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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第四十二話
Name: 友◆ed8417f2 ID:7d3a0122 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/24 16:56

第四十二話 鉄槌と鉄壁と竜使いの出会い




「いらっしゃいませ」

さて、今日も翠屋はいつも通りの営業だ。

ミッドチルダで翠屋を始めて数ヶ月。

最初は身内以外の人はあまり来なかったが、時が経つにつれ、徐々に客の量も増えていってる。

まあ、身内贔屓かもしれないが、この喫茶翠屋クラナガン支店は、なかなかのものだと自負している。

俺のコーヒーはともかくとして、桜の作る菓子は、桃子さんに及ばないまでもそんじょそこらのパティシエなんかよりも遥かに上だ。

更にウェイトレスとして、リニスやファリンといった美人が働いているため、男性受けはいいと思う。

序に………

と、その時店のドアが開き、家族と思われる白髪の男性と青髪の女性と同じく青髪の女の子2人が入店した。

「いらっしゃいませ」

俺は営業スマイルを浮かべて挨拶する。

「へぇ~………中々良さそうな店ね」

青い髪の女性は店内を見渡してそう漏らす。

って、この人たちって……

俺がこの一家に思い当たりがある事に気づいたとき、店の奥から桜が現れた。

「いらっしゃいませ」

桜も、営業スマイルを浮かべて挨拶する。

その時、

「な、なのはさん!?」

小さい方の女の子……スバル・ナカジマが驚いた声を上げる。

「えっ………? 高町三等空尉?」

その女性……クイント・ナカジマも、呆気に取られた顔で桜を見た。

桜は一瞬呆けたが、直ぐに笑顔を作り、スバルに目線を合わせるように座り込む。

「もしかしてスバル? スバル・ナカジマ?」

そう問いかけた。

「は、はい!」

スバルは、ピンと背筋を伸ばして返事をする。

どうやら桜をなのはと勘違いして、緊張しているらしい。

「やっぱり。 なのはが空港火災の時に助けた女の子よね? なのはから話は聞いてたからもしかしたらって思ったの」

桜は笑ってそう言った。

一方、スバルの方は、桜の物言いに不思議そうな顔をする。

大方、なのはと勘違いしている桜の言動に疑問を持っているのだろう。

桜がそんなスバルの表情に気付くと、

「いい忘れてたけど、私はなのはじゃないわよ?」

「「えっ?」」

スバルとクイントさんが声を漏らす。

「私は高町 桜。 なのはの双子の姉よ」

桜が笑みを浮かべてそう言った。




驚いていたクイントさんとスバルが落ち着いた所で、ナカジマ一家はカウンターの席に座る。

「それにしても、随分と若いマスターだな」

白髪の男性……ゲンヤさんが俺にそう言ってくる。

「あはは、若輩者なのは否定しません。 まだ15歳ですし」

そう言って、俺はゲンヤさんにコーヒーを差し出す。

クイントさんにもコーヒー。

ギンガとスバルにはオレンジジュースを出す。

ゲンヤさんは、コーヒーカップを手にとって一口飲む。

すると、少し驚いた表情をした。

「ほう………うまいコーヒーだな」

俺のコーヒーを気に入ってくれたらしい。

まあ、伊達に士郎さんに教わったわけではない。

「ありがとうございます」

俺は礼を言う。

すると、

「お待たせしました」

桜がシュークリームを持ってやってくる。

そして、クイントさん、ギンガ、スバルの前にシュークリームを置く。

「あら、ありがとう」

クイントさんはそう言うと、シュークリームを手に取った。

