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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第十五話(前編)
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/04 09:48
第十五話 誘拐事件




5月の下旬に入ったある休日。

桃子さんに買い物を頼まれた俺は、フェレットモードのユーノと共に街に来ていた。

店を回り、頼まれたものを大体買い終えた俺は、メモを確認する。

「頼まれたものは、大体こんなもんかな?」

独り言でも問題ない口調で、俺は肩に乗っているユーノに話しかける。

(そうだね。これで全部だった筈だよ)

ユーノもそう言っているので、高町家に戻ろうとした時、

「あら、ユウじゃない」

そう声をかけられた。

俺が其方を向くと、

「アリサにすずかか・・・・・」

2人の名を呟く。

「珍しいな。2人が歩いてるなんて。稽古の帰りか何かか?」

俺がそう聞くと、

「まあね。それに、歩きって言っても、もう少し行った所に、鮫島が迎えに来てくれるはずだから」

アリサがそう言う。

「ユウ君は?」

すずかが尋ねてくる。

「俺は桃子さんに頼まれた買い物が終わった所。居候の身だからな、この位は手伝わないと」

俺はそう答えた。

「そっか」

すずかは微笑んで頷いた。

すると、2人は俺の肩に乗っているユーノに気付いた。

「あ、ユーノじゃない」

「ホントだ。そっちも珍しいね。ユーノ君は大概なのはちゃんか、桜ちゃんと一緒に居るのに」

2人がそう言う。

「そうか?家じゃあ結構一緒に居るけど・・・・・・まあ、一緒に外に出歩く事は珍しいか?」

俺は、自問自答するように呟く。

まあ、家じゃユーノは人間の姿に戻ってるし。

その時、黒いワゴン車がスピードを落としながら走ってきた。

そして、俺達の近くを通り過ぎようとした時、開いていたドアから手が伸びてきて、アリサとすずかを車内に引きずり込んだ。





【Side すずか】




私は一瞬何が起こったか分からなかった。

アリサちゃんと一緒にユウ君と話してたら、いきなり口を塞がれて後ろに引っ張られた。

「んん~~~ッ!?」

私はもがくが、強い力に押さえつけられて振りほどけない。

「アリサッ!すずかっ!」

その声に目を開けば、ユウ君が慌てて駆け寄ろうとしていた。

だが、ワゴン車らしき室内の奥の人物が、ユウ君に向かって手を伸ばす。

その伸ばされた手には、何かが握られていた。

私はそれに気付いた時、目を見開いた。

それは、ドラマや映画でも見たことがあるサイレンサー付きの拳銃。

「ん~~~~~~~っ!!」

私はユウ君に逃げてと言いたかったが、口が塞がれている為声を出す事ができない。

そして、

――バスッ!

無常にも発砲音が聞こえた。

思わず視線を向けると、倒れていくユウ君の姿。

「ん゛~~~~~~~~っ!!??」

思わず叫ぼうとする。

そして、車の中の人物達は、そんなユウ君を気にする素振りも見せず、ドアを閉める。

「うまくいったな」

「ガキの死体が1つ増えたが、まあ、些細な事だ」

その言葉を聞いたとき、思わず涙が溢れる。

「おやおや、泣いてるぜ」

「化け物にも涙は流せるんだな」

その言葉を聞いて絶句する。

この人たちは月村の秘密を知っている。

私が震えていると、

――ガンッ

車の天井に衝撃音が響いた。

「何だ?」

「さあ?多分、飛んできた石か枝が当たったんじゃないのか?」

「それもそうか」

男たちは、そう言いながら笑い声を上げ、ワゴン車は走っていった。





【Side Out】




【Side ユーノ】



なのはの友達のアリサとすずかが、突如走ってきたワゴン車の中に引きずり込まれそうになったとき、ユウが助けようとして何かに撃たれた。

あれって確かこの世界の質量兵器で拳銃って奴だったはず!

ワゴン車はそのまま走り去ろうとしている。

僕は、倒れたユウに慌てて駆け寄る。

「ユウ!大丈夫!?ユウ!」

僕は必死に呼びかけた。

この時の僕は周りが見えていなかったが、周りには運よく誰もおらず、フェレット状態の僕が喋っている事に気付く人はいなかった。

「そうだ!先ずは怪我の確認を・・・・・」

と、其処まで言った時、

――ガシィ!

