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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第十話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/21 11:01


第十話 時の庭園の再会。そして、時空管理局との邂逅。



次元震が起きた翌朝。

遠見市のマンション屋上に俺達は居た。

このマンションは、フェイトの部屋があるマンションで、今日は、フェイトがプレシアへの定期連絡の為に時の庭園へ向かう為、リニスがフェイトについて行く序に、俺たちもお邪魔する事にしたのだ。

因みに学校は、士郎さんや桃子さんにお願いして、適当に理由を作ってもらって欠席の連絡をしてもらった。

フェイトの家にお邪魔すると言ったら、2人は快く了承してくれた。

因みに、その時にお土産である翠屋のお菓子詰め合わせを渡された。

そして、フェイトが転移魔法を唱えだす。

「次元転移。次元座標 876C 4419 3312 D699 3583 A1460 779 F3125。開け、誘いの扉。時の庭園、テスタロッサの主の元へ」

その呪文と共に、魔法陣が展開され、光に包まれる。

そして、俺達はその場から消え去った。






視界が戻ると、俺達はとある薄暗い部屋の中に居た。

「時の庭園に来るのも久しぶりですね」

リニスが呟く。

「此処がフェイトちゃんの家?」

なのはが辺りを見回しながら、そう尋ねる。

「うん・・・・・ついて来て」

フェイトがそう言って、前を歩き始める。

俺達はその後を追って部屋を出た。

長い廊下を歩く俺たち。

しっかし、まるで城みたいな家だな。

廊下を見渡しながら俺は思う。

これは、アニメを見ていた時も思ったことだ。

やがて、廊下の先に玉座の間への扉が見える。

玉座の間なんて、何で一般家庭(?)にあるのやら。

フェイトがその扉を開けると・・・・・・

「お帰りフェイト!」

その瞬間、元気のいい声を上げて、誰かがフェイトに抱きついた。

「きゃ!?ね、姉さん!」

フェイトは少しビックリした声を上げて、その誰かに声をかけた。

まあ、姉さんって言ってるから、アリシアだろうけど。

すると、

「お帰りなさい、フェイト。無事なようで安心したわ」

玉座の方から声がした。

「ただいま、母さん」

フェイトは嬉しそうな顔をしてそう言う。

そこで俺たちも扉を潜り、

「久しぶりですね、プレシア」

そうリニスが言った。

玉座には、驚いた顔のプレシア。

だが、そこで俺はふと思った。

なんか若くねえかな。

アニメでは50歳越えてたはずだけど、今のプレシアは、精々30代と言った所だ。

「リ、リニス・・・・・・生きてたの?」

プレシアが驚愕した顔で呟く。

「リニス?・・・・・・リニスだぁ!」

アリシアは喜びの声を上げながら、リニスに抱きつく。

「アリシアも久しぶりですね」

そう言いながらリニスはアリシアの頭を撫でる。

そして、プレシアに向き直ると、

「ええ、偶然転移した先に、膨大な魔力を保有した魔導師がいたので、再契約したんですよ。それで今回、フェイトに偶然にも出会ったので、こうして付いて来たというわけです」

