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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第四話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/17 13:53

第四話 事情説明






俺は、アニメでなのは達が逃げたであろう公園まで来ていた。

気付けば、なのはをかなり引き離していたらしく、振り向くと息を切らせながら必死に走ってくるなのはの姿。

そういえば、なのはって運動音痴だったけ。

「ぜはーっ!・・・・・ぜはーっ!・・・・・り、利村君・・・・・速過ぎるの・・・・・・・」

息を切らせる声からして、限界ギリギリだという事が分かる。

「あはは・・・・・わりぃ、わりぃ・・・・・・」

俺は苦笑しながら謝る。

なのはは、息を整えてこちらを見た。

すると、なのはの顔が、何となく不機嫌になった気がする。

「た、高町・・・・・どうした?」

俺はそう尋ねる。

「り、利村君・・・・・い、何時まで桜お姉ちゃんを抱いたままなのかな?」

そう言うなのはの額には、怒りマークが浮かんでいる気がした。

ああ、大好きなお姉ちゃんを俺みたいな奴に抱かれ続けてりゃ、不機嫌になるのも仕方ないな。

俺はそう判断し、近くのベンチに桜を降ろす。

「ッ!・・・・う・・・・・」

桜はその拍子に声を漏らす。

やはり痛むようだ。

「少しジッとしてろ」

俺はそう言うと、治癒魔法を発動させる。

左手の先にオレンジ色の魔法陣が発生し、魔法陣の光が桜を包む。

怪我は余り酷くなく、1分ほどで殆ど治せた。

「これで大丈夫なはずだ」

俺がそう言うと、桜は身を起こし、怪我をしていた部分を確かめるような動きをして、

「あ、ありがとう・・・・・」

そうお礼を言ってきた。

「どういたしまして」

俺はそう返しておく。

すると、

「桜お姉ちゃん!もう大丈夫なの!?」

なのはが桜に詰め寄った。

「うん。もう大丈夫よ、なのは」

桜は微笑んで答える。

「よかったぁ~」

なのはは安心した表情でそう言った。

すると、2人はこちらを向き、

「そうだ!利村君!さっきのアレは何だったの!?」

なのはがそう叫んだ。

やっぱ聞いてくるよな。

とりあえず、誤魔化せないだろうし・・・・・・

なのははともかく、桜の目が怖いんだよ!

さっさと吐けやゴラァ!的な視線です。

「・・・・・とりあえず、『アレ』の内容を1つずつ質問してくれ」

俺は、そう答えた。

「じゃ、じゃあじゃあ、さっきのドロドロのお化けは何だったの!?」

なのはが一つ目の質問をする。

「さっきのは、ロストロギアに集まった思念体が実体化したもの・・・・・・ロストロギアって言うのは、さっき高町が封印した青い石な。思念体の説明は言ってもわからんだろうから省略する」

俺はそう答える。

「ううっ・・・・それじゃあ、余り説明になってないの・・・・・」

なのははそう漏らす。

仕方ないだろ、魔法を理解して無い奴には説明できねーんだよ。

「2つ目・・・・・貴方は何者?」

突如として、桜が核心を突く質問をしてきた。

「あっ!それ私も気になるの!」

なのはも便乗する。

如何説明したもんか・・・・・・

「ん~・・・・・・なんと言うか・・・・・・数年前からこの街に住んでる異世界から来た魔法使い・・・・って所か?」

とりあえず要点だけを押さえた分かりやすいシンプルな答えを言った。

「ま、魔法使い!?」

なのはが驚く。

「因みに、さっき高町が使った封印も魔法だぞ」

「ええっ!?それじゃあ私、魔法少女になっちゃたの!?」

「まあ、そうなるな。喜べ、主人公。「魔法少女 リリカルなのは」のスタートだ」

「にゃぁああああっ!?なんなのその題名!?」

なのはがアニメタイトルに突っ込む。

「さっき、リリカル・マジカル言ってたのは、何処のどいつだ?」

俺がそう聞くと、

「にゃぁあああああああああああっ!?」

なのはは、恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして叫んだ。

「まあ、とりあえずこれから頑張れ主人公。応援ぐらいはしてやる」

「だからなんで主人公なの!?それに主人公っていうなら、利村君の方が、ずっと凄かったの!」

なのははそう返してくる。

「バカモン。初っ端から最強の主人公など、大部分は駄作の烙印を押されるわ!」

最強物は世間一般には受け入れられにくい。

俺は好きだが。

「そして、俺の立ち位置は、多くの作品で死亡役となっている主人公の近くの強キャラという立ち位置だな」

それは、純然たる事実である!

「にゃぁあああっ!利村君、死ぬなんて駄目なの!」

なのはは、俺の言葉を聞くと必死に叫んだ。

この反応は予想外。

「おい高町。何も今すぐ死ぬって訳でも、100%死ぬってわけでもないから、そんなに取り乱すな」

「にゃ・・・・・」

なのはは、はっとなって落ち着く。

しかし、次に何かに気付いたのか、顔が不機嫌になる。

「どうした?高町」

俺が気になって尋ねると、

「むぅ~~~~、なのはだよ」

突然そんな事を言った。

「は?」

俺が聞き返すと、

「私の事は、なのはって呼んで」

なのははそう言う。

名前で呼べ?

何故に?

「さっきは、なのはって呼んでくれたよね」

「え?」

俺が首を傾げると、

『確かに言いましたね』

ブレイズが肯定する。

「マジ?」

俺が確認を取ると、

『口を滑らせて2回ほど』

アイシクルが補足した。

「うぐ・・・・・・」

俺が、どうしたもんかと悩んでいると。

「確かに、『高町』だけじゃあ私とごっちゃになるわよね」

桜がそんな事を言ってきた。

「じゃあこうしましょ。私のことは「高町」って呼ぶ。なのはのことは、「なのは」って呼ぶ。これでオッケー」

桜は、ニコニコしながらそう言う。

「ちょっと待て!何でそんな結論になる!?」

俺は慌てて待ったをかけた。

「別にいいじゃない。何か問題ある?」

「ある!主に俺の精神面で!」

前世から考えても、家族と親戚以外でロクに女性と関わった事が無い俺にとっては、相当な精神負担である。

「さっきは「なのは」って呼んでたじゃない」

「それは、その時のテンションで、口を滑らしただけだ!」

「ふう・・・・・・ああ言えばこう言う」

桜は、呆れたような口調で言った。

何かそれが癪に障る。

「やかましい!大体なんで名前で呼ばせようとしてるんだよ!?」

少々声を荒げてしまった。

「そんなの、可愛い妹の初恋を成就させようっていう姉心からじゃない」

桜は、何でもないようにそう答えた。

俺は耳を疑う。

「は!?」

「にゃにゃっ!?さ、桜お姉ちゃん!?」

なのはは、顔を真っ赤にして取り乱した。

おい、そういう反応するってことは図星か!?

ありえんだろ!?