と、いきなり首根っこを掴まれる。

見ると、ユウの右手が僕の首を掴んでいた。

すぐにユウが飛び起きる。

「ユウ!?怪我は!?」

僕は宙吊りにされながらもユウが心配だった。

ユウが握っていた左手を開く。

すると、

――カツンッ

と、握りつぶされた銃弾が地面に落ちる。

嘘っ!?

あの至近距離で銃弾受け止めたの!?

僕が驚愕していると、

「ユーノ!全身を強化しろ!!」

「へっ?」

いきなり言われたユウの言葉に、僕は声を漏らす。

「ピッチャー第一球・・・・・・」

だが、ユウは僕の首根っこを掴んだまま。

「振りかぶってぇ・・・・・・・・」

右足を軸にして、大きく左足を上げる。

そして、僕を掴んだ手は肩の後ろに回る。

「ちょ!?ユウ!まさかっ!?」

僕は、ユウがやろうとしている事に気付き、慌ててユウに声をかける。

しかし、ユウはそんな僕の声にも耳を傾けず、

「投げましたぁっ!!!」

僕を思いっきり投げ飛ばした。

「きゅううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!??(うそぉおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??)」

宙を舞う・・・・・というか、勢い良く飛ばされる僕。

慌てて僕は全身を強化する。

そして、落下すると思われる地点には、アリサとすずかを攫ったワゴン車。

――ガンッ

僕は、何とかそのワゴン車の天井に着地する。

(ユウ!いきなり何するのさ!!??)

僕は思わず念話でユウに文句を言う。

(悪い悪い。時間がなかったんだ。お前はそのままへばり付いて、2人の傍にいろ。俺もお前の魔力を辿ってすぐに行く!)

ユウのその言葉で、ユウの意図を察知した僕は、渋々納得する。

(そういう事なら仕方ないけど、せめてもう少し何をするか教えて欲しかったよ・・・・・・)

とりあえず愚痴っておいた。

(いや・・・・まあ・・・・・すまん)

ユウは謝って来る。

僕は、とりあえず振り落とされないように、必死に天井にへばり付くのだった。





【Side Out】





うむ、とりあえずは上手く行った。

思わずノリで投げちまったからな。

まあ、結果オーライ。

ピッチャーというか、どっちかと言えば、外野からのバックホームと言った方が正しいのかもしれないが・・・・・・

前世では高校まで野球をやっていたからな。

しかも外野手。

ベンチにも入れなかったが・・・・・

昔取った杵柄って奴か?

にしてもヤバかった。

後一秒身体強化が遅かったら死んでたな。

余りにもビックリしたから、躓いて転んだし。

それはともかく、俺はユーノの魔力を頼りにワゴン車を追いながら念話をする。

(リニスっ!聞こえるか!?)

俺がそう送ると、

(ユウ?如何したんですか、そんなに慌てて・・・・・)

リニスはそう応える。

(リニス!いま何処だ!?)

(今ですか?翠屋ですけど・・・・・)

(そうか!緊急事態だ!アリサとすずかが誘拐された!)

(ッ!?)

(ユーノを引っ付けといたから、魔力を追って追跡してる!お前は士郎さんでも恭也さんでも誰でもいい!大人達にこの事を!)

(分かりました!)

リニスはそうハッキリと返事をして念話を切った。

これでとりあえず大人たちには知れ渡る。

さぁて、人目も無くなってきたようだし、気合入れて追うとするか!

