学生時代を除けば、家族という保護者無しで旅行するのは初めてである。
だから、何か忘れ物をしてしまった時に友達に借りたりとか、お母さんが「こんなこともあろうかと」と言ってだしてくれたり、というようにはいかない――のだけれど
「だから、これとこれは持って行かなくても良いと思うわよ。」
「……なるほど。」
シャマルさんやシグナムさんが言うには、「『アレルギー』や『絶対にこれじゃないと駄目』だというこだわりがないのならば、歯磨きや化粧品などの消耗品は現地で調達・消費・廃棄する事にして、荷物を減らしたが良い」らしい。
「それに、荷物が多いとそれだけ手続きに時間と手間がかかってしまったりするし、なによりお金も余計に掛ってしまったりするからな。」
「へぇ……」
「こっちの世界ではどうなのかちょっとわからないけど、薬物や爆発物は1グラムに満たない量でも何百、何千の命を奪ってしまう物もがあったりするから、瓶とかの荷物が多いとそれだけ時間がかかっちゃうのよね。」
そうか……
ケーキとかに混ざってしまうといけないから私はあまり化粧品を使わないけど、アリサちゃんやすずかちゃんから聞いた話だと毎朝20種類以上の化粧品を使うのが普通らしい。
飛行機1機に400人乗れるとして、その半分が女性だと考えた場合、『1人20種類×200人分=4000個の化粧品』という事になる。そんなにたくさんの化粧品の瓶とかをいちいち検査していたら――例えば、1つ調べるのに5秒かかるとしても20000秒、分にすると約333分、つまり、約6時間の時間がかかる事になる。
まあ、実際は――少なくともこの世界では、検査にそんな時間をかけたりはしないんだろうけれど、それでも、こういうふうに言われると少しでも荷物を減らした方が良いだろうとは思ってしまう。
「それじゃあ、毎日寝る前に、保湿の為に使っているこれだけ持って行く事にします。」
アリサちゃんとすずかちゃんにお勧めされたこれだけは毎日使っているのだ。
「ああ、そうしておくと良い。」
というわけで、持って行くのは1週間分くらいの下着や衣類だけであり、それらを先日買ってきた大きな旅行鞄に詰め込めば――
「そんな大きな鞄は要らないだろう。」
「え?」
「だから、そんな大きな鞄なんて要らないと言ったんだ。
はやてからデバイスをもらったのだろう?」
えっと……
「これですか?」
パスポートと同じくらいの大きさの赤色のプラスチックみたいな手触りのプレート。
「そう、それの倉庫機能を使えば、ほら。」
シグナムさんがデバイスをちょいちょいと触ると、1着の服が光と共にデバイスの中に入っていった。
「持ち運びが楽なだけではなく、服に皺も出来ないぞ。」
確かにこれは便利です。
というか、これがあれば仕入れの時に車じゃなくて原付で十分? という事はガソリン代が浮くから、それだけ――
「シグナム、それはちょっと止めた方が良いと思うわよ?」
「うん?」
「桃子さんたちは魔法を知らないのよ? デバイスに荷物を全部入れてしまったら、娘が手ぶらで2ヶ月の海外旅行に出かけようとしている様に見えちゃうわ。」
手ぶらで海外旅行する事を許す親なんて、居るはずが無いでしょうとシャマルさん。
「む、それもそうか。 出張の時はいつもそうしていたから、その事に気づかなかった。」
出張先では基本バリアジャケットで良いので、鞄はもちろん、デバイスのこの機能すらあまり使わないのだという。
これが文化の違いというものなのだろうか?
