<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.8004の一覧
[0] 転生生徒 裕也(現実?→ネギま) 習作[TY](2009/10/22 23:38)
[1] 転生生徒 裕也 プロローグ[TY](2009/09/28 21:38)
[2] 転生生徒 裕也 第一話[TY](2009/09/28 21:39)
[3] 転生生徒 裕也 第二話[TY](2009/09/28 21:40)
[4] 転生生徒 裕也 第三話[TY](2009/09/28 21:41)
[5] 転生生徒 裕也 第四話[TY](2009/09/28 21:42)
[6] 転生生徒 裕也 第五話[TY](2009/09/28 21:43)
[7] 転生生徒 裕也 第六話[TY](2009/09/28 21:44)
[8] 転生生徒 裕也 第七話[TY](2009/09/28 21:47)
[9] 転生生徒 裕也 第八話[TY](2009/05/14 16:28)
[10] 転生生徒 裕也 第九話[TY](2009/05/16 20:30)
[11] 転生生徒 裕也 第十話[TY](2009/05/22 22:07)
[12] 転生生徒 裕也 第十一話[TY](2009/05/31 21:40)
[13] 転生生徒 裕也 第十二話[TY](2009/06/22 23:54)
[14] 転生生徒 裕也 第十三話[TY](2009/07/15 00:04)
[15] 転生生徒 裕也 第十四話[TY](2009/07/15 00:02)
[16] 転生生徒 裕也 第十五話[TY](2009/09/28 21:37)
[19] 転生生徒 裕也 第十六話[TY](2009/10/22 23:35)
[38] 転生生徒 裕也 第十七話[TY](2011/09/04 18:31)
[49] 転生生徒 裕也 第十八話[TY](2011/09/04 18:25)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[8004] 転生生徒 裕也 第十四話
Name: TY◆7afd6ba4 ID:b5f22841 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/15 00:02

転生生徒 裕也
第十四話

勝手に進んでいくプログラムを少しほっといて裕也と超、葉加瀬は昼食を食べながら話をしていた。

「で…アレが勝手に動いている原因は何なんですか?」
葉加瀬がレトルトのカレーを口に運びながら問い掛ける。

冷凍のグラタンを食べる手を止め
「ヌルだ…」
裕也が口を開く。

「まあ、アイン、ツヴァイ、ドライときていたからヌルがいてもおかしくはないガ…何者カナ?」
カップ焼きそばをすすっていた超も会話に混ざる。

「元々は西教授が組み上げたプログラムったんだが…あの人もなかなかぶっ飛ん思考をしていてな」
裕也はため息をつきながらグラタンを口に運ぶ。

そんな裕也の態度に超は首を傾げ
「その口振りだと普通のプログラムじゃないみたいだガ…どんなのカナ?」
焼きそばに紅ショウガを足しながら問い掛ける。

「西教授が作ったのはAIを作り出すプログラムだったんだが…」
裕也は再び食事の手を止めて説明する。

「AIを作り出すプログラムって…何を思ってそんなモノを?」
葉加瀬も手を止めて聞き返す。

「人が人から生まれるようにAIというプログラムもプログラムから生まれるのが自然だ…と力説してな」
裕也は一度話を区切り、グラタンを咀嚼してから続ける。
「その時の私は手伝いに過ぎなかったからな…と言うかあの人は思い至ってからの行動が早すぎて止めれなかった」

超は頬をひきつらせながら
「まあ…良くも悪くも凡人とは違ったという事カ…」
擁護しているのかしていないはっきりしない言葉を口にする。

「それは私たちにも言える事ですけどね。で、AIを生み出すプログラムってどんなのだったんですか?」
葉加瀬は超にお気楽に答えると、話の流れを戻す。

「ああ、理論では周りのデータから学習してAIを組み上げるはずだったんだが案の定、失敗してな…シミュレーションも無しに実行したから仕方ないと言えば仕方ないんだが」
何かを思い出しながら裕也は溜め息をつき遠い目をして昔の事を語り始めた。