俺は脚力を強化し、ユーノの魔力を目印に、一気に加速した。





【Side アリサ】



いきなり車に連れ込まれた私達が連れてこられたのは、山奥にある廃ビルだった。

そこで私は、すずかとは別の部屋に監禁された。

同じ部屋の中には、私達を攫った実行犯らしき人物達を含め、6人の男たちがいて、私は手を後ろで縛られている。

私は怖くてたまらなかったが、口を開く。

「ちょっとアンタ達!どうせ身代金目的の誘拐でしょ!?だったら私1人いれば十分の筈よ!すずかは解放して!」

私の言葉に、男たちは一瞬顔を見合わせるが、突然笑い出す。

「くははははは!まあ、俺達は金目的だからお嬢ちゃん一人いれば事足りるわけだが、雇い主の目的は、もう1人のお嬢ちゃんの家だからな!」

私はその言葉を聞いて、疑問に思う。

「すずかの家が目的?如何いう事よ!」

私は思わず問いかけた。

私の問いに、男たちはニヤニヤと笑みを浮かべ、言った。

「お嬢ちゃんは知らないだろうから教えてやるよ。もう1人のお嬢ちゃん家の一族はな、人間じゃないんだよ」

「えっ・・・・・・?」

私はその言葉を聞いたとき、思わず声を漏らした。

「人の姿をしているが人じゃない。人の血を吸って生きる化け物。つまりは吸血鬼さ」

「嘘よっ!!」

私は叫んで否定した。

すずかが化け物なんて信じたくなかった。

「嘘じゃないさ。その一族は吸血鬼なだけあって、全体的に身体能力が高い。心当たりがないか?」

そう言われ、私は思わず考えてしまった。

確かに、すずかは体育の成績がずば抜けて良い。

「心当たりがあるようだな?」

私の態度で悟ったのか、そう言われて、私は動揺する。

「た、確かにすずかは体育の成績は一番よ!けど、唯それだけだわ!」

私は、必死に反論する。

「それは子供だからだな」

「そ、そんな・・・・・そんなこと・・・・・・・」

私は否定しようとするが、声が弱々しくなってしまう。

「もう少しすれば嫌でも分かる。あの月村の一族は、人間とは違うと」

「ち、違う・・・・すずかは・・・・・すずかは・・・・・・」

私の友達と言おうとしたが、言葉が出てこない。

「まあ、そんな事で悩む事はもう無い」

「えっ?」

突如言われた言葉に、疑問の声を漏らす。

「あのお嬢ちゃんとは、もう会う事も無いだろうからな」

「なっ!?如何いう・・・・・・!?」

私が其処まで問いかけようとした時、

「おおっと、他人の心配をしてる場合じゃないよ。先程から我慢できない奴が一人いるんでね」

私が、何の事かと疑問に思ったとき、同じ部屋の中にいる6人の男の中の1人が、他の男たちとは違ったギラついた目で私を見ている事に気付いた。

それに気付いた時、本能的に悪寒が走った。

「な・・・・・何・・・・・?」

私は、その男から少しでも離れるように身を捩って後ろに下がる。

「その男は真正のロリコンでね。ああ、幼女趣味の事だよ。つまり、君のような年頃の女の子が大好きでね、しかもそんな女の子の泣き叫ぶ姿を見ると、更に欲情するという正真正面の変態なんだよ」

先程の男がそう言うと、

「ぎひひ・・・・・兄貴ぃ~、俺、もう我慢できねえよ。犯っちまって良いだろ?」

その男は下品な物言いで私に近付いてくる。

「い・・・・・いや・・・・・・・・・・」

一歩一歩近付いてくるたびに、私は身を捩って逃げようとする。

「う~~~ん、そそるねぇ~・・・・・兄貴、良いだろ?」

「ふん、物好きめ・・・・・・まあいい、好きにしろ。ただし殺すなよ。身代金が取れないからな」

リーダー格と思われる男は、私にとって死刑宣告に等しい言葉を発した。

「へへっ・・・・流石兄貴、話がわかるぅ」

その男は私に近付いてくる。

「や・・・・・やだ・・・・・・来ないで・・・・・・」

私は恐怖心から、普段は絶対に吐かない弱々しい声を発する。

何をされるかは分からないが、碌でもないことは確かだ。

「泣き叫んでも構わないよ。どうせ誰も来ないから・・・・・寧ろ、泣き叫んだ方がそそるからね」

ニヤニヤしながら近付いてくる。

周りの男たちも、歪んだ笑みを浮かべるだけ。

「や、やだ・・・・・・誰か・・・・・助け・・・・・」

私は思わず助けを請う。

「ふふふっ・・・・・お姫様のピンチには王子様が助けに来るのが相場だけど、どうやら君には王子様は来ないようだね?」

そんなことは分かってる。

物語みたいに、そんな都合のいい話があるわけ無い。

でも、願わずにはいられない。

ヒロインのピンチを救ってくれる王子様ヒーローを。

けど、そんな願いも空しく、私にその男の手が伸びる。

「いやぁああああああっ!!」

私は思わず目を瞑って悲鳴を上げた。

その瞬間、

――ドゴォ!!