そう説明した。

「そう・・・・それで、気になってたんだけど、其方の子供たちは?」

プレシアがそう聞くと、フェイトが若干顔を赤くしながら、

「む、向こうの世界で友達になったの・・・・・それで・・・・・」

フェイトの言葉を聞くと、プレシアは少し驚いた顔をした。

しかし、直ぐに優しそうな表情になり、

「そう・・・・友達が出来たの・・・・・良かったわね、フェイト」

「うん・・・・」

プレシアの言葉に、フェイトは顔を赤くして俯きながらも頷く。

プレシアは、俺たちに向き直り、

「あなた達の名前を教えてくれるかしら?」

そう尋ねてきた。

すると、

「た、高町 なのはです!聖祥小学校3年生です!」

なのはが緊張した面持ちで、自己紹介した。

「高町 桜です。なのはの双子の姉になります。これ、つまらない物ですが」

桜は流石に前世の記憶があるためか、普通に自己紹介し、お土産の翠屋のお菓子詰め合わせの袋をプレシアに差し出す。

「あら、ありがとう」

プレシアはそう言って受け取る。

「それは、家でやってる喫茶店のお菓子なんです。喫茶翠屋という名前なので、もし気に入ったら是非来てください」

流石、喫茶店の娘。

店の宣伝も忘れない。

「ええ、そうさせてもらうわ」

プレシアは、微笑んで頷く。

「ユーノ・スクライアです。ジュエルシードを発掘した隊の指揮をしていました」

ユーノの、その言葉を聞くと、プレシアは申し訳無さそうな表情になり、

「そう・・・・・あなたが・・・・・・ごめんなさいね。私がもっとしっかりしていれば・・・・・」

プレシアはそう言いながら頭を下げる。

「あっ!いえっ!事故であれば仕方ありません!それに、フェイトのお陰で、ジュエルシード集めも捗ってますし」

ユーノは慌ててそう言った。

「そう言ってもらえると助かるわ。ありがとう」

「いえ・・・・」

そして、最後にプレシアは俺に顔を向けた。

俺は名乗ろうと思い、

「俺は「レイジ君?」えっ?」

プレシアの呟きに思わず声を漏らした。

プレシアは、少し驚いた顔をして、俺の顔をじっと見てくる。

すると、はっとして、

「あ、ごめんなさい。子供の頃の知り合いによく似てたものだから。でも、考えてみれば、レイジ君は私と同い年なんだから、あなたがレイジ君な訳ないわよね」

プレシアは、1人納得する。

だが、レイジというのは父さんの名前である。

そして、プレシアは30代半ばといった所。

父さんも生きていれば、目の前のプレシアと同じ位の歳だ。

だから、俺は確かめる事にした。

「あの、あなたが言っているレイジというのは、レイジ・リムルートの事ですか?」

俺は、そう尋ねる。

すると、再びプレシアは驚いた顔をする。

「え?ええ、そうだけど・・・・・・」

それを見て、確信した俺は、

「俺は、ユウ・リムルート。レイジ・リムルートの息子です」

そう名乗った。

「そう・・・・・レイジ君の・・・・」

プレシアは、そう呟くと、なにやら物思いに耽っている。

その時、

「ねえ、ユウ君」

なのはが俺に話しかけてきた。

「何だ?」

「リムルートって何?」

なのはがそう尋ねる。

「リムルートっていうのは、俺の本当のファミリーネームだけど・・・・・・言ってなかったけ?」

「初耳よ。まあ、ミッドチルダ出身なのに、思いっきり日本人の名前だったからちょっと不思議に思ってたんだけどね」

桜がそう言った。

プレシアは顔を上げ、

「所で、レイジ君は元気にしてる?」

そう聞いてきた。

俺は、言い辛かったが、

「・・・・・・・父さんは・・・・・一年以上前に・・・・・事故で・・・・・」

俺のその言葉で察したのか、

「そう・・・・・ごめんなさい」

プレシアは申し訳無さそうな顔をして謝る。

「いえ・・・・・気にしないでください」

俺はそう言った。




暫くして、気を取り直したプレシアは、フェイトからの報告を聞く。

ジュエルシードはなのはが集めた分を含めて、既に10個集まっている事と、俺がリニスの契約者だという事に大層驚いていたが。

その中で、アリシアの自己紹介も行い、何やら姉同士で桜とアリシアは気が合うようだ。

それで、報告が終わると、

「母さん・・・・・あの・・・・・・」

フェイトがプレシアに小声で何やら話しかけている。

プレシアはフェイトの言葉を聞くと若干驚いた顔をしたが、

「あなたの好きなようになさい・・・・・」

そうフェイトに言った。

フェイトは少し不安そうにしながら俺達の前に来る。

「あの・・・・・なのは、桜、ユーノ、ユウ・・・・・・・皆に、聞いて欲しい事があるんだ・・・・・」

フェイトはそう呟いた。

「あ、あの・・・・・・私ね・・・・・・・」

フェイトは少し言い辛そうにしていたが、

「私は・・・・・正確に言えば・・・・・・母さんの本当の娘じゃないんだ・・・・・・」

