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No.7317の一覧
[0] グローランサー デュアルサーガ(旧題、異世界転生者の平穏)多重クロス(ネタ)[神仁](2013/12/29 20:56)
[1] プロローグ―ふわふわぴかぴか?―[神仁](2011/11/13 21:53)
[2] 第1話―チートボディなのに才能無いとか……イジメですか?―[神仁](2011/11/14 06:44)
[3] 第2話―友人・傲慢・前途多難―[神仁](2011/11/14 07:19)
[4] 第3話―ラーニングとその代償―[神仁](2011/11/20 13:11)
[5] 第4話―O・NI・I・SA・N・暴・走―[神仁](2011/11/20 20:37)
[6] 第5話―シオンVSゼノスin闘技場―[神仁](2011/11/29 18:56)
[7] 第6話―主人公補正=朴念仁?―[神仁](2011/11/29 18:51)
[8] 第7話―原作開始!―カーマインSide―[神仁](2011/11/29 19:01)
[9] 第8話―原作開始!―シオンSide―[神仁](2011/11/27 21:49)
[10] 第9話―原作開始!暗躍!!頭領、就任?―[神仁](2011/11/29 19:07)
[11] ―みにみにぐろ~らんさ~♪パーソナリティはティピと………このネタを知らない人はゲームをクリアしておまけを聞こう♪番外編です―[神仁](2009/03/18 19:49)
[12] 第10話―運命に導かれ出会いし者達―[神仁](2011/11/30 05:17)
[13] 第11話―強襲!盗賊団頭領!!―[神仁](2011/11/30 06:03)
[14] ―ラングレー兄妹の憂鬱―番外編2―[神仁](2011/12/01 17:16)
[15] 第12話―兄と妹と―[神仁](2011/12/01 17:49)
[16] 第13話―エンカウント、誤解されそうなシチュエーション―[神仁](2011/12/01 18:06)
[17] 第14話―光と光が出会う時―[神仁](2011/12/01 18:24)
[18] 第15話―影の掃討と再会―[神仁](2011/12/01 18:43)
[19] ―みにみにぐろ~らんさ~♪速報!作者はプロット変更を余儀なくされたようです。微妙にネタバレ注意―番外編3です―[神仁](2009/03/30 14:04)
[20] 第16話―それぞれの価値観と少年との出会い―[神仁](2011/12/01 19:51)
[21] ―みにみにぐろ~らんさ~♪これが出た時は作者はリアルで忙しいと思って下さいm(__)m―番外編4です。[神仁](2009/03/31 22:41)
[22] 第17話―デリス村の戦い―[神仁](2011/12/01 20:06)
[23] 第18話―宴の夜とそれぞれの想い―[神仁](2011/12/01 20:22)
[24] 第19話―邂逅…師弟で主従な二人―[神仁](2011/12/01 20:34)
[25] 第20話―闇の遣い、テレポート、ラーニング―[神仁](2011/12/01 20:56)
[26] 第21話―サンドラを救え!―[神仁](2011/12/01 21:06)
[27] ―みにみに!ぐろ~らんさ~♪パーソナリティはティピと…………アレ?―番外編5です―(楽屋裏ネタ注意)[神仁](2009/04/05 23:48)
[28] ―ジュリアン・ダグラスの憂鬱―番外編6―[神仁](2011/12/01 21:11)
[29] 第22話―魔法学院、寄り道、カレンを救え―[神仁](2011/12/03 17:14)
[30] 第23話―……慟哭……―[神仁](2011/12/03 18:36)
[31] 第24話―ラングレー家での優しい時間―[神仁](2011/12/03 22:15)
[32] ―カレンの彼への想いはマキシマム!最初からクライマックスです!―番外編7―[神仁](2011/12/03 22:23)
[33] 第25話―決意、新たに―[神仁](2011/12/04 22:16)
[34] 第26話―登場!妄想少女ミーシャ!―[神仁](2011/12/04 22:37)
[35] 第27話―ミーシャ大暴走!二人のお兄さま☆―[神仁](2011/12/04 22:51)
[36] 第28話―学院長(クソヒゲ)との邂逅―[神仁](2011/12/04 23:02)
[37] 第29話―南の遺跡、天才学者アリオストとの出会い―[神仁](2011/12/04 23:14)
[38] 第30話―いざ、フェザーランドへ!―[神仁](2011/12/04 23:27)
[39] 第31話―I Can Fly!!到着、フェザーランド!―[神仁](2011/12/04 23:37)
[40] 第32話―交渉人シオン・ウォルフマイヤー?―[神仁](2011/12/04 23:47)
[41] 第33話―ネゴシエイター・シオンの交渉内容―[神仁](2011/12/04 23:57)
[42] 第34話―妄想少女と手掛かりと闘技大会―[神仁](2011/12/05 00:07)
[43] 第35話―いざグランシル!アリオストの祖父と父親―[神仁](2011/12/05 00:21)
[44] ―ウォルフマイヤー夫妻の憂鬱……inジュリアン―番外編8―[神仁](2011/12/05 00:27)
[45] 第36話―開催!グランシル闘技大会!未然に防ごう影の企み―[神仁](2011/12/05 00:57)
[46] 第37話―準決勝……そして決勝!!激闘の果てに―[神仁](2011/12/05 04:07)
[47] 第38話―激闘!!決勝戦!!それぞれの想いと漢(おとこ)の誓い―[神仁](2011/12/05 22:33)
[48] 第39話―修羅場発生そして……魔王降臨!―[神仁](2011/12/06 19:46)
[49] 第40話―ジュリアンとの邂逅……決意と誓いと願い―[神仁](2011/12/06 19:56)
[50] 第41話―ジュリアの決意と想い―[神仁](2011/12/06 20:07)
[51] ―カレンの思考……同盟結成の巻―番外編9―[神仁](2011/12/06 20:18)
[52] 第42話―DOKI☆DOKI♪湯煙温泉紀行?―[神仁](2011/12/07 03:21)
[53] 第43話―ダニー・グレイズのフェザリアン講座―[神仁](2011/12/07 18:14)
[54] 第44話―過去の傷痕―[神仁](2011/12/07 18:37)
[55] 第45話―自覚と逃避―[神仁](2011/12/07 18:51)
[56] 第46話―歌と花とおじいさんと―[神仁](2011/12/07 19:01)
[57] 第47話―お見舞いと、情報収集と、男の約束―[神仁](2011/12/07 19:33)
[58] 第48話―女王の救出―[神仁](2011/12/07 19:48)
[59] 超・番外編……とある転生者の激闘―これで勝つる!―[神仁](2011/12/07 19:59)
[60] 第49話―シオン・ザ・ネゴシエイター再び―[神仁](2011/12/07 20:12)
[61] みにみに!ぐろ~らんさ~!微妙にネタバレ注意―番外編10―[神仁](2009/05/11 20:38)
[62] 第50話―サンドラ回復!忍び寄る影と仕官―[神仁](2011/12/07 20:34)
[63] 第51話―初任務とシオンの漫画日本昔話―[神仁](2011/12/07 20:45)
[64] 第52話―聖剣と魔剣のお話……そして新たなフラグの香り―[神仁](2011/12/07 20:56)
[65] 第53話―任務達成、初めての休暇―[神仁](2011/12/07 21:06)
[66] ―サンドラ・フォルスマイヤーの憂鬱―番外編11[神仁](2011/12/07 21:16)
[67] 第54話―シオン先生のマジカル講座!そして白々しいヒゲ―[神仁](2011/12/07 21:26)
[68] 第55話―水晶鉱山潜入……クリアノ草?いらないだろ?―[神仁](2011/12/07 21:36)
[69] 第56話―ウォレスの拳と巨人の人型―[神仁](2011/12/07 21:47)
[70] 第57話―休暇と秘書と心のしこり―[神仁](2011/12/07 21:56)
[71] 第58話―戦争勃発…忠誠と救出と月夜の晩に……―[神仁](2011/12/07 22:38)
[72] 第59話―シオンの葛藤、受け入れられた想い……―[神仁](2011/12/07 22:49)
[73] 第60話―過去との邂逅、未来への飛翔……そしてイチャラブ―[神仁](2011/12/07 23:01)
[74] 第61話―エリオット襲撃……って、何故に?計画が頓挫しそうな件―[神仁](2011/12/07 23:10)
[75] ―秘書イリスの感情―番外編12―[神仁](2011/12/07 23:15)
[76] 嘘予告!!超ネタバレ注意!『異世界転生者くんの憂鬱』[神仁](2011/12/07 23:21)
[77] 第62話―魔王再び、エリオットといけ好かないアイツ―[神仁](2011/12/07 23:33)
[78] 第63話―シオンとジュリア―[神仁](2011/12/08 18:21)
[79] 第64話―シオン先生の勉強会と、宮廷魔術師との契り―[神仁](2011/12/08 18:40)
[80] 第65話―イリスとの談話、アリオストの苦悩―[神仁](2011/12/08 19:21)
[81] 第66話―暴虐のコーネリウス―[神仁](2011/12/08 19:46)
[82] 第67話―動き出す時代……同盟と奪回―[神仁](2011/12/08 19:59)
[83] 第68話―リシャールごっことアンジェラ様と確かな証拠―[神仁](2011/12/08 20:09)
[84] ティピと!ラルフの!みにみに!ぐろ~らんさ~♪―番外編13―[神仁](2009/05/31 03:33)
[85] 第69話―暗躍するシオン……昔を思い出します―[神仁](2011/12/08 20:24)
[86] 第70話―アジト、メイド、父と母の愛と熱き血潮の漢(おとこ)達―[神仁](2011/12/08 20:47)
