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No.8143の一覧
[0] 【ネタ】異邦人の憂鬱(現実→H×H)[ぺんた](2009/05/31 03:02)
[1] [ネタ]異邦人の憂鬱 第一話[ぺんた](2009/04/24 00:44)
[2] [ネタ]異邦人の憂鬱 第二話[ぺんた](2009/09/29 18:04)
[3] [ネタ]異邦人の憂鬱 第三話[ぺんた](2009/04/24 00:46)
[4] [ネタ]異邦人の憂鬱 外伝 その頃のトリッパーたち(改訂版)[ぺんた](2009/05/04 06:11)
[5] 第四話[ぺんた](2009/09/29 18:05)
[6] 第五話[ぺんた](2009/05/17 20:53)
[7] 第六話[ぺんた](2009/05/16 08:08)
[8] 第七話[ぺんた](2009/05/31 02:57)
[9] 外伝その2 それでも世界は並んでいる!![ぺんた](2009/05/18 06:26)
[10] 第八話[ぺんた](2009/05/24 05:28)
[11] 第九話[ぺんた](2009/05/24 16:45)
[12] 第十話[ぺんた](2009/09/29 18:06)
[13] 第十一話[ぺんた](2009/05/31 03:02)
[14] 第十二話(加筆&修正)[ぺんた](2009/06/11 17:26)
[15] 第十三話[ぺんた](2009/06/19 07:58)
[16] 外伝3 その頃の(原作)主人公サイド[ぺんた](2009/09/04 00:18)
[17] キャラ紹介&念設定(今後追加アリ)[ぺんた](2009/06/19 07:58)
[18] ヨークシン編その1[ぺんた](2009/09/04 00:21)
[19] ヨークシン編その2[ぺんた](2009/09/29 18:07)
[20] ヨークシン編その3[ぺんた](2009/09/29 18:14)
[21] ヨークシン編その4[ぺんた](2009/10/19 05:49)
[22] ヨークシン編その5[ぺんた](2009/10/19 05:54)
[23] キャラ紹介&念設定(ヨークシン編)[ぺんた](2010/03/22 04:52)
[24] グリードアイランド編その1[ぺんた](2009/10/31 05:11)
[25] グリードアイランド編その2[ぺんた](2010/03/10 21:52)
[26] グリードアイランド編その3[ぺんた](2010/03/22 13:23)
[27] グリードアイランド編その4[ぺんた](2010/04/19 00:27)
[28] グリードアイランド編その5[ぺんた](2010/04/19 00:36)
[29] キャラ紹介&念設定(グリードアイランド編)[ぺんた](2010/04/19 00:31)
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[8143] 第九話
Name: ぺんた◆5a2c8300 ID:1e5f2ff6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/05/24 16:45
2000年 1月19日 晴れ

 ハンター試験最終試験が始まった。
 最終試験だけあって過酷であった。
 具体的にはゴクウが炭になったり、ライダーvsライダーの戦いだったり、巨人vs巨人だったり、死神vs聖闘士だったり。
 とりあえず、どれくらいすごい戦いだったかと言うとネテロ会長が冷や汗出しながら「ちょっと場所変えよう」と言い出す程度である。
 ネテロ会長の物言いも付き、ボロボロになって戦いづらくなっていたこともあり場所を移動して続きを行なうことになった。

                                                ハオのハンター試験最終試験中間報告





<side:ハオ>
ネテロ会長の提案により、第六試合から場所を移して最終試験を行なっていた町の郊外の荒野で行なうことになった。
心源流の鍛錬場も業者の修理が必要なぐらいに破壊されたので場所替えは当然だろう。