突然の破砕音。

「やめんか!この変態ロリコンがぁっ!!」

――バキャァ!

「ぷぎゃっ!?」

聞き覚えのある声と、打撃音。

そして、良く分からない声。

――バキッ!

「な、何だこのガキャ・・・・ぎゃっ!?」

――ガスッ!

「ぐぇっ!?」

――ドガッ!

「がふっ!?」

――ズガッ!

「うぎゃ!?」

――ドゴッ!

「ぐふっ!?」

連続で聞こえる打撃音と、それに続く悲鳴。

やがて静かになり、私は恐る恐る瞼を開く。

すると、外に隣接する壁には大きな穴が開いており、部屋の中には倒れ伏す6人の男達。

そして、

「助けに参りました。お姫様」

お姫様わたしの前に跪く、王子様ユウの姿があった。






【Side Out】







誘拐犯達のアジトは、海鳴市の山奥にある、5階建ての廃ビルだった。

俺は、その廃ビルから少し離れた所の木の影で、ビル内に潜入しているユーノと念話で連絡を取り合っていた。

(それで、アリサとすずかは別々の部屋に監禁されてる。アリサは一階の部屋。すずかは5階の部屋だよ)

(そうか、とりあえずこっちは後10分ぐらいで恭也さん達が到着する予定だ。恭也さん達が来たら、救出作戦の開始だな)

(わかった。それまで僕は、変化が無いか監視しておくよ)

(頼む)

ユーノとの念話を一旦区切ると、

(((ユウ(君)!!)))

「うおっ!?」

いきなり馬鹿でかい念話が届き、俺は驚く。

送り手はなのは、桜、フェイトだった。

(さ、3人とも・・・・・行き成り何だ?)

俺がそう返すと、

(((アリサ(ちゃん)とすずか(ちゃん)は、無事なの!!??)))

返って来た言葉に俺は驚く。

(何でお前らが知ってるんだよ!?)

俺は思わず聞き返す。

(私達、今、恭也兄さんたちと一緒に、そっちに向かってるのよ)

桜の言葉に、俺は更に驚く。

(何でだよ!)

(・・・・・あのねえ、なのはとフェイトが、アリサとすずかが誘拐されたって聞いて、ジッとしてられると思う?)

(・・・・・・・・無理だな。来るなと言っても、勝手について来そうだ)

俺は少し考えて、そう結論を出す。

(でしょ?だったら、勝手に動かれるより、一緒に行ったほうが安全だっていう事になったわけよ。アリシアだけは、無理を言って置いてきたけど)

(・・・・・・それもそうか)

確かに、知らないところで予想外に動かれるより、傍にいたほうが危険は少ない。

渋々納得すると、

(ユウ!!)

今度はユーノが慌てて念話を送ってきた。

(今度は何だ!?)

俺はそう返す。

(拙いよ!アリサに犯人たちが襲いかかろうとしてる!)

(何っ!?チッ!桜、なのは、フェイト!状況が変わった!先に突っ込む!!)

(ちょっ!?)

俺は一方的に念話を切断する。

俺はすぐに駆け出し、サーチャーを飛ばす。

アリサがいる部屋の中を確認すると、一人の男がニヤニヤと笑みを浮かべながら、アリサに近付いている。

俺は、ビルの敷地内に入ると、正面の入り口に向かわず、アリサがいる部屋のすぐ横の壁に向かう。

そして、拳を強化し、

「おらぁっ!!」

――ドゴォ!!

拳で壁を粉砕する。

俺は飛び込んですぐ、アリサに手を伸ばす男が目に入った。

「やめんか!この変態ロリコンがぁっ!!」

――バキャァ!

