あれから色々あって、ゼノスとカレンが俺達の旅に同行することになった。かなり原作からズレて来ているが――良い傾向なんだと思う。で、なんだかんだ話してる内にすっかり日が暮れて……結局、ゼノスの家に止まることに。そして夕食時に、例のアレが再び姿を現した訳ですよ……賢明な方なら理解出来ると思うので、何が姿を現したかは……敢えて言明はしない。ただ、ティピがやはり兵器発言をしたことと、カーマインがラルフと同じリアクションをしたこと……無論、俺もだが。カーマインともソウルメイトになれる気がする。つーか、カレン。アレを可愛い発言するのはやめて下さい……分かってても現物が眼の前にあるとヤバイんだから……腹筋が裂けるかと思いました。ウォレスは見えなかったからまだ良かったが、ルイセは……。――原作で起きたこのイベントでも、同席していたのに喋らなかったルイセだが……何故、一言も喋らなかったのか分かった……どうやら気を失っていたらしい。立ったまま固まっていた。その状態はリーサルウェポンが装備を外すまで続いた……。因みに夕食は非常に美味かったと明記しておく。******私は、ルイセちゃん、ティピちゃんと一緒に寝ることになった。男の人達は二つある客間と、兄さんの部屋を使って寝ることになりました。兄さんの部屋には、兄さんとウォレスさん。何でも、ウォレスさんは有名な人で、兄さんも話しを聞いてみたいんだそうです。カーマインさんとラルフさんは客間の一つに。これはお二人が双子のご兄弟なので、当然かも知れませんね。改めて見ても瓜二つですもの。そして……シオンさんは、客間に一人で寝ることになりました。ウォレスさんや兄さん、カーマインさんにラルフさんがそう仕向けたみたいです。シオンさんが居ない時に理由を聞きましたが、ウォレスさんが言うには、絶対に夜中にうなされるから、だとか……。シオンさん……。「……ンさん……カレンさん!!」「エ!?あ、ハイ!なんでしょう!?」「なんでしょう?じゃないわよ。どうしたの?ボーッとして」ティピちゃんが私の態度に疑問を抱いたみたい……言えないよね。シオンさんのことを考えていました……なんて。「もしかして……シオンさんのこと考えてたとか?」「えっ!?そそそそんなことは……」何で!?どうして分かったの!?「ごまかしてもダ〜メ♪カレンさんの態度見たら分かるもの……あの、橋の前でシオンさんを抱きしめてたじゃない♪」「ティ、ティピ!!」ティピちゃんの追求をルイセちゃんが諌めようとする……あの橋の前で……私は……あの人を抱きしめて、あの人は私の胸の中で泣いた……あの人の壊れそうな心を繋ぎ止めることが出来て……本当に良かったと思う……ただ、シオンさんが……その……わ、私の胸を……わたしも、多分シオンさんもそんなつもりは無いのに、凄く気持ち良くて……シオンさん上手で……わたし……って、何考えてるのわたし!?……う〜〜〜、恥ずかしい……。「ホラ♪赤くなった〜♪」「もう!ティピ!」でも、私があの人に想いを寄せているのは事実……だから。「えぇ……私はシオンさんが好きです……愛しています。それは事実ですから」憚ることなく胸を張ろう……それは事実であり、誓いでもあるのだから。「あ〜……そこまでハッキリ言われると、こっちが恥ずかしくなっちゃうよ……」「カレンさん……凄い……」……いえ、やっぱり私も恥ずかしいです……でも、これくらいで恥ずかしがってたら、想いを伝えることは出来ないもの……。前は、なんでか伝わらなかったし……今度はもっとハッキリと伝えなくちゃ!!私の全てを貴方に捧げます……くらいは……でも、やっぱり恥ずかしい!全てってことは……心も……身体……も……!だ、駄目!想像するだけで……恥ずかし過ぎる……いいえ、もっと勇気を持たなくちゃ!これからは一緒に居られるわけだし……。私は彼から贈られたペンダントを握り締める……そういえば、もう願いは叶っちゃったな……。「あ、カレンさん、それってプロミスペンダントですか?」ルイセちゃんが私のペンダントを見て、聞いてくる。私は握っていた手の平を開いて、ペンダントを見せた。「ええ……シオンさんが以前、この街を去る時にプレゼントしてくれたんです。再会の約束に……」「良いなぁ……わたしもおにいちゃんに頼んでみようかなぁ……」「なぁに、プロミスペンダントって?」「学院の女の子の間で凄く流行ってる【願いを叶える】ペンダントでね、まずペンダントに【誓い】を立てるの。次にペンダントに【誓い】を果たした時の【願い】を決める。それでその【誓い】を果たした時に、決めた【願い】が叶うんだよ♪」ルイセちゃんが嬉しそうにプロミスペンダントの説明をする。ティピちゃんは興味半分くらいに……。「へぇ〜〜、こんな石にそんな力がねぇ……ねぇ!カレンさんはどんな誓いと願いを掛けたの?」……前言撤回します。ティピちゃんは興味津々で私に聞いてきました。「私は……【どんなことがあろうと、シオンさんを愛し続ける】ことを誓い、【シオンさんと再会して、二度と離れ離れにならない】ことを願いました……何だか恥ずかしいですね」私はポリポリと頬を指で掻いた。多分顔は真っ赤かも知れない。「す、凄いLOVEパワー……これはマスターも危ういかも……」「ティピ、お母さんがどうかしたの?」「あ゙〜〜……それがね?どうも、マスターもシオンさんを好きになっちゃったみたいで……」「え……えええぇぇぇぇぇっ!!?お母さんがぁぁぁぁぁ!?」ピクリ!………今、何か聞いてはイケないものを聞いた様な……。「ほ、ホラ、シオンさんってまるで計ったみたいなタイミングで駆け付けるじゃない?足早いしさ?カレンさんの時もそうだったらしいし……マスターが襲われた時も、いの一番に駆け付けたでしょ?他にも色々あったみたいだけど……(何しろ、時々テレパシーで繋がって来て、シオンさんの顔を見せてくれ……とか言ってくるし、暇なのは分かりますけど、安静にしていて下さいマスター!)」「それじゃあ……シオンさんがお父さんになる……なんてこともあるのかなぁ?」ガシッ!ルイセちゃんの呟きが聞こえた瞬間、私はティピちゃんを鷲掴みにしていた。「ふへ!?あ、あのぉ……カレンさん?」「ティピちゃん……その辺の事情を、もっと詳しく教えてくれないかなぁ?」ニコッ♪「ヒッ!?了解致しました!!」やっぱり、人に何かを頼む時は精神誠意お願いするのが1番ですね♪結果、分かったのはルイセちゃんのお母さんも、油断ならない強敵だということです。あの人は無自覚だから、他にもあの人を想ってる人は居るかも知れません……けど、私は負けません!!必ずシオンさんの寵愛を勝ち取ってみせます!!*******番外編です。またの名をカレンの決意編(-.-;)