次は第六試合、リュウガ対カズヤだ。
リュウガもヒーローズソサエティのメンバー。
ならばリュウガのデッキを使うのだろう。

対するカズヤは不明だ。
此処まで勝ち残ってきているが組織所属の人間ではなさそうで純粋に個人でやってきたらしい。

「リュウガ対カズヤ 始め!!」

リュウガが先のリュウキと同じようにVバックルを装着し、デッキをはめ込む。

「変身・・・」

静かに告げ、仮面ライダーリュウガへと変身する。

「相手にとって不足はねぇ!!」

カズヤが叫ぶ。

周囲の物質が炸裂音とともに分解され、彼の右腕へと集まってゆく。

「つまりはアルター能力の再現って訳か」

俺がカズヤの能力に当たりをつけた頃には彼の能力は完成していた。

「いくぜぇぇぇ、衝撃のぉぉぉぉ、ファァァストブリットォォォオ!!!」

背中の三本の羽飾りの内、一番上の羽が弾け飛び、内蔵していたオーラが噴出し爆発的かつ、変則的な加速を得る。

「オラァァァア!!!」

一撃をかわし切れなかったリュウガは両腕をクロスし迎え撃つがカズヤの拳が叩き込まれた瞬間に十メートル以上吹き飛ばされた。

「・・・力勝負は無理だな」

カズヤの一撃はそれにすべてを賭けていると言ってよい原作と違わぬ力を持っている。
正面からいくのは危険だと判断したリュウガは『相棒』を喚ぶことにした。

『アドベント』

ギャァァァァァァァァァ、と咆哮を上げながら虚空よりリュウガの相棒、ドラグブラッガーが現れる。
突然の奇襲に対処仕切れなかったカズヤはドラグブラッガーの体当たりを食らい、弾き飛ばされる。

『ストライクベント』

リュウガはさらにカードを使い、ドラグクローを召喚する。

「ハァァァァア!!!」

構えを取りドラグクローにオーラを注ぎ込むとドラグブラッガーの顎に黒い炎が球体となって発生した。

「ハァ!!!」

ドラグクローをはめた右腕を前に突き出し黒い炎・・・メテオバレットを撃ち出す。

「ちぃ!!撃滅のぉぉぉ、セカンドブリットォォォオ!!!」

弾き飛ばされてから体勢を立て直す間もなく撃ち込まれたメテオバレットに即座にかわす考えを切り捨てたカズヤは二つ目の羽を開放し
セカンドブリットを叩き込む事でメテオバレットを蹴散らした。

メテオバレットを拳で破壊されたことに一瞬動きが止まるリュウガだが、その一瞬の硬直で攻守は入れ替わった。

「立ち止まってんじゃねぇぞ!!!」

瞬時に空高く飛び上がったカズヤが叫ぶ。
三枚目の羽を開放しながらリュウガに向かって突っ込んでくる。

「抹殺のぉ、ラストブリットォォォオ!!!」

カードの使用は間に合わない、辛うじて横に飛び直撃を避ける。

「ぐわぁぁ!!」

が、直後に真横に着弾したカズヤの生み出した衝撃波によって弾き飛ばされ地面に叩きつけられる。

「くっ、だがこれでシェルブリットは使い切ったはず」

「それは甘えた考えだ!!!」

「な!?」

カズヤのオーラが高まっていく。
再び周囲の物質が破裂音とともにカズヤに集まっていく。
シェルブリットの進化形態だ。

背中のフィンの高速回転が始まり爆発的にオーラが高まっていく。

「シェルブリットバァァァストォォォォォオ!!!」

一瞬で最高速まで加速したカズヤはそのまま反応できないリュウガの胸板に拳を叩き込みそのまま遥か彼方まで殴り飛ばした。

「これが、俺の、自慢の、拳だぁぁぁぁぁあ!!!」

右腕を空高く掲げて宣言するカズヤ。
リュウガは起き上がらない。

しばらく待っても動き出さないリュウガに痺れを切らしたかカズヤはまっすぐに彼の元へと向かう。

「おい、起きやがれ」

右拳で頭を殴り、無理やりたたき起こす。

「まだ続きやるのか?」

そういいながら、右腕を目の前に誇示するように見せ付ける。

「いや、俺の負けだ・・・」

リュウガにはこれ以上のダメージを受ける前に負ける選択しか残されてはいなかった。

「勝者、カズヤ!!」

審判の勝ち名乗りを受け、カズヤの勝利が決まった。





<side:ネテロ>
試合会場を町の郊外に移して本当に良かったわい。
目の前にあいた大穴を見つめながらワシは心底そう思った。
しかし、郊外に移ったとはいえ、相変わらず自重しない連中である。
さて、次は第七回戦かの。





<side:ハオ>
次は第七回戦、ゴクウ対カイザだ。
だが、肝心の対戦相手のゴクウは未だに気絶中で目を覚ます気配は無い。
失格にされる前に起こしてやることにした。