大体、きっかけは・・・・・・・・・・あ~・・・・そういえば一年生の時にあったな・・・・・・・あの時にフラグ立ってたのか・・・・・・

俺は思い当たる事があり、少し凹んだ。

そして、先ず始めに確認しなければいけないことは、

「正気か、高町!?」

なのはの精神状態を疑う事だった。

いや、俺に惚れるなんてありえんだろ。

「にゃっ!?利村君、そこは本気か?って聞く所だと思うの!」

なのははそう言ってくるが、

「狂って無ければ、洗脳か!?それとも誰かに脅されているのか!?」

俺は割と本気で尋ねた。

「にゃぁああっ!?洗脳されてる訳でもなければ、脅されてるわけでもないの!」

「ならば、目を覚ませ高町!俺よりいい男など幾らでも・・・・・っていうか、世界の男の9割は俺よりいい男だぞ!」

これは俺の本音である。

「そんなこと無いの!利村君はとっても優しくていい男の子なの!」

「俺は優しいんじゃなくて、臆病なだけだ!」

「それは嘘なの!臆病だったら、さっきは助けに入ってくれなかったの!」

「さっきの奴は確実に俺より弱かったからだ!言うなれば、俺は弱い者いじめをしただけだ!俺より強かったら、絶対に逃げてる!」

「それでも助けてくれた事には変わりないの!」

なのははしつこく食い下がる。

『なのはの言うとおりです!マスターは自分を過小評価しすぎです!』

『それにマスターは、強い敵に会ったとしても、助けを求められたら立ち向かうタイプです!自分1人なら、言うとおり逃げるでしょうけど・・・・・・・』

なのはの言葉にブレイズとアイシクルが同意した。

「お前らは俺を過大評価しすぎだ!」

『いいえ、今までのマスターの行動を統計した上での、適切な評価です』

俺たちが言い合っていると、

「にゃぁああっ!?ペンダントが喋ってる!?」

なのはが俺の首にかかっているブレイズとアイシクルを見て驚いた。

今頃気付いたのか?

「り、利村君!何でペンダントが喋ってるの!?」

なのはが尋ねてくる。

「こいつらは俺のデバイス。さっきなのはが使ったレイジングハートと一緒だな」

『初めまして。なのは、桜、私はマスターの相棒のブレイズといいます』

『同じくマスターの相棒のアイシクルです。以後よろしくお願いします』

「は、はい、こちらこそ」

なのはは礼儀正しく返事を返すが、テンパっているのが良く分かる。

「所で利村君」

「ん?」

桜に呼ばれて其方を向く。

「貴方のさっきの姿って、ウォーグレイモンを元にした姿よね?」

その言葉を聞いた瞬間、俺は固まった。

何で桜が知っているんだ?

この世界ではデジモンは無かったはずだぞ。

「その反応は図星ね」

そう言うと、桜は笑みを浮かべ、

「やっぱり貴方も転生者ね」

驚愕の一言を放った。









【Side 桜】



今、私はクラスメイトの利村 ユウに抱きかかえられている。

学校での彼は、正直、冴えない奴だった。

授業中に眠そうにしてるわ、テストも良い点を取ってるとは聞かないし、体育でも、これといって活躍しているわけじゃない。

いい噂もなければ、悪い噂も無い、一言で言えば、「目立たない」奴だった。

けど、今の彼は如何だろう?

ジュエルシードの思念体を、全く寄せ付けずに圧勝してたし、今も同年代の女子1人を軽々と抱き上げ走っている。

なのはが運動音痴とは言え、これだけのハンデがあるのに、なのはよりも速い。

如何見ても普段の彼からは、想像が付かない。

何より、一番驚いたのは、彼が魔導師であり、しかもそのバリアジャケットが前世のアニメでやっていたデジモンアドベンチャーに出てくる、ウォーグレイモンにそっくりだったのだ。

デジモンか・・・・・私も結構好きだったのよね。

特に無印は最高よ!

あれ?っていう事は、彼って転生者?




暫くすると、彼は公園に入っていった。

そこで漸くなのはを引き離していた事に気付いたらしく、苦笑しながら誤っていた。

なのはは、息を整えてこちらを見ると、顔が不機嫌になる。

「た、高町・・・・・どうした?」

彼はそう尋ねる。

「り、利村君・・・・・い、何時まで桜お姉ちゃんを抱いたままなのかな?」

そういえば、先程から私は彼に抱かれたままだ。

更に、そう言うなのはの姿を見て、確信した。

なのははヤキモチを焼いている。

そういえば、さっきの思念体に襲われた時も、彼の名前を呼んでたっけ。

これは、姉として応援しないわけにはいかないだろう。

私が考えを巡らしていると、彼は近くのベンチに私を降ろした。

「ッ!・・・・う・・・・・」

私は、その際身体に走った痛みで声を漏らす。

すると、

「少しジッとしてろ」

彼はそう言うと、左手をこちらに向け、オレンジ色の魔法陣が発生させる。

魔法陣の光が私を包むと身体の痛みがどんどん消えていく事がわかった。

1分ほどで殆ど痛みを感じなくなった。

「これで大丈夫なはずだ」

彼がそう言って、魔法陣を消す。

私は、試しにあちこちを動かしてみるが、痛みも無く、ほとんど問題ない。

魔法の凄さを私は実感して、

「あ、ありがとう・・・・・」

思わずお礼を言った。

「どういたしまして」

彼は、当然の事だと言わんばかりにそう返した。

「桜お姉ちゃん!もう大丈夫なの!?」

なのはが心配そうな顔で詰め寄ってきた。

「うん。もう大丈夫よ、なのは」

私は、なのはを安心させるように微笑んで答える。

「よかったぁ~」

なのはは安心した表情でそう言った。

そこで、私は彼に質問しようと視線を向けたとき、同時になのはも彼の方に振り向き、

「そうだ!利村君!さっきのアレは何だったの!?」

なのはが私の代わりにそう叫んだ。

とりあえず、私は彼に、嘘ついたら容赦しない的な視線を送っておく。

「・・・・・とりあえず、『アレ』の内容を1つずつ質問してくれ」

私の視線に観念したのか、彼はそう言う。

「じゃ、じゃあじゃあ、さっきのドロドロのお化けは何だったの!?」

なのはが一つ目の質問をする。

「さっきのは、ロストロギアに集まった思念体が実体化したもの・・・・・・ロストロギアって言うのは、さっき高町が封印した青い石な。思念体の説明は言ってもわからんだろうから省略する」