二年程前 麻帆良工業大学 研究室

「沙霧君、ワシは昨夜閃いたんじゃ」
今時珍しいモノクルをかけた白髪の老人、西教授が研究室に入ってきた裕也を確認するなり口を開く。

「はあ…今度は何ですか前みたいに時空接続システムを作るぞ、とか言い出すんじゃ…」
裕也はまたか…と溜息をつきながらぞんざいに返事をする。

「それは既に完成の目処がだったから大丈夫じゃ。概算で4年もあれば出来上がるじゃろ」
裕也の様子を気にする事もなく西教授はほっほっほっと笑いながら答える。

「…………で、何を閃いたんですか?」
藪をつついて蛇を出すのは勘弁、と言わんばかりに裕也は話の流れを戻す。

「おお、今はそっちの話では無かったな。昨夜、テレビで生命のドキュメントで人間の誕生までをやっていての…」
西教授は次々とフロッピーを差し替えてはパソコンをいじってを繰り返しながら続ける。
「AIをどうやって作るかを考えながら見ていたら閃いたんじゃよ。人間が人間から生まれるように、AIもプログラムじゃからプログラムから生まれるのが自然なのでは…との」

「………」
西教授の突飛な発想に呆気にとられ裕也はフリーズしてしまう。

「思い立ったら吉日と言うとおりに徹夜で組み上げたプログラムを今インストールしている所じゃ」
作業の手を止める事なく西教授は説明していく。

「ちゃんと動いてくれるんですか?聞いた限りだとシミュレーションやってないような…」
再起動を果たした裕也はこめかみを抑えながら問い掛ける。

「ほっほっほ、このワシが組み上げたプログラムじゃぞ?予想外の事が起こるのは当たり前、こちらの予定通りに動いてくれたら御の字じゃが全く動かん事は有り得んじゃろ」
何をわかりきった事をと言わんばかりの態度で西教授が答える。

「…せめてシミュレーションだけでもやってくれませんか?この前みたいに中途半端に成功して妙な世界に繋がったりするのは勘弁ですよ」
裕也は以前の実験結果を思い出し、半ば諦め気味に提案する。

裕也の提案を聞いた西教授は少し考える素振りをするが
「ふむ、確かにその意見も一理あるが…少し遅かったようじゃの」
あっさりと否定する。

「はい?どういう事なんですか?」
頬をひきつらせた裕也が若干引き気味に問い掛ける。

「もう実行してしまったからの。ほっほっほ」
裕也にディスプレイが見えるように体をずらし、笑いながら西教授が答える。

はじかれたようにパソコンを操作し始めた裕也が
「………教授、いったいどんな仕様にしたんですか?」
青ざめた表情を浮かべて聞く。

「インターネットなどを介して様々なデータやプログラムから学習、それを元に1からAIを組み上げる。その後ある程度成長するまで面倒を見ると言う仕様じゃ…まあ、寝ぼけ眼と最近酷くなってきた物忘れでどうなっとるかは保証できんがの」
裕也の切羽詰まった声のせいか、今までの笑い声をしまい真面目に答える。

「じゃあ…なんでデータファイルが破竹の勢いで消去されていってるんですかっ!?」
ものすごい剣幕で裕也はディスプレイを指差し問い詰める。

「なんじゃと?ワシの見積もりでは最悪、インターネットで最凶のネットワークウイルスを生み出すぐらいで済むはずなんじゃが…」
顎に手を当てながら西教授は考え込む。

「今は対処が最優先です!!重要度の高いファイルだけでも守らなきゃ…って、ああ!!駆動系の設計図が持って行かれた!!」
思考を始めた西教授に裕也は一喝しながらファイルを確保しようとするが間に合わず悲痛な叫びを上げる。

「む、設計図関連ならちゃんとバックアップをとっといとるからそんなに慌てんでもいいじゃろ」
自分の思考を邪魔されたからか、少し不機嫌気味に応じる。

「そのバックアップが今、私達の手元にあるなら慌てませんよ!!前回の実験で出来た穴から出てきた光で跡形もなく吹き飛んだのを忘れたんですか!?くっ…今度は回路系まで…」
ガタガタとキータッチを続けながら裕也は現状を告げる。

「む…そう言えば、量子力学研究会にその光が当たった一角を見て貰った結果が来ておったの。確かこの辺りに置いといたはずじゃが…」
奮戦している裕也を気にせず西教授は机の上に雑然と置かれている書類の山の切り崩し始める。