ギンガやスバルも、待ちきれなかったと言わんばかりに手に取ると、それにかぶりつく。

瞬間、3人同時に顔色を変える。

「あら、おいしい」

クイントさん。

「こんな美味しいシュークリーム初めて食べました!」

ギンガ。

「ぱくぱく!」

感想も言わずにシュークリームに夢中のスバル。

「ありがとう。 そう言ってくれると、作った甲斐があるってものだわ」

桜が笑顔でそう言った。




「ありがとうございました。 これからもご贔屓に」

ナカジマ一家が店を出る。

夕方が近いためか、店の中に客はいない。

「ふぅ~………」

と、俺は一息つく。

すると、店のドアが開いた。

「いらっしゃいませ………って、ユーノか」

入ってきたのはユーノだった。

「やあ、久しぶり」

ユーノは笑顔でそう言ってくる。

すると、

「邪魔するぜ」

と、ユーノの後ろから朱色の髪を三つ編みにした外見年齢17~18歳ぐらいの女性が現れた。

俺は思わず、

「おいユーノ。 女連れってどういう事だ? こんな所ヴィータに見られたら、グラーフアイゼンの落ちない滲みにされるぞ!」

そう言ってしまった。

「あ、あはは………」

ユーノは苦笑。

「へぇぇ………お前はアタシの事そんな風に思ってたのか?」

結構ドスの利いた声でその女性が言った。

「へっ?」

俺は思わず声を漏らす。

俺はその女性をよく見た。

髪は朱色で三つ編み。

身長は成人女性に近いが、その顔立ちは、ヴィータに共通する所が多々ある。

「ま……まさか………?」

俺は、ユーノに視線を向ける。

「あはは………ヴィータだよ………」

ユーノが苦笑しながら答える。

「……………一応確認するが、変身魔法は………」

「使ってないよ」

俺の質問に即答するユーノ。

俺は再びヴィータ(らしき女性)に向き直り、

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」

思わず叫んだ。

すると、

「ユウ!? 如何したの!?」

「何事ですか!?」

「ユウ君! 如何したんですかぁ!?」

「とーさま!?」

店の奥から、俺の声に驚いて、桜、リニス、ファリン、リィンが飛び出してきた。

「やあ、皆」

ユーノが爽やかに挨拶する。

「あ、ユーノじゃない。 如何したの?」

桜がそう尋ねる。

因みに俺は未だに固まったまま。

「ちょっと報告にね」

「報告?」

「うん。 先ずはヴィータの事」

「ヴィータ? ヴィータがどうかしたの?」

ユーノの言葉に、桜がそう尋ねると、

「見りゃわかんだろ?」

ヴィータがそう聞くと、

「えっと………? どちら様?」

桜がダラダラと冷や汗をかきながらそう聞いた。

いや、桜はもう気付いているが、認めたくない気持ちが大きいんだろう。

「こんなナリをしてるが、ヴィータだ」

ヴィータはそう答えた。

その瞬間、

「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」

桜、リニス、ファリンは先ほどの俺と同じように盛大に驚き、

「如何しちゃったんですかヴィータちゃん!? いきなりおっきくなっちゃってるです!」

リィンが驚きながらそう聞いた。

「その話は後だ。 今日は、もう1つ報告があってな………」

ヴィータがそう言うと、ヴィータの後ろにいた誰かを俺達の前に押し出す。

その子は、5、6歳ぐらいの身長に、桃色の髪。

極めつけにその子の腕には白い幼竜が抱かれている。

如何見てもキャロです。

何でだよ!?

「あたし等の娘のキャロだ」

「は、初めましてっ……キャロ・ル・ルシエです! こっちは、フリードリヒ!」

キャロが挨拶するが、その前にヴィータの言った言葉で再び固まる。

む、娘?

キャロが?

ユーノとヴィータの?