「「えっ?」」

フェイトの言葉に、なのはとユーノが声を漏らした。

「私は・・・・・本当は・・・・・姉さん・・・・・・アリシア・テスタロッサの細胞を元に作られた・・・・・・クローンなんだ・・・・・・・・」

フェイトの告白に、言葉を失うなのはとユーノ。

俺と桜は、黙ってフェイトの言葉を聞いている。

「皆は・・・・・・こんな私でも・・・・・・友達でいてくれる?」

フェイトは不安で押しつぶされそうな表情をしている。

俺はアニメを見て知識としては知っていたが、実際にフェイトがクローンだという事を聞いてこの場で思ったことを素直に口にした。

「クローンだから何だってんだ?」

「え?」

俺の言葉にフェイトは驚いた表情をする。

「全くね。フェイトがクローンってだけで友達やめると思ってたの?だったら心外だわ」

桜もそう言った。

「クローンって言っても、多少生まれ方が違うだけで、ちゃんと心を持った人間だろ。クローンだろうがフェイトはフェイト。それで良いじゃないか」

「桜・・・・・ユウ・・・・・・・」

フェイトは何やら涙ぐんでいる。

「ふ、2人の言うとおりだよ!ちょっと驚いたけど、フェイトちゃんは私達の友達だよ!」

なのはが少し遅れてそう言った。

「僕も、そんな事は気にしないよ」

ユーノも笑顔でそう言う。

「皆・・・・・・ありがとう」

フェイトは涙を流しながら笑顔で礼を言った。




暫くして、

「それにしても、レイジ君の息子・・・・・か」

プレシアは、俺を見ながらなにやら遠い目をする。

まあ、昔を懐かしんでいるのだろう。

だから、俺はこう聞いた。

「プレシアさんは、父さんとはどのような関係で?」

その質問に、

「そうね・・・・・・やっぱり幼馴染って言葉が一番しっくりくるかしら」

プレシアは、懐かしむようにそう呟く。

「昔は、よく一緒に遊んだわ。私と、レイジ君と、そしてあの人・・・・・・」

プレシアが再び遠い目に・・・・・

あの人というのは、多分プレシアの夫だろう。

「そうですか・・・・・・」

俺はそう呟いた。

すると、再びプレシアは俺の顔を見て、なにやら考え込む表情をした。

「何か?」

気になった俺は尋ねる。

「ねえ、ユウ君」

「はい?」

「アリシアかフェイト、どっちか貰ってくれないかしら?」

「は?」

プレシアの言葉に俺は素っ頓狂な声を漏らし、

「「「なっ!?」」」

アリシア、フェイト、そしてなのはは、驚愕した声を上げた。

何言ってるんですかアンタ!?

「か、母さん!?」

「母様!?いきなり何言ってるの!?」

フェイトとアリシアが叫ぶ。

そりゃ当然だろう。

「アリシアもフェイトも、大事に育てすぎた所為か、ちょっと常識知らずな所があって・・・・・・・・・男の子の知り合いも、一人もいないのよ。このままじゃ、将来が心配で・・・・・」

プレシアは、そう続けた。

幼馴染の息子というだけで、其処まで勧めるって、どういう感覚してるんですか!?

俺は、口を開こうとしたが、

「だめぇええええええええええええっ!!」

なのはの叫びに止められた。

「だだっ、ダメです!それだけはダメです!!」

なのはは必死に否定する。

「あら、なのはちゃん。ユウ君のこと意識してるの?」

プレシアの言葉に、なのはは顔を真っ赤にする。

その反応を見ると、

「うん。それならいっその事、2人とも貰ってもらって、なのはちゃんも含めて、一夫多妻制の世界に移住するのもありかしら?」

これまたとんでもない発言をかますプレシア。

「な、何言ってるんですかプレシアさん!!」

俺は思わず叫んだ。

「あら、2人じゃ不満かしら?母親の私が言うのも何だけど、2人とも将来は美人になるわよ」

いや、それはストライカーズ見てましたから知ってますけどね!

フェイトは美人になってたし、同じ遺伝子を持つアリシアも同じでしょうけど!

俺が言いたいのはそういう事ではなく。

「いや、俺なんかじゃ2人には釣り合いませんって!」

俺はそう言った。

「あら、謙遜しなくても良いわよ。私、これでも人を見る目はある心算よ。あなたの第一印象を見て、この子なら大丈夫って思ったのよ」

なら、今このときだけ、貴女の目は狂っています。

俺は、誰かに助けを求めようとしたが、なのはは「一夫多妻制?・・・・・でも、フェイトちゃんたちなら・・・・・・・」とか言ってるので当てにならん。

桜は面白そうな笑みを浮かべているので却下。

リニスは笑顔だが、我関せずを貫いている。

味方は居なかった。

だがその時、

「あははは!フェイトはダメだよプレシア。フェイトには好きな相手がいるんだ」

アルフが言った。

「「「「「「「え?」」」」」」」

フェイトとアルフ以外の声が重なった。

「ア、アルフ・・・・・・」

フェイトは顔を赤くしている。

フェイトって好きな相手いたの?