「ううっ・・・・それじゃあ、余り説明になってないの・・・・・」

なのははそういうが、私ももし尋ねられたら、「ジュエルシードの思念体」としか答えることは出来ない。

それに、それ以上の事を聞いても余り意味は無いため、

「2つ目・・・・・貴方は何者?」

私は次の、一番疑問に思う質問をした。

「あっ!それ私も気になるの!」

なのはも便乗する。

彼は、少しの間悩み、

「ん~・・・・・・なんと言うか・・・・・・数年前からこの街に住んでる異世界から来た魔法使い・・・・って所か?」

なんともシンプルな答えを言った。

異世界というのは、恐らく次元世界のことを指していると私は判断する。

「ま、魔法使い!?」

なのはが驚く。

「因みに、さっき高町が使った封印も魔法だぞ」

「ええっ!?それじゃあ私、魔法少女になっちゃたの!?」

「まあ、そうなるな。喜べ、主人公。「魔法少女 リリカルなのは」のスタートだ」

その言葉を聞いたとき、私の中でほぼ確信した。

彼は、神の言っていた転生者だと。

前世では私の運命の人だったらしいが、なのはが彼の事を好きなようなので、なのはに譲るつもりだ。

まあ、前世では全く知らない赤の他人なので、運命の人と言われてもピンと来ない。

「にゃぁああああっ!?なんなのその題名!?」

なのはがアニメタイトルに突っ込む。

正式名称だとは口が裂けても言えないわね。

「さっき、リリカル・マジカル言ってたのは、何処のどいつだ?」

「にゃぁあああああああああああっ!?」

彼の言葉に、なのはは恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして叫んだ。

「まあ、とりあえずこれから頑張れ主人公。応援ぐらいはしてやる」

「だからなんで主人公なの!?それに主人公っていうなら、利村君の方が、ずっと凄かったの!」

それは私も思う。

「バカモン。初っ端から最強の主人公など、大部分は駄作の烙印を押されるわ!」

正論だけど、それは創作小説での話でしょ。

私は好きだけど。

「そして、俺の立ち位置は、多くの作品で死亡役となっている主人公の近くの強キャラという立ち位置だな」

なんとも後ろ向きな発言だと私は思った。

其処は、最強オリ主だと喜んでもいいだろうに。

実際、私たちにとっては今は現実なのだ。

危険な事に巻き込まれる上では、力があったほうが良い。

「にゃぁあああっ!利村君、死ぬなんて駄目なの!」

「おい高町。何も今すぐ死ぬって訳でも、100%死ぬってわけでもないから、そんなに取り乱すな」

「にゃ・・・・・」

なのはは、はっとなって落ち着く。

しかし、次に何かに気付いたのか、顔が不機嫌になる。

「どうした?高町」

彼が気になって尋ねると、

「むぅ~~~~、なのはだよ」

突然そんな事を言った。

「は?」

「私の事は、なのはって呼んで」

なのはの言葉に、彼は何故に?という顔をしている。

「さっきは、なのはって呼んでくれたよね」

「え?」

彼は首を傾けているが、今思えば、確かに言っていた。

『確かに言いましたね』

彼の首にかかっているペンダントが点滅し、そう声を発した。

彼のデバイスだろう。

でも、2つあるのは何故?

「マジ?」

『口を滑らせて2回ほど』

「うぐ・・・・・・」

彼が、なにやら悩んでいるようなので、私はなのはの応援に回ることにした。

「確かに、『高町』だけじゃあ私とごっちゃになるわよね」

私は、少し考えて口を開いた。

「じゃあこうしましょ。私のことは「高町」って呼ぶ。なのはのことは、「なのは」って呼ぶ。これでオッケー」

「ちょっと待て!何でそんな結論になる!?」

彼が待ったをかける。

「別にいいじゃない。何か問題ある?」

「ある!主に俺の精神面で!」

「さっきは「なのは」って呼んでたじゃない」

「それは、その時のテンションで、口を滑らしただけだ!」

「ふう・・・・・・ああ言えばこう言う」

私は呆れる。

名前ぐらいでそんなに嫌がらなくても。

いや、嫌がっているというよりは、苦手にしてるといった方が正解ね。

もしかして、女の子と殆ど付き合ったことが無いとか?

「やかましい!大体なんで名前で呼ばせようとしてるんだよ!?」

彼のその質問に、

「そんなの、可愛い妹の初恋を成就させようっていう姉心からじゃない」

私は本音で答えた。

「は!?」

彼は、鳩が豆鉄砲食らったようにポカンとした。

「にゃにゃっ!?さ、桜お姉ちゃん!?」

なのはは、顔を真っ赤にして取り乱した。

可愛い反応だわ。

彼は暫くポカーンとしていたが、正気を取り戻すと、

「正気か、高町!?」

なんとも呆れた質問をなのはにしていた。

そこは、「本気か?」って聞く所じゃないの?

「にゃっ!?利村君、そこは本気か?って聞く所だと思うの!」

なのはも同意見らしい。

「狂って無ければ、洗脳か!?それとも誰かに脅されているのか!?」

更に彼の予想は斜め上に走り出した。

脅しはともかく洗脳なんか出来るわけ無いでしょうに。

そんなに信じられないの?

「にゃぁああっ!?洗脳されてる訳でもなければ、脅されてるわけでもないの!」

「ならば、目を覚ませ高町!俺よりいい男など幾らでも・・・・・っていうか、世界の男の9割は俺よりいい男だぞ!」

そこまで自分を卑下する事も無いだろうにと私は思う。

「そんなこと無いの!利村君はとっても優しくていい男の子なの!」

「俺は優しいんじゃなくて、臆病なだけだ!」

「それは嘘なの!臆病だったら、さっきは助けに入ってくれなかったの!」

「さっきの奴は確実に俺より弱かったからだ!言うなれば、俺は弱い者いじめをしただけだ!俺より強かったら、絶対に逃げてる!」

「それでも助けてくれた事には変わりないの!」

彼となのはが微妙な言い争いを繰り広げているが、私は神の言っていた事に納得していた。

こいつ、想像以上に後ろ向きだわ。

『なのはの言うとおりです!マスターは自分を過小評価しすぎです!』

『それにマスターは、強い敵に会ったとしても、助けを求められたら立ち向かうタイプです!自分1人なら、言うとおり逃げるでしょうけど・・・・・・・』

彼らのデバイスもなのはに賛同して、彼を褒め称える。

後者は微妙だが。

「お前らは俺を過大評価しすぎだ!」

『いいえ、今までのマスターの行動を統計した上での、適切な評価です』

「にゃぁああっ!?ペンダントが喋ってる!?」

なのはが驚く。

「り、利村君!何でペンダントが喋ってるの!?」

なのは、今更よ。

「こいつらは俺のデバイス。さっきなのはが使ったレイジングハートと一緒だな」

『初めまして。なのは、桜、私はマスターの相棒のブレイズといいます』

『同じくマスターの相棒のアイシクルです。以後よろしくお願いします』

「は、はい、こちらこそ」

なのはは礼儀正しく返事を返すが、テンパっているのが良く分かる。

しかし、このままいくと、話が進まない気がしてきたので、私は、爆弾とも言える質問を投下した。

「所で利村君」

「ん?」

こちらを向く彼。

「貴方のさっきの姿って、ウォーグレイモンを元にした姿よね?」

その言葉を聞いた瞬間、彼は固まった。

その反応を見て、再度確信する。

「その反応は図星ね」

私は、一呼吸置いて笑みを浮かべ、

「やっぱり貴方も転生者ね」

彼の顔が驚愕に染まった。









【Side Out】




【Side なのは】




今、私はフェレットさんを抱いて走っています。

私の目の前には、桜おねえちゃんを抱きかかえた利村君。

ううっ、ちょっぴり桜お姉ちゃんが羨ましいの。

でも、さっき「なのは」って呼んでくれて嬉しかったの。

そんな事を考えているうちに、利村君との距離はどんどん離れていきます。

り、利村君・・・・・・速過ぎるの。

利村君は、桜お姉ちゃんを抱きかかえているにも拘らず、私との差は縮まる所か、開く一方です。

普段の利村君は、体育では活躍してなかったのに・・・・・・

私が運動音痴というのも原因なのかも知れませんが。

私は、利村君を見失わないように必死で走りました。

そして、もう少しで見失いそうになると思ったとき、利村君は、公園に入っていきました。

た、助かったの・・・・・・





利村君は私を引き離していた事に気付いていなかったらしく、苦笑しながら誤ってきました。

私は、息を整えて利村君を見ます。

そこで気付きました。

桜お姉ちゃんが、未だに利村君に抱きかかえられている事に。

何故かそれを見て、ムカっときました。

「た、高町・・・・・どうした?」

私の様子に気付いたのか、利村君がそう尋ねてきます。

「り、利村君・・・・・い、何時まで桜お姉ちゃんを抱いたままなのかな?」

私は平静を装おうと思いましたが、声が震ってしまいました。

利村君は、近くのベンチに桜お姉ちゃんを降ろしました。

「ッ!・・・・う・・・・・」

桜お姉ちゃんはその拍子に痛そうな声を漏らしました。

私は心配になりましたが、

「少しジッとしてろ」

利村君が左手を桜おねえちゃんに向けると、オレンジ色の円になにやら良く分からない模様が描かれたモノが現れました。

私は驚きで声を失いました。

1分ぐらいすると、

「これで大丈夫なはずだ」

そう言って、光の円に模様が描かれたモノを消しました。

「あ、ありがとう・・・・・」

桜お姉ちゃんが利村君にお礼を言うと、

「どういたしまして」

利村君は当然の事だと言わんばかりにそう言いました。

「桜お姉ちゃん!もう大丈夫なの!?」

私は、桜お姉ちゃんに尋ねます。

「うん。もう大丈夫よ、なのは」

桜お姉ちゃんは微笑んで答えてくれました。

「よかったぁ~」

私は、桜お姉ちゃんが治った事で安堵の言葉を漏らします。

そこで、私は、利村君に聞きたいことがあったのを思い出しました。

「そうだ!利村君!さっきのアレは何だったの!?」

私がそう聞くと、

「・・・・・とりあえず、『アレ』の内容を1つずつ質問してくれ」

そう言ったので、私は尋ねました。

「じゃ、じゃあじゃあ、さっきのドロドロのお化けは何だったの!?」

「さっきのは、ロストロギアに集まった思念体が実体化したもの・・・・・・ロストロギアって言うのは、さっき高町が封印した青い石な。思念体の説明は言ってもわからんだろうから省略する」