「「「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!?」」」」

それを理解した時、皆一斉に驚きの声を上げる。

「どういう事だユーノ!?」

俺は思わず叫んでユーノに問いかける。

「あはは。 ちゃんと説明するから、先ずは落ち着こうか?」




あの後、何とか落ち着いた俺達は、とりあえずコーヒー(キャロはジュース)とシュークリームを出して、話を聞くことにした。







【Side ユーノ】





僕が無限書庫の司書長になって暫く経ち、数日前にようやく無限書庫での仕事が一段落したから、僕は自分の趣味である遺跡発掘に出かける事にした。

勿論ヴィータも一緒だ。

今回の目的地は、第6管理世界のアルザス地方。

この辺りは、竜に関する遺跡が結構あって興味をそそられるんだよね。

それで、1日かけて発掘する場所を決めて、暗くなってきたから野営の準備をする。

ヴィータと2人で焚き火の傍で座ってると、ヴィータが何か俯いている。

「ヴィータ? どうかしたの?」

気になった僕は尋ねる。

すると、

「なあ、ユーノ………」

ポツリとヴィータが呟く。

「うん?」

「アタシ………このままユーノの傍に居てもいいのかな?」

俯いたまま、そんな事を呟いた。

「何言ってるのさ、いきなり?」

「だって、ユーノは成長してるけど、アタシは元々守護騎士プログラム。 何年経っても、アタシは今と変わらない………そのせいで、ユーノが何て呼ばれてるか………」

「ああ。 ロリコン司書長とか、幼女趣味とか」

僕がそう言うと、ヴィータはまた落ち込む。

「良いんだよ。 言いたい人には言わせておけば」

僕はヴィータを元気付ける為に、笑ってそう言う。

「けどよ!」

「それに、僕は幼女が好きなんじゃなくて、“ヴィータ”を好きになったんだからね」

僕がそう言うと、ヴィータの顔が真っ赤に染まる。

「ばっ………おまっ………何言って!?」

顔を赤くしたまま、慌てるヴィータ。

可愛いなぁ。

そう思ったとき、

――ガサッ

後ろの茂みで音がした。

すぐに警戒態勢に入る僕達。

「原生生物か?」

ヴィータがグラーフアイゼンを起動させながら言った。

「一応、結界を張っていたから、危険な動物じゃないと思うけど………油断は禁物だよ」

僕はそう説明する。

――ガサガサッ

茂みが揺れて、その中から現れたのは、

「子供?」

ローブを纏っていて、頭もフードで覆われていたから顔はよく見えなかったけど、背丈がヴィータと同じぐらいか少し下の人間の子供。

その子は、フラフラとおぼつか無い足取りで2、3歩歩くと力尽きたように倒れた。

その拍子にフードが取れ、顔が露になる。

その子は、桃色の髪を持った、幼い少女だった。

「キュクルー」

すると、後ろの茂みから、白い幼竜が飛んできて、その子の近くに降り立ち、心配するように鳴いた。

「おい! 大丈夫か!?」

ヴィータが慌ててその子に駆け寄る。

僕もヴィータの声で我に返った。

その子の詮索は後回しだ。

先ずは介抱しなきゃ。

僕はその子を抱き上げ、テントの中へと連れて行った。






【Side Out】





【Side キャロ】




「アルザスの竜召喚部族、ルシエの末裔キャロよ!」

「僅か6歳にして白銀の飛竜を従え、黒き火竜の加護を受けた。 お前は真、素晴らしき竜召喚師」

「じゃが、強すぎる力は災いと争いしか呼ばぬ」

「すまんな。 お前をこれ以上、この里へ置く訳にはいかんのじゃ」

長老と大婆様にそう宣告されて、私はル・ルシエの里を追放された。

幾許かの食料を渡されて、私はフリードと一緒に里を追い出された。

私には行く当てもなく、自然の中を彷徨い続ける。

この辺りの獣なら、フリードが追い払ってくれるから、襲われても何とかなった。

私が思うのは、自分の力について………

竜召喚は危険な力……

人を傷つける………怖い力………





里を追放されて一週間。

貰った食料は底をついて、体力ももう限界。

フリードも相当疲れてる。

私は、もう駄目かな?