でも、そうか……
原付で何キロも仕入れたりするのは不自然すぎるから、使うにしても個人的な買い物だけにしておかないといけないって事だよね。
ちょっと残念。
「まあ、荷物――というか、鞄が1つですむなら、その方が良いでしょうね。
はやてちゃんとなのはちゃんの代わりに旅行をする局員にとっても、持って行く荷物が少なければ面倒も少なくて済むでしょうし。」
「ああ。」
そう、私は時空管理局の本局という場所に保護されるので、私の代わりに旅をする人が居るのだそうだ。
まあ、2ヶ月分のアリバイが必要なのだから、旅行先の写真やお土産がないと家族を騙しきる事なんてできないものね。
「じゃあ私の荷物を全部このデバイスに入れて、この旅行鞄には適当なのを入れちゃいましょうか。」
「そうね、その方が――いえ、桃子さんたちが最終チェックとか言って、中身を確認したりするかもしれないから、荷物は全部その鞄に入れておいて、あの人たちには同じ鞄を渡す事にしましょう。
デバイスには、鞄ごと入れてしまえば良いでしょうし。」
「……そうだな。 あいつらはこの世界で休暇を過ごすわけだから、魔法を余り使うわけにはいかない。 そうすると荷物は鞄に入れていないといけない。
そう考えると、いちいち荷物の入れ替えをするよりも同じ鞄を用意した方が効率的だな。」
なるほど。 こっちの世界ではあまり魔法を使わない様にしないといけないんだから、デバイスに荷物を全部入れるわけにはいかないのか。
「そうね。 細かいのはともかく、衣類とかは鞄に入れておかないと空港とかで何かあった時に問題になるかもしれないわね。
こんなアリバイ作りなんて時空管理局始まって以来の初めての事だろうから、どうしたらいいのかもっと考えないといけないわ。」
お父さんたちに魔法の事を話して、きちんとした形であっちの世界に保護される事ができたら良かったんだろうけど……
「うむ。 誰にも魔法の事を明かさずに1人だけ保護するなんて今まで無かった。
しかし、だからと言って、これからも無いとはいえないし、今回でその辺のノウハウを作ってしまうくらいの気持ちで事に当たった方がいいだろう。」
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つい数日前から、ガジェットドローンが全く現れなくなった。
「これは、やばいかもしれないわね。」
ガジェットドローンによる収容所襲撃事件の担当になった執務管の1人が、彼女に与えられた部屋で資料を見ながら呟いたその一言に、彼女の補佐官が疑問符を浮かべる。
「えっと?」
あの非常に厄介な兵器が出現しない事は良い事だなと考えていた補佐官には執務官が何を考えているのかよくわからないようだ。
「はぁ……
前回、前々回と、管理局の重要施設をその圧倒的な物量で襲撃してきたやつらが、消耗を控えているって考えてみて?」
「消耗を、控える……?」
まだ、どういう事なのか理解できないようだ。
「前回は前々回よりも数が多かったわ。 それなりに消耗させたはずなのに、ね。
それはつまり、私たちが消耗させる量よりも、あっちの生産する量の方が多いってことだと考えられるのよ。」
「ええっと…… っ!」
執務官の優しい説明に、補佐官もようやくどういう事なのかわかったようだ。
「わかった?」
「はい……
次の襲撃は、前回の300機どころか…… もしかしたら、500…… いえ、1000機、2000機というガジェットドローンが投入されるかもしれないという事ですね?」
そんな馬鹿げた数のガジェットドローンにAMFを展開されてしまったら、Aランクの魔導師でも魔法を使えるかどうか……
「AMF内でも使える――そう、最低でもガジェットドローンの装甲を貫けるくらいの攻撃力のある質量兵器を用意しておく必要があるかもしれないわ。」
「し、質量兵器ですか!?」
時空管理局が質量兵器に頼らざれるえない状況だというその言葉に、「そんな事が許されるはずが無い」という気持ちと、「でも、それも仕方ないかもしれない」という現実的な考えが同時に浮かぶ。
