本命以外の戦いも今後の戦いの参考になる。
それを活かせるのか活かせないのかが、勝者と敗者をわける。
by田中雄一
第13話 「久しぶりの原作」
現在、大画面にてレリック争奪戦IN列車が上映されている。
うん。原作の例のあれだ。
といっても、原作のガジェットとは質や種類が違う。とりあえずⅢ型はいない。っていうことで、エリオとキャロの名場面は無いな。
Ⅲ型は一応開発したけど、まだスカさんに供給してないから登場しません。
あと、Ⅰ型・Ⅱ型共に性能が違う。コストの関係でジュエルシードは搭載されていないが、性能は格段に上がっているはずだ。搭載型は少数だし、スカさんにはこれまた未供給。
う~ん。Ⅲ型がいないことを差し引いても、原作よりも強力な部隊だな。もしかしたらフォワード陣じゃ勝てないかもね~。
まぁ、強力といってもなのはさんとフェイトさんには勝てないだろうから、時間さえ稼げれば応援に駆けつけてくれるだろうし、どうとでもなるか。
まっ、別にどっちが勝っても俺としてはどうでもいいから高みの見物と洒落込みますか。
あぁ、やっぱりフォワード陣は苦戦しているなぁ。でも以外にやるねぇ。新型のガジェットに合わせて訓練をしているからか?
と言っても、フォワード陣が梃子摺っている間にガジェットの方がレリックの運搬を開始しそうだけどね~。
まぁ、こっちの勝ちだね。
うん。でもなかなか面白い見世物だった。
残りの戦闘も楽しく拝見させてもらおうかね~。
おっ!
エリオとキャロが進んできたな。でもⅢ型がいないから、あの場面は再現されないんだよね~。ちょっと残念。
……………………。
ってぇぇぇぇっぇぇぇ!!!
ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇっ!!!
なんでⅢ型の代わりに、俺が作った試作機が鎮座してんだよぉぉぉぉぉ!!
スカさんに連絡を!!
「ドクター。レリックを強奪しようとしている部隊に倉庫で眠っているはずの試作機が混ざっているんですが?」
青筋をたてつつも怒りをなるべく面に出さないようにしつつ質問をする。
「あぁ、倉庫に眠っていたから勿体無いから稼動させといたんだよ。それに興味もあったしね」
「一言あっても良かったんではないですか?」
ここで文句の一つでも言っておかないと、後々にも同じ事をされかねない。いや、文句を言ってもされそうだが。
「それはすまなかった。てっきり要らない物かと思ってしまってね。それに、ここにあるガジェットに関しては全面的に貸与してくれるということだったと思うんだが?」
ちっ! たしかにレリック探索のためにガジェットはすべて貸与ということになっている。ここは引き下がるしかないか……。
「次からは一言お願いしますよ」
一応釘だけは刺して通信を切る。
情報を隠蔽するためにあんまり稼動させたくなかったんだが、量産予定はないから別にいいか……。
と言っても、技術のテストも兼ねた機体だからⅠ型Ⅱ型以上に鹵獲されるのは避けねばならんな。いざとなれば割り込み命令で自爆させるか……。
現在の状況を簡単に言うと、エリオ君&キャロ大ピンチ!
