どうも、こんにちは。徐晃です。
先日、恋と音々を村に迎える事になりました。
ちなみに兵隊さんは話をした結果、約半分の二千人程がそのまま残りたいとの事。
帰る場所が無い人達です。
どう考えても現状の収入では賄えません。出来ても千人がやっとでしょう。
ですから、ある事業の着工を早める事にしました。そちらに皆さんを割り振ります。
石炭掘りです。
この前お城に用事で行ったときに、書庫を訪ねたんです。偶然見つけた本によると、何でも春秋時代から利用はされていたみたいなんですよ。
でも今では採掘量も減って、一部の鉄工技師さんの元に届く程度らしいです。
真桜さんに聞くと、
「ああ。産出量が少ないらしいで?」
ここで、俺はキュピーンと来ましたね。
ちょっとしか取らないなら、まだまだ埋っている筈!
という訳でして、石炭狙います。
ただ、危ない事が一杯なんですよね。
一番は、掘る訳ですから崩落事故が怖いです。
そもそもどれだけ眠っているかも分かりません。
近代ではかなり長い間燃料資源の最先端だったはずです。
だから一杯あるような気がします。ええ、気がするだけです。
で真実はぼかしながら、その辺も含め色々説明しました。
皆さん俺に賭けてくれました。
正直、嬉しかったです。やはり対話は大事です。
指導係り兼現場監督は村のご老人。若い頃は石炭を掘っていたらしいです。
で、石炭掘りの指揮官は高順さんというおっちゃんです。
かなり皆さんに慕われている人です。
細かい事は報告して貰いますが、基本的に高順さんに一任です。
上手く行けば、ガッポリ儲かるでしょう。
恋と音々はですね、食材運搬隊を率いて貰います。
兵隊さん何人かと一緒にです。
これも懸案事項の一つだったんですよね。助かりました。
まずやられないでしょう。だってあの呂布ですよ?呂布。
知っていたら、絶対手を出しません。まあ、華琳さんの勢力圏では大分盗賊も減ってますけどね。居るには居ますから。
その他にも色々な事を進めてますよ。
こんな事ばっかりやっているから村の貯蓄があんまり増えないんですよね~。
詠が店と村の財布を握っていますからね。流琉と二人の時より厳しいです。
中々秘密で進められません。しつこいんですよ。
まあそれは置いておきましょう。
今日はですね・・・恐怖の呼び出しです。
華琳さんから先日の一件を説明するようにとの呼び出しです。
一応、軽くは説明してあるんですよ。文面で。
だって、会いたくない。いや、死にたくないでしょ?
遺書でも書いておいた方が良いですかね?
絶対怒ってますよ。
だって、陳留の守備隊を騙した訳ですしね。
あー、行きたくねぇ・・・
でも行かない訳にもいきませんしね。
足取りは超重いです。
急に掃除がしたくなってきました。
そんなこんなで城に到着。
華琳さんは椅子にふんぞり返って俺の話を聞いています。
あー嫌だ。帰りたい。この場から逃げたい。
でもそんな事をしようものなら、どこからか元譲さんが現れ、嬉々として追いかけてくるでしょう。
あの人との鬼ごっこは勘弁です。
「以上かしら?」
「はい」
チラっと顔を見ますが、いつも通りですね。
読めん。全く読めん。
あー、空気が重い。雰囲気が悪すぎる。
「徐晃?」
「は、はひ!」
噛んじゃった。痛ひ。
「見事だったわ。褒美を取らせましょう」
「・・・はい?」
イマナントオッシャイマシタカ?
「良くやったと言っているのよ」
「怒ってないんですか?」
「ええ」
「・・・本当ですか?」
「くどいわよ」
おおおおお!!!
神がいた!ここに神が!このクルクル娘は神だったのか!
「良い策だったわ。手際も見事としか良い様が無い。月と詠がいて相手が呂布。全て揃って初めて成る策だけどね」
おお!月と詠が褒められてる!
すげぇ!!!
奇跡だろ!華琳さんはあんまり褒めないからね。いやはや、珍しいものを見たぞ。
「でも俺は何もしてませんから。月と詠にあげて下さいよ。喜ぶでしょうし」
「・・・貴方ねぇ。はぁ、もういいわ。説明するのも面倒ね」
何か馬鹿にされてます?もしかして。
「いや~、怒られると思ってましたからね。良かった良かった」
「そう?見事な策よ。確かに私の兵を謀ったのはアレだけどね。結果として、こちらの兵の損害は軽微。街に至っては被害無し。面倒な呂布は表舞台から消えた。差し引いても十分評価するに値するわよ」
おおお!!!
マジで褒めてるよ。
お兄ちゃんは良い妹を持って幸せです。
やっぱり華琳さんも恋とはやりたくないんですね。
いや。面倒って事は、ちょっと違うのか?どうなんだろ?