「それが無理なら、超強力な電磁石とか――」
時空管理局の管理下の世界の人々の大半は、魔法という物を非科学的な物だと――いや、「魔法は科学よりも優れている」と思っている人たちが多数だと思うが、実際は違う。
少なくとも時空管理局が扱っている魔法は科学の延長上にある。
優れた科学力があるからこそ、魔力を安全に運用する事ができるというのが現実だ。
「――でも、そんな物を使ったらこっちにもかなりのダメージが出ちゃうでしょうから、質量兵器よりも現実的じゃあないわね。」
ガジェットを無力化できるような磁力を使えば、コンピュータ――例えば、現場の局員のデバイスなどにかなりの障害が出てしまう事は想像に難くない。
そうなると、現場の情報を知る術は現場局員の念話だけなのだが、念話とは会話の延長線上のものでしかない。
デバイスが集める客観的な情報と念話による局員の主観を通した情報、どちらも重要である事は確かだが、どちらが事件の解決に活かし易いかを考えた場合……
「ぅ…… 確かに、そんな数のガジェットドローンをどうにかしようと思ったら、私たちもそれなりの覚悟をするべきなのかしれません。」
基本、事件が起こってしまってから動きだすしかない仕事なのだ。
後手に後手にとしか動けないのは厄介だが、逆から見れば事件の情報を有る程度持った状態で動く事ができると言う事でもある。
その情報をどれだけ正確に集める事ができるのかが重要となるのだから、自分たちの電子機器にダメージを与える様な物を使用するのは現実的ではない。
「それだけのAMFが展開されると、バリアジャケットも使い物にならないだろうから装備も揃えないといけないだろうし…… 今の内から備えておくように報告しておいた方がいいかも――しておくべきか。」
おそらく装備が揃う前に敵は動きだすだろうから、報告してもあまり意味は無いかもしれない。 それでも何もしないよりはましだろうと思う。
「……そうですね。 それじゃあ、他の執務管の方々にも――」
「そうね。 私だけじゃなくて、執務管数名の連名で出せば、質量兵器はともかく、防具の支給くらいは間に合うかもしれないものね。」
地上の――魔力の少ない部隊が使う様な、対質量兵器様の盾に対ビーム用のジェルなどを塗れば、ガジェットドローンのビームを数回くらいは防げるかもしれない。
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「ほな、なのはちゃんの準備はOKなんね?」
隠れ家と呼ぶ事にした時空管理局本局のとある小さな部屋で、生きているのかしんでいるのかあやふやな状態になっている無限書庫司書長の八神はやてが第97管理外世界にいる八神シャマルと連絡をとっていた。
『ええ。 なのはちゃんはとても楽しそうに準備していました。
そちらの方はどうですか? 何か変わった事はありました?』
「大丈夫や。 ヴィータとザフィーラが死んだかもって報告して、シャマルとシグナムがそっちで捜索活動をしているって事になっているから、私の生死は未だ不明や。」
家族の中では1番はやてと仲が良いと思われているヴィータと、はやてを守る事に特化しているはずの守護獣ザフィーラがはやての死を確信している。
はやての死を受け入れられないのか、それとも泣いて過ごしているヴィータに希望を持たせたいからか、辺境の地で主を探し続けるシャマルとシグナム。
結果、無限書庫司書長八神はやては公式的には生死不明であるものの、実質的には死んだものとして扱われている状況となっている。
「あまりに上手くいきすぎて、ちゃんと仕事復帰できるのか心配になるわ。」
『あらあら。』
作戦がうまくいっているからだろうか、ご機嫌なはやての様子にシャマルも安心する。
『それじゃあ、予定通りで?』
「うん。 予定通り2日後にそっちに行くわ。 ほな――あ!」
通信を切ろうとしたその時、はやてが上げた声にシャマルは驚いた。
『どうかしたの!?』
「いや…… 報告する事があったのを思い出したんや。
