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No.7967の一覧
[0] 〔習作〕 Witch of moonlight 〔ストライクウィッチーズ 転生 TSオリ主〕 [イワン](2011/01/26 00:19)
[1] プロローグ[イワン](2009/04/09 21:22)
[2] 第1話[イワン](2010/08/12 21:58)
[3] 第2話[イワン](2010/08/12 21:59)
[4] 第3話[イワン](2010/02/11 19:37)
[5] 第4話[イワン](2010/08/12 22:03)
[7] 第5話前編[イワン](2010/07/13 21:18)
[8] 第5話中編[イワン](2010/07/13 21:19)
[9] 第5話後編[イワン](2010/07/13 21:21)
[10] 第6話(加筆版) [イワン](2011/12/19 22:39)
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[7967] 第6話(加筆版) 
Name: イワン◆6b379e6a ID:4277bcf7 前を表示する
Date: 2011/12/19 22:39

1939年3月31日


こんにちは、神月ひかりです。

 遂にここまで来ました。両親に見送られ、地元の駅を出発して数時間。列車を乗り継ぎ船に揺られて到着したのは扶桑皇国海軍士兵学校のある江田島。
私の目の前には立派な門があり、その横の柱には『扶桑皇国海軍江田島ウィッチ養成学校』と書かれた看板がかかっています。
海軍兵学校からは少し離れた場所に建っているのですが、赤レンガで建てられた校舎は純白の兵学校にも負けず劣らぬ風格があります。
全国から集まったウィッチ候補生は、甲種、乙種訓練生となり、甲種訓練生は1年、乙種訓練生は1年3ヵ月の間に色々と訓練を受け、晴れてウィッチとなれるのです。
 
 ちなみに、甲種というのは代々ウィッチ家系、乙種が非ウィッチ家系の事だそうで、それによって訓練の期間が変わるそうで、私は乙種訓練生です。
そして、乙種訓練生がなぜ3ヵ月訓練期間が長いのかというと、ウィッチ家系でないので、どうしても魔法力の制御を基礎から教える必要があるので、
魔法力の制御ができてから通常の訓練に移るのですが、その差が3ヵ月という期間に顕れるのだそうです。

 養成学校の入校式は明日なのですが、制服の支給等があるので寮は今日の午前中に到着しておく必要があったのです。
正門横の詰め所で入校許可証を提出して、いよいよ養成学校の敷地へと入ります。
係の人に案内されて来たのは食堂です。ここで十時半から、昼食を挟んでの養成学校の施設の説明等があり、寮の部屋割りと同時に制服も支給されるとか。
かなり早めに来たと思ったんですが、席の半分近くがすでに埋まっていますね。とりあえず、空いている席に座って待つとしましょう。


「すいません、隣いいですか?」

「え?あ、はい、ど、どうぞ…」

「どうも、ありがとうございます」


 空いている席の隣の娘に一声掛けて、座らせてもらいましたが、かなり緊張してるみたいですね。というか、殆どの娘が大なり小なり緊張した表情ですね。
今のこの場所で、特に緊張したり気負ったりしてない私の方が変なんでしょうね。もっとも、前(前世)は、これ以上に緊張させられる事があったからなんですが…
ま、その辺の事は今はどっかの置いておきましょう。


「あ、あの…」

「?どうしました?」

「その…貴女は緊張してる風に見えないから……私なんかほら、手が震えちゃって…」


座る時に声をかけた娘はそういって、右手を見せてくれましたが、その手は小刻みに震えてます。かなり緊張しちゃってますね。


「あ~、そりゃ私も養成学校の前ではちょっと緊張してましたよ」

「……ちょっとだけなんだ」

「その辺はともかく、ここまで来たんだから、今更ここで緊張しててもしょうがない。と考えることにしたら、あら不思議。緊張感なんてどこかに行ってしまいました」

「えっと……そういうものなの?」

「まあ、開き直りとも言います。それに、これより緊張することなんて後からタップリあるでしょうから、もっと気楽にしていればいいんですよ」

「………ありがとうございます。貴女とお話したら、少し気が楽になりました」

「それはなによりです。え~と……」

「あ、わたしは倉本ひとみです」

「私は神月ひかりと言います。よろしく、倉本さん」

「ひとみ、でいいですよ。神月さん」

「私もひかりでいいですよ、ひとみさん。…おろ?」


いつの間にやら、私の左手がひとみさんの右手を握っていました。ううむ、我がことながら、いつの間に……


「あ~…ひとみさんすいません」

「いえ、その、ひかりさんが迷惑じゃなかったら、もう少しこのままでいいですか?」

「ん~、別にいいですよ。でも、机の下でお願いしますね」


 という訳で、机の下で手を繋いだまま、ひとみさんとお話していますが、ちょっと人見知りというか内気のようですね。
あれこれ他愛ない話をして、ひとみさんの緊張もほぐれてきたかな?と思ったら予定時刻がきたらしく、教官らしき女性が食堂へ入ってきました。
それと同時に、事務方らしい数人の人が冊子と数枚の書類を配っています。