「教授!?その件は後でいいですから手伝って…ちっ、確保したファイルにまで手を出すか…」
助けを求めようにも少しでも意識をそらせるような状態じゃない裕也は一人孤独な戦いを続ける覚悟を決める。

裕也の悲壮な覚悟をよそに西教授はお目当ての資料を見つけ
「お…あった、あった。どれ…読み上げるからそのまま聞いとくれ」
そのまま続けていく。
「細かい話は端折って結論から言えば原子レベルで分解されてしまっていたらしい。まるで…というか、まんまメ○オウ攻撃をやられたようじゃの」

「メイオ○攻撃って…確か教授が時空接続システムを思いつくきっかけになったアニメのですよね…っと、これなら…どうだ」
少し余裕が出てきたのか裕也は質問をする。

「うむ、冥王計画ゼオラ○マーじゃ。あちらの次○連結システムは別次元…どちらかと言うと並行世界と繋げるモノのようじゃが、ワシが考えておる時空接続システムは異世界と接続するモノなんじゃよ」
西教授は自慢気に説明を始める。
「並行世界の間はそれ程はそれ程遠くはないから観測しようと思えば金と時間をかければ比較的簡単に出来る…まあ、一般人だけじゃと金は某国の国家予算レベルで時間は2、3世紀はかかるがの。じゃが、異世界となると話は変わってくる」

裕也は作業が終わったのか
「異世界と並行世界はこの世界との距離が違うと言う事ですか?まあ、距離という言葉で表して良いのかはわかりませんが…」
手を止めて西教授の方へ向き直る。

「大まかにはそんな感じじゃ。これはワシ独自の考えになるんじゃが、世界の流れはよく川の流れで例えられるように比較的に近い過去で分岐した世界を並行世界、世界の太源ないしは根源に近い部分で分岐したり、変化を促す存在の出現による急激な分岐、そもそも原初が異なる世界…それらを異世界と区分しとる」
西教授はホワイトボードにお世話にも上手いとは言えない図を書き始める。

「それなら変化を促す存在の出現による急激な分岐が近い過去ないしは未来で起こった場合、その世界はどちらになるんですか?」
裕也はプログラムの事はそっちのけで普通に討論を開始する。

「ふむ、それは時間の経過…というか分岐を続ける事によって並行世界から異世界へのシフトを急速にしていく可能性が大きい世界となる。例えば今、外宇宙から侵略者が来るという分岐がおきたとしよう。この時点で分岐した世界は侵略者が存在する世界…扱い的には並行世界となる。じゃが、その並行世界でその後おこりうる分岐は分岐する前…侵略者のいない世界では到底おこりえない分岐となる。その分岐を幾重にも重ねていくと…」
西教授は饒舌に話しながらも手は止めずに樹系図のような物にミミズの這ったような文字を付け加える。

「この世界との距離は加速度的に離れていき異世界となる…それなら今、並行世界である世界もいずれは異世界となるんですか?」
続く言葉を先取りしてさらに問い掛ける。

「なるにはなるじゃろうが…恐ろしい程の時間を要するぞ、それこそ永遠に近しい程にの。本来の分岐で違う選択をしてもほんの少しずつしか離れていかないんじゃからの。それに急激な分岐がおきた並行世界でも異世界に至るには数世紀は要す…ん?電話か。ほい、西じゃ」
西教授は説明を続けようとしたが途中で鳴り始めた電話にでる。

『ワシじゃ、西教授』

「おや、学園長が直々にこんな弱小な研究室に連絡とは珍しいの」

『それは世間の評価じゃろ。ワシは期待しとるがの…っと、世間話をしとる場合じゃなかった。西教授、至急女子中等部のパソコン室に来とくれ。最近入った君の助手も一緒にの』

「む…プログラム関連なら弐集院がおるじゃろ」

『その弐集院君が手に負えん状態なんじゃよ…ワシにはようわからんから一度かわるぞい』

『弐集院です。西教授お久しぶりです』

「うむ、久しぶりじゃの。して…どんな状態なんじゃ?」

『はい、目についたプログラムを片っ端から消去…いえ、吸収しているようでファイヤーウォールすら足止めにもなりません』

「ふむ…明石教授のワクチンも試したのか?」

『ワクチンの類はある分全て投与してみましたが…それすら取り込まれました』

「……少し待っとくれ」
西教授は電話を保留にして裕也の方を向き
「沙霧君…プログラムの状態はどうなっておるかの?」
冷や汗を垂らしながら問い掛ける。

「はい、ファイヤーウォールと我流のプロテクトで四重に囲って、あれ…いない!?」
ディスプレイを確認した裕也は物凄い早さでプログラムを探し始める。
「というかこのパソコン、空っぽですよ!!ほんの数分で脱出して根こそぎにしていくってどんだけスペック高いんですか!?」