ガジェット関係の事件に関わっているのに――いや、関わっているから暇してる、かなり使えそうな執務管を1人見つけたんよ。」
はやては、ガジェットの情報を集める過程で見つけた、二丁拳銃タイプのデバイスを使う執務官の姿を思い浮かべる。
「そっちに行く前にその人に事情を説明して協力してもらおうって思ってる。」
魔力を拡散させてしまうAMF内で、ガジェットを破壊できるだけの威力のある射撃魔法をその二丁拳銃なデバイスで連続発射できるだけではなく、高密度なAMFにすら有効なヴァリアブルシュートまで使用できる彼女は、対ガジェット戦の切り札になるだろう。
『……信用できる人なんですか?』
「うん。 裏もしっかり取れているし、ガジェットと戦えるだけの実力もある。」
数だけは多いガジェットを彼女に任せる事ができるのならば、脱獄した戦闘機人や――ほぼ間違いなく存在しているだろうJSのクローンを倒す事ができるだろう。
『そうですか…… でも、ザフィーラから離れないようにしてくださいね?』
「了解や。」
心配そうなシャマルを安心させる為に、少し大きめの声で元気に返事をする。
『それじゃあ2日後に。』
「うん。 ほなな。」
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「くしゅんっ!」
某所で自分の事が話題になったからだろうか、彼女は大きなくしゃみをした。
「大丈夫ですか?」
「ええ、ちょっと冷えてきたのかも。」
もちろんそんな事を知る術も無い彼女たちは、くしゃみの原因は温度の変化にあると常識的に考えた。
「少し、温かくしましょうか。」
「……ありがと。」
温度調整の為にデバイスを弄りだす補佐官に感謝の言葉をかけながらも、執務官は再び思考を始める。
敵はおそらく6年前のJS事件の生き残りか――JSの協力者たち。
当時ですらガジェットドローンは数百体存在していた事や、12体も戦闘機人を制作で来た事などを考えると、それだけの機材や資材を集めた者たちがいたのは間違いない。
しかし、6年という時間は余りに微妙だ。
JSの復讐にしては時間が経ちすぎている様に思えるし、それだけの時間をJSの技術を使えるようになったのだとしても――ガジェットドローンの性能が当時とあまり変わっていないというのも……
仮に、当時よりも大量生産できるという方向で技術を上げたのだとしても、だ。
性能があまり変わらない以上、質量兵器を採用――ある程度の質量をもった物体を魔法でAMFの外、遠距離から高速移動させる方法を時空管理局にとられたらガジェットドローンなんてすぐに壊滅させられてしまう事はわかっているはずだ。
そんな、戦術の幅が意外と狭いガジェットドローンでできる事は……
「もしも、今までの大量投入こそが例外的なもので、ガジェットドローンはあくまで作戦の補助と考えて見た場合……」
そこから考えられるのは、敵がガジェットドローンとは別の何かを持っている可能性。
最悪、ゆりかごと同じくらいヤバい、巨大ロストロギアすら……
6年前ですら、あれほど巨大でありながら行方不明となっていた古代ベルカのロストロギアを秘匿していたのだ。 他にも色々と隠し持っていた可能性は否定できない。
「はあ……」
「え? まだ寒いですか?」
「違うわよ。 ただ、常に最悪を考えておかないと、せっかく慣れた執務官の椅子と永遠のお別れって事になっちゃいそうだなって、思っただけ。」
6年前のJS事件は無限書庫の司書長である八神はやての意外な大活躍によってすみやかに解決したのだが、問題なのは彼女が出撃する前にあった。
ガジェットドローンはあの事件の前からあちこちの世界に現れて、時空管理局に少なくないダメージを与えていた。
例えば――最も被害が大きかったのは。JS事件が起こる直前に起こったアインヘリアルという地上防衛用の巨大魔力攻撃兵器が破壊された時だろうか。
あの当時、アインヘリアルは2機存在し、3機目を建造中であったのだが、その3カ所を戦闘機人と大量のガジェットが襲撃されてしまい、あれだけの予算を掛けたアインヘリアルは完全に破壊された時の事……