「ぷぎゃっ!?」

俺は勢いのまま、その男の顔面に飛び蹴りをかました。

男は変な声を上げて気絶する。

俺はすぐに周りを確認する。

突然の事に呆けた男が5人。

「な、何だこのガキャ・・・・」

――バキッ!

「ぎゃっ!?」

最初に気を取り直した男の顔面に拳を叩き込む。

――ガスッ!

「ぐぇっ!?」

続けて近くにいた男の腹に蹴りを入れ、

――ドガッ!

「がふっ!?」

そのまま後ろから襲い掛かろうとした男に後ろ回し蹴りを放つ。

――ズガッ!

「うぎゃ!?」

その状態から、正面にいた男の顎を蹴り上げ、

――ドゴッ!

「ぐふっ!?」

最後に呆けていた男にボディーブローを喰らわせて沈黙させた。

とりあえず、男達が完全に気絶している事だけ確認して、アリサに駆け寄った。

アリサは、余程怖かったのか、普段は見せない怯えた様子で、縮こまって目を瞑っていた。

しかし、辺りが静かになったのに気付いたのか、ゆっくりと目を開く。

俺は、アリサの恐怖心を少しでも和らげる為に、ある事を思いつく。

そして、俺はアリサの前に跪き、

「助けに参りました。お姫様」

ベッタベタな台詞を口にした。

「あ・・・・・・・・」

アリサは声を漏らす。

俺は、笑われる事を覚悟でこんな事をしている。

これでアリサの元気が出れば御の字だ。

しかし、何故かアリサは顔を赤くして固まっている。

「アリサ?」

俺は思わず声をかける。

「へっ?あ、ユ、ユウ!?」

アリサは、漸く気付いたのか、少しビックリしていた。

「ああ、そうだけど、大丈夫か?」

「え、ええ・・・・大丈夫よ・・・・・」

アリサがそう言うと、俺はアリサが縛られたままなのに気付く。

「アリサ、ちょっとジッとしてろ」

俺はそう言って、アリサを縛っていた紐を解く。

「あ、ありがとう・・・・・・って、アンタ!撃たれたんじゃなかったの!?」

アリサは礼を言ってきたが、連れ去られた時の事を思い出し、声を上げる。

「その話は後だ。ユーノ!」

俺がユーノの名を呼ぶと、物陰からフェレットモードのユーノが出てくる。

「ユ、ユーノ!?何で此処に!?」

驚くアリサを置いといて、俺はユーノに話しかける。

「ユーノ、アリサを頼めるか?」

(いいけど・・・・・魔法の事は・・・・・)

「そんなもん、今更だろ?」

(それもそうだね)