とりあえずゆすってみる。
まったく起きない。
耳を澄ますとなにやら寝言まで聞こえる。

プチ

育ちのせいかとても脆い堪忍袋の緒を持つ俺だが今回もすんなりと切れた。

す~す~と規則的な寝息を立てるゴクウのわき腹に足を引っ掛け思いっきり振りぬく。

「ぐはぁ、何事!?」

ふつくしい軌道を描いて空を舞った後、顔から地面に激突しさすがに目が覚めたようだ。

「何事!?じゃねぇ、いつまで寝てる気だ」

「は?」

どうやら寝ぼけているらしい。
頭を掴んでシェイクしながら今がハンター試験の最終試験の真っ最中であることを説明して思い出させてやった。

ついでにゴクウが一回戦に負けていることも。

「ぁぁぁぁぁぁああ!?」

どうやらやっと脳が動き始めたらしい。

「ほれ、すぐにお前の試合だぞ、準備運動ぐらいしとけ」

「わ、わかった」

まだ微妙にテンパっているゴクウを炊きつけ、試合の準備をさせる俺だった。





今、試合会場では久方ぶりに目を覚ましたゴクウとカイザが向き合っている。

「ゴクウ対カイザ 始め!!」

第七試合が始まる。

カイザが『変身』し、カイザブレイガンブレイドモードを構えてゴクウを迎え撃つ構えだ。

対するゴクウはどう攻めるかを吟味しているのかカイザの周囲を円運動したまま手を出そうとしない。

じりじりと時が流れる。

今のゴクウはイクシオンの雷のダメージが抜けておらずとても界王拳が使える状態ではない。
無理に使えば自滅が待っているだけだろう。

そのため、今回は界王拳無しで相手に勝利しなければならない。
ゴクウが出した答えはこれだった。

「連続エネルギー弾!!」

両腕に集めたオーラを連続して撃ち出しカイザの間合いの外から攻撃を仕掛ける。
カイザをはじめ、ハンター試験で知り合った者たちはゴクウが界王拳で肉弾戦をするところしか見せてなかったため、突如襲ってきた念弾の嵐に
対応できずカイザはそれをモロに受けてしまった。

「ぐはぁぁぁ!!」

ドガガガガァ!!と連続して念弾・・・連続エネルギー弾がカイザにヒットする。
さすがに本職の放出系である。
ぶっつけ本番の必殺技とは思えない威力と精度である。

一つ一つの念弾は500オーラに満たない程度だが、連続で叩き込まれてはさすがに対処に困る代物だった。

「ちぃ!!」

カイザは念弾を掻い潜り、カイザブレイガンをガンモードへと変更する。

「食らえ!!」

ガガガガガッとカイザブレイガンからオーラ弾が発射される。
一発一発のオーラ量はゴクウのほうが上だが密度はカイザブレイガンのほうが遥かに高い。
この辺は機械で補正しているカイザには敵わない。
カイザが放った念弾はゴクウの念弾を貫通してゴクウへと飛来してきた。

「うぉあ!?」

あわてて回避行動に移るゴクウ。
武空術で空へと舞い上がるとそのまま移動しながらエネルギー弾を撃ち始めた。

ドンッドンッドンッドンッドンッ!!!

「うぉぉぉぉぉお!?」

空中から撃ち下ろしてくる念弾は思いのほか効果的だったらしくカイザはまともに抵抗することも出来なくなり逃げ回る羽目になった。

ん?あたり一面土埃で周りが見えなくなったな。
オーラの打ち込みすぎで残留オーラが多く『凝』で見てもノイズが掛かった様に見えて役に立たない。

・・・かめはめ波で当たり一帯全部薙ぎ払うのか。

ゴクウがかめはめ波の準備に入るのを見て俺はゴクウの考えを悟った。

「かぁぁぁめぇぇぇはぁぁぁめぇぇぇっ波ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

ゴクウが通常時で出せる最大出力のかめはめ波を発射した瞬間、土埃を突き抜いて黄色の四角錐が飛び出し、カイザが飛び蹴りの体勢で突っ込んできた。





<side:カイザ>
相性が悪いぃぃぃ!!!

空から一方的に攻撃されるのがこんなに厄介だとは!!