[87] 第71話―ジュリアのもとへ……と思いきやの四人目な件―[神仁](2011/12/08 22:24)
[88] 限りなく現実に近い嘘予告―封印されし異世界転生者―超ネタバレ注意[神仁](2011/12/08 22:36)
[89] 第72話―暗躍と説得とジュリアへの手紙―[神仁](2011/12/09 14:53)
[90] 第73話―ところ変わってカーマインSide―[神仁](2011/12/09 15:06)
[91] 第74話―情報収集、スニーキング、ティピちゃんは見た!―[神仁](2011/12/09 15:17)
[92] 第75話―対策、砦、合流―[神仁](2011/12/09 15:27)
[93] ―オズワルドの奮闘―番外編14―[神仁](2011/12/09 15:35)
[94] 超・番外編2……とある転生者の暴走―見せてやる!オリ主のチートぶりを!!―[神仁](2011/12/09 15:45)
[95] 限りなく真実に近い嘘予告―異世界転生者と並行世界の破壊者―超ネタバレ注意[神仁](2011/12/09 16:01)
[96] ティピとシオンの!みにみにぐろ~らんさ~!!―番外編15―ネタバレ注意―[神仁](2009/06/11 05:07)
[97] 第76話―戦争に策略は付き物です―[神仁](2011/12/09 16:10)
[98] 第77話―着替えと待機と死の商人―[神仁](2011/12/09 23:51)
[99] 第78話―無敵超人と策略―[神仁](2011/12/10 14:49)
[100] 第79話―同盟工作と死の商人再び―[神仁](2011/12/11 17:05)
[101] 第80話―同盟締結とGLチップス―[神仁](2011/12/11 17:23)
[102] 第81話―ベリーメロンと黒い円盤と常識の勉強―[神仁](2011/12/11 17:33)
[103] 第82話―観光地で語られる漢の挽歌と姫様との約束―[神仁](2011/12/11 17:43)
[104] 第83話―いざ、クレイン村へ―[神仁](2011/12/11 17:54)
[105] 第84話―村長との話し合いと小さなゲヴェル―[神仁](2011/12/11 18:05)
[106] 第85話―……鎮魂……―[神仁](2011/12/11 18:16)
[107] 第86話―鎮魂の祈りと信じること―[神仁](2011/12/11 18:27)
[108] 第87話―真実とシオンのお話―[神仁](2011/12/11 18:38)
[109] 第88話―レティシア姫の告白と勉強会―[神仁](2011/12/11 18:46)
[110] 第89話―カードの謎と地獄の鬼ごっこ開幕―[神仁](2011/12/11 18:54)
[111] 第90話―シオンVSグローランサーズin模擬戦―[神仁](2011/12/09 16:21)
[112] 第91話―イリスとケーキ―[神仁](2011/12/11 19:07)
[113] 限りなく実現しそうな嘘予告―異世界転生者と竜の騎士―激ネタバレ注意―[神仁](2011/12/11 19:24)
[114] 超・番外編3……とある転生者の破滅―オリ主は悪魔と手を結ぶ―[神仁](2011/12/11 19:39)
[115] 第92話―保護とチーム分け、アリオストの決意―カーマインSide―[神仁](2011/12/14 01:40)
[116] 第93話―手紙、約束、全員集合―シオンSide―[神仁](2011/12/14 17:59)
[117] ―ルイセ・フォルスマイヤーの視点―番外編16―[神仁](2011/12/14 18:05)
[118] 第94話―リビエラとカレンとサンドラと……おまけでハゲ―[神仁](2011/12/14 18:29)
[119] 第95話―甘々地獄と魔物使いのケジメ―[神仁](2011/12/14 18:58)
[120] ホップ・ステップ・嘘予告―異世界転生者とはぐれ悪魔―激烈ネタバレ注意―[神仁](2011/12/14 19:09)
[121] 第96話―最終兵器ミーシャと狂人シオンとデートな休日―[神仁](2011/12/14 20:48)
[122] 第97話―イリスの葛藤とカレンの夢と不安の影―[神仁](2011/12/14 21:10)
[123] ―イリス爆誕。シリアス&毒舌イリスさん―番外編17―[神仁](2011/12/15 01:40)
[124] 第98話―護衛とオリビエ湖と悪意の影―[神仁](2011/12/15 13:31)
[125] 第99話―ルイセの誕生日パーティー―[神仁](2011/12/16 06:41)
[126] 第100話―シオン・ウォルフマイヤー氏の極めて平穏な日常―[神仁](2011/12/16 07:06)
[127] 第101話―シオン先生の説明会と、カレンさんとの約束―[神仁](2011/12/16 13:00)
[128] ―ウォー・オブ・バーンシュタイン―番外編18―[神仁](2011/12/16 13:28)
[129] 〜if〜もしもシオンとリヒターの中身が逆だったら〜※BADEND注意[神仁](2009/11/08 23:04)
[130] 超絶嘘予告―異世界転生者と……戦国乙女?―ネタバレ注意―[神仁](2011/12/16 18:56)
[131] 第102話―暗躍する者、縛られた者―[神仁](2011/12/16 19:22)
[132] 第103話―疑惑と隠された真実―[神仁](2011/12/16 20:42)
[133] 第104話―真実と仲間―[神仁](2011/12/16 21:08)
[134] 第105話―断罪と陰り―[神仁](2011/12/16 21:39)
[135] キャラクター紹介〜第105話時点〜シオン&ラルフ[神仁](2010/01/12 16:28)
[136] 第106話―姉妹の絆―[神仁](2011/12/16 21:57)
[137] 第107話―考察、キス魔、ガチンコ訓練―[神仁](2011/12/17 02:56)
[138] 第108話―サンドラの師と触れた真実―カーマインSide―[神仁](2011/12/17 03:28)
[139] 第109話―最悪の襲来とグレンガルの最後と愛する騎士と―お触りもあるよ!―シオンSide―[神仁](2011/12/17 07:17)
[140] 第110話―闘争、脅迫、母の愛―[神仁](2011/12/17 19:10)
[141] 第111話―影の終焉、つかの間の休息―[神仁](2011/12/17 19:36)
[142] キラリと輝く嘘予告―異世界転生者のぱすちゃこんてぃにゅ〜+α放浪記―絶ネタバレ警告―[神仁](2011/12/17 19:56)
[143] 超・番外編4……とある転生者の死闘―オリ主の軌跡は自伝に残る―[神仁](2011/12/17 20:12)
[144] 第112話―決戦・バーンシュタイン―[神仁](2011/12/18 02:05)
[145] 第113話―ラルフに語られた真実と、陰謀に嵌められたシオン―[神仁](2011/12/18 15:42)
[146] 第114話―ジュリアの誓いとルイセの気持ち―[神仁](2011/12/18 18:02)
[147] 第115話―食い止められなかった凶行―[神仁](2011/12/19 16:25)
[148] 第116話―襲撃、復活、覚醒―[神仁](2010/03/04 05:17)
[149] 第117話―ペンダントと覚醒と決着へ向けて―[神仁](2011/12/19 17:46)
[150] 第118話―激突、決着、フライシェベルグ―[神仁](2011/12/20 07:12)
[151] 第119話―受けた褒美と、御前試合と、動き出すシオン―[神仁](2011/12/20 07:56)
[152] 第120話―シオンが行く!―[神仁](2011/12/20 11:53)
[153] 細部と展開が微妙に違うだけの嘘予告―異世界転生者と不屈の魔法少女―[神仁](2011/12/20 12:14)
[154] 第121話―銀の紅と銀の蒼―【15禁?】[神仁](2011/12/20 15:54)
[155] 第122話―問題児部隊とエリートと心酔する少女―[神仁](2010/05/19 23:50)
[156] 第123話―酒と休暇と触れ合う絆―【15禁?】[神仁](2011/12/21 17:52)
[157] 第124話―様々な邂逅―【15禁?】[神仁](2011/12/21 18:31)
[158] ―ジュリア・ダグラスの昔語り―番外編19―[神仁](2011/12/01 21:41)
[159] 第125話―同盟会談と新メンバーと……研修生?―[神仁](2010/09/17 00:37)
[172] 第126話―少女の願いと約束と成金―【15禁?】[神仁](2011/12/21 20:17)
[173] 第127話―シオンVS蒼天騎士団―[神仁](2011/12/22 16:25)
[174] 第128話―遅すぎた再会―[神仁](2011/12/22 17:10)
[175] なんちゃって嘘予告―異世界転生者と天体戦士―&異世界転生者と剣立つ大地―どちらもネタバレ注意―[神仁](2011/12/22 17:29)
[176] 第129話―胎動―【15禁?】[神仁](2011/12/22 17:51)
[177] 生存報告!みにみにぐろ〜らんさ〜♪―番外編20―[神仁](2013/01/02 07:42)
[178] 第130話―光と闇―束の間の祝賀会―[神仁](2013/02/17 03:00)
[179] 鋼鉄と杖の嘘予告―獣を宿した狩人と虚無の魔法使い―ネタバレ微注意―[神仁](2013/03/28 10:16)
[180] 第131話―介入―[神仁](2014/11/07 15:24)
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[7317] 第23話―……慟哭……―
Name: 神仁◆ea4a46c3 ID:71b876dc 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/12/03 18:36
*********