ユーノは半ば呆れつつ頷く。

「アンタ、何ユーノに話しかけてるのよ?」

不思議に思ったアリサが尋ねてきた。

すると、ユーノが光に包まれ、変身魔法を解除する。

「へっ?」

アリサが素っ頓狂な声を漏らす。

フェレットが人間になったのだから、驚くのも無理ないだろう。

俺から言わせれば今更だが。

「この姿では始めましてだね、アリサ。ユーノ・スクライアです」

ユーノは、アリサに向かって自己紹介する。

対するアリサは、ユーノを指差しながら口をパクパクさせて、

「ユ、ユーノが人間になったぁっ!!??」

盛大に驚いた。

その反応にユーノは苦笑し、俺は当然の反応だと感じる。

「それじゃあユーノ、アリサを頼んだ。あと10分ぐらいで恭也さん達も到着するから、それまで守ってやってくれ」

「わかったよ」

俺の言葉にユーノは頷く。

すると、

「ちょっとユウ!何平然としてるのよ!フェ、フェレットが人間になったのよ!?」

アリサが叫んでくる。

「いや、俺は元々知ってたし。っていうか、高町家の人間は、皆知ってるぞ」

俺はそう答える。

「じゃ、じゃあ、なのはや桜も?」

「当然」

俺は頷く。

アリサは驚きで固まる。

「じゃあ、俺はこのまますずかを助けに行くから。お前はユーノの傍に居ろよ」

俺は、そう言って踵を返して部屋の出口へ向かおうとした。

「・・・・・って、待ちなさい!」

だが、後ろから呼び止められる。

「なんだよ?」

俺は聞き返す。

「私も行くわよ!」

アリサは信じられない事を言った。

「無茶言うな、危険すぎる」

俺はそう言う。

「無茶でも何でも私は行くわ!すずかは私の友達なのよ!」

「けどよ・・・・・ッ!」

そこまで言った時、この部屋に近付く足音に気付く。

「おい、何があっ・・・・ぐふっ!?」

「げふっ!?」

部屋に入ってきた2人の男を、騒ぐ前に鳩尾に拳を入れて気絶させる。

時間をかけると、すずかに危険が降りかかるかもしれないと思った俺は、

「仕方ない!ユーノ、すまんがアリサのフォロー頼む!」

仕方なくアリサも連れて行くことにした。

「わかったよ」

ユーノは頷く。

「じゃあ、行くぞ!アリサはユーノの傍を離れるなよ!」

「わかったわ!」

俺達は部屋を出る。

「ユーノ、すずかは5階だな?」

「うん。僕が見たときは、すずかが捕まってた部屋に、4、5人いた筈だよ」

「わかった」

俺達は、ビルの階段を駆け上がっていく。

途中に見張りが居ると思ったが、意外にも誰も居らず、あっさりと5階に辿り着いた。

「なんか拍子抜けね」

アリサも思ったのか、そう呟く。

「けど、油断は禁物だ」

俺は釘を刺すように言った。

周りを警戒しつつ廊下を歩き、すずかが捕まっているという部屋の入り口に辿り着く。

そして、最大限に警戒しながら、ドアを開ける。

部屋の中は薄暗い。

慎重に部屋の中に入ると、

「おやおや、これは何とも可愛らしいナイト様が来たものだ」

その声に、アリサがバッと其方を向く。

俺は元々知っていたので、特に驚きもせずに其方を見た。

其処には、ソファーに座った男と、その後ろに控えている両腕に刃物を付けた4人。

そして、ソファーに座った男の傍らに、縛られて座り込んでいるすずかの姿。

「すずかっ!!」

アリサが叫んで駆け寄ろうとした。

だが、

「来ちゃダメ!!」

すずかの叫びに足が止まる。

「危なかったですねぇ~・・・・・その線を越えないほうがいいですよ」

その男は、何かムカつく口調でそう言う。

俺達と男の中心辺りに、線が引かれている。

「試しに其処の石でも投げてみなさい。私の言っている意味がわかりますよ」

俺は足元に転がっていた石を拾い、男に向かって投げた。

そして、その石が線を越えた瞬間、

――シャキキン

後ろに控えていた4人が人間離れした動きで飛び出し、石を粉々に切り裂いた。

「なっ!?」

アリサは驚愕する。

今の動きは普通の人間に出来る動きじゃない(俺は出来るが)。

恐らく、夜の一族の自動人形だろう。

ってことは、すずかを攫ったのは夜の一族絡みか。

「・・・・・今の動き、普通の人間じゃないな」

俺は確認の為に、そう問いかける。

「その通り。これらは人間ではない。我々夜の一族の遺産、自動人形だ」

その男はそう言った。

「え・・・・・夜の一族・・・・自動人形・・・・・?」

アリサが声を漏らす。

「何も知らんらしいな。ならば教えてやろう」

男がそう言うと、

「やめてっ!」

すずかが叫ぶ。

だが、男の言葉は止まらない。

「我々は普通の人間とは違う。人間の血を用いてあらゆる事を可能にする者・・・・・・それが夜の一族」

「人間の・・・・・血・・・・・・」

男の言葉にアリサは唖然としている。

「じゃあ・・・・・下の男たちが吸血鬼って言ってたのも・・・・・・・」