ドカドカと撃ち込まれる念弾の音を聞きながら俺は逃げ回り続け、何とか反撃できないかと機会をうかがっていた。

空からの砲撃が止む。
改めて回りを見渡してみれば、土埃が舞い上がり相手は俺を見失ったのだと理解した。

これはチャンスだ。
俺はカイザポインターを取り出し右足に装着する。

この土埃で俺を見失ったのなら土埃ごと俺を一掃するために強力な必殺技を使ってくるはず。
それだけのオーラを発生させれば視界がふさがれていても十分探知できる。

・・・見つけた!

『エクシードチャージ』

瞬時にオーラをチャージ、オーラの高まりを感じた方向にマーカーを飛ばし俺自身も飛び蹴りの体勢で飛び出した。

巨大な念砲が迫る。
が、俺の必殺技、『ゴルドスマッシュ』はそれを抉り抜きながら前進していく。

ほどなくして、対戦者ゴクウの姿が目前に確認できるところまで迫ってきた。





<side:ゴクウ>
こ、こいつ止まらない!!

じりじりと前進してくるカイザのゴルドスマッシュに込められたオーラ量はかめはめ波の比ではない。
蛇口を全開にして放水するかのようにオーラを放出しているから何とかギリギリの均衡を保ってはいるが、一瞬でも途切れたらその瞬間に俺に
ゴルドスマッシュが突き刺さる。

・・・界王拳を使うしかないか?

一瞬だけ使い、倍増したオーラ量で高速で横に避ける。
避けられなかったら死ぬ。

このままでいてもいずれゴルドスマッシュは自分に突き刺さるのだから生き残る可能性が少しはある方に賭けるのが当たり前だ。
俺はためらうことなく界王拳を発動した。

「界王拳!!ぁぁぁぁぁあ!!!」

オーラ量が倍増し、対処し切れないカイザが押し戻されていく。
しかし俺も界王拳の負荷に傷ついた体が悲鳴を上げている。

・・・横に移動!!

かめはめ波を解除し根性で横方向に全力で移動。

間一髪で真横を通過していったカイザのゴルドスマッシュへのお返しにそのまま背後から界王拳でのかめはめ波を撃ち込んでやった。

界王拳の反動で体中が痛いがまだ試合は終わっていない。
俺はカイザが撃墜され倒れているところまで近づいていった。

かめはめ波の衝撃でか、ベルトが外れて飛んでいっており、元の姿に戻っていた。

「まだやるか?」

「・・・いや、俺の負けだ」

倒れたまま言うカイザ、立ち上がる力も残っていないらしい。

「勝者、ゴクウ!!」

勝ち名乗りが上がる。
やっと終わった。

ハンター試験でこんなに苦労するとは思わなかったがこれで俺もハンターか。





<side:ネテロ>
うむ、すばらしい戦いじゃった。
あのゴクウという少年もカイザという少年も等しくすばらしい素質を持った子達じゃな。

ゴクウ君はあのオーラ量を倍化する技の方が目立っていたがその本質は放出系の技にあるようじゃな。
カイザ君も手持ちの札で出来ることを確りと把握してピンチでもあわてず対処しておった。

彼等の様な若者が育ってくれればハンターの将来も安泰じゃな。





<side:ハオ>
ゴクウが勝った。
トリッパー達との連絡も取れたしこれでやることはすべて終わったか。
でもまだ試合は続くんだよな。

第八試合はリョウ対ユウだ。

この試合は特に見るものは無い。
リョウが俺との試合のダメージを少なからず抱えていてもユウを相手に負けるとは思えなかったからだ。
実際にリョウは具現化した双剣でユウを的確に追い詰め首に切りつける寸前で寸止めし、相手に降参を促した。

ユウはこれを受けるしかなかった。
こうして第八試合はリョウの勝利となった。


第九試合はタクヤ対リュウガである。
ぶっちゃけてしまえば、コンディションが最高の状態のタクヤであればリュウガの相手など楽勝とは言わないまでも余裕と断言できる部類である。
が、今のタクヤは満身創痍である。
勝負がどっちに転ぶのかはわからなかった。