「諸君、静粛に!刻限となったので、これより養成学校及び訓練生についての説明を開始する。
 紹介が遅れたが、私は海軍省教育局の大沢と言う。少ない間だがよろしく。それでは早速だが………」


大沢さんの説明と冊子によると、海軍機械化航空歩兵訓練生、つまり航空ウィッチ訓練生は

1.甲種訓練生は1年、乙種訓練生は1年3ヵ月訓練をし、その後各地のウィッチ隊へと配属される
2.訓練生は伍長待遇の扱いとなり、配属時に軍曹として正式に任官する
3.訓練は月曜から金曜と土曜の午前中。土曜の午後からと日曜は基本休日である
4.休日は申請すれば外出は可能であるが、門限までに必ず寮に戻ること。外泊は原則禁止である
5.若干ながら俸給が出る

といった内容でした。それ以外にも一日のおおまかな日程の説明がありました。
続いて施設の説明ですが、施設は座学や屋内での訓練を行う講義室棟、体育館兼用の講堂、私達が寝起きする寮棟、そして、訓練用ストライカーが納められた
格納庫と滑走路、グラウンド等々。午後から各施設へ実際に行くのだそうです。

 午前中の説明の最後が、寮の部屋割りと制服の支給です。
寮の部屋は甲種と乙種で分かれていますが、訓練期間の差によるもので、二棟ある寮棟の一号棟が甲種、二号棟が乙種に割り振られています。
制服は赤いボディスーツに、これまた赤い水兵服、それに水兵帽の三点セットが訓練生の制服で、ウィッチを夢見る女子の憧れなのだとか。
これも水兵服のジョンベラ(襟)の線が甲種は三本、乙種は二本となっています。

制服の支給は五十音順に名を呼ばれて支給されますが、名前を呼ばれた娘は、ウィッチ訓練生になるという事に、誰彼問わず緊張と興奮を顔に貼り付けています。


「次、神月ひかり」


おっと、私の番です。それでは貰いに行きましょう。


「神月ひかりです」

「神月ひかり、乙種訓練生。間違いないか?」

「間違いありません」

「では制服を……む、君のはこっちか。受け取りなさい」

「はい、ありがとうございます」

事前に申請しておいた尾羽対応の制服を受け取り、席に戻りますが、一人だけ妙にこっちに鋭い視線を飛ばしてくる娘がいました。一体なんでしょう?


「次、倉本ひとみ」

「は、ハイ」


ひとみさんの番ですか。また緊張しちゃってますけど、大丈夫でしょうか?


「く、倉本ひとみです」

「倉本ひとみ、乙種訓練生。間違いないか?」

「ま、間違いありません」

「では制服を」

「はい、あ、ありがとうございます」


 ………ふう、なんとかかんとか大丈夫でしたか。ガチガチに緊張してたので思わず心配してしまいました。
席に戻ってきたひとみさんですが、まだ緊張したままです。私と同じ乙種訓練生なので、訓練生の間に内気がなんとかなるといいな~と思ってましたら、
机の下で、またもや私の左手をギュッと握ってきました。そうして暫くしていると、緊張してた表情が幾分か緩んできました。
人事とはいえ、早めに改善するべきでしょうかね?下手すりゃ依存になりかねませんし……

そう考えている間に、制服の支給はつつがなく進行し、最後に寮の部屋割りとなりました。


「それでは、最後に寮の部屋割りを発表する。各員は割り振られた部屋に荷物を置き、正午に再び食堂へ集合。昼食後に各施設の案内をする」


部屋割りによれば、1部屋を4人で使用することになっています。えーと……私の部屋はっと………
『2号棟118号室・神月ひかり・倉本ひとみ・杉野和美・中瀬ゆき』とあります。