「ううっ・・・・それじゃあ、余り説明になってないの・・・・・」

よく分からない単語ばっかりなの。

「2つ目・・・・・貴方は何者?」

桜お姉ちゃんが質問しました。

「あっ!それ私も気になるの!」

私も便乗します。

利村君は、少しの間悩み、

「ん~・・・・・・なんと言うか・・・・・・数年前からこの街に住んでる異世界から来た魔法使い・・・・って所か?」

その答えを聞いて、私は驚愕しました。

「ま、魔法使い!?」

思わず叫びます。

「因みに、さっき高町が使った封印も魔法だぞ」

その言葉で、私は更に驚きました。

「ええっ!?それじゃあ私、魔法少女になっちゃたの!?」

「まあ、そうなるな。喜べ、主人公。「魔法少女 リリカルなのは」のスタートだ」

「にゃぁああああっ!?なんなのその題名!?」

魔法少女はともかく、何でリリカルなの!?

「さっき、リリカル・マジカル言ってたのは、何処のどいつだ?」

「にゃぁあああああああああああっ!?」

余りに的を射ている言葉に、私は叫びました。

た、確かにリリカル・マジカル言ったの。

「まあ、とりあえずこれから頑張れ主人公。応援ぐらいはしてやる」

「だからなんで主人公なの!?それに主人公っていうなら、利村君の方が、ずっと凄かったの!」

私は思ったことを叫びました。

「バカモン。初っ端から最強の主人公など、大部分は駄作の烙印を押されるわ!」

だからなんで作品を例に挙げるの!?

「そして、俺の立ち位置は、多くの作品で死亡役となっている主人公の近くの強キャラという立ち位置だな」

その言葉に、私は思わず我を忘れて叫びました。

「にゃぁあああっ!利村君、死ぬなんて駄目なの!」

「おい高町。何も今すぐ死ぬって訳でも、100%死ぬってわけでもないから、そんなに取り乱すな」

「にゃ・・・・・」

私は、利村君に言われてはっとします。

ですが、同時にガッカリしました。

さっきは「なのは」って呼んでくれたのに。

「どうした?高町」

「むぅ~~~~、なのはだよ」

私はむくれてそう言いました。

こうなったら、意地でも「なのは」って呼んでもらうの。

「は?」

「私の事は、なのはって呼んで」

私の言葉に、利村君は首を傾げます。

「さっきは、なのはって呼んでくれたよね」

「え?」

利村君は首を傾けているけど、確かに聞いたの。

『確かに言いましたね』

何処からともなく援護がきたの。

「マジ?」

『口を滑らせて2回ほど』

「うぐ・・・・・・」

利村君はなにやら唸っていますが、

「確かに、『高町』だけじゃあ私とごっちゃになるわよね」

桜お姉ちゃんが口を開きました。

「じゃあこうしましょ。私のことは「高町」って呼ぶ。なのはのことは、「なのは」って呼ぶ。これでオッケー」

桜お姉ちゃんは、嬉しい援護をしてくれました。

「ちょっと待て!何でそんな結論になる!?」

ですが、利村君は納得しませんでした。

「別にいいじゃない。何か問題ある?」

「ある!主に俺の精神面で!」

「さっきは「なのは」って呼んでたじゃない」

「それは、その時のテンションで、口を滑らしただけだ!」

「ふう・・・・・・ああ言えばこう言う」

利村君は名前で呼ぶことを認めません。

桜お姉ちゃんは呆れます。

むぅ・・・・・いい加減に観念するの!

「やかましい!大体なんで名前で呼ばせようとしてるんだよ!?」

利村君が叫びました。

「そんなの、可愛い妹の初恋を成就させようっていう姉心からじゃない」

桜お姉ちゃんの言葉に、私は一瞬固まりました。

「は!?」

「にゃにゃっ!?さ、桜お姉ちゃん!?」

私は桜お姉ちゃんに詰め寄ります。

な、何で分かったの!?

私は恥ずかしくなって、まともに彼の顔を見ることが・・・・・・・・

「正気か、高町!?」

何でその質問なの!?

「にゃっ!?利村君、そこは本気か?って聞く所だと思うの!」

「狂って無ければ、洗脳か!?それとも誰かに脅されているのか!?」

な、何で私の意思を認めようとしないのーっ!?

「にゃぁああっ!?洗脳されてる訳でもなければ、脅されてるわけでもないの!」

「ならば、目を覚ませ高町!俺よりいい男など幾らでも・・・・・っていうか、世界の男の9割は俺よりいい男だぞ!」

そんなこと無いの!私からしてみれば、利村君がいい男の子じゃなかったら9割は、いい男の子じゃないと思うの!

「そんなこと無いの!利村君はとっても優しくていい男の子なの!」

「俺は優しいんじゃなくて、臆病なだけだ!」

「それは嘘なの!臆病だったら、さっきは助けに入ってくれなかったの!」

「さっきの奴は確実に俺より弱かったからだ!言うなれば、俺は弱い者いじめをしただけだ!俺より強かったら、絶対に逃げてる!」

「それでも助けてくれた事には変わりないの!」

利村君は、自分の善い所を全然認めようとしないの。

『なのはの言うとおりです!マスターは自分を過小評価しすぎです!』

『それにマスターは、強い敵に会ったとしても、助けを求められたら立ち向かうタイプです!自分1人なら、言うとおり逃げるでしょうけど・・・・・・・』

またもや声が聞こえます。

「お前らは俺を過大評価しすぎだ!」

『いいえ、今までのマスターの行動を統計した上での、適切な評価です』

よく見ると、利村君の首にかかってるオレンジ色と青色のペンダントがピカピカ光って其処から声がしてるの。

「にゃぁああっ!?ペンダントが喋ってる!?」

それに気付いた時、私は叫びました。

「り、利村君!何でペンダントが喋ってるの!?」

私は利村君に問いかけました。

「こいつらは俺のデバイス。さっきなのはが使ったレイジングハートと一緒だな」

『初めまして。なのは、桜、私はマスターの相棒のブレイズといいます』

『同じくマスターの相棒のアイシクルです。以後よろしくお願いします』

「は、はい、こちらこそ」

私は利村君のペンダントに頭を下げました。

お、驚きすぎて頭が上手く回らないの。

「所で利村君」

桜お姉ちゃんが利村君に声をかけました。

「ん?」

利村君は、桜お姉ちゃんの方を向きます。

「貴方のさっきの姿って、ウォーグレイモンを元にした姿よね?」

その言葉を聞いた瞬間、利村君は固まった。

うぉーぐれいもんって何?