「弐集院、今から行くから待っとれ。後、ネットワーク回線は遮断しておくのじゃ」
騒ぎ始めた裕也とは対照的に落ち着いた様子で西教授は電話に戻る。

『わかりました。迎えに高畑先生が行ってくれるそうなので10分後に工学部の正面玄関で待っていて下さい』

「うむ、でわの…さて沙霧君、出掛ける準備をするんじゃ」
ガチャリと受話器を置いた西教授は孤軍奮闘していた裕也に声をかける。

「え…どこにですか?」
諦めたのか机に突っ伏したまま裕也は問い返す。

「女子中等部じゃ。そこにプログラム…いや、仮称・自動自己進化型不定形プログラム『ヌル』がおる」
フロッピーやディスクをカバンにまとめながら西教授が答える。

「私もですか?というか学校の資料とかが関わってくるなら生徒は関わらない方がいいのでは…」
パソコンのデータを根こそぎにされたショックから立ち直れないのか裕也はやる気なさそうに返す。

「学園長が連れてくるように言ったんじゃ。別に構わんじゃろ」
パンパンに膨れたカバンを右手に西教授が促す。

「私としては無くしたデータの復旧作業を優先したいのですが…完璧に覚えている部分なんてそう無いですから早い内からやっとかなくては…」
なおも渋る裕也。

「はぁ…沙霧君、君はまだ頭が堅いの。ま、経験不足だから仕方ないと言えば仕方ないか…」
西教授はそんな様子の裕也に溜め息をついてから問い掛ける。
「沙霧君、何故君はデータが消去されたと考えるんじゃ?」

裕也は怪訝な顔をしながら
「何故と言われても…ここまで見事に無くなっていると消去されたとしか…」
ディスプレイを指差し答える。

「一般人の考え付きそうなありきたりな答えじゃの。じゃが研究者たる者、それ以外の可能性に気がつけなければならん」
西教授はモノクルをいじりながら続ける。
「データが空っぽになるのは消去された時だけかね?他にも色々考え付くじゃろ」

「む…確かに奪取されたなど他の可能性もありますが、少ない確率ですよ?」
釈然としないと言わんばかりに裕也が問い返す。

「そう…本来なら切り捨てるような数値じゃ。じゃが技術者や研究者は時に、その少ない確率を引き寄せなければならない時がある。故にどれほど小さな確率でも考慮しなくてはならん。そこまで思考を回せなくては二流、三流止まりじゃぞ。む、長々と話とったらこんなに時間が過ぎておる。迎えが来るまで後2分もないぞ」
懐中時計を見てからぼやいた西教授は、裕也の首根っこを掴んで引きずりながら出口に向かう。

ズルズルと引きずられたまま裕也は
「…教授、あなたは本当に来年に定年を迎える年齢ですか?これでも私は平均より背が高い方なんですが…」
疑惑の眼差しを向け問い掛ける。

「ワシらは体力勝負になる時も少なくないからの。基礎的なトレーニングなどは欠かしとらんよ」
西教授はほっほっほっ、と笑いながら何てことないかのように答える。

「基礎的なトレーニングの成果の範疇から逸脱してるような…」
結局裕也は待ち合わせ場所まで引きずられて行った。


「…え?ここで終わりですか?」
珍しく黙って聞いていた葉加瀬が問い掛ける。

「ああ、こっから先は色々面倒くさい展開になってな…結末だけ言わせて貰えば、自動自己進化型不定形プログラム『ヌル』の確保には成功、ただし学園のデータベースもほぼ壊滅。ふっ…復旧作業は地獄だったな…」
裕也は自分で事の顛末を思い出し薄ら笑いを浮かべ始める。

超は少し考えてから
「裕也、今データベースは壊滅と言ったガ…それはヌルによって消去されたのカナ?そしてヌルはその後どうしていたのかが気になるヨ」
必要最低限の質問を投げかける。