「くっそ……切りがねぇ!!」

俺達はそれぞれに任務に着いた……任務とか、中々格好良いじゃねーか。
今は懐もあったけぇし、シオンの頭万歳!!
正義の味方万歳!!
糞喰らえ!!
グレゴリーのケチ野郎!!

……まぁ、金のことはついでだがな……一旦、堕ちる所まで堕ちる寸前まで行った俺が……再びこうして理想に燃える日が来るなんてな……と、んなこと考えてる場合じゃねーな。

「オイ、ビリー!ニール!気合い入れろよ!?」

「了解っす兄貴!」

「とは言え、流石にキツイっすよ…」

確かにな……さっきからモンスターが引っ切り無しに来やがる。
最近、古巣の盗賊団にモンスター使いが加わったって話だが……そいつの仕業か?
奴らの目的は、間違いなくカレンっていう嬢ちゃんだ……俺達を足止めしておく算段みたいだが……。

「モンスターに任せて、テメェは高見の見物かよ……気にいらねぇなぁ!!」

俺は手近に居たモンスターの頭をカチ割る。
だが、一匹倒しても、また一匹出てきやがる。
一応、マークとザムを先に向かわせたが……どうにも嫌な予感がしやがる……!!

「そこをどきやがれ雑魚どもがぁぁぁぁ!!!」

早く向かって、アイツらの救援にいかなけりゃあ……!!