「ほう・・・・少しは聞いていたか。吸血鬼というのも、夜の一族の噂が変化して伝わった物だろうな」

アリサの呟きに、男は答える。

「そして、その夜の一族の中でも月村は名家!しかし、その月村の当主があんな小娘であってたまるものか!」

その言葉で、俺は大体理解した。

つまりは、コイツは自信過剰の単なるバカ。

すずかを攫った理由も、大方忍さんを月村の当主の座から引き摺り落とす為だろう。

「え~と・・・・・言いたい事は何となく分かったけど、忍さんに手を出したら、恭也さんが黙ってませんよ」

俺はそう言う。

近接戦闘に限ってだが、俺は恭也さんや士郎さんに勝てる気がしない。

神速で近付かれて、防御無視の一撃を喰らって終わるだろう。

「恭也・・・・・御神の剣士だな。ふん、その位の対抗策は考えている。それがこの自動人形たち、戦闘特化型だ」

男が後ろに控える4体の自動人形を指しながらそう言う。

そう言えば、とらハ3のノエルは、人間らしさを求めた芸術品って言ってたっけ。

それでも戦闘能力も中々のモノだったけど。

つまり、目の前に居る自動人形たちは、完全に戦闘を目的として作られたものという事だ。

少なくとも、普通の自動人形たちよりかは強いのだろう。

とは言っても、普通の自動人形が、どの位強いのかも俺は知らないが。

まあ、夜の一族の人間でも敵わないって言うぐらいだからそれなりには強いのだろう。

「そして、この戦闘特化型の自動人形は、あと5体いる。お前たちは無視させてもらったが、御神の剣士には全てをぶつける。いくら御神の剣士と、エーディリヒ型2体とはいえ、戦闘特化型9体ならば確実に葬れる」

今の物言いからすると、この世界のノエルさんとファリンさんも自動人形らしい。

つーか、何でこの男は一族の秘密をベラベラと喋ってるんだか。

やっぱりバカか?

アリサは、今の話が信じられないのか、呆然としている。

「う・・・・嘘よねすずか!この男が言った事なんて、全部嘘よね!?」

アリサはすずかに叫んで問いかける。

「・・・・・・・・・・・」

すずかは、苦しそうな表情で目を瞑っていたが、

「・・・・・・・・・・本当だよ・・・・・・」

静かに、そう呟いた。

「・・・・・・・月村の一族は・・・・・・人間じゃないんだよ」

そう呟いて瞼を開いたすずかの瞳は、血のように赤く染まっていた。

「すずか・・・・・その目っ!?」

アリサが驚いたように叫んだ。

「この赤い瞳が、夜の一族の証。人の血を吸う吸血鬼、化け物なんだよ!」

すずかは、自虐的に叫ぶ。

「ゴメンねアリサちゃん・・・・・・私・・・・・ずっとアリサちゃん達の事騙してた。私は人とは違うのに・・・・・・化け物なのに、騙して皆と友達になろうとしてた・・・・・・だからね・・・・・・」

顔をあげたすずかの赤い瞳からは、涙が溢れていた。

「私の事はいいから・・・・・・逃げて・・・・・・・」

すずかはそう言った。

その瞬間、

「そんなこと出来る訳ないじゃない!!!」

アリサが叫んだ。

「夜の一族!?吸血鬼!?化け物!?確かに聞いた時は驚いたわよ!信じられなかったわよ!」

アリサは感情をぶちまける様に叫び続ける。

「けど!それが如何したって言うのよ!?」

「っ!?」

アリサの言葉に、すずかは驚いた表情になる。

「すずか!ハッキリ言うわ!アンタが吸血鬼だろうと化け物だろうと、アンタは私の友達よ!!」

アリサがキッパリと言い切った。

「アリサちゃん・・・・・・・」

すずかは呆然とアリサの名を呟く。

「アリサの言うとおりだな。そんな事、俺がすずかを見捨てる理由にはならない」

俺はそう言って歩き出す。

「それにな、お前は化け物なんかじゃない。れっきとした人間だ」

「っ!?」

俺の言葉にすずかは驚く。

「血を吸って並みの人間以上のことが出来るのも、俺から言わせれば一種の特異体質に過ぎない」

すずかは、そんな考えをしたことがなかったのか、驚愕の表情で俺を見ている。

俺は、そこまで言うと、線の前で立ち止まる。

「そういえば、1つ確認しとくぞ。その自動人形、命令を聞くだけで自我は無いんだな?」

俺は、男に問いかける。

「その通りだ。エーディリヒ型は心などという無駄な機能が付いているが、こいつらにはそんな物は無い。故に、相手が女子供だろうと情けをかける事は無い。命令のままに戦うだけだ」

俺はその言葉を聞くと、

「そうか・・・・・・・安心した」

俺はそう言って、躊躇せずに線を踏み越えた。

すると、それが合図となり1体が猛スピードで突っ込んでくる。

「駄目っ!ユウ君逃げてっ!!・・・・・・人間じゃ自動人形に敵わな・・・・・・・」

すずかが叫ぼうとする。

確かに並みの人間では、反応できずに腕の刃物で首を切り飛ばされていることだろう。

だが、

――ドゴォ!!