「データは全てヌルが吸収した。辛うじて残ったのは学園防衛システム…だったかな。ヌルはその後、西教授と弐集院先生、明石教授に私による複合八重防壁プログラムで厳重に封印して概算では10年は出てこられないと踏んでいたんだが…」
一時は正気に戻った裕也だったが今度は眉をしかめる。

「今ほど普及してないとはいえ、学園のほぼ全てのデータを吸収したらプログラム自体のデータ量が大変な事になるのでは?」
葉加瀬も矢継ぎ早に質問をする。

「それは圧縮と変換でどうにかしていたらしい。実際に吸収しているプロセスを確認できてないから確証はない。ただ、名前からわかると思うがアイン、ツヴァイそしてドライの人格AI基礎部はヌルをベースにしている。まあ、名前通りに原点となった訳だ」
裕也はついでと言わんばかりにヌルとアイン等の関係も説明する。

「学園防衛システムだけは死守したのカ。まあ学園結界が消失するよりはデータを手放した方がリスクは少ないからネ…もしかしたら、そのお陰でこの研究室に入り浸るまで魔法先生からそんなに目をつけられていなかったのカナ?」
裕也と葉加瀬のやり取りを聞いていた超が一人呟く。

耳聡くそれを聞き取った裕也が
「む…超、それはどういう事だ?」
説明を中断して問い詰める。

「……そろそろ頃合いカナ。裕也にハカセ、先に言っておくがこの話はボケじゃないからネ」
超は居住まいを正し、真顔で確認する。

そんな超の様子を数秒間観察してから
「ふむ…7対3で真面目な話のようだな」
裕也も居住まいを正す。

「超さんがこう言うときは大抵本当ですからね…」
葉加瀬も二人にならってそれなりに聞く体勢を整える。

「2人の私への評価が少しだけわかったヨ…まあ、その件は脇においといて。実は私は……」
超はあんまりな二人の対応にがっくりと肩を落としたが気を取り直し、たっぷりと間を取ってから
「何と火星から来た火星人だったんだヨ!!」
堂々と大声で告げる。

「あー………さて昼食を片付けるとするか。葉加瀬、もう冷めているかもしれんが食べてしまえ」
裕也は何を言うか迷い、目をあちらこちらに移した後に食べかけだった食事の話を振る。

「……そうしましょうか」
葉加瀬も少し迷ってから超の話を流す事にした。

「ちょっ!?その対応は酷くないカナ!?本当だヨ!本当に火星人なんだヨ!!」
そんな二人の対応にビシバシと机を叩きながら抗議する。

そんな超をほっといて裕也と葉加瀬は黙々と各々の冷めた食事を食べ続けた。


麻帆良学園 女子中等部 学園長室

学園長が一人黙々と書類を整理しているとノックも無しに少女が入ってくる。
「入るぞ、ジジイ」

「…せめて入る前に言っとくれんかの」
書類整理の手を止め入って来た少女、エヴァンジェリンに学園長が諦め気味に言う。

「ふん…裕也についての報告だ。なかなか面白い事がわかったぞ」
学園長の言葉を歯牙にもかけずにエヴァンジェリンは本題を切り出した。




あとがき
本当に遅くなりました、TYです。
西教授の並行世界と異世界の辺りは聞き流して下さって結構ですが、どこか変な所に気がついたりしたら指摘して下さい。
では感想、指摘などお待ちしております。
追記・十三話に欠落を発見、修正しました。


感想レス
鬨様
すみません、携帯で書いているので分割して投稿、その後パソコンでひとまとめにしているので編集中にあたってしまったようです。
なるべく間を置かずにするようにします。

自由な旅人様
主人公は原作を知らないままで行くつもりです。
主人公の中に入っている魂に関してはこれから作中で色々利用していく予定ですので。
これからも期待にそえるよう、努力していきます。

野鳥様
すみません…ご要望に答えることが出来ずに遅れてしまいました。
これからは少しでも早く投稿できるようにします。

秋刀魚様
AIが勇気で補える理由はこれから説明できるかと…
前世の知識(仮)に関しても次回あたりで説明します。

ガユス様
感想ありがとうございます。
これからもそう思って貰えるよう頑張っていきます。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.024470090866089