*******


「あ……あ……」

今、私の目の前にはシオンさんの仲間の人たち……マークさんとザムさんが居る……ボロボロの姿になって……。

「く……くぅっ……」

「……この男……強い……」

彼らの見据える先には一人の男性……黒いフードとコートを着た人が剣をダランと構えて立っていた。

「フン……モンスター使いには戦闘能力が無いとでも……?救いがたい愚者共だ……貴様ら程度、レブナントの力を借りる迄もなかったな」

彼の後ろには数人の盗賊と、大きな飛竜。
盗賊達は私たちの様子をにやけた表情で嘲笑う。

「ハァ……ハァ……舐められた――ものだな……!!」

「……まだ、倒れる訳には……」

二人は再び立ち上がる。……ボロボロになりながら、私を庇って……。

「も、もう良いです!もう良いですからっ!!」

私は彼らに懇願する…これ以上、私を庇って彼らが傷付くのは見ていられない……。

「そういう訳には行くか……アンタを守るのが俺達の仕事なんだからな……」

「……しかし、あの飛竜が邪魔だな……嬢ちゃんを逃がしたら絶対嬢ちゃんを追っていくだろうな……」

マークさん達がそんなことを話してると、黒いフードの人がため息を吐く。

「もう良い……戯れにも些か飽きた。レブナント、餌だ。存分に喰らえ……女は喰うなよ?」

「GOAAAAAAAA!!!」

飛竜の咆哮が周りに響く。
……恐い……圧倒的な威圧感……絶望感……。

「……俺はまだ死にたくないんだがな……」

「俺だってそうだ……だが、仕事だから――な。逃げたら、シオンの頭に顔向け出来ないし……」

「……言ってみただけだ……」

「ならもう少し、建設的な意見を所望する……」

彼らが軽く言い争っている……けど、彼らの足が震えてる……怖いんだ……でも逃げ出さない……私のせいで……そんな私も身体中が震えて、座り込んでしまっている……怖い……怖い……!!

私は……首から掛けたあの人からの贈り物……プロミス・ペンダントを握りしめる……お願い……助けて……助けて……!!

――私は今、この街に居るゼノス兄さんでは無く、何処に居るとも知れない……あの人に……助けを求めてしまった……幾らあの人でも、そんなに都合よく助けに来てはくれない……でも、私はあの人を想い描いてしまった………。

……シオンさん……シオンさん……!

私は涙を滲ませてしまう……目の前ではマークさんとザムさんが、震えながらも、その場から逃げ出さずに武器を構えている。

飛竜は一瞬、眼を細め……カッと見開き、襲い掛かって来た。

駄目……二人が…二人が死んじゃう……!?

「いや……助けて……助けてぇっ!!シオンさあぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」

私は心の底から叫んだ……涙を振り撒きながら……来る筈のない愛おしい人を……。

「呼んでくれたなら……応えなきゃなっ!!」

声が聞こえた……力強く、優しい声――。
声と共に降り注ぐのは、赤い閃光――。

「!?GUGYAAAAAAA!!!??」

あれは……赤い、マジックアロー?
その赤いマジックアローが飛竜の顔に刺さり、炎が燃え上がる。

あの声は……間違い様が無い……!!
私が何時も想っている、人……!

「……今の声は……まさか……」

「ああ……!間違いない……!!」

マークさん、ザムさんも気付いた様だ……あの人の声だと。

スタッ!

空から飛来したのは、一人の男性……銀の髪が陽光に輝く……あぁ、間違いない…本当に助けに来てくれた…。

「ベタベタ過ぎるシチュエーションだが……間に合ったみたいだな」

「シオンっ……さんっ……」

私は人目を憚らずに泣いてしまう……ピンチの時に駆け付けてくれる……正義の味方みたいな人……私の大好きな、愛しい人の名を呼びながら……。

********



間に合って良かったぜ……竜の咆哮みたいのが聞こえた時は焦ったが、この身体で爆走したんだ。間に合わない筈がねぇ。

「レブナントっ!?レブナントォッ!!?」

飛竜は苦しみもがいていた……顔の炎を消したいが、息を吸い込めば炎が口から入ってくる……つまり息が出来ない。

マジックアローのアレンジ……【ファイアーアロー】……炎のマジックアローだ。
ファイアーボールが範囲魔法なのに対して、これは単体魔法。
密集戦なんかで役に立つ。

俺は更に、別の詠唱をする。
勿論、高速詠唱を用いて瞬時に終わらせる。

「ウォーターアロー」

バシャバシャァ!ジュウゥゥゥ……。

苦しみもがいている飛竜に、水の矢が襲い掛かる。
しかし、それはぶつかるが、たいした威力も無く、炎を消しただけ。
俺が威力弱めに撃っただけなんだがね?

【ウォーターアロー】

読んで字の如く、マジックアローのアレンジで、水の矢だ。
しっかり魔力を込めれば対象を貫ける力がある。
これは、これから起きるであろうイベントの対策として作った魔法だが、実戦にも対応出来る。
火属性の敵には効果抜群だろう。

余談だが、前述のファイアーアローと、このウォーターアローは野宿の時には非常に重宝する。

「貴様……よくも我が友を……許さん……絶対に許さんぞぉ!!」

黒フードの男が喚き出す。
こっちはワザワザ炎を消してやったんだ……感謝してもらいたいな?


「絶対に許さん……か」

俺は後方に眼を向ける……膝を着いて荒い息を整えるボロボロなマークとザム……そして、恐怖からか、泣きじゃくるカレン……やっぱり涙を流すカレンは綺麗だ……とか、考える俺はドSなのだろうか?

……なんてのは、今はどうでもいい。

「グローヒーリング」

俺はこの世界で最高の回復魔法……グローヒーリングを唱える。
これは一度に大勢を完全回復させる魔法だ。

「お…?」

「…傷が…」

二人が負っていた傷を癒す。
完全にだ。
メジャーな所で言えば、ドラ○エのベホ○ズンみたいな物だからな。
このグローヒーリングは。

「二人とも、よく逃げずにカレンを守ってくれた……礼を言う」

「……礼を言われる必要は無い……当たり前のことを……」

「しただけ……ですから……まぁ、給料分くらいは働かないと、ね」

二人が俺に最高の笑顔を向ける。
俺も最高の笑顔で迎える。
俺達の間ではナイススマイルは必須スキルだからな。
目指せヒートスマイル!!
……だが、何故か俺は上手く決まらない……暑苦しさが出ないんだよな……今、1番ヒートスマイルに近いのはオズワルドだったりする。

「貴様!!聞いてるのかぁ!!」

黒いフードの男が五月蝿い。
だが無視する。

「カレン……」

「シオンさん……」

俺は最高の笑みを浮かべて告げる。

「少し待ってろよ。今すぐこいつらをブチのめして、家に連れてってやるからな?」

「は、ハイ!!」

涙を流しながらも、笑顔を向けてくれた……確かにカレンの泣き顔は綺麗だが……それを、俺以外の奴が泣かせたってのは――許せないな……。

「おのれぇぇ……この様な屈辱は初めてだ……レブナント!!アイツを喰らえ!!」

だが、レブナントと呼ばれた飛竜は動かない……震えているのだ。

「どうしたレブナント!?お前に恥を掻かせた者が居るんだぞ!?何故動かん!?」

それは無理だ。
何故なら俺が飛竜へ直に殺気をぶつけているからだ。
この身体から発する殺気は、原初の恐怖を相手に抱かせる。
つまり喰うか喰われるかの、弱肉強食の恐怖を……だ。
しかも今はこの飛竜に一点集中で浴びせてるのだから。
コイツには己より巨大な竜にでも見えるのかもな。

