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No.8145の一覧
[0] 【ネタ】フリーザの野望(現実→ドラゴンボール)憑依 [車道](2009/05/03 18:59)
[1] ラディッツの野望[車道](2009/04/17 20:17)
[2] ネイルの野望[車道](2009/04/18 19:45)
[3] ドクター・ゲロの野望[車道](2009/04/23 23:42)
[4] トランクスの野望[車道](2009/04/25 19:37)
[5] セルの野望[車道](2009/04/26 18:56)
[6] ヤムチャの野望[車道](2009/05/02 00:01)
[7] 打ち切り[車道](2009/05/03 18:57)
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[8145] ネイルの野望
Name: 車道◆9aea2a08 ID:555837fb 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/04/18 19:45
「おーい! また手合わせ頼むわ」

 そんな声に振り返ると、何人かの男たちが、こちらに向かって手を振っている。
 そう、男たちだ。この星の住人である我々に雌雄の区別はない。つまり、彼らは異星人である。しかも、サイヤ人という悪名高い種族の。

 私の名はネイル。このナメック星の最強の戦士にして最長老様を守る者だ。

「またですか?」

 いけないと思いつつも、漏れ出てしまう不機嫌な声に、しかし彼らは気にした風もなく笑顔で答えてくる。

「硬いこと言うなよ。どうせ暇なんだろ?」

 そんなわけがあるか! 最長老様をお守りするのは、私の存在理由と言ってもいい最重要任務だ。お前たちのために使ってやる時間などあるものか!
 そう叫んでやりたいところだか、それは許されない。彼らの申し出には応えるように最長老様に言われているのだから。


 私は、最初から彼らが気に入らなかった。ある日突然に、このナメック星にやってきて、この星を守ってやるから自分たちに協力しろと言ってきたこいつらが。

 彼らの話では、この星はフリーザという者に狙われているらしい。正確には、この星にあるドラゴンボールが。
 私も、フリーザのことは最長老様より聞いたことがある。
 曰く、宇宙の帝王を名乗る略奪者。曰く、自身の欲望のためなら、宇宙を滅ぼすことも厭わない究極の悪。この宇宙で二番目に恐るべし怪物。
 そう、二番目だ。一番は、別にいる。

 それは銀河の破壊者。闘争と破壊と滅亡の使者。宇宙の全ての生命の敵。スーパーサイヤ人と呼ばれし者。

 スーパーサイヤ人は、千年に一人、サイヤ人の中から現れるという。
 つまり、目の前の彼らの中から現れる可能性もあるのだ。そんな奴らをナメック星に、それも最長老様の近くに置きたくないというのが私の考えだ。
 だけど、そうはいかない。
 彼らは、一応紳士的に振る舞っているのだし、我々ナメック星人は、身を守る以外での戦闘を好まない。気に入らない、危険になるかもしれない、という理由で追い出すわけにはいかないのだ。
 それに、我々ナメック星人の中には、彼らに同調する者たちもいた。
 その者たちは、彼らと憑依だの転生だのと話していたが、その意味は私には分からない。分かりたくもない。
 そうして、この星に根を下ろした彼らは、最初に最長老様に面会することを望んだ。
 本来なら許されないはずのことだが、彼らと意気投合した仲間が勝手に連れてきてしまった。
 彼らの願いは、最長老様のお力で潜在能力を解放してもらうこと。そして、できればドラゴンボールを使って不死身の存在になること。
 一つ目の願いは、すぐに叶えられたが、二つ目はそうはいかない。あれは、力、知恵、そして心の清らかさなどの七つの試験を受けて合格して初めて願いを叶える資格が得られるのだ。何の試練もなく、しかもサイヤ人を不死身にするなどという願いのために使わせるわけにはいかない。
 そう伝えた時、彼らはあからさまに顔を顰め、ある者は舌打ちし、つばを吐き捨てた者もいる。
 彼らの言い分では、この星を守ってやるために必要なことなのに、くだらない決まりを待ちだすなということらしいが、それを言うなら我々としては、最長老様を不老不死にでもすれば後は何とでもなるのである。それをやらないでサイヤ人を不死身にしてやらなければならない理由はない。