「あの時、ミッドの戦力の殆どが全滅しちゃったせいで、とにかく見込みのありそうな奴に資格をとらせて、開いてしまった椅子、開く事になった椅子に座らせようっていう事にならなければ、私が執務官の資格を受ける事なんて無かったはずだったんだから、この椅子にそんなに執着はしてないんだけど……」
アインヘリアルは2機完成し3機目を建造中であったにも関わらず、その運用については『許可を申請中』だったという、とても微妙な存在だった。
しかし――いや、だからこそ、アインヘリアルをテロリストなどに奪われたりしない様に最高クラスの防衛システムが敷かれていた。 そう、アインヘリアルは最高の防衛システムと多数の人員によって守られていたのだ。
アインヘリアル3機が完全に破壊されたと言う事は、それを守っていた――
「私も、執務管補佐という仕事には誇りを持っていますけど……
本来なら座る事の無かった椅子じゃないかと、少し考えた事があります。」
いや、アインヘリアルの件だけなら、局員の移動や補充でなんとかなったのかもしれない。 確かに、あの事件が最も被害が大きかったのだけれど――こういう言い方はアレかもしれないが、アインヘリアルが無くなった以上、それを守る者たちが居なくなっても問題は無いのだから。
重要なのはガジェットドローンによって時空管理局の人材が減らされていたという点だ。
「あの頃、無理矢理資格をとらされた人たちの中で、それを考えなかった人はいないんじゃないかしら。」
ゼスト・グランガイツ
彼は時空管理局の首都防衛隊に所属していたストライカーであり、JSの協力者。
ルーテシア・アルビーノ
母親を人質にとられ、JSの配下によって洗脳に近い教育を受けていた。
この2人はJSによってレリックウェポンの実験体にされていた事が――あの、大爆発によって証明されている。
「……そうですね。」
ゼスト・グランガイツは八神はやてと八神シグナムによって捕えられた後、数名の高ランク魔導師と、多数の局員によって拘束されていた。
ルーテシア・アルビーノも――事件の後で外部からの精神操作をされていたとわかったが――巨大な召喚獣や召喚甲虫を暴走させていたので、取り押さえる為に十数名の高ランク魔導師――その中には、執務管もいた――が連携を組んで対処していた。
そんな2人が、戦闘機人クアットロによってその体内のレリックを暴走させられ――
時空管理局は、たくさんの犠牲を出した。
「JSのせいでどれだけの人命が失われたか……」
資格を持っていた人が、6年前にいなくなった。
資格を取れただろう人たちが、その前からいなくなっていた。
だから、素質のある者に試験を受けさせ資格をとらせ、開いてしまった椅子を埋めなければならなかった。
「確かに、いつかは出世してやろうって思っていたし、一生懸命訓練をして、それだけの実力も付けていたけど……」
訓練校時代、自作のデバイスを使用している者は少なくて、自分は1人で自主訓練をする時間が多くなり、結果として同期の誰よりも優秀な生徒となっていた。
「それでも、こんな形は望んでなかったわ。」
試験に不正はなかったし、例年よりも問題が易しかったという事も無かった。 この椅子は自分の実力で手に入れた物だと胸を張って言える。
しかし、亡き兄と同じ道を進みたかったという気持ちは今も胸の中で……
「私にとって、JSは疫病神なんだわ。」
執務官になった頃は、「本当に自分がこの椅子に座ってもいいのか」と考えてしまった事もある。 しかし、自分と同じ様に、開いてしまった椅子に座る事になった事に悩んでいる人たちと話し合いの場を持ったりして、『座っていた人の分まで頑張るしかないじゃないか』と結論を出したのだけれど。
「疫病神ですか。」
「ええ。 事件の最中に死んだ奴のせいでこの椅子に座らされて、その残した物のせいでこの椅子から――この世から退席させられそうなんだもの。」
疫病神としか言いようが無いではないか。
120204/投稿