まぁ、どうでもいい。

「おい、トカゲ野郎……」

俺が一歩を踏み出す……すると飛竜はビクリと身体を震わせ、その身を後退る。

「やるってんなら相手になるが……今度はきっちり焼肉にするぜ?それとも細かく切り刻んでやろうか?安心しろ……ちゃんと骨まで喰らい尽くしてやるから」

更に殺気を強くしてやる……すると……。

「GYAAAAAAAA!??」

飛竜は混乱……いや、恐慌状態に陥る……しかし逃げることも叶わない……殺気にやられ飛ぶことも出来ないか。

俺は怯える飛竜に近寄り……その顔を撫でてやる。

撫でている俺の掌が光る。
キュアを掛けてやったのだ。
火傷が徐々に癒えていく。

「大人しくしていれば危害は加えない……分かるな?」

俺は優しく諭す様に話し掛ける。
飛竜は不思議そうに見ていたが、やがて震えが止まり、まるで了承したと言わんばかりに後方に下がる。

「良い子だ……」

「レブナント!!何をしている!!早くそいつを……」

「ギャアギャア喧しい奴だな……飛竜の背中に隠れないとマトモに戦えないのか?」

「なにぃ!?」

「そいつは試してるのさ……俺を強者と認めたそいつは、お前が本当に主足り得るのか――」

俺は背中に背負った大剣を抜き放つ。

「そいつとの絆を取り戻したければ、テメェの覚悟ってモンを見せな。それとも、弱い者虐めしか出来ねぇか?」

……俺が言えた台詞じゃねーな。
俺も広義的な意味では弱い者虐めしかしてねーし――。

「ふざけるなぁぁぁ!!!」

黒いフードの男が俺に切り掛かる。
俺はそれを軽く受け止める。


「ぐぅ……がぁぁぁ!!!」

黒いフードの男が怒涛の攻撃を仕掛けてくる。

激しい金属音が周囲に響き渡る――。

ま、俺にとってはスローモーションみたいなものだが。

当然、全部弾く。
つーか、弾くのも面倒になってきたな……。

そう思った俺は、敵の攻撃をかわし続けることを選択する。
奴の剣撃を紙一重に――避けて避けて避けまくる。

「成程……」

「ハァ……ハァ……おのれぇ…」

男は息が荒く、俺は涼しい顔で男を見下す。
殺すつもりならもう何十回も殺せた。
まぁ、そのつもりは無いけど。
コイツは原作には居ないキャラだからな……実力を測るに越したことはないし。

「お前の強さはオズワルドと同じ位だな……中々に強いが……上には上がいることを知るべきだ」

別に俺じゃなくても、カーマイン、ウォレス、ラルフ、ゼノスにインペリアルナイツ……etcetc……。

コイツ以上なんてゴロゴロいる。

原作に出て来たシャドーナイツ所属のモンスター使いよりは――強いかもしれないがな。

「それじゃあ、実力も分かったことだし……アイツらを傷付けた礼、カレンを泣かせた礼――きっちり返すぞ?」

俺はゆっくりと奴に近付く……威圧感と殺気をぶつけながら……。

「ヒッ…!?」

奴を始め、盗賊連中の動きが止まる。
一歩……また一歩と近付く。
盗賊の一人がそのまま気絶する。
また一人……また一人と。

俺がやってるのは【気当たり】と言う奴だ。
本来、動物ってのは本能的に天敵を感じ取ったりするが、人間にも少なからず、そういう感覚が残っているものらしい。

優れた達人同士の戦いでは重要な要素で、フェイントに使ったり、牽制として相手の動きを封じたり出来る……とは、某史上最強の弟子の師匠、喧嘩百段の空手家様がおっしゃっていたことだ。

まぁ、格上相手には通じないがな?
しかし逆に、格下相手だと今みたいに気絶させたり出来る。

……そう考えると、は○めの○歩に出てくる、某浪花の虎が使う、殺気のフェイントも――この気当たりに分類されるんだろうな。

なんて、考えてる内に盗賊どもは全員気絶していたが。

「……俺の気当たりをマトモに受けて、気を失わないのはたいしたモノだが……」

「ハァ……ハァ……ハァ……!」

このモンスター使い、かなり気合い入ってるな……足は震え、身体中汗だくになりながらも、立ち向かおうとしている。

「悪いが、俺も少しカチンと来てるんでな……懺悔の時間と行こうか?」

因みに後方のカレン達には殺気を飛ばしていないので、何事も無く無事だったりする。

「……私は……私は!友の信頼を勝ち取らねばならんのだ……故に、倒れる訳には……いかん……のだ……!」

男は剣を振りかぶって来る……だが俺の剣は、奴の剣の刃を文字通り切り捨てた。
魔剣リーヴェイグ……俺が持っている限り、切れないモノは――無い。

ドスッ!

切り飛ばされた奴の剣の刃が、奴の後方に突き刺さる。
俺は奴に剣を突き付けた。

「彼女の前で残酷シーンは見せたくない……見逃してやるからとっとと失せろ」

もっとも、カレンが見ていなくても、残酷シーンを行うつもりはないんだがな。

「……くっ!!おのれぇ……我が名はエリック……この恨み、忘れんぞ!!」

エリックと名乗った男に、ド三流な捨て台詞を吐かれる。
ワザワザ名乗るとは、ありがたいことで。
そこへ、さっきの飛竜が近付き、エリックに頬擦りした。

「…レ、レブナント……?」

「良かったな。お前の根性は、相棒にも伝わったみたいだぜ?」

そう、圧倒的に負けていたが……その戦いぶりに改めて主人と認めた……のだろう。
普通は見捨てていても可笑しくはない。
所詮この世は弱肉強食……って奴だ。
俺はそういう考えは好かないが、それが一つの真理であることは事実。

モンスターや動物などの野生生物には、特にその傾向が強い。
例え躾られていても、原初の恐怖に抗うのは中々出来ることじゃない。

それだけ、絆が深いのかもな。
もしかしたら、この飛竜は主人の本来の気性を見たかったのかも知れないな……まぁ、野生の世界でも、妙な例外があったりするからな。
草食動物の子供を、肉食動物が守ったり……な。

