すみません。
自分のミスでトリップが変わってしまいました。
直らないのでこのまま行きます。
第三十八話 俺の誕生日は(以下略)
さて、俺となのは達との模擬戦から早一年近く。
とりあえず、現状を簡単に説明すると、
管理局員となったのは、なのは、フェイト、はやて、リインフォース、シグナム、シャマル、ザフィーラ。
アルフもフェイトの使い魔として登録されている。
因みに余談だが、一度だけリインフォースにユニゾンしてくれと頼まれた。
俺もユニゾンには興味あったから了承してユニゾンしたんだが、リインフォースは「ふむふむ、なる程」とか呟いて1人でなにやら納得していた。
ユーノは、以前断った司書の誘いを受け、無限書庫の司書となった。
ただし、自分の趣味でもある遺跡発掘を両立させる事を条件にだ。
驚いたのが、ヴィータがユーノについていったこと。
俺は、ヴィータに無限書庫で仕事が出来るのかと思ったが、ユーノの護衛や古代ベルカ語の翻訳などで役に立っているとか。
意外だな。
アリサ、すずか、アリシアは、デバイスの知識を得るために猛勉強中。
因みに、講師はリニスとプレシアさんだったりする。
3人とも、凄まじい勢いで知識を身に付けていくので、講師役の2人は驚いていた。
スカリエッティ一味だが、はやての案で、名目上最高評議会の元に戻る事となった。
なんでも、俺を拉致した償いとして、管理局のいう事を聞く振りをしてスパイ活動しろ、って事らしい。
スカリエッティもそれに了承した。
理由は、
「全て終わった後に自由が約束されているなら別にかまわない。 最高評議会の元なら残りの娘達が目覚めるまで堂々と研究できるものだ」
らしい。
桜は、結局管理局には入らなかった。
現在では桃子さんの下、パティシエ見習いとして日々頑張っている。
何故管理局に入らなかったのかを聞くと、
「ユウを一人にしたら何かと心配だから」
だそうだ。
俺ってそんなに信用……無いな。
実際拉致されたし………
あと、ファリンさんだが、既に翠屋のドジっ子ウェイトレスとしての地位を築きつつある。
その度に俺がフォローしているわけだが。
最後に俺だが、士郎さんの下でコーヒーの淹れ方を始めとした喫茶店のマスターとしての心得を教わっている。
マジで士郎さんや桃子さんは、俺に翠屋を継がせるつもりらしい。
まあ、忙しいけど、結構やりがいあるし問題は無いんだけど。
因みに現在の俺のコーヒーは、士郎さんに言わせれば、まだまだと言った所だ。
そして、これとは別に、管理局に繋がっている違法研究所をオメガフォームで時々潰している。
これは、特にやっている事が許せないとか、そういった正義感の為にやっている事ではなく、単にクーデターの準備をしようとしているなのは達に注意が向かないようにするためのものだ。
外に気が向けば、その分だけ内部への注意は弱くなる。
この1年で3つほど違法研究所を潰しているが、流石に管理局は自分たちのやっている事を公には出来ないのだから、当然ながらオメガフォーム姿の俺は指名手配されている。
罪状は、健全な研究機関を破壊した事及びそこに居た人達の大量殺人。
通り名は『血塗られた聖王』。
何言ってるんだか。
序に言っておくと、俺は研究機関を跡形もなく破壊はしているが、人は1人も殺していない。
よく二次小説とかでやっている事が許せないとかで皆殺しとかする奴がいるが、俺は基本ヘタレなんで人殺しなど怖くて出来ん。
研究者達は、ガルルキャノンで岩山吹っ飛ばしたりグレイソードで直接脅せばいとも簡単に逃げていく為、無人になった研究施設をガルルキャノンで吹っ飛ばしているだけだ。
それでも、人が死んでいるなら、それは口封じの為に殺されたんだろう。
ったく、正義の組織が人に罪を擦り付けんなよ。
以上、ここ一年間はこんな感じだ。
でだ、しつこいとは思うが今日も1月25日。
俺は毎年恒例の両親の墓参りに来ているわけだが、
「……………何でこんな大人数なんだよ?」
いつもは1人、もしくはリニスと2人で墓参りしているはずだが、何故か今回はなのは達が全員付いて来た。
「当然じゃない。 一昨年、去年と碌でもない目に遭ってるんだから。 皆、ユウの事が心配なのよ。 勿論私もね」
桜がそう言った。
「まあ、その通りだから何も言い返せないけどさ………」
「安心しなさい。 墓前で騒ごうなんて思ってないから」
俺の呟きに、桜がそう答えた。
桜の言うとおり、俺が墓参りをしている間は皆は大人しくしていた。
そして、来た時と同じように皆で家へ帰ろうとすると、
「あ、ユウ君。 翠屋に行こうよ」
と言う、なのはの鶴の一声によって、翠屋行きが決定した。
すると、翠屋のドアには貸切の札が掛かっている。
「あれ? 今日って翠屋を貸切にする予定なんてあったけ?」
俺がそう尋ねるように呟くと、
「まあ、いいからいいから」
そう言ってフェイトに背中を押される。
俺は、フェイトに促されるままに翠屋のドアを開けると……
――パパパパパパパンッ!!