そんな考えが頭に過ぎる。

でも、その方がいいかもしれない。

私と一緒に居る人は、皆不幸になっちゃうから………

…………でも、寂しい。

フリードが居てくれるけど、それでも寂しい。

夜になって、あたりはすっかり暗くなる。

夜は怖い………

少しの物音に敏感になり、物陰から襲われる恐怖が付きまとう。

思わず眼から涙が零れる。

その時だった。

「え?」

少し奥に張られた結界に気付いた。

私は、思わずその結界に近付く。

それは、簡単な結界で、動物避け程度に作ったものだと解る。

私は、その結界の中に入った。

もう私の心身共に限界で、おぼつか無い足取りで前へと進む。

すると、焚き火と思われる光が見えた。

私は茂みを掻き分け、その光へと向かう。

私が茂みから出ると、目の前には男の人と、私と同じぐらいと思う女の子がいた。

夜の闇の怖さの中、人がいたという安堵感からか、心身ともに限界だった私は、そこで意識を失った。





【Side Out】




【Side ユーノ】



僕達が助けた女の子は衰弱していて、かなり限界に近かった事が解る。

僕はとりあえず治癒魔法でその子を回復させる。

暫くすると、

「う……うん………」

その子が目を覚ました。

「あ、大丈夫?」

僕は、その子を怖がらせないように微笑んで問いかける。

「あれ……? 私……?」

その子は、どういう状況か分かってないようで、声を漏らす。

その時、

「ユーノ。 飯の準備できたぞ」

ヴィータがテントの入口を開けてそう言ってきた。

そこで、ヴィータもこの子が目を覚ましている事に気付いた。

「おっ、目ぇ覚めたか」

ヴィータがテントの中に入ってくる。

「あの………貴方達は?」

その子がそう問いかけてきた。

「あ、ゴメン。 自己紹介がまだだったね。 僕はユーノ。 ユーノ・スクライア」

「アタシはヴィータ。 鉄槌の騎士ヴィータだ」

僕達がそう言うと、

「わ、私はキャロ。 キャロ・ル・ルシエです。 こっちはフリードリヒ!」

その子、キャロが慌てたように言って、幼竜も紹介する。

「そう。 よろしくね、キャロ、フリードリヒ」

僕がそう言うと、

「ところで、キャロは何でこんな所に1人で居たんだ?」

ヴィータがそう尋ねる。

「それは………」

キャロが俯いて口を開こうとしたところで、

――きゅるるるるるる

キャロのお腹の虫が可愛らしく鳴った。

キャロの顔が真っ赤に染まる。

「あはは! じゃあ、話はご飯食べながら聞こうか」

僕はそう言って、キャロ達と一緒にご飯を食べる事にした。




ご飯を食べながら、キャロの話を聞く。

簡単に言えば、

キャロはこの近くのル・ルシエの里の竜召喚師の子供。

6歳で飛竜フリードリヒを従え、黒き火竜ヴォルテールの加護を受けた、いわゆる天才召喚師。

でも、ル・ルシエの里では、大きすぎる力は災いと争いしか呼ばないと言われ、一週間ほど前に里を追放されて、食料が切れて彷徨ってた所、限界近くで僕達を見つけてそのまま倒れてしまったという事だ。

「ふざけんな!!」

ヴィータが叫んだ。

「こんな小さな子を追放だと………何考えてやがんだそいつ等!!」

ヴィータは、怒りの感情を隠そうともせずにそう叫ぶ。

そう言う僕も、その長老の判断には賛同できない。

「ユーノ!」

ヴィータが僕の名を呼ぶ。

ヴィータの言いたいことが分かった僕は頷き、

「解ってる。 明日、キャロの里へ行ってみよう」

そう決めた。



翌日。

キャロの案内で、ル・ルシエの里へ向かう。

キャロは飛べないので、僕がキャロを抱えて、ヴィータがフリードを抱えている。

キャロの案内通りに飛んでいると、コテージのようなテントが集まった集落が見えてきた。

「あ、あれです。 あれがル・ルシエの里です」

抱きかかえたキャロがそう言う。

僕達は、集落の中心にある広場に降り立った。

村人達が、突然降りてきた僕達に驚いた視線を向ける。

前にもこんな事あったような………

まあ、いっか。

「突然の訪問すみません! 僕はユーノ・スクライア! 発掘を生業とするスクライア一族の者です! すみませんが、お尋ねしたいことがあり、急遽来訪しました! いきなりですが、どなたかこの集落の長老の下へ案内していただけませんか!?」

僕はそう呼びかける。

すると、1人の男性が出てきて、

「ご案内します。 こちらへ」

「すみません」

僕は一言謝罪し、その人の後に続く。

すると、行く先には周りのコテージより一回り大きなコテージがあった。

案内してくれた男性は、

「ここで少々お待ちを」

僕達を入口の前で待たせ、男性はコテージの中に入る。

少しすると、

「長老がお会いになるそうです。 中へどうぞ」

そう言われ、僕達はコテージの中に入る。

「失礼します」

中には長老夫婦と思われるお爺さんとお婆さんがいた。

「よくぞ来なすった。 スクライアの客人よ」

長老の男性がそう言って迎える。

すると、長老は視線をキャロへと向けた。

「来訪のご用件は予想がつきます………キャロのこと……ですな?」

長老は、目を伏せながらそう言った。

「はい。 この里から、キャロを追放したというのは本当なんですか?」

僕はそう尋ねる。

「……本当の事ですじゃ……強すぎる力は、災いと争いを呼ぶ……故に……」

お婆さんがそう答えた時、

「ふざけんなっ!!」

ヴィータが叫ぶ。

「だからって、こんな小さな子を追放して良い訳ねえだろ!?」

「僕も、その判断には遺憾です」

ヴィータの言葉に続いて、僕もそう言う。

「そう思われるのも、当然ですじゃ………しかし………」

長老が何か言いかけるが、

「言い訳ばっか言ってんじゃねえ! 結局テメーらはこんな小さな子を追放した事には変わりねえんだ! 強すぎる力は災いと争いを呼ぶ!? 確かにその可能性は否定できねーよ! けど、そうしないためにもキャロをちゃんと導いてやらなきゃいけねーんじゃねーのかよ!!」

ヴィータの叫びに続いて、僕も口を開く。

「強くても弱くても、力は唯力でしかありません。 その力をどのようなものにするかは、その力を使う者の心次第です。 少なくとも、キャロが自分で判断を下せる年齢になるまでは育てるべきです。 例え話ですが、このままキャロを追放して、そのキャロをどこかの犯罪組織が拾ったとしましょう。 今のキャロの年齢では、善悪の判断も曖昧です。 この頃から教育していけば、その組織の思うままに戦う兵士にする事すら可能です」