 そうして、潜在能力を解放して力をつけた彼らは、私に修行のための手合わせを求めてきた。
 高い戦闘力を秘めたサイヤ人であり、さらに潜在能力を解放した彼らであるが、それでもまだ私の方がパワーは上だったのだから、その申し出は当然のものだったのかもしれない。
 だが、私の本分は最長老様をお守りすることである。
 彼らの修行のために、最長老様から遠くに離れるというわけにはいかず、かといって、修行の巻き添えで最長老様に何事かがあっては本末転倒にもほどがある。
 だから私は、修行ならできるだけ自分たちだけでやってもらえるようにと言っているのだが、それが叶えられたことがない。




 その日、私は珍しく自分から彼らの元へに訪れた。いや、初めてかもしれない。
 最長老様の言葉を伝えるためである。

「最長老様が、巨大なパワーを感知した。もしや、あなた方の言うフリーザが来たのではないか?」

 そう言った瞬間の彼らの顔は、いい見世物になりそうなものだった。

「ちょっと待て! もう来たのか!」
「いや! 考えてみたら、そろそろ来てもいい頃だ!」
「マジかよ! 今来られても俺たちじゃ勝てないぜ」
「というか、俺たちの中にはネイルに勝てる奴もいないだろ? この面子じゃ全員でかかっても、フリーザには傷一つつけられないよ!」
「畜生! せめて不死身になってれば……」
「いや、不死身になってたってひっくり返せない戦力差だろ! 常識的に考えて」
「だったら、どうしろってんだよ!」

 いい感じにうろたえているようだが、いつまでも見物しているわけにもいかない。

「それで、あなた方はどうするつもりなのですか?」

 言ってやると、今度はスクラムを組んで小声で相談し始めた。

「どうするよ。こんなところで死にたくないぜ俺は」
「それは俺もだ。いっそ逃げ出すか? 戦っても無駄死にだぞ」
「それなら、降伏するって手もあるな。今の俺たちの戦闘力ならフリーザも重宝してくれるはずだ」
「でも、フリーザはスーパーサイヤ人の出現を恐れてるんじゃないか? 殺されね?」
「馬鹿、フリーザが恐れているのは徒党を組んだサイヤ人だ。このくらいの人数なら問題ないと考えてくれるかもしれん」

 どうでもいいが、彼らはナメック星人の聴覚を侮っているようだな。丸聞こえだ。

「いや、俺たちで勝てないなら、勝てるものを生み出せばいい。ないものなら、あるところから持ってくればいいんだよ」
「どういうことだ? 何か考えがあるのか?」
「ああ、もちろんだ。つまりだな……」

 そうして、相談か終わった後の彼らの言葉に、私は激しい怒りを感じることとなる。

「ふざけるな!!」

 一喝した私の声には、憎悪すら込められていたのではないだろうか。それほどの怒りを覚えずにはいられない提案だったのだ。
 彼らの提案とは、私に他のナメック星人と合体してパワーを高めてフリーザと戦えというものだ。
 それが、何を意味するのか分かっているのだろうか? 確かに合体をすれば私は絶大な力を手に入れられるだろう。だが、合体をして吸収された者はどうなると思っているのだ?
 その者の記憶は私の中に残る。だが意思は消える。その心は永遠に失われるのだ。死者を蘇らせるドラゴンボールですら復活が不可能な消滅。それが合体なのだ。
 怒りに震える私に彼らは更に言い募る。
 それでも……、自分が消えることになってでもナメック星を救いたいという者がいるのではないかと。

 そうして、ほどなくしてその者は現れる。それは、最初に彼らを受け入れた者たちの一人であった。
 その者との合体は簡単に済んだ。そして私は手に入れる。絶大なパワーを、そして記憶を。
 それは、ドラゴンボールという漫画の知識。このナメック星に訪れる危機の正体。フリーザという巨悪の存在。ある日、漫画の世界の住人であるナメック星人に憑依してしまった自分。合体によって得られるパワーへの欲求。そして、自分が吸収される側であっても漫画のキャラクターに過ぎないネイルの肉体を逆に乗っ取ることで自我を残せると信じた愚かしい楽観。
 それらを手に入れた私は、フリーザを殺すことを考える。倒すのではない殺すのだ。
 絶大なパワーを手に入れた私だが、フリーザに変身を許してしまえば勝ち目はない。フリーザとはそれほどに強大な敵なのだ。