炸裂音と共に、キラキラした紙や紐が俺に降りかかる。
クラッカーだ。
「え?」
俺は思わず声を漏らした。
その瞬間、
「「「「「「「「「「「ユウ(君)! 誕生日おめでとう!!」」」」」」」」」」」
後ろにいたなのは達も含めて一斉に唱和した。
「え? え?」
状況が掴めずに軽く混乱する。
翠屋のテーブルには豪勢な料理が並んでいた。
「ユウ君。 今日はユウ君の誕生日だよ?」
なのはがそう言ってくる。
「いや……それは分かってるんだけど………これは?」
「だって、最近のユウ君の誕生日は、碌でも無いことばっかやん。 一昨年はブラックさんの襲撃。 去年はユウ君拉致されたやん」
「だから、今年は派手にやろうって事になったんだよ」
俺の言葉に、はやてとアリシアがそう言った。
「はは………なる程………」
俺は若干苦笑すると、店の中を見渡す。
そこには、高町家、テスタロッサ家、月村家。
流石にハラオウン家は居ない様だが、私服姿のトーレとチンクがいた。
何か新鮮だな。
「………皆……ありがとう」
俺は、感謝を込めてそう呟いた。
それでパーティーが始まって少しすると、
「ユウ君。 はい、プレゼント!」
なのはが、プレゼントの箱を渡してきた。
「あ、サンキュ」
俺が受け取ると、それを筆頭に、フェイト、はやて、アリシア、アリサ、すずか、シグナム、シャマル、リニス、ファリンさんと次々にプレゼントを渡してくる。
すると、トーレとチンクが俺の前に来て、
「あ~、すまん。 私達は急に知らせを受けたからプレゼントは用意出来なかった」
トーレがそう言う。
「いや、来てくれただけで嬉しいよ」
俺がそう返すと、
「だが、その代わりと言ってはなんだが、新しい妹達を紹介する」
「へ?」
チンクの言葉に、俺が声を漏らすと、
「お前達、出て来い!」
トーレの言葉と共に、
「ジャジャ~ン!」
床から水色の髪の少女と茶色のロングヘアーを後ろで縛っている少女が飛び出した。
「どわっ!?」
突然の事に、俺は思わず驚いた声を漏らす。
「初めまして! No6セインです! よろしく!」
水色の髪の少女、セインはそう元気良く挨拶する。
「No10ディエチ………よろしくお願いします」
対して茶髪の少女、ディエチは淡々と言葉を紡ぐ。
「あ、ああ。 俺は利村 ユウ。 よろしく」
俺は驚きながらもそう返した。
「セインはともかく、ディエチは感情が希薄だが、悪い娘ではない。 皆も仲良くしてやってくれ」
「「「「「「は~い!」」」」」」
トーレの言葉に、なのは達が答えた。
すると、
「そういえば桜お姉ちゃん? 桜お姉ちゃんはユウ君にプレゼント渡してないけど、どうしたの?」
なのはが、まだ桜が俺にプレゼントを渡していないのが気になったのかそう尋ねる。
「え、えっと………私のは……その………」
桜は何やら顔を赤くして言いよどんでいる。
「どうした?」
俺が尋ねると、
「フフッ、桜はもうプレゼントは渡しているわよ」
桃子さんが微笑んでそう言った。
「え?」
受け取った覚えの無い俺は首を傾げる。
そんな様子を見た桃子さんが、
「気づかなかった? 今日のユウ君のバースデーケーキは、全部桜が作ったのよ」
笑ってそう言った。
「「「「「「「「「「ええ~~~っ!!?」」」」」」」」」」
驚く俺達。
「こ、これでも母さんの下で1年近くも教わってきたのよ! ケ、ケーキぐらい出来て当然よ!」