俺は、無造作に突っ込んできた人形を殴り飛ばす。

その人形は、骨格が砕け、突っ込んできた以上のスピードで壁に激突。

そのまま壁をぶち破って外へ吹き飛んだ。

「なっ!?」

その男は驚愕の声を漏らした。

「遠慮なくぶち壊せる!」

俺は拳を突き出してそう言い放った。

それと同時に残りの3体の人形が動き出す。

俺はすずかに向って言った。

「すずか・・・・・良く見とけよ。お前が自分の事を化け物と言ってたことが、どれだけちっぽけな事か!」

すずかは、呆然とした表情で頷いた。

俺は自動人形が攻撃してきたので跳躍して避ける。

そして、そのまま右足に魔力を宿らせ、

「円月蹴り!!」

空中で回し蹴りを放つと、青い魔力斬撃が放たれる。

それは、人形の1体を切り裂いた。

だが、空中にいる時を狙って、残りの2体が俺に襲い掛かる。

左右から振るわれる刃。

狙いは首筋。

「ユウ!」

「ユウ君!」

アリサとすずかの悲鳴のような叫び。

だが、

――バシィ

右から振るわれた刃を左手で、左から振るわれた刃を右手で摘むように受け止める。

「甘い!」

――バキンッ

そのまま受け止めた刃をへし折った。

そして、へし折った刃を捨て、両手で2体を真下に殴り落とす。

床に激突する2体。

俺は落下する途中、両手の指に、爪のような赤い魔力刃を発生させる。

そして両手を振りかぶり、

「カイザー!ネイルッ!!」

両手をクロスさせるように腕を振り、自動人形を2体纏めて切り裂いた。

――ズドドドドドォ!

その際に放たれた魔力斬撃が、最下層までの床に大きなX型の穴を開けており、アリサ、すずか、序に男は呆然となっていた。

俺は呆然となっていた男に歩いて近付き、

「おらっ!」

腹に蹴りを入れて吹き飛ばした。

吹き飛ばされた男は、ガラクタの山に突っ込む。

俺はそれを確認すると、すずかに近付き、

「大丈夫だったか?」

そう声を掛けつつ、縄を解く。

「うん・・・・」

すずかは、まだ驚いているのか、呆然としている。

すると、

「すずかっ!」

アリサが駆け寄ってきて、すずかに抱きついた。

「良かった・・・・・怪我は無い?」

「うん、大丈夫だよ、アリサちゃん」

2人は見つめ合う。

どうやら、言いたいことがあるのに出てこないようだ。

それでも、互いに何を言いたいかは察しているようで、

「「クスッ」」

2人一緒に微笑んだ。

と、その時、

――ドゴォオオオオオオオン!!

と、爆発音のようなものと地響きが発生する。

「な、何!?」

アリサとすずかは抱き合いながら辺りを見回す。

だが、俺は先程人形を吹き飛ばした穴から、桜色、金色、白銀の光が見えていた。

そして、感じる魔力もあいつらのものだ。

「なのは達だな。ド派手にやりやがって・・・・・」

俺が呟く。

「ちょっと、今の爆発音と地響きがなのは達の仕業って如何いう事よ!?」

アリサがそう言ってくる。

「俺も含めて、なのは達には秘密があるんだよ。まあ、俺は後で説明する心算だったけどな」

「それならいいわ。ちゃんと後で説明しなさいよ」

「ああ」

アリサの言葉に、俺は頷いた。

その時、

――ガラッ

先程男を吹き飛ばしたガラクタの山の方から音が聞こえる。

俺が振り向くと、ガラクタの山の中から、銃を向ける男の姿。

俺がそれに気付いた瞬間、

――ドォオン!

銃声が鳴り響いた。








要望があったので、2話に分けました。


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