この試作機、金剛はⅢ型とはまったくかけ離れた性能を有する。
見かけは若干Ⅳ型に似ている。ただし、その武装は大きく異なる。装備している兵器は全て質量兵器。また、動力炉を含め駆動関連にも魔法は一切使われていない。まぁ、このことからわかるとおり完全に魔法が使えない状況下での戦闘を想定して作成したものだ
ちなみに詳しい武装は、機関銃1丁、近距離戦用の鎌2丁、対空ミサイル(魔力、熱、画像追尾)、対戦車バズーカ1門(自動装填機能付き)。
地球の装備で魔導師を倒すことは可能なのか? が開発のコンセプト。ぶっちゃけお遊びです。近距離戦用兵器のテストが目的だったから後の兵器は色々と流用したんだよねぇ。
おっと話がそれたが、ようするに強敵を前に二人は梃子摺ってます。っていうか死にそうです。既存の魔法戦闘とはかけ離れた戦闘を前に途惑っているようです。
ここで二人が死ねば原作崩壊も決定的だな。
っていうか、こいつら逃げればいいのに。子供ゆえにそこに頭が回らないのか性格ゆえに逃げられないのか。おそらく後者だろうねぇ。
これがしっかりと訓練を受けた人間なら、同じ性格でも選択肢として撤退という言葉がでてきたのかもしれんが、あまりに経験知識共に不足しているんだろう。
でもまぁ、死のうが生きようが俺には関係ない。子供が死ぬのは心が痛むが、この二人を戦場に連れてきたのは俺じゃないし、管理局員になろうと決めたのはこの二人の意思だ。
俺は、実戦において質量兵器が何処まで魔法に通じるのかを見させてもらう。
side out
現在、エリオは苦戦を強いられていた。それは彼が学んできた戦闘技術とはかけ離れた戦闘が行われているからだった。
エリオは金剛から距離を取ろうとする。しかし、すぐさま金剛から銃弾が放たれる。しかもその銃弾は、タングステンを内包し貫通力を強化した物である。またその連射力は回避不能と言っても過言ではない弾幕を形成する。
その結果、エリオに何発もの銃弾が殺到する。
バリアを張ったことにより銃弾が貫通することは無かったようだが、著しくエリオの魔力を奪っていく。
金剛は、銃によって距離を詰められないようにするのと同時にミサイルで、攻撃をしてくるため、銃・ミサイルの両方に注意を向けねばならない。
また、エリオはキャロがいるために思うように取れないことも災いしていた。。
高速で移動し続けて距離をとれば回避できるかもしれないが、それではいつキャロに攻撃の矛先が向かうかわからない。エリオは金剛の気を引き付けておかねばならない。
なのはとフェイトはⅡ型によって足止めを受けており、援護に向かうことができない。またスバルとティアナもⅠ型の足止めを受けている。
「くっ!!なら!!」
声を発するのと同時にエリオがソニックムーブで金剛の懐に潜り込む。
へたに距離をとることで銃撃を受けるのなら、至近距離に移動し銃の射角から逃れるのと同時に切り込むほうが得策と考えたようだ。
「てりぁぁぁっ!!」
作戦通り、エリオを追尾していた銃身は動きが止まり射撃できなくなる。そして、無防備になった金剛に向かってエリオが掛け声と共に切りかかる。
しかし、金剛も潜り込まれるのと同時に鎌で応戦しストラーダを受け止め弾き飛ばす。そして弾き飛ばすのと同時にミサイルを撃ち込む。
その結果……。
「エリオ君?!」
エリオは空中に投げ出されることになった。
side 田中
マヂですか?
修正力って凄いなぁ。原作通りエリオが崖に落ちていくのを追いかけキャロが飛び降りた。
んでもってフリードを覚醒させてピンチを乗り切ると。
何か、凄く嫌な物を見た気分になった……。
俺が何をしようとも物語りは原作通りに進むって言われたみたいな気になった。実際にはそんなことはありえるはずがないとは思うが、なんともいえない気分だ。
おっと、そんなことを考えているうちにフリードが金剛に攻撃をしようと接近していった。
そして、魔力を収束させ攻撃しようとするが、甘い!!
金剛はその隙に余分な動作無しでバズーカを発射。そして命中。
流石に、竜であるとはいえ、生物であるフリードがバズーカの直撃を受けて無傷なはずはないだろう。
そう思いながら画面を見ていると…………。
「はぁぁぁぁっ?!」
煙の中から出てきたフリードは確かに傷を負い苦しんでいたが、腹が少し抉れた程度で飛行を続け、攻撃を金剛に放っていた。
一方、攻撃を受けた金剛は装備していたバズーカとミサイルに引火して大惨事になっていた。
そして止めにエリオが一撃を放ち起動停止、そして大爆発。
…………一応薄いとはいえ金剛には複合装甲を施していたんだが。
主人公補正っていうやつなのか? エリオは主人公ではないがそういったものが働いたとしか思えない。
…………。
こんなくだらないことで時間を潰していても仕方がない。今回のデータを整理して、ガジェットに活かすとするか。
それにしても、改めて魔導師の恐ろしさを感じ取ったな。生身の人間が、機関銃の弾丸を受け止めた上に、装甲車両並の装甲をぶち抜くとはなぁ。
まぁそれでも俺が勝つけどね。最終的に物を言うのは数だ。奴らがそれを思い知るのもそう遠くは無い。地上本部攻撃時が見ものだな。
あとがき
ネットが無い所で研修が行われていたため更新できませんでした。
あと、時間がないため感想の返信はできそうにないです。申し訳ありません。ただし、いただいた感想はすべて読みます。それと誤字脱字の報告大歓迎です。
ようやく原作場面を登場させることができました。
前に登場させたのはSSの話だけですから感慨深いです。
あと、田中君の精神が磨耗しきっている気がしてきたw