「……レブナント……俺は……俺は……っ!!」

男が泣きながら飛竜に抱き着く。
飛竜はそれを優しげに見守っている。

「よぉ……俺を許さないそうだが……リベンジしたいなら俺の所に直で来い。そん時は相手してやるよ。……だが、もし今度仲間に手を出そうとしたら……お前らの存在を塵芥一つ残さず消してやる……覚えとけ」

俺は飛竜と男に、殺気をぶつけながらそう告げる。
……まぁ、まだまだ人を殺めることは出来そうにないからな……ぶっちゃけハッタリです。
気概自体はハッタリでは無いし、その覚悟もあるが……土壇場ではどうなるかは分からない。

思ったより簡単に出来るかも知れないし、躊躇してしまうかもしれない。
やはり俺は甘いのかね……。

「良いだろう……修練を積み、再び見えてやる!!貴様を倒すのは俺……いや、俺達だ!!」

「GOAAA!!」

飛竜と男は殺気を押し退けて宣言する。
良い気概だ……中々どうして、これが絆の力ってか?
……悪くはないな。

「おう!喧嘩なら大歓迎だ!また喧嘩――しようぜ!!」

俺は男と飛竜に最高の笑顔を向ける……やはり暑苦しさが足りない。
少しムカッ腹だったのは事実だが……まぁ、仲間に手を出さないと誓ったなら良いさ。

「フン……その余裕、必ず打ち砕く!行くぞレブナント」

男は飛竜に乗って上昇、そのまま飛び去って行った。

「やれやれ……終わったぜ?」

俺は後方で待機していた三人に近付きながら声を掛ける。

「流石はシオンの頭、あの男を――あんな簡単に退けるなんてな」

「俺に言わせるなら、お前らの鍛え方が足りないんだ。もう少し鍛えろ。あのレベルの奴に二人掛かりでボロ負けしてたら、これから先キツイぞ?」

「……反論出来ない……な……」

俺の戦力批判に、二人が冷や汗を流している。
いや、マジな話しだぜ?
俺としても仲間に死んで欲しくは無い。

そんな二人を尻目に、しゃがみ込んでしまっているカレンに近付く。

「終わったぜカレン……大丈夫か?」

「は、はい。貴方の御蔭です……貴方がいなかったら…わたし……」

カレンが頬を赤く染めながら、潤んだ瞳で俺を見つめてくる……風邪か?
……なんか、前にもこんなことがあった様な……?

「気にするなよ。カレンがピンチなら、この星の裏側からだって直ぐに駆け付けて来るさ」

俺はカレンにそう言ってやり、手を差し延べる。
何と言うか不安を消し飛ばすつもりで言ったのだが……。

「シオンさん……わたし……」

何故か余計に赤くなってしまった……何故だ?
っていうか、何か勘違いしてしまいそうだ………やはり、前にもこんなことがあったような……既視感?

「……まぁ、そのなんだ?立てるか?」

「……ゴメンなさい……情けない話ですが、腰が抜けてしまって……」

まぁ、仕方ないよな……カレンは可憐な女性だし……駄洒落じゃないぞ?
本来、心が強い人でもあるんだがな。

「そうか……ホラ、おぶされよ」

俺は背中を見せてしゃがみ込む。
以前もこうやって背負って行ったっけな……プリンセス抱っこはセクハラの罪に問われます。

サンドラ様の時?

あの時は緊急事態だったんだから、仕方ないだろう。
普段は絶対にしない…………ん?
カレンが来ない……?

俺は振り向くと、カレンが頬を膨らませて不満そうにしていた……うっ、可愛い……けど何故に?

「……あの、宜しかったら腕で抱き抱えて欲しいのですが……」

はっ?
何を言っちゃってるんでしょうかこの娘は?
それはつまり……プリンセス抱っこって奴でしょうか?

「……それとも……わたしでは重いから嫌ですか……?」

「いや、そんな訳無いだろ?カレンが重いわけない……つーか、重くなかったしな」

以前背負った時はむしろ軽いくらいだった。
もしかして不本意に重く……?
……とかは言わないけどな。
流石に俺でもそれくらいのデリカシーは弁えてる。

「仕方ないな……じゃあ、少し失礼するぜ?」

俺はカレンを抱き上げようと手を伸ばした。

********



「ふふふ……あれが特異点の一人か……中々強いみたいだけど、あの程度の輩に手間取る様じゃ、まだまだかな?」

ボクは遠目に写る男を嘲笑う……インペリアルナイツくらいには強いかも知れないな……まぁ、ボクの敵じゃないね。
しかし、彼は中々面白い力を持っている様だ……あの火と水のマジックアロー……この世界の魔法を改竄する力か……欲しいなぁ……あの力。

「にしても、誰も殺さずに勝っちゃうなんてね〜〜。まるで英雄……いや、この場合は正義の味方かな?ん〜〜、よく考えたらこれじゃあ彼の実力を正確に計れないよなぁ〜〜。……よし、やっぱりアレを使おう♪」

ボクは呪を唱える。
あそこで気絶している奴の一人に、細工しておいたんだよね〜♪
さ〜〜て、君の力を見せて貰おうか?
特異点君?

********



「?何だ…!?」

これは……魔力か!?
何処だ……何?

俺が魔力の出所を探ろうと、カレンに差し出した手を止め、気配を探るが……突然、気絶していた盗賊の一人が立ち上がる。

もう気がつくなんてな……だが、今はお前の相手をしている暇はないんでな。

「寝てろっ!!」

俺は立ち上がった男に殺気をぶつける。
だが……。

「微動だにしない……だと!?」

幾ら全力の殺気じゃないとは言え……さっきはこれで気絶したんだぞ?

「うぐぅぅぅ…………」

……?
様子が変だ……目が白目を向き、顔に血管を浮かべて……。

「ガアアァァァァアァァ!!!」

!?早い!?
奴が襲い掛かってくる……その加速は達人のそれ。
この動き、カーマインやゼノスクラスか!?

俺は奴の繰り出すナイフを避ける。
チィッ……これだけの力を隠し持ってたってのか?

まぁ、それでも俺には通じないが……カレン達に襲い掛かられても、厄介だ。

「くっ……仕方ない、少し痛い目にあってもらうぜ!!」


俺は鳩尾に拳を叩き込む。
更に奴の身体がくの字に曲がった所を蹴り飛ばす。
奴は派手に吹っ飛び、地べたを転げ回る。

マズい……今のは肋骨が何本かいったな……加減したつもりだったんだが……あまり良い気持ちはしない……な!?

「グゥゥゥゥゥ……」

奴は何事も無く立ち上がる……馬鹿な!?
肋骨が折れてるんだぞ!?
普通なら激痛で動けない筈……。

「頭――コイツは俺達が……」

「…流石に少しは働かないとな…」

マークとザムが駆け付けて俺の前に来て武器を構えるが、俺はそれを押し止める。

「来るな!!カレンを連れて逃げろ!!コイツはお前らじゃ……!?」

「ガアアァァァァアァァッッ!!!」



奴がこちらに踏み込んでくる……更に早くなった!?

