どうも、こんにちは。徐晃です。
なお、本日は副音声でもお楽しみいただけます。
「はりゃく、おしゃけちゅぎなひゃいよっ!」
(早く、お酒注ぎなさいよっ!)
あー、面倒な人です。
今日は荒れてます。荀彧ちゃんです。
珍しくお一人です。と言いますか初?
いきなり来て、貸切にしろって。どえらい金額を先払いです。
お金持ちさんです。
「ひょっと!きいてりゅの!」
(ちょっと!聞いてるの!)
大分飲んでます。いえ、飲まれてますね。どう見ても。
「はいはい、聞いてますよ」
「ひゃいはいっかい!」
(はいは一回!)
こんな荀彧ちゃんは初めて見ました。
何でも、孟徳さん達が黄巾党をやっつけたらしいです。凄いですね。
噂では二十万とか三十万とか居るって話でしたし。どうやったんだろ?
で、昨日朝廷から官位を貰ったみたいなんですよ。孟徳さん。
でも、朝廷のお役人にあーだこーだ文句を言われたみたいなんです。
偉そうな話ですね。代わりにやっつけて貰ったのに。
まあ、今の朝廷なんて、そんなもんなんでしょうね。なんの力も無いくせに。
「にゃんで、しゅーらんとしゅんらんだけにゃのよ!きいてりゅの!」
(なんで、秋蘭と春蘭だけなのよ!聞いてるの!)
「聞いてますよ。荀彧さんが一番優秀で可愛いいです。はい、どうぞ」
「・・・ありゃ、おときょのくしぇにわかってうりゃにゃい」
(あら、男のくせに分かってるじゃない)
この手のお客さんの扱いも慣れたものです。
主に元譲さんですけど。
「まあ、わらひがいちはんほうめいでうちゅくひいのはきゃりんはまもこりきゃいいららいるとはほもうへろ・・・らんれわらひじゃ、にゃいのよー!おきゃわり」
(まあ、私が一番聡明で美しいのは華琳様もご理解頂いているとは思うけど、なんで私じゃないのよ!おかわり)
目が完全に据わってます。ドンと机に枡を叩き付けました。
うーん、軍師格の人は荀彧ちゃんしか居ないと思っていたけど、冷遇されているとも思えないんですが・・・
アレですか、放置プレイですか?
「どうぞ。荀彧さんがいるから、孟徳さん達も安心して戦出来るんじゃないですかね。今回はたまたまですよ、たまたま。」
こういうお客さんは、褒める、立てる、肯定する。この三原則に限ります。
「わきゃれはいいのりょ・・・あんらものみなはい、おこってあれる」
(分かれば良いのよ・・・あんたも飲みなさい、奢ってあげる)
上機嫌になってくれたっぽいです。
「遠慮なく頂きます」
そう言って自分の枡に注いで呑もうとすると、思いっきり机を叩かれました。
「きょきょ!きょっひにしゅわりなはい!」
(ここ!こっちに座りなさい!)
と、自分の隣の席を叩きます。
だんだん、面倒臭くなってきました。
あなた男嫌いでしょ?
「はいはい」
「ひゃいはいっきゃい!なんろひっはらわきゃりゅの!これらからおときょは」
(はいは一回!何度言ったら分かるの!これだから男は)
諦めて、横に座ります。
「わらひがいるはら、あのにょうひんもにゃんぞくにららかへるんにゃにゃい!」
(私がいるから、あの脳筋も満足に戦えるんじゃない)
「そうですよ。荀彧さんのお蔭ですよ、本当にそう思います」
「れも、あにょにょうひんは、にゃにかにちゅけてわらしときゃりんしゃまとのにゃかをじゃみゃしゅりゅのよ!あにょ<中略>めー、おきゃわり」
(でも、あの脳筋は、何かにつけて私と華琳様との仲を邪魔するのよ!あの<中略>めー、おかわり)
よくもまー、そんだけ罵詈雑言が出てくる事です。流石の荀文若ですね。
才能の無駄使いですけど。
何と無く、元譲さんと犬猿っぽいのは想像できますね。
あ、脳筋が元譲さんの事だってわかったのは内緒でお願いします。
まだ死にたくありませんから。
ん?急に黙りましたね。どうしたんでしょうか?
「・・・なんれ」
(・・・なんで)
「はい?」
「なんれ、わらひがきょんなおろことおしゃけをのみゃにゃくひゃいけにゃいのりょー!きゃりんひゃまー」
(何で、私がこんな男とお酒を呑まなくちゃいけないのよー、華琳様ー)
呑んで、酔って、絡んで、なじって、泣いて・・・無茶苦茶だ。
しかも、こんな男って。あんまりだ。
「明日はきっと良い事ありますよ?ね?」
「・・・おろこににゃゆしゃめられらー!きゃりんしゃまー!」
(・・・男に慰められたー!華琳様ー!)
散々泣いてすっきりしたのか、寝てますよ。この人。
ストレスでも溜まっていたんでしょうか?
まあ、戦ばっかりで仕事も多いでしょうし。
一人で裏方の仕事を回していたら、疲れもするでしょう。
このままじゃあ、風邪引いちゃいますから、二階に連れて行くとしますかね。
そのままお姫様だっこで二階に連れて行き、布団で寝かしてあげました。
寝顔は本当に可愛いんですけどね。この人は。
「おはようございます」
次の日の朝、仕込みをしていたら荀彧ちゃんが起きてきました。
二日酔いでしょうか、こめかみを押さえています。
表情にも覇気がありません。
まあ、大分呑んでいましたからね。
「私・・・ああ。そのまま・・・寝ちゃったのね・・・っ痛」
「まずはお水どうぞ。すっきりしますよ。そしたら顔でも洗ってきて下さい。お粥の仕度も出来ていますから。良い鳥が入ったので、ささみ粥です」
足取りがちょっとおぼつか無い感じですが、大丈夫ですかね?
無言のまま顔を洗い、お粥を食べてます。
「食べ終わったら、これ飲んでくださいね。ちょっと苦いけど、効きますよ」
鬱金の粉末を紙に包んで出しておきます。
「あ、食器もそのままで良いので。俺はまだ仕込みがあるので裏にいますが、勝手に帰ってもらっていいですよ」
「そうさせてもらうわ」
「じゃあ、俺はこれで」
仕込みを終えて戻った時には、荀彧ちゃんの姿はありませんでした。
が、食器は水場に移してくれてありました。
水に浸けておいてくれてます。
机の上に残っていたのは、薬の包み紙と小銭が少々。
お金?一回戻ってきたんでしょうか?
紙に何か書いてありますね。
どれどれ・・・
達筆すぎて読めませんでした。
あとがきです。
今回もお付き合い頂きありがとう御座います。
大変読みにくい文面ですが、あえてのチョイスです。
にしても、徐晃君に各キャラがどうやって真名を預けるかが思いつかないです。
逆転の発想で預けないのもありかな?
ではまた後日お会いしましょう。