そう、まるで親を殺されて天涯孤独になったユウを、管理局が取り込もうとしたように。

いや、このまま管理局に拾われても、管理局が正しいと刷り込まされて、前線に放り出される可能性が高い。

こう考えると、管理局も犯罪組織とあんまり変わらないなぁ。

「そうして、キャロという強力な兵士を得た犯罪組織は、勢力を拡大し、もしかしたらこの土地に攻め込んでくるかもしれません。 それこそ災いを呼ぶ力になってしまいます」

僕はそう言い放つ。

長老は俯いていたが、

「あなたのいう事も一理ありましょう。 しかし、キャロはまだ自分の力を制御できておらんのです」

そう言った。

「キャロの潜在能力は、凄まじいものです。 この里に住む竜召喚師が誰も敵わないほどの………しかし、それは逆にキャロを止められる者がおらんということに他なりませぬ。 もし、キャロがその力を暴走させてしまえば里の壊滅は必至………キャロの追放も、それを踏まえた上での苦渋の選択だったのです」

その言葉に、キャロは俯く。

その時、

――ドンッ!

ヴィータが床を殴りつけた。

「……もういい!」

ヴィータの表情は、怒りに満ちていた。

「グダグダ理由だけ並べやがって………結局テメーらはわが身可愛さにキャロを追放しただけだろうが! こんな小さな子が怖いかよ! この腰抜けヤロー共が!!」

ヴィータはそう叫ぶと、

「キャロはアタシ達が引き取る! 文句は言わせねえ!!」

それだけ言って席を立つ。

「ユーノ、キャロ、行くぞ。 もうここには用はねえ」

ヴィータはそう言うと、キャロの手を取ってコテージから出て行く。

僕もそれに続いて立ち上がって振り向こうとしたところで、

「ユーノ殿……でしたな」

長老に呼び止められる。

長老に向き直ると、

「追放した我らが言えた義理ではありませぬが、キャロの事、何卒よろしくお願いします」

長老夫婦が、揃って頭を下げていた。

「………言われるまでもありません」

僕はそれだけ言ってヴィータ達の後を追った。




僕達は、里から結構離れた場所で一度降りる。

「ユーノ、結界を頼む」

ヴィータがそう言う。

「やるんだね?」

僕が確かめるように聞くと、

「ああ。 このままじゃ、キャロは自分の力に怯えて、誰にも甘えられねえからな。 大丈夫だって事を証明しねーと」

ヴィータはグラーフアイゼンを起動させ、バリアジャケットを纏うとキャロに向き直り、

「キャロ! 今からお前の持てる全ての力で召喚しろ!」

そう言った。

「えっ? で、でも………」

「キャロが自分の力を怖がってるのは解った。 だからこそ召喚してくれ! アタシ等は、キャロと一緒に居ても不幸にならねーって事を証明してやるよ」

ヴィータが笑いながらそう言う。

その間に、僕は結界を展開した。

「さあ、いいよキャロ。 結界の中なら、誰にも迷惑はかからない」

それでも、キャロは踏ん切りがつかないのか召喚しようとしない。

するとヴィータが、

「召喚してくれキャロ。 アタシ達はお前を1人ぼっちにさせたくねーし、絶対にさせねー! だから、アタシ達を信じてくれ! キャロ!」

そう叫んだ。

すると、キャロの足元に桃色の四角い魔法陣……召喚陣が発生する。

「蒼穹を走る白き閃光。 我が翼となり、天を駆けよ。 来よ、我が竜フリードリヒ。 竜魂召喚!」

その呪文と共に、フリードが桃色の光に包まれ、巨大な姿へと変貌する。

「グガァァァァァァァァァァッ!」

フリードが咆哮を上げる。

幼竜の姿の大人しい性格は一変して、まるで野生の竜のように気性が荒い。

すると、有無を言わさずフリードが炎を吐いてきた。

「おっと!」

僕とヴィータは飛び退いてその炎を避ける。

するとヴィータが、

「ユーノ! 手ぇ出すなよ! ここはアタシがやる!」

そう言うと、返事も待たずにヴィータはフリードに飛び掛った。

フリードは、飛び掛ってきたヴィータに向かって炎を吐く。

だが、ヴィータはその炎を難なくかわし、

「テートリヒ・シュラーク!!」

グラーフアイゼンで、フリードの頭を殴った。

「グアァッ!?」

その一撃で脳を揺さぶられたのか、フリードは気絶して大地に沈む。

「へっ! 楽勝!」

ヴィータはVサインで勝利を喜ぶが、ヴィータの後ろに巨大な召喚陣が浮かび上がる。

「竜騎……召喚……!」

キャロが呟く。

「ヴォルテェェェェェェェェルッ!!」

キャロの言葉と共に、その召喚陣から火柱が吹き上がり、その中から、体長約15mの巨大な火竜が現れた。

巨大って言っても、100mクラスの竜を相手にしてきたから小さく感じるんだけどね。