「その反応は図星ね」

桜お姉ちゃんは、一呼吸置いて笑みを浮かべます。

「やっぱり貴方も転生者ね」

そして、驚くべき一言を口にしたの。



【Side Out】





俺は、開いた口が塞がらなかった。

今、こいつは何て言った?

貴方“も”転生者?

じゃ、じゃあ、もしかして・・・・・・

「ま、まさか・・・・・・」

俺は声を漏らす。

「その通り。私も転生者よ。利村君」

その言葉で、俺は更に驚愕した。

「ふえ?桜お姉ちゃん、今、利村君のことテンセイシャって・・・・・・」

「ええ。彼も私と同じように前世の記憶を持ってるってことよ」

「ふぇえ!利村君もなの!?」

なのはが驚いた声を上げる。

っていうか、ちょっと待て!

「おい!なのはは転生の事を知ってるのか!?」

俺は思わず問いかけた。

「ええ。家族は皆、私が前世の記憶持ちってことは知ってるわ。特に隠すことでもないしね。まあ、他の人に言っても信じないでしょうけど」

確かに言ってる事は納得できる。

俺だって、リニスや、ブレイズ、アイシクルには、前世の記憶持ちという事は言ってあるし。

「それにしても、ちゃんとなのはのこと、名前で呼んでくれてるのね」

俺はその一言で固まった。

しまったぁああああああっ!また口滑らせたぁあああああっ!

「り、利村君・・・・・その・・・・・・・」

なのはは顔を赤くしてモジモジしている。

「なのは、折角だから、あなたも彼のこと名前で呼びなさいよ」

こいつはまた、爆弾を投下してくれやがりました。

「おい!」

俺は詰め寄ろうとしたが、

「貴方だけ名前で呼ぶなんて不公平じゃない」

「だったら・・・・!」

「今更苗字呼びに戻すのは無しよ!」

逃げ道塞がれたぁ!

「ほら、なのは」

桜はなのはを促す。

「う、うん・・・・・じゃ、じゃあ・・・・・・ゆ、ユウ君?」

なのはは顔を真っ赤にしながら、それでいて何処か嬉しそうな顔で俺の名前を呼んだ。

あ~~~~~畜生!そんな顔されたら断れねえだろうが!

「・・・・・・・・・・はぁ・・・・・好きにしてくれ」

俺は諦めた・・・・・・・

だが、このままなのはにフラグが立ち続けるのは拙い!

なのはの様な美少女の相手は、俺なんかじゃ釣り合わん!

何より、なのはにはユーノがいるだろ!

故に、少しでもフラグを折る為に俺は行動に出た。

「その代わり!めんどくさいからお前のことも桜って呼ぶからな!お前も俺のことはユウで良い!」

「なっ!?ちょっと!私は苗字でいいわよ!」

桜はそう言うが、

「煩い!散々好き勝手決めてくれやがって、だったらこっちも勝手に決めさせてもらう!」

こう言っとけば、なのはの印象も少しは悪く・・・・・・

「桜お姉ちゃん、ユウ君の言ってる事も、一理あるの」

なってはいなかった。

それどころか、俺の援護までしてます。

何でだ!?

(俺に名前を呼んでもらって、なのはも俺の名前を呼ぶことが出来て嬉しかったので、他の人への対応は余り気にしてなかったと知るのは後の話である)

桜は、なのはが特に嫌がってないことを知ると、

「わかったわ、ユウ。これでいいわね」

桜は、残念だったわね、と言う様な笑みを浮かべ、そう言った。

「あ・・・・ああ・・・・・・」

目論見が外れた俺は、力なく返事を返すことしかできなかった。







その後、ユーノが目覚め、原作と同じようなやり取り(違うと言えば、俺と桜の自己紹介が入ったぐらい)をした後、とりあえず高町家に向かうことになった。

俺はまあ、夜道で女の子2人は危ないだろうと思い、送っていくことにした(8歳の男子がいても余り変わらんだろうが)。

やはり2人の外出は、高町家の人たちにはバレバレであり、2人は恭也さんから説教を受けた。

しかし、その説教は家族への思いやりに溢れており、若干羨ましく思ったのは秘密にしておく。

そして、その次に気になるのはやはり自分だろう。

「君は?」

と、問われたので、

「2人のクラスメイトの利村 ユウです。買い物の帰りに2人を見かけたので、夜の道に女子2人は危ないだろうと思って、送ってきただけです。では、俺はこれで失礼します」

そう言って帰ろうと思い背を向けた。

だが、

「ちょっと待ちたまえ」

突如肩を掴まれた。

俺が振り向くと、其処には高町家の大黒柱である士郎さんがいた。

っていうか、いつ間に?

噂の神速って奴か?

「な、なんでしょう?」

士郎さんの顔は笑っているが、何とも言えない迫力に、若干引いてしまう。

「君のような子供が1人で夜の道を歩くのは危険だろう。私も付いて行こう」

士郎さんは、思いもよらない事を言った。

「あ、いえ、お気になさらず。此処からは10分ぐらいの所なので大丈夫です」

俺はそう言って断ろうとしたが、

「その僅かな油断が万が一を起こす原因になるんだ。遠慮しなくてもいいよ」

士郎さんのその言い方を聞くと、絶対に引かないだろうと思い、

「わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」

そう答えた。





そして、特に何事もなく家に着いたのだが、玄関の前に来ても、士郎さんは帰ろうとしない。

「あの、ありがとうございました。もうここまでで大丈夫です」

俺はそう言ったが、

「いや、こんな遅くに君を買い物に行かせたご両親に『お話』があるんだ」

『お話』のフレーズが妙に気になる。

なのはの『お話』は、やはり家族の影響なのだろうか?

「いえ、その、家の親は・・・・・・・」

俺は口篭った。

ちょっと言い辛かった俺は、家の玄関を開ける。

「ただいま」

俺はそう言って家に入る。

「にゃあ」

猫形態のリニスが足元で鳴いた。

リニスよ、よりにもよって猫形態か。

続けて入ってきた士郎さんが家の中を監察する。

そして、当然の如く、位牌と共に飾ってある俺の両親の写真を目にした。

それを目にすれば、両親がどうなっているか一目瞭然だろう。

「ふむ・・・・・やはり君は家族がいなかったか・・・・・・恭也や桜、なのは達のやり取りを見ていた雰囲気を見て、もしやと思ったんだが・・・・・・・」

士郎さんは、既に見当はついていたらしい。

すげー洞察眼です。

「・・・・・・ええ・・・・・両親は1年と少し前に事故で亡くなりました」

俺は仕方なく白状する。

ただし、“事故”ではないが。

「君は、それから1人暮らしなのかい?」

その問いに、

「1人じゃありませんよ」

俺はそう言って、足元のリニスに目をやる。

「リニスがいましたから」

「にゃあ」

俺の言葉に同意するようにリニスが鳴いた。

「ふむ・・・・・・」

士郎さんは顎に手をやり、なにやら考え込む仕草をする。

少しすると、

「すまないがユウ君。電話を貸してくれるかい?」

士郎さんがそう言ったので、電話機のあるところに案内する。

士郎さんがダイヤルをプッシュすると、

「もしもし?桃子か?士郎だが、今日から家族が1人増えるが構わないか?」

俺はその言葉に驚愕した。

も、もしかして・・・・・・・

「うむ、わかった。これから連れて行く」

そう言って、士郎さんは受話器を置く。

そして、こちらを向き、

「そういうわけだ。今日から家に来なさい」

そう言う訳ってどういう訳!?