桜はそう言うが、照れているのか顔が赤い。
「へ~、これを桜が」
俺は感心してそう呟く。
「い、一応母さんからは及第点を貰ったんだけど……どうだった?」
桜は若干恐る恐る尋ねてくる。
「ああ、美味かったぞ。 凄いな」
俺は本心でそう言った。
「そ、そう? ありがと……」
桜は顔を染めつつそう呟いた。
その時、
「すまない。 準備に手間取った」
リインフォースが店の奥からプレゼントの箱を持って現れた。
プレゼントの箱は、縦、横、高さ共に30cm位の大き目の箱だ。
「ユウ、これが私からのプレゼントだ」
そう言って、リインフォースがそのプレゼントを差し出してくる。
「ああ、ありがとう」
俺はお礼を言って受け取った。
「それは出来れば、今あけて欲しい」
リインフォースがそう言ってくる。
「え? いいのか?」
俺がそう聞くと、
「ああ。 すぐに開けてやってくれ」
「?」
“開けてやってくれ”と言う言い方に少し引っ掛かったが、俺は箱を縛っていたリボンを解く。
そして、蓋を開けると、
「どっかーーーん!!」
そんな声と共に、何かが箱の中から飛び出してきた。
「あははははっ!」
飛び出した何かは俺の周りをクルクルと飛び回ると、
「初めまして! 2代目祝福の風、リインフォース・ツヴァイです! よろしくですよ~!」
身長約30cm、ちっちゃなリインフォースことリインフォース・ツヴァイが俺の前にいた。
「リ、リインフォース?」
俺はリインフォースに顔を向けて、どういう事?と訴えかける。
「私がユウのサポートの為に生み出したユニゾンデバイスだ。 ユウの凍結の魔力変換資質と相性を良くしてある」
「い、いつの間に……って、結構前にリインフォースがユニゾンさせてくれって頼んできたのって!?」
俺は心当たりに思い当たり、リインフォースに確認を取る。
「その通りだ。 あのときに、ユウの身体を解析させてもらった。 ツヴァイは、そのデータを元に生み出したんだ」
「は~~………」
俺は感心していいのか呆れていいのか分からず、声を漏らした。
俺はツヴァイに顔を向けると、
「え~と、なんて呼べばいいんだ?」
原作ではリィンと呼んでいたが、俺は一応尋ねる。
「リィンはリィンですぅ!」
あ、やっぱそうやって呼ぶのか。
「じゃあ、リィン。 よろしくな」
「はいです!」
俺の言葉に、リィンが答える。
「ならばユウ。 早速ユニゾンしてみてくれ」
リインフォースにそう言われ、俺はリィンに手を差し出す。
「いいか?」
俺が聞くと、
「もちろんですぅ!」
元気良く言葉が返ってきた。
リィンが俺の差し出した手に触れ、
「「ユニゾン・イン!」」
俺達は光に包まれユニゾンした。
光が収まり、俺は身体の各部を確かめるように動かす。
「リィン、問題ないか?」
『はい! 全て良好! 相性もばっちりですぅ!』
リィンは俺の中で嬉しそうに言った。
「ん?」
ふとなのは達を見ると、
「ふわ~………」
「こういうのも、中々……」
「印象かわるわ~……」
何やら上の空。
「どうした?」
俺が尋ねると、
「はい」
桜が鏡を手渡してきた。
俺が鏡を受け取って鏡を覗くと、
「おお!?」
俺も軽く驚いた。
黒髪は全て銀髪になり、目は両目とも青くなっている。
目の色は、凍結の魔力変換資質が強く出た結果かな?