 私は飛ぶ。フリーザの宇宙船が降り立とうとするそこへ。
 そして、宇宙船が目視できる距離まで近づいたところで私は力を解放する。
 手加減はしない。自身の内にある力の全てを振り絞り、それを解き放つ。
 狙うのは、宇宙船の中に感じる巨大なパワー。邪悪というか死霊のように暗く淀んだそれ。
 解き放たれたエネルギーは一撃で宇宙船を消し飛ばした。フリーザといえど、変身する暇もなく不意打ちをくらえば生き延びることは不可能。

 そして、そこには何も残らずナメック星は、宇宙は救われたのだ。




「大変です。ギニュー隊長!」
「どうした、ジース!」
「ナメック星に行ったフリーザ様と連絡がとれなくなったそうです」
「なんだとーっ!! よし、すぐに我々もナメック星に向かうぞ! あと長官と呼べ。フリーザ長官と!」
「今から撮影の予定が入ってますが、どうしますか?」
「待たせろ! 俺たちはなんだ?」
「正義の味方です!!」
「そうだ! 正義の味方は何をおいても誰かを助けるものなのだーっ!!」


 こうして、人気番組ジャスティスボンバー・ギニュー特戦隊は、謎の番組終了を遂げることとなる。








おまけ


「クソッ、このベジータ様が、こんな下級戦士共に……」

「おーい。ベジータが逃げるけどどうする。こいつもトドメ刺しとくか?」
「いや、ナメック星編のこともあるし逃がしとこうぜ」
「そうだな」

「貴様ら……、感謝などせんぞ……、必ず……、俺を逃がしたことを……、後悔させてやる……」

「おー、逃げた逃げた。次はナメック星だな」
「いや、今恐ろしいことに気づいてしまったんだが……、何しにナメック星に行くんだ?」
「何って? ナメック星のドラゴンボールで……、あっ!!」
「そうだよ。俺たちでベジータとナッパ倒しちまったから、ピッコロ死んでねえ。ついでにヤムチャたち三人も」
「あちゃー、これじゃあブルマに宇宙船の依頼する言い訳がないぞ」
「普通に頼むわけにはいかないのか?」
「毎日、大量の食事を用意してもらってる上に重力室とか作ってもらってるくせに、更に頼むのか?」
「…………」

「おーい。なにやってんだ、おめえら。サイヤ人は倒したんだし帰って飯食おうぜ」

「……こう考えてみればどうだろう? なにもフリーザを倒そうとしているのは俺たちだけじゃない。ナメック星のことは、あっちに行ったやつらに任せよう」
「……そうだな。仲間を信じよう。信じる力だ」
「人造人間編に備えなきゃならないしな」
「ん? ドクターゲロは殺しただろ?」
「馬鹿。未来からセルが来るかもしれないだろ。完全体にならなくても脅威だぞあれは」



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まさか、まだ書くことがあるとは思ってませんでした。
さすがに次はないかな?



蛇足

ナメック星人のトリッパーは憑依者しかいません。

実は、フリーザ軍の種族名もない宇宙人のなかにも、転生者や憑依者がいます。彼らは、フリーザ軍の方針転換にもしやと思っていますが、確認はしません。違ったらこわいから。

戦闘力の高い異星人を集めた組が、打倒フリーザを掲げてナメック星にやってきて、壮絶な三つ巴の戦いが起こったりします。

ターレスについて行った者は、このタイミングでは、まだフリーザを越えていないことを理解しているので参戦は諦めます。

ブロリーといる者は、もはや今を生きることで精一杯なのでフリーザがどうとか考えている余裕はなくなりました。
スーパーサイヤ人になりましたが、やはりブロリーには叶わないので自分の実力を正しく評価できていません。


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