「いや、ちょっと待ってください士郎さん!何でそんな話になるんですか!?」

俺は叫んで問いかける。

「君のような10歳にも満たない子供を、放って置けるわけ無いだろう?丁度家には空き部屋もある」

いやいや、そうではなくて、いきなり見ず知らずに等しい子供を引き取ろうとするなんて、どういう御人好しですか!?

「いえいえ!今までもちゃんとやって来れたので、これからも大丈夫ですよ!」

主に家事をやったのはリニスだが・・・・・・・

「今までが大丈夫だからといって、これからも大丈夫という保障は無い」

俺の反論も容易く打ち砕かれる。

「お、俺にはリニスもいるんですよ!飲食店経営者として、動物を連れ込んじゃ拙いでしょ!?」

「店につれてこなければ問題は無い。今日からフェレットも来ることだしな」

俺の最善の言っても軽く破られた。

こうなったら最終手段しか・・・・・・

「俺は外見は8歳ですが、精神年齢は30歳超えてますんで大丈夫ですって」

これは桜が前世の記憶があることを、既に家族に打ち明けたという事で使える手だ。

「む・・・・・?それは・・・・・」

「ええ。お宅の桜さんと同じく俺にも前世の記憶があります。だから、心配しなくても大丈夫です」

俺は、此処まで言えば諦めるだろうと思っていた。

だが、

「だが、幾ら記憶があると言っても、この世界での君は8歳でしかない。それだと色々と不都合があると思うが?」

「うぐ・・・・・・」

士郎さんにそう言われて、俺は言葉を詰まらせた。

確かにその通りである。

買い物や家事程度なら、リニスでも大丈夫だが、如何せんリニスには戸籍という物が無い。

つまり、身元の保証が出来ないため、そういうものが必要な事が出来ないのだ。

っていうか、前世云々はあっさりと信じるんですね。

「・・・・・・・と、年頃の娘さんがいる家に、精神年齢30歳超えの男が住み着くのは問題あるのでは?」

最早俺に手は殆ど残されていなかった。

「自分からそう言ってくる人物に、その心配は不要だと思っているが?」

苦肉の策ですら、あっさりと一蹴される。

(これはユウの負けですね)

リニスが念話でそう言ってくる。

認めたくは無いが、俺は口で勝てる気はしなかった。

士郎さんはニコニコしているが、なんともいえない迫力に俺は勝てる気はしない。

これが管理局員だったら、問答無用でボコっている所だが、士郎さんにそんなことは出来ない。

寧ろ善意100%なのが、ある意味管理局より厄介である。

(ユウ、寧ろ此処でこの方についていった方がいいかも知れません)

リニスから思いもよらない提案が来た。

(な、何で!?)

俺は聞き返す。

(管理局が未だに貴方を保護しようとしてくるのは、しっかりとした身元保証人がいないからです。ですので、此処でこの方に身元保証人なっていただければ、管理局も貴方を保護しようとする口実が無くなる訳です。まあ、ユウがこの方を信じられないと言うのなら、話は別ですが・・・・・・)

リニスはそう言った。

リニスの言うとおり、最初の頃よりは頻度は低くなったものの、管理局は未だに俺を保護しようと度々やってくる。

その時に使っている口実が、身元保証人云々というわけだ。

俺はそれを聞くと、少し考える。

確かに、いい加減管理局を相手にするのもウザくなってきた。

それに対して、士郎さんたち高町家なら、信頼することも出来る。

だが、そうなると確実に原作に関わる事になるだろう。

俺が迷っていると、

(ユウ、貴方にはまだ家族は必要です)

リニスがそう言ってきた。

家族。

その響きに俺は懐かしさを覚える。

(そうか・・・・・そうだなリニス。けど、少し違うぞ)

(え?)

(俺にとっては、リニスも・・・・・それにブレイズやアイシクルも家族さ)

(あ、ありがとうございます)

リニスは少し驚いたようだが、嬉しそうに念話を返してきた。

俺は念話を終えると、士郎さんに向き直る。

「本当に・・・・・宜しいんでしょうか?」

俺は最後に確認を取る。

「もちろんさ」

士郎さんは笑顔で答えた。

「それなら・・・・・・今日からよろしくお願いします」

俺は、士郎さんに頭を下げた。

「ああ。それじゃあ、本格的な引越しはまた今度にすることにして、今日は、数日間の着替えや貴重品だけを用意すればいい」

「分かりました」

俺はそう言うと、旅行用のバッグを引っ張り出し、着替えや貯金通帳などの貴重品。

そして、両親が残してくれた一度も起動させていないレイジングハートと同型のインテリジェントデバイスをバッグに入れる。

そのバッグを肩に担ぎ、

「リニス」

リニスを呼ぶと、猫形態のまま俺の懐に飛び込んでくるので、バックを担いでいない方の手で抱き上げる。

士郎さんに準備が出来た事を伝えると、士郎さんと共に、再び高町家へ向かった。






士郎さんによって高町家の玄関が開かれると、

「お帰りなさい」

桃子さんが出迎えた。

その後ろには恭也さんと美由希さん。

驚いた顔でなのはと桜がいた。

俺も士郎さんの後に続いて縮こまるように高町家の玄関を潜った。

「えっと・・・・・お邪魔します・・・・・・」

俺は少し小声になってしまった。

「違うわよ、ユウ君」

桃子さんが言った。

「今日からここが、あなたの家よ」

そう言って、ニッコリと微笑む。

その笑みから導き出される答えは、

「えっと・・・・・その・・・・・・た、ただいま・・・・・?」

俺は疑問系になってしまった。

「「「おかえり」」」

桃子さん、恭也さん、美由希さんが同時に言った。

その言葉を聞くと、何故か瞳から涙が零れた。

「え?あれ?何で俺泣いてるんだ?」

俺はそれに気付くと慌てて拭う。

俺のその様子を見て、高町家の皆は微笑ましく見つめてくる。

俺は気を取り直し、

「今日からご厄介になります!よろしくお願いします!」

俺は頭を下げた。

「ええ。よろしくね」

桃子さんがそう返した。

すると、なのはと桜が俺に前に出てきて、

「ゆ、ユウ君・・・・・今日から家に住むって本当?」

なのはは顔を赤くしながら尋ねてきて、

「ああ。まあ、今日から頼む」

「う、うん・・・・・」

俺の答えに頷いた。

「それにしても、何でそんなことになったのよ?」

桜はそう尋ねてきた。

「士郎さんに、俺の両親がいない事が知られちゃってね」

俺は答える。

「え!?両親がいないって・・・・・・まさか・・・・・」

桜は驚愕した表情を浮かべる。

「ああ。俺の両親は、1年以上前に事故で亡くなってるよ」

その答えに、なのはも驚愕する。

「そ、そんな!じゃ、じゃあ、1年ぐらい前にユウ君が落ち込んでたのって・・・・・・」

なのはの言葉に俺は内心驚いた。

気付いてたの?

