心でそんなことを考えながら、俺と美由希さんは廊下を歩きながら「本田君さ、結構筋がい言って恭ちゃんが褒めてたんだから本当に習ってみない?」「マジ勘弁してください。まだこの歳で死にたくないです」「大丈夫だよ。なんか、本田君て殺しても死にそうにない、ってアリサちゃんが言ってたし」「俺、もはや人外扱いっ!?」「君も私のこと人外扱いするじゃない。お互い様だと思うんだけど?」「いやいや、一瞬で人の背後に回ったり、壁を通り越して向こうの藁を破裂させたり、20メートルも先に立てた一円玉を飛針で打ち抜いたりなんて、普通の人間にはできません」「修行すれば本田君もできるようになるって」「嫌だぁあああ!」なんて他愛のない話題を、すずかちゃんの部屋に突くまで続けたのだった。
追伸。
美由希さんの手は、意外におっきくて、そしてすごく手の平がかたかったです。がくぶるがくぶる。
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ようやくプロローグらへんが終わり。
次からはマキマキでいきたいな。
*1恭也の性格
前回の更新時に、ちょっとアレだったので大幅に設定変更。関連イベントも結構削除しました。まぁ出番減るけど問題ないよね。むしろいらななかったからよかったのかも。
*2本田とアリサ
小学生同士の呼びあい方なんてこんなノリです。経験者は語る。あの程度ではまだまだ蔑称レベルには。
ついでに本田のセンスの無さは筆者のセンスの無さです。
*3本田視点
本田が考えていること全部が全部〝真実とは限らない〟