「まあそれはいいわ。で、残る兵をどうする気かしら?」
「今は兵隊さんじゃないですよ。石炭を見つけたいですね」
「ああ、アレね。でも産出量は減っているわよ?」
そうらしいですね。でも。
「産出量が減っているんじゃ無くて、取る人が少なくなっているからだと思う訳ですよ。俺の記憶では、かなり長い間燃料資源の頂点に君臨していたはずです。だから眠ってますよ、きっと。本当かどうかは分かりませんが。現状じゃ二千人も養えませんから、一気に進めて貰いますよ。今のままだと赤字ですからね」
「・・・半年だけよ」
「は?」
「半年だけ補助してあげるわ。その代わり私が一手に買い取るわ」
おおお!!!
国から補助出た!
これまたすげぇ!
でも・・・
「いいんですか?取れないかも知れませんよ?」
「だから半年よ。明日取れればそこで補助を打ち切って、買い取りに移行。半年間は猶予をあげるわ」
「ありがとう御座います。皆喜びますよ」
「貴方も喜びなさいよ。責任者でしょ?」
はい?そりゃあ、嬉しいですけど。でもですよ、
「俺は掘りませんから、別にそこまでは。補助を出して貰うのは村の採掘係りの皆さんですから。あと俺は責任者じゃないですよ。ただ、案を出してやってもらっている立場です。一応収支の兼ね合いも合って経理みたいな真似はしてますけど。これも最近は詠か月がしてくれてます」
「・・・そうね、そういう奴だったわね。まあいいわ。・・・いい?呂布の手綱だけはしっかり握っておきなさい」
「大丈夫ですよ。恋はいい子ですから」
またも馬鹿にされてるのか?
まあ、いいや。皆喜ぶでしょう。
にしても手綱って。恋はいい子ですよ?何も知らないだけですから。
今日の事は皆に報告してあげないといけませんね。
「呂布の真名ね・・・まあいいわ。もう帰っていいわよ。褒美は後日店に届けさせるわ」
「はい。では失礼します」
ではでは帰りましょう。
「ちょっと待ちなさい」
呼び止められました。
「何ですか?」
「店はいつ開けるの?」
「あと十日で開けますよ」
「前日に呼びなさい。客をしてあげるわ」
「助かります。ではこれで」
扉を閉めて・・・と。
ウッヒャホーイ!!!
俺生きてるー!
良かった良かった。足取りも軽いです。
皆に報告しないとね~。
「ただいま~。月~詠~、華琳さんがお前達凄いって褒めてたよ」
「お咎めなしですか?お兄様?」
「おう、良くやったって。褒めてた」
「へぅ~、良かったです」
泣くなっての。
「流琉も月も心配してたんだから!」
「そうかそうか、三人ともそんなに・・・兄ちゃんは嬉しいぞ」
「ボ、ボクは違うわよ!この馬鹿兄!」
皆可愛いですね~。
さてさて、この辺にしておいてっと。
店の準備をしていかないといけませんね。
村の皆には音々が来た時に伝えて貰う事にしましょう。
「流琉ー、見て欲しい物があるんだけどー」
「はーい、ちょっと待ってくださいねー。直行きまーす」
さてさて、オープンまで後ちょっと。
頑張りましょう!
オープン四日前から、華琳さんの所の兵隊さんにお客さん役で入ってもらっています。
夕暮れから日毎で百名。客席二回転半。実際の営業もそんな感じでしょう。
やはり焼き場は熱い。灼熱ですよ。
でも大丈夫そうです。
注文方法も中々いい感じに出来あがってます。
月が褒めてくれました。
注文取りが楽だって言ってました。
詠も便利だって言ってましたよ。
流琉は冷蔵庫での保存に毎日感動しています。
「凄いですよ、兄様。痛んでませんよ!凄い!」
だってさ。
そりゃあ、そうでしょうね。
そういう物だし。冷蔵庫って。
でも皆嬉しそうに仕事してくれてます。
それが嬉しいです。
色々と頑張った甲斐があります。
今日はオープン前日。
華琳さん達の貸切営業です。
さてさて、久しぶりですよ。この人達を相手にするのは。
なんてったって、全員集合ですからね。
さあ、勝負!
「お任せで結構よ。貴方に任せるわ」
「畏まりました」
お任せね・・・この響きも懐かしいです。
張り切っていきましょう!
「流琉ー、焼き場補助。串見てて!」
「はい、兄様」
だったり。
「月、霞さんにお酒。もう空だよ。お客さんを良く見て。空の枡はお金にならないぞ」
「はい」
てなもんだったり。
「詠、これ季衣ちゃん。盛り合わせ三人前。こっちは楽進さん、激辛串」
「はい!」
なかなかいい感じですね。
ガンガン行きますよ!
「元譲さん妙才さん、こちらネギ焼きです。こちらのコテでどうぞ。鉄板熱いですからね、気をつけて下さい。華琳さんはこちらのチーズ餃子をどうぞ。中身はかなり熱いですから、火傷に気をつけて下さい」
皆さん良い顔してくれてます。
やり甲斐があるってもんです。
あれやこれやガンガン行きます。
でも・・・
荀彧ちゃんの調子が悪いみたいですね。
お酒に弱い子じゃないんですけど、もう酔ってます。変な酔い方してますね。
疲れているんでしょうか?