虹色の魔力光を発現させた時にも、片目は青くなるしな。
そして、俺は思った。
「………これなら……出来るかも………」
俺は、前から考えていた事を実行する事にした。
「アイシクル! セットアップだ!」
『Yes, Master. Stand by, Ready. Set up.』
俺はアイシクルを起動させる。
「えっ? ユウ君?」
俺がいきなりデバイスを起動させた為に、困惑の声を漏らすなのは。
『Ⅹ-Mode.』
だが、それは今までとは違う。
装着されるバリアジャケットは丸みを帯びたものから鋭く角張り、より装甲をイメージさせるものへと変化し、左肩には6連装ミサイルランチャー。
右肩にはレーザー砲の砲身。
左腕にもガトリングガンが装備され、右手の甲にもビームガンが装着されている。
両足にもミサイルポッドが追加され、更なる火力を手に入れた姿。
「よし! 成功だ!」
俺は思わず声を上げた。
前々から考えていたXモードが成功したのだ。
「ユ、ユウ……その姿って……?」
フェイトが、いつもと違うバリアジャケットの変化に、困惑した声を漏らす。
「なる程。 Xモードか」
やはり桜は理解しているようで、答えに辿り着いた。
俺はバリアジャケットを解除する。
そして、ユニゾンも解除した。
「ふう。 リィン、改めてよろしくな」
俺はリィンにもう一度そう言った。
「はいです! よろしくお願いします! とーさま!」
「なっ?」
リィンの言葉に俺は声を漏らす。
「リ、リィン? とーさまってどういう事だ?」
俺はそう尋ねる。
すると、
「ツヴァイはお前のデータを元に生み出した存在だ。 いわば、お前の子供同然だからな」
リインフォースがそう言う。
「で、でも………」
俺がそう呟くと、
「はぅ……とーさまって呼んじゃダメですか?」
ぐはっ!?
涙眼&上目遣い!
良く小説とかで読んでバカにしてたけど、これはキツイ!
「いや、ダメじゃないよ」
俺は思わずそう言ってしまった。
いや、仕方ないだろ!
すると、
「わーい! とーさま!」
さっきとはうって変わって笑顔で飛びついてくる。
まあ、いいか。
俺がそう思ったとき、
「かーさま! リィンはやりました!」
リィンがリインフォースに向かってそう言い、
「うむ! よくやったぞ、我が娘よ!」
リインフォースが力強く頷いた。
その瞬間、
「どういう事やリインフォース!!」
はやてが叫んだ。
「ツヴァイはユウのデータを元にしたとはいえ、私が生み出しました。 ですから母親は私です」
リインフォースはしてやったりという笑みを浮かべる。
「リ、リインフォース……主である私を差し置いてユウ君と子供作るやと……?」
「いくら主とはいえ、これだけは譲れませんので」
「リインフォースゥゥゥゥゥゥゥッ!!」
これがきっかけとなり、魔導師組の大バトルに発展した。
流石に今のなのは達がマジでぶつかり合えば山奥に場所を変えたとて街への被害は避けられないために、それの鎮圧の為にXモードの必殺技、『ガルルバースト』の最初の犠牲者がなのは達魔導師組になったと記しておこう。
あとがき
第三十八話の完成。
新しいStSキャラは、セインとディエチ。
そしてリインフォース・ツヴァイでした。
因みにセインとディエチですが、原作ではゼスト隊壊滅時には既に稼動していた事が今回の執筆中に気づきました。
今更変えるのもなんだったので、とりあえずこのままいきます。
さて、リィンとのユニゾンでアイシクルのXモードが出ました。
となれば、ブレイズのXモードは……もう分かりますよね?
さて、次もがんばります。