加速した奴の凶刃が、マークとザムを捉えた―――!!!

「があっ!?」

「ぐぉっ!?」

マークとザムは男に切り刻まれる。

「マークっ!ザムっ!!このぉ!」

俺は先程より更に力を込めて殴り付ける……奴は咄嗟に防いだが、奴の腕の骨がグシャグシャに砕ける音が、手に響く。

「マーク!!ザム!!………致命傷は無い……が、出血が多いか……グローヒーリング!」

俺は再び二人の傷を癒す……二人はゆっくり起き上がろうとする。

「無理するな……幾ら傷を治したって言っても、失った血が戻る訳じゃないんだ」

「すんません……お頭……」

「…………」

二人は面目なさそうにうなだれる。

「シオンさん!!?」

カレンが叫んだ……俺はカレンの指し示す方を見ると……。

「な………に……?」

そこにはあの盗賊の男が立っていた……しかも、砕けた腕を再生させながら……なんだコイツ!?
人間じゃない……のか!?
ゲヴェルの複製人間だってこんな回復力は無いぞ!?

これじゃあまるで新型ゲヴェル……ヴェンツェル並の回復力だ……。

「グゥォオゥゥゥゥ……」

コイツ……いや、もしかしてさっきの魔力の主が何かしやがったのか……?
場所は既に把握している……そいつを潰せば……。

「ウガアァァァァァァ!!!」

「!?チィ!!」

今度は俺に襲い掛かってくる……コイツを無視して向かえばカレン達が危ない!
クソッ!!
これじゃあ原因を潰しにいけねぇ!!

*******



「フフフ……リミッターも強制解除して、限界を取っ払い、強制的に回復力も上げている……致命傷を与えなければ何度でも立ち上がってくるよ……さぁ!さぁ!!君の力を見せてくれ!!!」

ボクの弄った玩具が彼と戯れている……インペリアルナイツ位の力があれば殺せるんだからね……ボクを失望させないでよ?

*********



くっ……なんなんだコイツは!?
俺の攻撃を喰らいながら、何度も立ち上がってくる……致命傷にならない様に加減して戦ってはいるが、普通なら気を失うなり、苦しみ呻くなりする……だが、コイツは立ち上がる……何事も無いかの様に……立ち向かってくる……。

俺は恐怖した……コイツにでは無い。
この状況を打開する策が一つしかないことに、だ。
コイツは誰かにおかしくさせられている……。
なら、その術者をどうにかするか?

それは無理。

理由は術者がこの場所から、かなり離れた場所にいるからだ。

俺の足なら、直ぐに駆け付けて倒すことは出来るだろう……だが、俺の後方に居るカレン……血を減らして身動きがとれないマークとザムが狙われる……。
テレポートを使うには、明確に場所をイメージしなくてはならず、奴の居場所は知っていても、居る場所を見ていない俺では、テレポートを使っても奴の居場所へは辿り着けない。

……ならば方法は一つだけだ。

「……殺るしかない、のか……」

俺はリーヴェイグを握り締める……。
まさかこんなに早く決断を強いられるなんてな……。
奴は再び傷を再生させていく。

覚悟を決めろ……迷うな……退くな……!!
俺が逃げればカレン達が危ない……!

「すぅ……ふぅ……すぅ……ふぅ……」

心を研ぎ澄ませ……集中しろ……奴は化け物だ……人間じゃない……人間じゃないんだ……。

人間じゃなければ傷付けて良いなんて、そんな道理は無い……だが、こうして自己催眠でも掛けないと……自分をごまかさないと、やり切れない。

「ガァアァアァァァァァ!!!!」

傷を再生させた奴が、向かってくる。
……済まない……せめて、苦しまない様に一撃で決めてやる……。

俺は剣を片手に持ち、駆け抜ける。
奴のナイフが俺に襲い掛かる。
だが俺は超神速とも言えるスピードで、奴の目の前で斜めに跳ぶ。


俺は木を蹴り加速、奴に襲い掛かる。

その剣は飛竜の爪の如く――飛竜が羽ばたくが如く襲い掛かる……我が父の奥義が一つ……その名も。

「【飛竜翼斬】」

分かりやすく言うなら、大剣を使った【空飛拳】と言った所か。
もっとも○空みたいに空力を使うそれでは無く、身体能力に任せた力技だが……その一撃は正に必殺。

故に、実戦で使うには躊躇した技……。

「!?」

奴がこちらに振り向く……このスピードに気付いたのは見事だが、もう遅い……。

「……せめて苦しまずに――逝け……!!」

俺の剣閃が奴に食い込む瞬間……再び魔力の本流が……。

「……は?俺」

!?眼に光が……正気に
――。

ズシャアアァアアアァァァ!!!!!

「は……何だ……コレ……?」

俺の手は止まらず、擦れ違いざまに……袈裟掛けに男を真っ二つに切り裂いていた……。

ドチャァ……グシャア……!

俺の後方で、何かが嫌な水音と共に崩れ落ちるのが聞こえた……。


………俺は何をした?



……化け物になった人間を倒した。



……オレはなにをしタ……?



……意識ヲ取り戻した化け物を殺シタ……。




………オレハナニヲシタ………?




………ニンゲンヲ……コロシタ……ニンゲンヲ……ヒトヲ……。


コロシタ……殺した……殺した……?
死なせてしまった……?

「あ……」

愛剣のリーヴェイグを見ると……そこには血は着いていない……なら俺は斬らなかったんじゃないか?

……そんなわけ無いだろうっ!!!
血が着いてないのは、それだけの早さで剣を振りきったからだ!!
この手には感触が残っている!!
剣が肉に食い込み、切り裂く感触が!!

後ろから漂う血臭は!?
どうやって説明するつもりだ!!?

「……俺が……殺した……のか……」

俺は剣を取り落とし、膝を着いてしまう………手が……身体中が震える……。

「あ………あ………あぁ……うわあああああぁぁぁぁぁっ!!!」

俺の中の何かが……音を立てて崩れていくのを感じた……。

********



「これは驚いた……今の剣撃から推測すると……インペリアルナイツマスター……確かリシャールだったね。彼を超えている……」

これは予想外だ……まぁ、それでもボクには及ばないケド♪

「少なくとも、モブキャラを倒しただけであんなに取り乱す様な奴には――負ける気はしないなぁ♪」

ボクは特異点の彼を見下しながら感想を言う。
ボクは親切心から、あの盗賊の意識を戻してあげた。
優しいでしょ?
なのに彼はそれを殺した。
酷いよね〜?
しかも勝手に取り乱してるんだもん、馬鹿じゃないの?
って感じだね。

「もう面倒だから、ここで彼の力を戴いちゃおうかな〜………ん?アレは……」

何やら街の方と森の方から数人ずつ、あそこに向かっているみたいだなぁ……ちょっと面倒かな?
ここは消えるが吉……かな?