でも、これほどとは予想以上。

枷をしたままだと、いくらヴィータでも手こずるね。

そのヴィータは、

「へっ、物足りなかった所だ! 相手してやるよ!」

勇ましくその竜に突撃していった。




【Side Out】





【Side ヴィータ】



「おらぁぁぁぁぁっ!!」

アタシはキャロが新たに召喚した黒い火竜に、ギガントフォルムで殴りかかる。

その一撃は頭部に直撃し、その竜は一瞬仰け反ったけど、直ぐに体勢を立て直して腕で殴りかかってきた。

「おわっ!?」

直撃は避けたけど、拳を繰り出した時の気流の乱れで少し吹き飛ばされる。

アタシは一度距離を取って体勢を立て直した。

軽く見積もって、あの竜はSランク相当ってところ。

枷をした状態のアタシの魔導師ランクはAAA。

枷をしたままだと、勝てるか判らない。

けど、

「ここで引き下がるわけにはいかねーんだよ!!」

アタシは、ギガントフォルムを巨大化させる。

「轟天爆砕! ギガント・シュラァァァァァァク!!」

巨大化させたグラーフアイゼンを振り下ろす。

相手の竜も、ギガント・シュラークに殴りかかってきた。

竜の拳とギガント・シュラークがぶつかり合う。

「うぉぉぉぉ………!」

互いの攻撃は拮抗する。

「うおりゃぁぁぁぁぁっ!!」

アタシはそこで更に気合を入れ、竜の拳を弾き飛ばした。

それによって、竜の体勢は大きく崩れる。

「もらったぁぁぁぁぁぁっ!!」

アタシはその隙に飛び込んで、竜の頭に向かってグラーフアイゼンを振りかぶる。

例えSランクでも、コイツを頭に喰らえばひとたまりも無いはず!

「轟天雷鳴! ハンマァァァァァァァ………」

アタシはそのままグラーフアイゼンを振り下ろす。

「スパァァァァァァァ………」

瞬間、

「グオァァァァァァ!!」

口から灼熱の炎が吐き出された。

「しまっ………!?」

思わず声を漏らすが、アタシは成す統べなくその炎に飲まれた。

身体中が炎に焼かれ、とても熱い。

「あぐっ!」

そのまま吹き飛ばされるように地面に向かって落下する。

身体も上手く動かない。

このままじゃ地面に激突する。

その時、

「ああっ!」

キャロの悲鳴に近い声が聞こえた。

その声を聞いた瞬間、アタシは自分に腹が立った。

アタシは何をやってるんだ!

キャロの前であんなデカイ口叩いてこの様は何だ!

アタシは自分に喝を入れ、無理矢理身体を動かす。

何とか地面に着地し、ギリギリで倒れるのを防ぐ。

「はぁ……はぁ……」

バリアジャケットの帽子は吹き飛んで焼き尽くされ、スカートの端やバリアジャケットの所々も、焼かれてボロボロ。

けど、倒れるわけにはいかねえ。

倒れたら、キャロの居場所が無くなっちまう。

すると相手の竜が翼を大きく広げ、口と両翼の前に魔力を集中させる。

恐らく来るのは、大威力砲撃。

けど、キャロの為にも負けるわけにはいかねえ。

はやてが、アタシに居場所をくれたように………

「アタシがキャロの居場所に!」

はやてが家族になってくれたように…………

「キャロの家族に!」

そして、

「キャロの母親に、なってやるんだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

アタシの叫びと同時に、相手の竜が砲撃を放った。

アタシに迫る灼熱の砲撃。

でもその瞬間、緑色の3重の障壁がアタシを守った。

「ヴィータ、無茶しすぎだよ」

アタシの前にいたのはバリアジャケットを纏ったユーノだった。

「ユーノ!? 何で!?」

すると、

「ねえヴィータ。 ヴィータが母親になるって言うのなら、父親も必要じゃないかな?」

そんな事を言ってきた。

「えあっ? ユ、ユーノ………それって………」

顔が熱くなる。

きっと、今のアタシの顔は真っ赤だ。

「2人で、キャロの親になろう」

ユーノは、真剣な顔でそう言ってきた。

「ッ………ああ!」

アタシは迷い無く頷く。

その時、竜がさっきと同じ大威力砲撃を用意する。

「ヴィータ! あの砲撃は僕が防ぐ! その隙に!」

「分かった!」

ユーノが相手の竜に向かって飛ぶ。

アタシは、そのユーノの後ろに付いて飛んだ。

アタシの目の前を飛ぶユーノ。

初めて会った時よりも、ずっと大きくなった背中。

アタシは、成長しない自分にずっとコンプレックスを持ってたけど、ユーノはそんなの気にしないと言ってくれた。

そして、今は守ってやりたい子供が出来た。

だから、身体は成長しなくても、キャロの親に相応しいアタシに、ユーノの隣に立つに相応しいアタシに………

アタシはなる!!