「タクヤ対リュウガ 始め!!」

試合が始まった。

「卍解!!」

タクヤが最初から飛ばしていく。
いや、持久戦が出来ないほど消耗しているから短期決戦を挑んでいるのか。

『ファイナルベント』

リュウガも長期戦は考えていないようだ。
リュウガ自身も先の試合で大きく消耗しているし、戦闘に有利なカードは粗方使ってしまっている。

互いに初手、一撃勝負を望んでいるようだった。

「全身全霊を賭けて、突き穿つ!!!」

「ハァァァァァァア!!!」

巨大な熱波を纏いながら突進する怒流熱波とドラグブラッガーの黒炎をその身に包みながら飛び蹴りの要領で突っ込んでくるドラゴンライダーキック
がぶつかり合った。

熱波を纏った刃と黒炎を纏ったキックがぶつかり合う。
元々ヒビの入っていた竜王丸は衝撃に耐え切れず刀身半ばまで砕け散ったがその衝撃でキックの軌道を変えることが出来た。

僅かにずれた軌道によってドラゴンライダーキックははずれ、怒流突破がリュウガの胸板に叩き込まれた。





・・・今、リュウガの意識が戻り自分の負けを宣言した。
これでタクヤも晴れてハンターというわけだ。

それにしても斬魄刀また折れたな。

タクヤのことを考えていると本人が話しかけてきた。

「なあハオ、後でちょっと頼みたいことがあるんだが・・・」

「?今此処ではいえないことか?」

「いや、いえないことも無いんだけど・・・」

何か、話しずらそうにしているので特に追求せずに後で聞くことにした。

「わかった。全部終わったら話そう」

「ああ、すまんな」

そう言って少しはなれたところに去っていくタクヤ。

まあ、話のことは後で考えよう。





<side:ネテロ>
第九試合はタクヤ、リュウガ両選手とも消耗が激しかったため自然と一撃での決着となったようじゃ。

全力を出し合った末の決着じゃ。
結果には互いに納得しておるじゃろう。

それに満足するか、更なる精進に活かすかは別じゃが。





<side:ハオ>
次は第十試合、カイザ対ユウだ。
こう言っては何だが、ユウに勝ち目は無いだろう。
なんだかんだでカイザはまだ余力を残している。
だが、ユウも最終試験まで勝ち残っておきながら戦わずして降参するような真似は出来ない。

「カイザ対ユウ 始め!!」

カイザがカイザブレイガンブレイドモードで引き抜きユウへと迫る。
カイザとしてもこれ以上負けるわけにはいかない切羽詰った立場だ。
油断なくカイザブレイガンを構え、目の前にいるユウへと飛び掛った。

・・・多少の抵抗はあったもののやがてカイザはユウを捉えた。
今、カイザはユウに馬乗りになって首筋にカイザブレイガンを押し当てている。

「ま、まいった」

ユウが負けを宣言した。

ある意味、仕方が無い。
ユウの実力で勝てるほうがおかしいのだから。





次は第十一試合、最後の試合だ。

これに負けたほうがハンター試験失格となる。

対戦者はユウ対リュウガだ。

「ユウ対リュウガ 始め!!」

はっきり言ってリュウガは満身創痍だ。
ユウも何戦も戦って幾らか怪我もしているが、明らかにその度合いが違う。

己の必殺技も破られて敵の必殺技はもろに食らう。
精神的にもボロボロだろう。

だが、そんなものは試合には関係が無い。
これが最終戦であり、リュウガはろくに回復出来ないままで戦わなければいけないことに変わりは無かった。

此処までボロボロだとさすがにユウとの戦力差も埋まってくる。
完調であれば絶対にありえないことだがユウはリュウガ相手に善戦していた。

「はぁ!!」

「っク!!」

互いの拳が、蹴りが交差し合い、戦いの歌を奏でている。
それもいつしかクライマックスへと突入し、最後に立っていたのはやはりリュウガだった。

「負けました」

どこか、納得したような顔でユウが負けを宣言する。

「勝者、リュウガ!!」

審判の勝ち名乗りが行なわれ、ハンター試験最終試験は幕を閉じた。

勝ち名乗りと同時にリュウガが倒れたが。
疲労が限界だったらしい。
意地だけで戦っていたようだ。

その後、ユウはリュウキ、リュウガ両名の監督の下、ヒーローズソサエティの準メンバーとして修行を行なうようだ。
少なくとも、最後まで諦めなかった根性だけは認めてもらっているようだ。





ハンターライセンスの配布と説明会などは翌日に行なわれるとのことだった。

本日はハンター協会が用意したホテルで疲れを癒しているところである。

そこに昼に話を聞くと約束したタクヤが部屋までやってきた。

「で、話って何だ?」

勤めて普通に振舞う。
こいつは時々突拍子も無い話を振ってくるので油断がならない。

「実は俺は今回の試験で確信したことがある」

何か語りだしたがとりあえず聞いてみる。

「俺の目標はキメラアントの王メルエムを一対一で倒せるほどに強くなることだ」

そう言えばそんなこと言ってたよなだいぶ前に。

「だが現実にはハンター試験に出てきている奴等相手に苦戦している始末だ」

いや、そうは言うがお前が苦戦した連中は皆プロとして十分やっていけるレベルの奴等ばかりじゃなかったか?