俺は平静を装ってた心算だけど・・・・・・

「まあ、そういう事だ。気にすんなよ。気を使われると返って疲れるから」

俺はそう言って、士郎さんたちに向き直る。

「皆さん、俺を家族として受け入れてもらい、ありがとうございます。それで、俺を受け入れてもらうに当たって、話しておきたいことがあるんです」

俺は、既に決めていた事を口にした。




居間に、俺と高町家の全員が集まる。

ユーノもなのはに抱かれている。

「ではまず、士郎さんや、なのは、桜には話したんですけど、俺は桜と同じく転生者です」

「転生者って・・・・・ユウ君も前世の記憶があるって事?」

美由希さんがそう尋ねてくる。

「はい」

俺は頷き、

「それは間違いないわよ美由紀姉さん。今回の人生じゃ知らないはずのことを知ってたから」

桜が補足する。

その言葉に、一番驚いているのはユーノである。

そういえば、なのはと桜に話したときは、まだ気絶してたっけ。

「まあ、この家ではその程度如何でもいいでしょうけど、此処からが大事な所です」

俺は一呼吸置き、

「俺は、この世界の人間ではありません」

地球での秘密を明かした。

「え・・・・?この世界の人間じゃないって・・・・・・?」

美由希さんが声を漏らす。

なのはと桜は先程少しだが話したので、それほど驚いてはいない模様。

士郎さん、桃子さん、恭也さんは、真剣に俺の話を聞こうとしている。

「世界は、この世界一つだけではなく、他にも数多くの世界が存在しています。俺達は、それらを総称して、次元世界と呼んでいます。そして、俺はその中の1つ、ミッドチルダという世界の生まれです。その世界では、科学技術だけでなく、魔法文明も発達しています」

「ま、魔法!?」

美由希さんが驚く。

さっきから美由希さんばっかりが驚いてるな。

「まあ、素敵ね」

桃子さんがそう言う。

驚いてる・・・・・・のか?

「まあ、口で言っても信じられないでしょうから、証拠を見せます。リニス」

俺は猫形態のリニスに声をかける。

リニスが俺の腕の中から飛び降りると、光に包まれ人間形態に姿を変える。

「初めまして、私はユウの使い魔、リニスと言います」

リニスはお辞儀をしながらそう名乗った。

あ、全員固まった。

今度は士郎さん達まで固まっている。

「にゃぁああああああああっ!?ネコさんが人間になったぁ!?」

なのはの叫び声で、その場が動き出す。

すると突然、桜に引っ張られ、

(ちょ、ちょっと!リニスってもしかしてプレシアの使い魔のリニス!?)

小声でそう問いかけてきた。

(ああ。契約が切れて消えそうになってたのを見つけてな。再契約して俺の使い魔になってもらってる。まあ詳しい事は後々話すよ)

俺はそう答える。

桜は少し納得いかない顔をしていたがしぶしぶ下がる。

そして、俺は続ける。

「リニスは俺の使い魔です。使い魔って言うのは、主・・・・・リニスの場合は俺ですね。主から魔力を貰って存在します。そして、その代わりに使い魔は主を助ける。簡単に言えばそういう関係です。とまあ、此処まで見せれば魔法云々は信じてくれると思いますが・・・・・」

「ああ。それだけ見せられれば。信じるしかないだろう」

「俺が話したかったのはそれだけです。だから、何だって訳ではないんですが、ただ、知っておいて貰いたかったんです。これから家族になる人達に、隠し事はしたくありませんから」

「そうか、ありがとう」

「いえ・・・・・」

俺が話を終えると、

「ねえねえ、ユウ君。今の話を聞いてると、ユウ君って魔法使いなんだよね?」

美由希さんがニコニコしながらそう聞いてくる。

「ええ、そうですが・・・・・」

「じゃあ、私にも魔法って使えるのかな?」

そう言われて、俺は美由希さんの魔力を探ってみるが、案の定何も感じない。

「残念ですけど、魔法を使うにはリンカーコアという特殊な器官が必要になります。こればっかりは先天性の問題なのでどうすることも出来ません。何より、地球の人々の殆どはリンカーコアは持ってないんです。まあ、突然変異で稀に大きな魔力を持った人は現れますが、比率としては1億人に1人ぐらいの割合です」

「何だ、残念」

美由希さんは口ではそう言っているが、大して気にしていない雰囲気だ。

恐らく、駄目元で聞いてきたんだろう。

「まあ、その1億人に1人しか持たない資質を、なのはと桜は持ってるんですけどね」

俺はつい言ってしまった。

まあ、元々ユーノの正体は暴露する心算でいたので特に問題は無い。

士郎さん、桃子さん、恭也さん、美由希さんの視線がなのはと桜に集中する。

その視線に2人は一瞬たじろいだ。

「さて、次はなのはの番だぞ」

俺はそう言った。

「ふ、ふぇ?」

なのはは何のことか分かっていなさそうに声を漏らす。

「他人の事なら特に首突っ込む気はなかったけどな、家族なら話は別だ。お前が話さないなら、俺が言うけど?」

「あ・・・・・う・・・・・・」

何のことか気付いたなのはは、如何しようかと迷っているようだ。

「なのはがどうかしたのか?」

恭也さんが尋ねてくる。

「ええ。ちょっと魔法関係に首突っ込みまして・・・・・」

その言葉に、恭也さんはピクリと反応する。

なのはは、ユーノと顔を見合わせると、ユーノは申し訳なさそうにして頷く。

姿はフェレットなのでそんな気がしただけだが。

すると、ユーノはなのはの元からテーブルの上に飛び乗る。

そして、

「こんな姿で申し訳ありません。僕は、ユーノ・スクライアといいます」

ユーノは喋りだした。

「フェレットが喋った!」

美由希さんが驚く。

とは言っても、先ほどのリニスほどではないが。

「君も使い魔なのかい?」

士郎さんは割と落ち着いてそう尋ねる。

「いえ・・・・僕は・・・・・・」

「スクライア一族は、遺跡などの探索の為に、変身魔法を得意としている。で、元々ユーノは人間だけど、魔力が空っぽになったから、元の姿より省エネな、小動物の姿になってるってところだろ?」

俺がそう言うと、

「あ、気付いてたんですね・・・・・・・その通りです・・・・・」

すると、

「ふぇえええええええっ!?ユーノ君って人間だったの!?」

なのはが盛大に驚いた。

「ごめんなのは。そういえば言ってなかったね」

ユーノが謝る。

そこで俺はふと思った。

「なあユーノ。魔力さえ回復すれば人間に戻っても問題ないんだよな?」

「え?う、うん。今の問題は魔力だけだからね」

「そうか・・・・」

俺はブレイズを首から外すと、左手に握る。

そして、ブレイズを通してユーノに魔力を送り込んだ。

俺が普通に魔力を送ったら俺の魔力に耐え切れずユーノがボロボロになってしまうが、ブレイズに送る量を調節してもらっているため、問題は無い。

「う、嘘・・・・・・空っぽだった魔力が満タンに・・・・」

ユーノが大層驚いている。

「これで問題ないだろ?」

「う、うん」

ユーノが頷くと、床に飛び降り、光に包まれる。

そして、その光が収まると、黄土色の髪に、民族衣装のような服装をした少年がいた。

「これが、僕の本当の姿です」

その姿を見ると、聞いていたとは言え、高町家の人々の驚きは隠せないようであった。

そして、ユーノは事の起こりを話し出した。

とある世界の遺跡で、ジュエルシードと呼ばれる21個のロストロギアを発掘した事。

それを、管理局まで運ぼうとしたが、輸送船が何らかの事故に遭い、ジュエルシードが海鳴市にばら撒かれてしまった事。

ジュエルシードを発掘してしまったのは自分なので、その責任を取るために単身この世界にやってきて、ジュエルシードを回収しようとした事。

しかし、結局は力及ばず、2つ目のジュエルシードの思念体に敗北し、念話で助けを求めた事。

そして、その念話に応えたのがなのはと桜であり、なのはの力を借りてジュエルシードを封印しようとしたが、突然の事態に2人は対処できなくなり危険に晒してしまった事。

そして、その時に俺が助けに入り、時間を稼いでいるうちになのはの力を借りてジュエルシードを封印し、今に至る事を説明した。

ユーノは話し終えると頭を深く下げた。

「申し訳ありません。僕の所為で、なのはさん達を危険な事に巻き込んでしまいました」

ユーノはそう言うが、

「あのさ、私達を巻き込む巻き込まないの前に、ユーノの何処に責任があるのか分からないんだけど」

桜がそう言う。

「それは・・・・・僕がジュエルシードを発掘してしまったから・・・・・・」

ユーノはそう呟く。

「あのな、スクライア一族は遺跡の探索や発掘で生計を立ててるんだろ?だったら発掘する事自体は仕方ないんじゃないか?それがお前らの生き方なんだから。お前が言うように発掘してしまったことが責任になったら、スクライア一族が生きていくこと自体が責任重大になっちまうんじゃねえのか?」