そう心に誓った時、身体に違和感を感じた。

でも、今はそんな事を気にしてる場合じゃない。

相手の竜から放たれる大威力砲撃。

それをユーノは3重の障壁で防ぐ。

爆煙に包まれ、視界が遮られる。

けど、

「今だよ! ヴィータ!!」

ユーノの声。

「よっしゃぁっ!!」

アタシは迷わずに煙の中を突っ切る。

煙を抜けると、そこは竜の顔の前。

「あれだけの大威力砲撃の直後じゃ、さっきみたいな炎は直ぐには吐けねえだろ!?」

アタシはグラーフアイゼンを振り上げる。

「轟天! 雷鳴!!」

そして、渾身の力を込めて振り下ろした。

「ハンマァァァァァァスパァァァァァァァァクッ!!!」

電撃付きの巨大なハンマーが竜の頭部に直撃する。

その竜は、一度咆哮を上げて地面に崩れ落ちた。

「やったぜ!」

アタシは思わずガッツポーズをする。

「ヴィータ!」

煙の中から、ユーノの声がする。

「ユーノ!」

アタシがユーノを呼ぶと、煙が晴れていく。

「良かった。 無事だっ………」

煙が晴れてユーノが姿を見せると、何でか突然固まった。

「如何した? ユーノ?」

アタシが尋ねると、

「ヴィ、ヴィータ?」

何でか疑問口調で問い返してくる。

「おう! 如何かしたか?」

アタシがもう一度尋ねると、

「ヴィ、ヴィータ。 身体に違和感はない?」

そんな事を聞いてきた。

「ん? そーいやぁ、さっき違和感を感じたけど……今は何ともねえぞ」

アタシがそう答えると、

「と、とりあえず下に降りよう。 そうすれば分かると思うから……」

ユーノが若干焦った表情でそう言った。

「?」

アタシは良く分からなかったけど、とりあえずキャロを待たせてるから、ユーノと地上に降りる。

すると、

「ヴィータ」

ユーノに呼ばれて、そっちに振り向くと、

「うおっ!?」

ユーノの顔が、アタシの目線と同じぐらいの高さにあった。

「ユーノッ! ビックリさせんな! 何でアタシの目線に合わせてるんだよ!?」

アタシは思わずそう叫んで後ずさる。

けど、

「ヴィータ、よく見て。 僕は普通に立ってるよ」

「へっ?」

そう言われて、改めてユーノを見ると、確かに普通に立っている。

けど、アタシと同じ目線の高さ。

ってことは………

アタシは、自分の身体を確認するように下を向く。

「ヴィータ、大きくなってるよ」

「は?」

アタシは自分の目で見ても信じられなかった。

「はぁああああああああっ!?」

思わず驚愕の声を上げる。

「ど、どーなってんだよ!?」

「ぼ、僕に聞かれても………」

何でいきなり大きくなってるんだ!?

アタシは元々守護騎士プログラムだから、成長はしないはずだろ!?