「四次試験で戦ったレオの仲間のメリクってやつも強かったし。どっちが勝ってもおかしくないほどの接戦だったんだ」

それは始めて聞いたな。
それでそろそろ本題に入ってくれないか?寝る時間もなくなるし。

「・・・俺に修行する場を提供してくれないだろうか?」

これは驚いた。
タクヤのほうから協力依頼が来るとは。

「俺の今の力はほとんど斬魄刀の強化で得た力だ。さらに上を求めるとなると基礎力の強化に求めるしかない」

確かにタクヤの力は歪ともいえる。
総合戦闘力の高さに顕在オーラが比例していないのは顕在オーラを鍛えるよりも斬魄刀を鍛えたほうが面白いと判断したためでそのために
鍛錬も偏っていたのだろう。
はっきりと人外のレベルだと言い切れるトリッパー随一の潜在オーラの多さもそれを伸ばすことのみを考えて鍛え続けてきたことの賜物だろう。

だが、此処数ヶ月の修行でPOPが殆ど上がらなくなってきたらしい。

鍛え続ければ本当に少量だが上昇はする。
だが、それはこれまでの上昇率と比べれば誤差と呼べるほどに微々たる物らしい。

そのため彼は自身が成長限界に達したのだと考えるに至った。
そのため、自身の能力が、斬魄刀が完成した、してしまったと理解せざるを得なかったらしい。

ゆえにこれ以上を求めるのなら根本的なところから鍛えなおす必要があると感じ、俺を、正確には俺達ストレンジャーズを頼ったのだろう。

「一応言っとくぞ、俺達を頼るなら俺達のやることにも協力してもらうことになる」

「ああ」

「優先順位はこっちが上だぞ」

「わかってる」

「わかってるならいい。テオたちには事後報告でも問題ないだろ、皆顔見知りなんだし。ようこそストレンジャーズへ」

「こちらこそ、よろしく頼む」

さて、タクヤを受け入れたことで俺達にどんな変化がおとずれるのかな?





次の日、ハンターライセンスの説明やハンター協会についての話もやっと終わった。
要するにハンターライセンスはどういう技術かは知らないが持ち主以外には使用不可で、売れば数十億ゼニー以上が確実である事はわかった。
路頭に迷ったらとりあえず売ろうかなと密かに考える。

晴れて新人ハンターとなった第287期メンバーはそれぞれで解散となった。

ある者は自分の所属する組織への報告のために帰参し、ある者は自身の更なる研磨のために新たな修行へ旅立つ。
またある者は早速ハンターとして仕事を始める気のようだ。

俺とゴクウは新しい仲間、タクヤを連れてアジトへと帰るためにホテルを出るところだ。

「ま、待ってくれ!!」

後ろから呼びかけられた声に反応して反射的に振り向いた。
そこには、俺達(というか、視線からして俺だろう)に呼びかけている四次試験で脱落した『本来の歴史』ではハンターとなるはずだった
原作キャラの一人。



ハンゾーが立っていた。





あとがき
第九話をお届けします。
試合内容がご都合主義だったりだんだん短くなっていったりするのは目を瞑っていただけると・・・いや、やっぱり指摘するべきところはお願いします!

最終試験後編、タクヤのストレンジャーズ合流、最後にハンゾーでお送りしました。

何個も何個も戦闘シーンを書き続けるのってこんなにキツイんですね・・・^^;

キャラ紹介&念設定も更新しました。
レオのゴールドクロスの説明に関しても少し書き足しました。
これで金さえ積めば誰でも装備できるという致命的欠陥も少しはごまかせるかな?

感想、矛盾などありましたら、ご指摘を宜しくお願いします。


※5/24 誤字修正、記述ミスによる展開の矛盾を修正しました。


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