「本当なの、フェイトちゃん?」

なのはが尋ねた。

「う、うん・・・・・・でも、顔も名前も知らないし・・・・・・・・」

「如何いう事?」

フェイトの言葉に桜が問いかける。

「あ、あの・・・・・・・まだ、なのは達と会う前なんだけど・・・・・・ジュエルシードの暴走体を相手に負けそうになった所を、青いバリアジャケットを着た魔導師に助けられたんだ・・・・・・バリアジャケットは顔も覆ってたから、顔は分からなかったし、名前も聞けなかった。ただ、分かっているのは、黒い瞳と、氷結の魔力変換資質の持ち主ということだけなんだ・・・・・・・」

そのフェイトの話を聞いた瞬間、

――ゴスッ!

俺は頭を床に打ち付けた。

リニスもじっと俺を見てくる。

・・・・・フェイトが言ってるのって俺じゃねーか!

(フフフ・・・・・・マスター、私達の言った通りでしょう)

アイシクルが念話してくる。

(黙ってろ!)

俺は念話でそう返す。

「ちょっと、いきなり如何したのよ?」

桜が尋ねてきた。

「何でもない・・・・・足を滑らせただけだ」

流石に、此処で名乗り出るような真似は、俺はしない。

「あっそ、ところでアンタもその青いバリアジャケットの魔導師に心当たりは無い?」

「・・・・・・・知り合いには居ないな・・・・・・」

俺はそう答えた。

嘘は言ってない。

本当に“知り合い”に青いバリアジャケットの魔導師は居ない。

俺のその言葉を聞くと、フェイトはガッカリした表情になる。

すると、

「大丈夫ですよフェイト。その人にはきっと会えます。案外、身近な人かもしれませんよ」

リニスはそう言いながら、視線を俺に向けてくる。

くぉらリニス、慰めるのは結構だが、俺に繋がるようなヒントを言うんじゃない。

幸運にもフェイトは、それがリニスの励ましだと受け止め、特に気にしてはいないようだった。





その後、プレシアからの話では、プレシアもやる事は殆ど終わり、今日中にでも海鳴市へ来れるそうだ。

その報告を聞いたフェイトは、とても嬉しそうな表情をしていた。

まあ、この歳で母親と離ればなれになっていたのは寂しかったのだろう。

プレシアは、準備が出来た後にアリシアと共に来るらしいので、俺達は先に海鳴市へ戻った。

思ったよりも結構な時間が経っていたらしく、海鳴市では、もう学校が終わる時間だった。

そのため、このままジュエルシードの捜索を開始する事にする。

丁度、発動しそうなジュエルシードの反応を感じる為、臨海公園へと向かった。





俺達はバリアジャケットを纏い、現場へ到着する。

確かアニメでは、今回の暴走体は木の化け物だった筈だが、

「ウォオオオオオオーーーーーーッ!!」

もう突っ込まん。

木の化け物がジュレイモンもどきになっていようと、もう突っ込まん。

此処まで来ると、例の神がなんか運命弄くってんじゃないかと思う。

「フォトンランサー!ファイア!」

「「ディバインシューター!シュート!」」

3人が牽制に数発の魔力弾を放つが、

――キィン

ジュレイモンもどきは、バリアを張ってそれを防いだ。

アニメと同じようにバリア張るんかい。

「うぉう!生意気に、バリアまで張るのかい!」

アルフが叫んだ。

「うん・・・・強いね・・・・・・・油断せずに行こう」

フェイトが呟いた。

すると、ジュレイモンもどきは無数の木の実を放ってくる。

俺達は直ぐに飛び退いた。

木の実が地面に当たると、

――ズドドドドォ

爆発を起こした。

やっぱチェリーボム。

桜も俺と同じように予想していた所為か動揺は無かったが、なのはとフェイトはかなりビックリしていた。

「俺がバリアを砕く!お前たちで決めろ!!」

俺は3人に呼びかけた。

「う、うん、わかった!」

なのはが返事をする。

『『Shooting mode』』

レイジングハートとレイジングソウルがシューティングモードに変形する。

そして、2人はそれを構え、フェイトもバルディッシュを構えた。

「貫け轟雷!サンダー・・・・・・・」

「「ディバイィィィィィン・・・・・・」

それぞれが砲撃を準備する。

それを見た俺は、右腕を振りかぶり、

「ドラモンキラー!!」

一気にドラモンキラーを突き出した。

ジュレイモンもどきはバリアを張るが、

――バリィン

俺は難なく砕き、余った勢いでジュレイモンもどきに攻撃した。