俺がそう言うと、ユーノははっとした。

「でも、まあ、お前が来てくれなかったら、海鳴が大変になってたことは間違いないんだし。封印術式もって無い俺じゃ、負けないことは出来るけど、勝つ事は出来ないからな」

俺がそう言うと、

「お父さん!お母さん!」

なのはが声を上げた。

「私に、ユーノ君のお手伝いをさせて!」

なのははそう言った。

「なのは!?」

ユーノが驚愕の声を上げる。

「ジュエルシードが海鳴に落ちてきたのはユーノ君の所為じゃないけど、このままじゃ皆が危ないんでしょ!?私、そんなの嫌だ!それに、私には皆を助けられる力がある!だから、お願い!お父さん!お母さん!」

なのはの言葉に俺は驚愕した。

此処までの決意をするのは、街中に大樹が現れるジュエルシード事件が終わった後のはずだからだ。

恐らく、俺の一言がなのはに自分からジュエルシードを集める決意をさせてしまったんだろう。

士郎さんは、なのはの言葉を聞くと、腕を組んで考える。

なのはは頑固なので考えは変えないだろう。

「私は、反対しないわ」

桃子さんが何と最初に許可の意を示した。

「なのはの初めての我侭だもの・・・・・なのはの好きなようにやらせてあげたいの」

桃子さんはそう言った。

だったら、俺がすべき事は、少しでもなのはの危険を減らす事だ。

最早、死亡フラグだのなんだの気にしてる場合ではない。

「ふぅ・・・・・それなら、俺も協力するよ」

俺は口を開いた。

「ユウ君!?」

なのはも驚いている。

「戦闘関係は俺とリニスで引き受けます。なのはは封印に集中させて、ユーノがなのはのサポート。そうすれば、なのはの負担はグッと減る。そして、万が一俺が戦闘に出れない場合に備えて、なのはにもリニスの魔法特訓を受けてもらう。これなら、なのはが危険な目に遭う可能性がかなり低くなります」

俺はそう説明した。

そこに、

「私にもデバイスがあれば、なのはを手伝えるんだけどね・・・・・」

桜が少し悔しそうにそう呟いた。

「桜は、なのはを手伝いたいのか?」

俺がそう尋ねると、

「当たり前でしょ!私の大切な妹なのよ!」

そう真っ直ぐな瞳で言ってきた。

俺は、バッグからインテリジェントデバイスを取り出し、

「これは、レイジングハートと同型のインテリジェントデバイス。まあ、俺が持ってても使えないし、桜が使ってくれてかまわない」

俺はそう言って桜に差し出す。

「ホント!?」

桜は嬉しそうに手を伸ばし、そのデバイスを手に取った。

そのデバイスは白銀色に輝いている。

「これで私もなのはを手伝えるわ!父さん、安心して。なのはは私が必ず守るから」

桜が士郎さんに向かってそう言った。

士郎さんは一度、大きく息を吐き、

「わかった。お前たちの好きにしなさい。ただ、必ず無事に帰ってくること、私が言いたいことはそれだけだ」

士郎さんの言葉を聞くと、なのはは顔をパッと輝かせ、

「ありがとう!お父さん!お母さん!」

そう言った。



そしてその後、

「ユウ!早くデバイスの起動パスワードを教えてよ!」

桜が俺に詰め寄ってきた。

桜自身も結構ワクワクしているようだ。

「わかったわかった。じゃあ、そのデバイスを手に持って心を落ち着かせろ」

そう言うと、桜は言われたとおりに落ち着き、目を瞑った。

「我、使命を受けし者なり」

「我、使命を受けし者なり」

桜は俺の言葉を繰り返す。

「契約の元、その力を解き放て」

「契約の元、その力を解き放て」

その雰囲気に、周りで見ている高町家の人々+ユーノも黙っている。

「風は空に、月は天に」

「風は空に、月は天に」

デバイスが徐々に光を放ってくる。

「「そして!不屈の魂はこの胸に!この手に魔法を!レイジングソウル!セットアップ!!」」

桜が白銀の光に包まれる。

「自分の杖とバリアジャケットを想像しろ!」

俺はそう叫んだ。

「もう決まってるわよ!」

桜はそう返事をする。

そして、その光が消えた時、

「にゃ!?桜お姉ちゃん、その姿って・・・・・」

思わずなのはが声を漏らした。

桜のバリアジャケット姿はなのはとほぼ同じであり、違う所といえば、青いラインの所が桜は赤色であり、後は髪型がポニーテールであるという事だけ。

杖の方も、レイジングハートと同じ形で、デバイスコアが白銀で、レイジングハートではピンク色だった部分が赤くなっていることだけ。

「ふふっ!なのはとお揃いだね」

桜は笑顔でそう言った。

その時、

――カシャ

っと、シャッターを切る音がした。

其方を見れば、いつの間にかデジカメを構えている桃子さん。

「桜、可愛いじゃない」

そう言って、もう一度シャッターを切る。

「か、母さん!何写真撮ってるの!」

桜は恥ずかしいのか顔を赤くする。

しかし、桃子さんは止まらず、

「なのはも、同じ格好になれるのよね?ねえ、やってみてくれない?」

「にゃぁあああああっ!?」

桃子さんの言葉になのはは叫ぶが、結局桃子さんに押し切られ、無理矢理セットアップさせられる羽目になった。

お揃いの2人の姿を見て、更にご機嫌になる桃子さん。

2人の姿をどんどんカメラに収めていく。

こうして、いつの間にか魔法少女撮影会場となった高町家での、俺の初の夜は過ぎていった。









あとがき


やりたい放題やりました。

色々と原作外れまくり。

いきなり正体暴露。

そして、桜の魔法少女化。

更には、一人称の大変さを知った第四話でした。

三人称に比べると、書く量が2,3倍近い。

それぞれの心理描写を書かないといけないんですんげー大変。

まあ、とりあえず勢いとノリだけで書いてるんでこんなもん。

なのはのイメージが星なので、桜のイメージは月です。(単純)

デジモンネタからなんか引っ張ろうと思ったんですけど、なんかイメージに合うものがいなかった。

故になのはとお揃いにしました。

そして、皆様感想ありがとうございます。

既にPVが17000を超えるという信じられない事が。

何でだろ?





皆様の質問には、この場で答えようと思います。






Q、他の形態はあるのか?

A、あります。ブレイズがウォーグレイモンなら、アイシクルは・・・・・・・それに・・・・・・




Q,主人公はオメガモンの形態になれるのか?

A、半分正解と答えておきます。




Q,私の運命の人←実はストーカー?

A、そうではなくて、神様が決めていた運命の人です。序に言えば、主人公の今回の人生は、神様の計らいにより、その当たりの設定が無制限になってます。




Q、主人公の両親をあっさり切り捨てすぎじゃないのか?

A、後の伏線でもありますのでお待ちを。




Q、リニスの戸籍とかはどうしてるのか?

A、今回の話の中にも出てきますが、リニスに戸籍はありません。



では、これにて。




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