そんな風に思っていると、

「ヴィータさん! ユーノさん!」

キャロが駆け寄ってきた。

その姿を見ると、

「まあ、いっか。 これなら母親って名乗っても馬鹿にされないだろうし」

そう思って、キャロを出迎える。

「キャロ、アタシ等の言うとおりだったろ? アタシ達は、お前と一緒にいても、不幸にはならないって!」

「はい! それにしてもヴィータさん?」

「如何した?」

「ヴィータさんって、大人だったんですね」

「んあっ?………あ、ああ。 その通りだ」

キャロの言葉に、アタシはそう答える。

それよりも、

「キャロ、“ヴィータさん”なんて他人行儀はやめろ。 さっきも言っただろ? アタシ達はキャロの親になるんだってな」

アタシはキャロにそう言う。

「えっ? えっと……………お、お母さん………?」

「おう!」

お母さんと呼ばれて、何かくすぐったい感じがしたが、アタシは返事をする。

キャロは、ユーノへ視線を向けると、

「お、お父さん……?」

「うん。 そうだよ、キャロ」

ユーノがそう言うと、

「………うっ……ううっ………」

キャロはいきなり目に涙を浮かべ、

「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

大泣きした。

「お、おい!? 如何したキャロ!?」

いきなり泣き出したキャロにアタシは困惑する。

すると、ユーノがキャロに近付いて、

「よしよし、大丈夫だよキャロ。 僕達が傍にいるから」

キャロを抱き上げて頭を撫でつつ慰める。

アタシもユーノの腕に抱かれたキャロを撫で、

「キャロ、ユーノの言うとおりだ。 アタシ達が付いてる。 心配する事はなんも無いからな」

そのまま、アタシ達はキャロを慰め続けた。





【Side Out】







「…………って訳」

ユーノの説明を聞き、呆然となる俺達。

キャロが2人の子供になるとは………

「それにしても、何でヴィータはいきなり成長したんだ?」

俺は疑問を口にする。

すると、

「僕の仮説だけど、ヴィータはあの時、キャロの母親として相応しくなりたいって強く思ったらしいんだ。 ヴィータの強い思いが、ヴィータの身体プログラムを書き換えたんじゃないかって思ってる」

「へ~」

「まあ、あくまで仮説だからね。 真実はわからないよ」

まあ、分からないものはしょうがないか。

「で、ちょっと頼みがあるんだけどよ」

ヴィータがそう言ってくる。

「何だ?」

俺が聞くと、

「ここって、結構空き部屋が合ったよな?」

そう返してくる。

「ああ。 どうせなのは達が泊まる事が多いだろうと思って、部屋の数は多くしといたけど………」

そう答えると、

「頼む! アタシ達に部屋貸してくれないか?」

ヴィータが頭を下げながら手を合わせてお願いしてくる。

「何で?」

「ああ。 アタシ等も、キャロを学校に通わせようと思ってるんだ。 ここなら、学校に通ってるエリオも居る事だし、アタシ等が無限書庫の仕事で遅くなった時も、キャロに寂しい思いをさせる事もない。 勿論! 必要なら家賃も払う。 だから、この通り!」

ヴィータは再び頭を下げる。

「ユウ。 僕からもお願い」

ユーノも頭を下げた。

「そこまでしなくても部屋ぐらい貸すよ。 家賃も必要ない。 ただ、家事の手伝いと、時間があるときで良いから店のヘルプは頼む」

俺がそう言うと、

「すまねえ! 恩に着る!」

「ありがとう! ユウ!」

2人して感謝してくる。

すると、

「ただいまー!」

エリオが帰ってきた。

「おう! お帰りエリオ」

俺はエリオにそう言う。

「あれ? ユーノさんと………」

エリオはヴィータを見て首を傾げる。

「ヴィータだ」

ヴィータは自分でそう言う。

「ヴィータさんって…………ええっ!?」

エリオは驚愕する。

「アタシもなんでこうなったかよく分からねえんだ。 とりあえず納得しとけ」

すると、ヴィータはキャロをエリオの前に連れてくる。

「でだ。 こっちはアタシとユーノの娘のキャロ。 エリオとは同年代だ。 その内学校にも入れるつもりだから、仲良くしてやってくれよな」

「は、初めまして! キャロ・ル・ルシエです! こっちは飛竜のフリード!」

「あ、はい、こちらこそ初めまして。 エリオ・モンディアルです」

キャロとエリオが自己紹介する。

何かその姿が微笑ましい。

こうして、翠屋に新しい家族が加わった。







なお、後日。

「ヴィータがおっきくなって、その上ユーノ君と子供まで作ったやとーーーーーーーーーッ!!?? うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!! ヴィータにもさき越されたぁぁぁぁぁぁ!!!」

と、はやてが暴走。

ただし、相手が俺では無かったので、他のメンバーは笑ってユーノとヴィータを祝福。

1人暴走するはやてを、とりあえず鎮圧しておいた。






あとがき


第四十二話の完成。

はい、ごめんなさい!

ヴィータを成長させてしまいました。

今回の話の中で、これが一番賛否両論あると思います。

しかし、キャロの母親という立場にするに当たって、流石に小学生低学年の背丈では拙いだろうと。

あと、話の中でも出ていましたが、ユーノがロリコン司書長呼ばわりされてしまうので………

そして、何故か竜達とのバトル。

哀れフリード。

一撃で沈められました。

ヴォルテールは中々頑張りましたが、鉄槌と鉄壁のコンビには敵いませんでした。

さて、皆様の反応が怖いです。

次回はアギトになるかなぁ。

そうそう。

久遠は反対が居ないようなので、出します。

次の次ぐらいに出てくると思うのでお楽しみに。

では、次も頑張ります。




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