「ヴォオオオオオッ!?」

相当なダメージを与えたようで、ジュレイモンもどきは苦しそうな叫び声をあげる。

俺は直ぐにその場を飛び退いた。

その瞬間を狙い、

「・・・・・・スマッシャー!!」

「「・・・・・・バスターーーーーーッ!!」」

金色、桜色、白銀の3つの砲撃が放たれた。

「オオオオオオオオオッ!!」

断末魔の叫びを上げつつ消滅するジュレイモンもどき。

ジュエルシードが浮かび上がる。

「リリカル・マジカル!」

「ジュエルシード、シリアルⅦ!」

「封印!」

3人がジュエルシードを封印した。

フェイトがそのジュエルシードを回収する。

そして帰ろうかと思ったその時、

「ちょっと待ってくれ」

少年の声が聞こえた。

俺達が振り向くと、其処にはデバイスの杖を持った黒髪の少年の姿。

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい話を聞かせてもらいたい」







【Side 桜】




「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい話を聞かせてもらいたい」

そう言ってきたのはクロノだった。

まあ、アニメと同じタイミングだし、来ても不思議じゃないわね。

その時、

『ちょっと待ってくださるかしら?』

プレシアさんの声が響き、紫色の転送魔法陣が浮かび上がる。

其処に、プレシアさんがアリシアを連れて転移してきた。

「あなたは?」

クロノが問いかける。

「私はプレシア・テスタロッサ。このアリシアと、そこにいるフェイトの母親で、管理局に今回のジュエルシードの事を依頼した本人よ。まあ、それ以外でも名前ぐらいは聞いた事あるんじゃないかしら?」

プレシアさんはそう言った。

「あなたが、大魔導師と呼ばれた・・・・・・・わかりました。お話をお聞かせ願いたいので、一先ず私達の艦、アースラへお越しください」

「ええ、その心算よ」

クロノの言葉に、プレシアさんは頷く。

「君達も、それでいいか?」

クロノは此方に尋ねてきたので、

「ええ」

私は頷いた。

「じゃあ、僕の近くへ」

そう促され、私はクロノの近くへ歩み寄る。

それにつられて、なのは、フェイト、ユーノ、アルフも近くへ寄る。

プレシアさんとアリシアも傍へ来た。

でも、

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・ユウ」

ユウとリニスは動かなかった。

「ユウ?」

私はユウに呼びかける。

すると、

ユウは無言で私達に背を向けた。

「ユウ君!?」

「君っ!?」

なのはとクロノが驚いたようにユウに呼びかける。

ユウはゆっくりと口を開いた。

「・・・・・・・・俺は管理局の指図を受ける心算は無い・・・・」

そう言って、クロノを睨んだユウの目を見て私は絶句した。

明らかに敵意の篭った目。

信じられなかった。

今までのユウは、ジュエルシードの暴走体相手でも、あんな目を向けたことは無い。

暴走体に向けるときの目は、「余り痛めつけたくはないけど、暴れるならしょうがない」といった感じだった。

前になのはが言っていた、虫も無闇に殺さない優しさという事も、それを見ていて頷けた。

多少・・・・っていうか、かなり後ろ向きな性格だけど、優しくて温和な性格。

これが私が感じたユウの性格。

怒っている所なんて見たことも無かった。

でも、今のユウは明らかに怒りの感情をクロノに向けている。

「ど、どうしちゃったの!?ユウ君!!」

なのはもそれを感じたのか、動揺しながらユウに問いかける。

「なのは・・・・・桜・・・・・・フェイト・・・・・・ユーノ・・・・・悪いけど、管理局が関わってくるのなら、俺が協力できるのは此処までだ」

「「「「ッ!?」」」」

その言葉に声を失う私達。

ユウはそのまま歩き出す。

「おい!」

クロノが前に出て、デバイスを構えた。

その瞬間、

『やめなさい!!クロノ!!』

モニターが開いて、翠の髪の女性が叫んだ。

恐らくリンディさんだろう。

その言葉で、動きを止めるクロノ。

そして、

『待って!ユウ君!!』

リンディさんがユウの名を呼んだ。

リンディさんの声で足を止めるユウ。

知り合い?