「華琳さん、ちょっと・・・」
「ああ桂花ね。少し疲れてるのよ。あの子最近忙しいし」
「もう止めときますか?無理は良くないと思いますけど」
「そうね。桂花?桂花?」
寝てますね。
華琳さん命の子が、声を掛けられても起きないとはね。
余程疲れているんでしょう。恐らく、久しく呑んでないと見ました。
「仕方の無い子ね。徐晃、寝かせてきて貰えるかしら?部屋余っているのでしょう?」
「分かりました。少し外しますね」
お姫様だっこで二階の客間へ・・・ん?
流琉がこっちを睨んでる?いや・・・これは。
な~るほど・・・仕方無い妹です。
戻ってきてからは普通でしたけどね。
忙しいし。
それからも、焼き続けです。
まあ、人数は少ない分楽ですが、変わった所を出さないと文句言われますからね。
新商品とかその予定とかのオンパレードです。
「徐晃、悪くなかったわよ。あと流琉?桂花をお願いね。じゃあまた来るわ」
「はい、お待ちしております。今日はありがとう御座いました」
「はい。またお願いします」
皆さん帰っていきました。
元譲さんはやはり妙才さんに肩を借りていますね。
見送ってから、一息。
疲れました。
さて、俺も片付けしましょう。もう一頑張りです。
「はい、片付けお終い。月、詠。今日はお疲れ。四日間やってみてどうだ?」
「大丈夫よ、この注文管理はいいわ。楽ね」
「その分動かないといけないよ?詠ちゃん」
「大丈夫よ、流琉も補助してくれるし」
「はい、任せてください!」
うんうん。お兄ちゃんは嬉しいです。
「流琉もお疲れさん。どうだ?いけそうか?全体的に動く事になるけど」
「大丈夫です。兄様がちゃんと指示してくれますから。私はそれに合わせるだけです」
「そうね、この店だと指示がちゃんと機能しないと駄目ね。混乱するわ」
「おう、任せろ!さて、明日も早い。もう寝るか」
「へぅ~。明日からちゃんと出来るかな~」
「大丈夫よ、月。頑張ろう。流琉も」
「うん」
「そうです。皆で頑張りましょう」
さて、最後にもう一仕事ですね。
「流琉?」
「はい?何で、きゃあ!に、兄様?」
「何だ?して欲しかったんじゃないのか?」
「ちょ、ちょっと、何してんのよ!」
違うのでしょうか?てっきりして欲しいものだと思ったんですが。
お姫様だっこ。
「そんな・・・は、恥ずかしい・・・ですよ・・・」
可愛い奴です。
真っ赤になって。
「ほれ、二階行くぞ?二人もして欲しかったら、下で待ってな」
二人も真っ赤になって。
本当に可愛い妹です。
「へ、へぅ~。ど、どうしよ~、詠ちゃ~ん」
「ぼ、ボクはいらないわよ!」
階段を上がりながら流琉を見ますが、キュっと縮こまって目を閉じています。
「流琉、明日から頑張ろうな。頼りにしてる」
「・・・は、はい・・・」
「じゃあ、お休み」
「お休みなさいっ!」
そんなに恥ずかしがらなくても良いと思うんですけど。
部屋の中に逃げられました。
うーん、乙女心は難しいです。
月も真っ赤になりながら、運ばれましたよ。
一緒ですね、流琉と。
詠はですね・・・
「・・・やっぱヤダ!放せ!この馬鹿兄!」
「痛っ、こら詠暴れるな。落ちるって」
思いっきり暴れる詠に手を焼きながらも、何とか無事に二階へ。
あー。今のが今日で一番しんどかったかも。
さてさて、俺も寝ますかね。
「・・・んー・・・仕事しよ・・・」
朝はしんどいですね。
眠い・・・
「・・・んー?」
誰でしょう?部屋を出たら誰かと鉢合わせ?
んー?誰だ?
目ぼけた眼では良く分かりません。
「キャー!何て格好してるのよ!!!」
ああ・・・荀彧ちゃん泊めたっけ?そういや。
忘れてた。
「ん~、おはよう御座いまふぅ」
「どうしまし・・・キャー!兄様!服着てください!」
ああ・・・忘れてた。
そういや・・・脱いだっけ?
「ちょっと、何やって・・・何してんの!この馬鹿兄!」
「ぐべ!」
痛たた・・・何か投げられました。
でも、目は覚めたかも。
ん?
荀彧ちゃんが目の前に?やけに近いですね。
「な、な、な、な、な」
「な?」
「半裸で近づかないでよ!妊娠するじゃない!この変っ態!!!」
「ぐべらっ!・・・痛てぇ・・・わわっ!が!ぼ!げ!だ!ご!ぷぎゃ!」
ぶん殴られてフラフラ後退、で階段から落ちました。
最悪だ。
今日からオープンなのに・・・最悪だ。
くすん。
あとがきです。
これはもうテラチートwとしか言い様が無いです。
でも彼個人は焼き鳥屋w
ではまた次回お会いしましょう。
駄文にお付き合い下さり、ありがとう御座いました。