「ひとみさんと同部屋ですか。あらためて、今日からよろしくお願いします」

「わ、私こそよろしくお願いします。ひかりさん」


 他のルームメイトはどんな人達なんでしょう?1年3ヵ月の間寮生活を一緒にするのですから、興味も出ますが、とりあえず部屋に荷物を置きましょうか。
あとひとみさん、そろそろ手を離していただいてもよろしいでしょうか?荷物が持てません。






「………………」

「………………」

「………………」

「………………」


 え~と、どうしましょうかね、この状態。
ウィッチ養成学校の寮の部屋にいるのですが………部屋の真中にある丸机を四人で囲んだまま、無言の状態が続いてます。
 しかも、右側の子はさっきから私をじーっと見てるんですよね、鋭い視線というやつですか?
というより、どうしてこうなったんでしょうか?
とりあえず、なんとかしましょう。


「え~とですね、ちょっといいですか?ここでこうやってても仕方ありませんし、簡単な自己紹介から始めませんか?とりあえず顔と名前が一致しないと話もできませんし」


とりあえず、異存は無いみたいですね。


「じゃあ、私から。神月ひかりです。皆さんよろしくです」

「え、えと、その、倉本ひとみ。です。よ、よろしくおねがいします!」

「…………中瀬ゆき」

「わたしは杉野和美ですわ。よろしく」


ふむふむ、左側に座ってるひとみさんはもう知っているのですが、正面に座ってる短髪の子が中瀬ゆきさん、でもって、右側が杉野和美さんですか…


「さて、お互いの名前がわかったところで、神月さん!わたしは貴女に一言言わせていただきます!!」


 って、いきなり何ですか?杉野さんがビシィッと擬音が付きそうな勢いで私を指差してきました。
私は何もしてませんし、杉野さんとも初対面、の筈ですよね?


「神月さん、貴女は一体何を考えてますの?」

「何を…って言われましても……ねぇ?」


首を傾げてひとみさんを見ると、何故か同じように首を傾げてます。


「貴女という人は…私達は明日からウィッチ候補生として規律を守って訓練を積む日々になるのですよ?」

「そうですよね」

「でしたら、その服装はどう考えてるつもりですか?」

「服装?服装ってこれのことですか?」

「そう、それです。規律以前に破廉恥です!!扶桑の撫子として恥ずかしくないんですか貴女は!!」

「え~と、その、杉野、さん?ひかりさんの服ってどういうことなんですか?」


 ちょうどいい機会ですね。ひとみさんの疑問に答える形で説明しちゃいましょう。誤解はさっさと解くに限ります。
上着の裾を捲り上げて腰の部分を皆に見せます。


「え~とですね、こういう事です。というか、杉野さんよく見てましたね」


 既に見ていた杉野さんはともかく、中瀬さんとひとみさんは驚いてますね。
あ~、中瀬さん?理由があってこんな風にしてるんですから、『………大胆』とか言わないでくださいよ。


「さてと、杉野さん。私がこの服なのは、別に自分だけ目立とうとか規律を無視するとか、そういうのじゃありません。ちゃんとした理由があるんですよ」

「理由?」

「百聞は一見にしかずと言いますし、とりあえず見れば分かります。よっと」


原田さんに教わったやり方で魔法力を制御して、尾羽をバサッと出して。


「こういうわけです。普通の服はコレ(尾羽)がつっかえちゃうんですよ。ご理解いただけ…「ごめんなさいっ」」


杉野さんが深々と頭をさげてます。いきなりですね。


「神月さんの事情も知らず、見た目だけで判断して本当にごめんなさい」

「あ~、いえ。別にそんなに気にしてませんから。それより」

「それより?」

「知らなかった事が原因なんですし、色々とお話しをして知り合えばいいんです。今日から卒業するまで同じ部屋の仲間なんですから」


 この後、四人で『出身はどこか?』『使い魔は何?』『海軍に入った理由は?』とか色々話しをしました。
話に夢中になりすぎて、お昼の時間がギリギリになってしまったのは皆のナイショです。
明日からいよいよウィッチ候補生としての日々が始まります。一体どんな毎日を送るのでしょうか?今からでもワクワクしてきます。


 それと、今日の夜は寝付けるでしょうかね?






皆様、ご無沙汰してます。
新規投稿でなく、加筆版への差し替えです。
稼動している原発が殆ど無くなり、それに伴い私の仕事も消えかけました。

それはさておき、ようやっとウィッチ養成学校入校です。
あまり時間をかけず、サラッと卒業まで書くつもりです。
私生活次第ですが・・・


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