ユウは振り向き、

「久しぶりですね、リンディさん・・・・・」

ユウは呟く。

だが、その顔に感情は無い。

『ええ・・・・久しぶりねユウ君・・・・・』

少し沈黙があったが、

『・・・・・お願いユウ君、話だけでも「リンディさん」ッ!?』

リンディさんの言葉を途中でユウが止める。

「前にも言った筈です。俺は“管理局”を全く信用していないと」

いつものユウとは思えない一方的な言葉。

ユウは再び背を向ける。

「話が聞きたいのならリニスから聞いてください・・・・では」

ユウは再び歩き出す。

私達は驚愕の余り動けない。

「ふ、ふざけるな!!そんな勝手が許されると思っているのか!!」

クロノが叫んでユウにデバイスを向ける。

「僕達時空管理局は「次元世界の平和と安定を守る法の番人・・・・・・正義の組織・・・・・か?」ッ!?・・・・・・そのとおりだ!!」

クロノの言葉を続けるようにユウが言葉を発し、クロノはそれを肯定する。

「けど・・・・・・俺には関係ないね」

ユウはそう言い放った。

「何っ!?」

「お前らが勝手に決めた事を、俺が守らなきゃいけない筋合いは何処にも無い」

ユウは再び歩き出す。

「貴様っ!!」

クロノは遂に我慢の限界に来たのか、デバイスに魔力を込める。

『待ちなさい!!クロノ!!』

それに気付いたリンディさんは慌てて止めようとしたが、それよりも一瞬早く魔力弾が放たれた。

――ドォン!

その魔力弾はユウに直撃し、ユウは爆煙に包まれる。

「ユウ君!?」

なのはが悲鳴に近い声を上げた。

だが、風が吹いて煙を吹き飛ばすと、その中からは無傷のユウの姿があった。

「・・・・・・・・自分達の意にそぐわなければ、威嚇も無しにいきなり攻撃を直撃させる・・・・・・・それがお前たちの正義・・・・・・か?」

そう言って睨み付けるユウに、

「ち・・・・ちが・・・・」

クロノはたじろぐ。

次の瞬間、ユウは目を見開き、

「ふざけるな!!!」

その叫びと共に生み出される黄金の巨大な魔力球。

「ちょ、いきなりガイア・・・・・!」

私の言葉は最後まで続かなかった。

言い終わる前に、クロノに向かってガイアフォースが放たれる。

「なっ!?」

クロノはその魔力に驚愕する。

絶対に止められない力の差。

絶望的なその差に呆然となるクロノの横を、ガイアフォースは通過した。

ガイアフォースは海の上を通過し、遥か空へと消える。

そして、驚く事にガイアフォースが通過した海は、真っ二つに割れていた。

「嘘・・・・・・・」

誰が漏らしたかは分からない。

ただ、その事実に驚愕し、その場にいた全員は呆然としていた。

そして、私が正気を取り戻した時、ユウは既にその場にはいなかった。







あとがき

第十話完成。

結構やりたい放題やりました。

ご都合主義の如く、プレシアさんと主人公の父が幼馴染設定。

プレシアさん、全然性格違います。

そんで、時空管理局との邂逅。

大人しくユウがアースラについていくと思ったら大間違い。

ブチギレました。

大人しい奴ほど、怒った時には怖いのです。

では、返信を。




>AQUA様
感想ありがとうございます。
ラスボスといえるラスボスは出てこないと思います。
恐らく無印編では時空管理局との絡みがメインになるかな?
勢いで書いているのでどうなるか分かりません。
では、次回も頑張ります。



>俊様
感想ありがとうございます。
話し以前にユウがブチギレました。
因みに翠屋での話し合いは自分も考えているのでお楽しみに。



>ラングース様
感想ありがとうございます。
俊様の返信にも書いてあるとおり、翠屋での話し合いは考えてます。
その話し合いまで持っていくのに一悶着ありますがね。
では、その時をお楽しみに。



>クロポン様
感想ありがとうございます。
ハーレムの予定ですので、アリシアにも当然フラグ立てる予定です。
どうやって立てるかは決まってませんが(爆)
あと、ユウへの応援ありがとうございます。
次回もお楽しみに。



>紅猫様
感想ありがとうございます。
話し合い云々以前にユウは管理局の話を聞きません。
なのは達は・・・・・どうなるのかなぁ・・・・・?
家族も交えての話し合いは考えているので、その時をお楽しみに。
では、次回も頑張ります。



>星の弓様
感想ありがとうございます。
今回は如何だったでしょうか?
クロノが悪者になった感が・・・・・
では、次回も頑張ります。



>かな様
感想ありがとうございます。
表現ではSSSオーバーとなっていますが、正確に言えばSSS以上で計測不能なのです。
もう1,2個Sがついても不思議じゃないです。
何というチート。
では、次回も頑張ります。





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