「やっぱり、もっと舞台は華やかな方が良いしね♪ここは幕引きということで」

ボクはその場を去った……再び彼と見えるその日を楽しみに……ね♪

願わくは、彼にはこんなところで壊れないで欲しいものだ――。

――僕が壊す楽しみが――無くなるからねぇ♪

********



「ウワアアァァァァァァァァァッッ!!!?」

シオンさんが……叫んでいる……涙を流しながら、頭を掻きむしる様に両手で掴みながら……。
伝わって来る……悲しみが……怒りが……嘆きが……後悔が……。

「シオン……さん……」

わたしは立ち上がり……シオンさんに近付く……。

「俺は……俺はあぁぁぁぁ!!」

駄目……このままじゃあ……シオンさんが……。

「シオンさん……」

「人を……殺しぃ……!?」

シオンさんが……壊れてしまうっ!!

「シオンさんっ!!」

「!?カレ……ン……」

わたしはシオンさんを抱きしめる……頭を手繰り寄せて包み込む様に……。

「大丈夫です……大丈夫ですから……」

わたしは彼の髪を撫でる。
……凄いサラサラしてる……。

「でも俺……俺は……人を……」

「……それは確かに辛いことかも知れません……けれど、おかげで私たちは助かりました……」

「あ……」

「貴方が来てくれなければ……私たちは助からなかったかも知れません……人の命を奪うのは、してはいけないことですし、悲しいことです……けれど、私たちは貴方が助けてくれたんです……だから……自分をそんなに責めないで……」

「カレ……ン……う……ぐうっ……うあああぁぁぁぁっ――!!」

彼はわたしに抱き着いて、再び涙を流す……今度は自分を責め壊すものじゃない……吐き出す為のもの。
今のわたしには、これくらいしか出来ないから……。

********



俺は泣いた……泣き続けた……。
人目を憚らずに泣いた……恥も何も無く、カレンの胸の中で……。

しばらくして……なんとか平静を装える位には精神が安定した時に、俺は今、とんでもないことをしていたことに気付いた。

カレンに抱き着き、胸の中で泣いていたのだ……あのふくよか過ぎる胸の中で……コレってその……パフパフって奴になるんじゃあ……。
こんなことを考えられるくらいには、回復してる……俺も存外異常なのかもしれん……いや、現金とも言うが。
カレンの温かさに包まれたおかげで……壊れずに済んだ……。

俺はゆっくり離れようとする……が、カレンは離そうとしない。

「あの……カレン……もう大丈夫だから……」

「ハイ……でも、もう少しこのままで……」

カレンは赤くなりながらモジモジしている。
息遣いも荒い……。
何だと思って視線を動かすと………何か………手の様なモノが横の、山になっている膨らみにある……。

ふにょん♪

「あっ……ん♪」

なんか聞いてはいけない声が聞こえた……。
どうやら俺の手がカレンの胸を掴んでいるらしい。
ハイ、本当にありがとうございます……………って、待てぇ!!!

俺は無理矢理カレンを引きはがし、勢いのままに立ち上がる。

「カカカカ、カレン!?君は何をやって……」

「いえ!違うんです!……わたしはシオンさんが辛そうだったから……その……思わず抱きしめてしまって……そうしたらシオンさん……泣きながら……その……胸を……」

カレンの声が尻窄まりに小さくなっていく……顔は真っ赤だ……。

つーかマジですか?
つまり何か?
俺はカレンに抱き着いて泣いただけでは飽きたらず……その豊満な胸を揉み倒したと?

何だソレは!!?
何してんの俺!!
どさくさに何してんの俺!!?

「ゴ、ゴメン!!カレンは俺を慰めてくれてたのに、こんな……」

「いえ、良いんです……(それに嫌じゃないですし……むしろもっと……)」

「そうか…なら良いけど……って、良くないから!!……それに、こんな状況じゃ素直に……ん?」

俺は辺りを見回す……死体が無い……それに気絶していた盗賊達も……血溜まりの後があるから、俺が斬り殺したのは確実……認めたくはないが……。
思い出すとまだ震えが止まらない……。

流石に取り乱したりはしないが……っていうか、マークとザムは?

「頭!!」

「?オズワルド……?一体何が……?」

オズワルドが説明してくれる。
モンスターに足止めを喰っていたオズワルド達だが、ある時を境にモンスター達が一斉に散って行ったそうだ。
チャンスと思い、突っ切って此処に向かって来たのは良いが、到着して見えたのは、気絶している盗賊達……真っ二つに切り裂かれた死体……そしてカレンに縋り付き、泣きわめく俺と、バツの悪そうな顔をしていたマークとザムだったそうな……その直ぐ後に、ゼノス含むカーマイン達が来たらしい……。

カーマイン達も何だかいたたまれない空気になり、(ティピは何やら気になって騒いでいたみたいだが、カーマインに折檻されたらしい)俺達を置いて先に家に帰ったそうだ。
盗賊達はしょっぴいて、死体はカーマイン達が埋めたとか。

ならばオズワルド達はと言うと……。

「こんな状況で邪魔する程、俺達は野暮じゃありませんぜ!!」

グッ!
ニコォ!!
と、俺にナイススマイルを向けてくる……す、素晴らしく暑苦しい……。
まぁ、そこで俺もナイススマイルを向ける。
それが俺達の流儀だから。

「……早速で悪いんだが、調べて欲しいことがあるんだ……」

「へい!なんなりと!!」

俺はあのモンスター使いのことを調べてもらうことにした……原作には居ないキャラ……何と言うか、……原作から随分変化してきたようだな……俺のせいか?
後はあの術者……か。

「んじゃ、俺達はこれで!!」

オズワルド達が俺の依頼に答える為にこの場を去る。

「っと、そうだ頭。一つ言っときたいことが……」

と、オズワルドが立ち止まる。

「?何だよ?」

「まぁ……頼りないでしょうが、俺達も居るんで、気張り過ぎないで下さいよ。では!」

……ヤレヤレ……心配掛けちまったな……。

俺はカレンに手を差し出す。

「……帰ろうか?」

「はい!」

カレンはその手を取り、俺達は帰路に着いた。

……俺はこの命を守れたんだ……命を奪ったのは良くないが……その代わり、カレン達を助けられた……後悔していないと言ったら嘘になる……だが後悔しようと、先に進む……そう誓ったのは何より俺自身なのだから……。

心の奥にしこりを残しながら、俺は先に進む……仲間を……ダチを助ける為に……ふと、横にいるカレンを見る。

俺を見ていたらしく、視線が合った。
カレンは赤くなりながら俯いてしまった。

「……どうした?」

「い、いえ!なんでもないです!!(シオンさん……大好きです……愛して、います――まだ、言えないけど……いつかは――)」

「そうか……」

繋いだ手から伝わる温かさは、不安を和らげ……震えを抑えてくれた。
その温かさを何故か……貴いモノだと、理解していた……。



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