あの後、色々と酷い有り様だったあの場所(カレン達が守っていたのか、薬草畑は無事だった)を、直し……いや、治してからカレンの家に向かった。ん?どうやって治したのか……だって?精霊達の力を借りてチョチョイッ―――とな。ハァ?(゚Д゚)とか、思われるかも知れないが、別段難しいことはしてないんだよ。元来、魔法ってのは己の精神力を使って行使するよな?それプラス――術式や杖なんかの媒介を使って、より強力な魔法を行使したりするワケだが。故に、魔力には限りがあって――無い物を修復するなど、それこそ膨大な魔力量が必要だし、特殊な術式が必要らしい。グローシアン等は例外だが―――俺の場合グローシアンで魔力もバグってるくらいの量を保有しているが……自身の体質上、そんな修復魔法は覚えていないし――使えない。ならば、俺が何をしたのか――?簡単に言えば、精霊にこの馬鹿魔力をちょこっと提供して、修復して貰ったっつーワケ。そう、実は俺――精霊が見えます。今になって明かされる衝撃の事実――!!って、既に明かされていることだが。――忘れているかも知れないが、俺の実家で働いているメイドのシルクは、元・精霊(正確には妖精に成れずに膨れ上がった精霊の集合体)だったワケで――衝撃でも何でも無いと思う。まぁ、精霊以外にも色々見えたりするが――それは割愛しよう。要するに、俺には精霊使いの才能があるってことになる……。とはいえ、ちゃんとした訓練を受けたワケでなく、精霊に好かれやすい――くらいのモノでしかないが。元より、例えマトモな訓練をしたところで、俺の異能の影響で精霊使いの技能を完全に習得することは困難だったと思う。話が横道に逸れたな……つまり、俺は森の精霊……とでも言えば良いのかな、彼らに自分の魔力を分け与えて、失われた自然を再生して貰ったワケだ。正確には超が付くくらいの成長促進なんだが……それはこの際どちらでも良いだろう。と、蛇足はこのくらいにして。「お邪魔します――って、ベルガーさんは?」「お父さんは――修業にいくって言って……」えっ、何その超展開?理由を聞いたが、カレンには分からないらしい――。ただ、最近鈍った身体の感覚を取り戻す為に、闘技場に行っていたらしいのだが――。「しかし、なんでまた急に?」「それは……私にも分かりません――お父さん、無理していなければいいけど……」――これは駄目だな。当初、カレンとだけアレをシテなく、しかも他の皆とイタシテいたことを、これまたカレンだけ知らないという状況で――オマケに何やら直感にキュピーンと来たので、慌ててバーンシュタイン城を飛び出して来た……。ぶっちゃけ、仕事もないからカレンともイチャイチャしようかなぁ――というカスの様な考えで来たワケだったりするが――。――そういう雰囲気じゃあ……無いよなぁ。ある意味では、ベルガーさんが居ないのは幸運だが――って、また下種な思考を……。俺は、溜め息を吐いて頭を抱える……ったく、何様だよ俺は――さっき、カレンのお咎めが無かったからって、調子に乗ってるのかぁ……?……いや、違う。俺自身、そういう気が薄れてきているから――だろうな。「シオンさん……?ど、どうしたんですか……?」「ん?あぁいや、何でも無いよ」そう答えながら、俺は別のことを考えていた。もし――リヒターがアイツ……国枝 国彦だったとしたら。『国枝 国彦』俺が前世――海道 凌治だったときの――親友……いや、悪友か?学生時代、『沙紀』を失い廃人同然だった俺は、催眠治療を受けて記憶を封じた。それでも失意のドン底に居た俺は、ワケの分からない空虚感と、絶望感を抱き――それらが何処から来る感情か理解出来ず、只々苛立ちを募らせて反社会的な行為を行った。ぶっちゃけ、グレたワケだな。そんな俺だったが、両親や弟……周りの人々のお蔭で、卒業する頃にはなんとか立ち直ることが出来た。代わりに、とんでもない無気力(グータラ)症になっちまったが――。で、そのままサラリーマンになったワケだな。アレだ……初期の某新聞社社員と、某社特命係長通常バージョンを足して2で割ったグータラ社員っぷりと言えば、分かりやすいか?当事の口癖が『かったりぃなぁ……』だったことから推して知るべし――である。……よくクビにならなかったな、俺。で、そんなリーマン時代に知り合ったのが国彦だったワケだ。『よおよお、海道だったよな?俺は国枝 国彦ってんだ。宜しくなっ』グータラしていた(けど、仕事はノルマギリギリでこなしていた)俺に、そう言って話し掛けてきたアイツは、自然体で俺に接してきた。『リョウちーん、金貸してくれよぉ……すぐに返すからさぁ〜♪』『またかよ……なんでそんなに毎回金欠なんだよお前――』『いやぁ、欲しいタイトルが重なっちゃってさぁ♪つい衝動買いを――』『またゲームか――俺もやらないワケじゃないが――恋愛シミュレーションだったか?――所詮ゲームだろうに……面白いのか?』『おのれリア充めが……お前は俺を怒らせた――良いだろう、ならばこれを貸してやる!この俺の寛大さに咽び泣くが良い!』『……ダ・○ーポ?何故音楽用語?つか、リア充ってなんだよ?』『絶望したっ!主人公気質な鈍感野郎に絶望したぁっ!!……ちなみに、リア充ってのはリアルに充実してる奴って意味の――』……俺のヲタ知識はコイツからもたらされたモノであることは、疑いようがない事実。幸い、ゲームは嫌いじゃなかったからな……。アイツの策略にまんまと嵌められたのは、些か遺憾ではあったが……。ダチらしいダチが居なかった『俺』の、親友……いや、やっぱりコイツの場合は悪友だな……うん。『……グローランサー?今時PSかよ……』『ククク……PSだからと侮るなかれ!今までに数多くのシリーズが出ているが……ストーリー、システム面共に歴代最高傑作と信じて疑われない……それがグローランサー無印なのだぁっ!!――ちなみに、PSPでリメイクバージョンが出ているが……どうせ主題歌を変えるなら新規でオープニング作れよと、小一時間問い詰めたい……せっかくゆかりん起用した新キャラなのに、オープニングムービーに新キャラ居ないとか、神作に胡座をかいたか製作スタッフ……まあ、リシャール救済エンドを作った心意気は買うが……』『で、お前が奨める以上、恋愛要素有り――と……つか、もしかしてラングのキャラデザの人と同じか?コレ……』『そう……その通りっ!!と、嵐を呼ぶ旋風児の様に断言する俺……フッ、イカすぜ……』『いや、幾ら真似ても似てないからな?イカしてもいないし――後、俺は同じ中の人なら勇者王の方が好きだ』『お前の指摘する通り、コレには恋愛要素があるっ!!まぁ、男との友情endなんてのもあるが……そして、キャラデザも同じ人……つーか、ラング時代のスタッフそのままだったりだが――』『いや、聞けよ人の話を』『まぁ、出てくる女性陣は全員俺の嫁だがなっ!!ナーハッハッハッ!!』『……駄目だコイツ早く何とかしないと……』……まぁ、無茶苦茶だったが、楽しかったな。アイツと一緒だと飽きるということが無かったし、散々振り回されたのも良い思い出だ………コミケとかコミケとかコミケとか。……って、何でカレンの家に来てまで野郎のことなんか考えてるのかね俺は……。「あの人たちの……ことですか?」「……まぁ、な」時間にして数秒程度だったんだが、それでもカレンに勘繰られる程度には思考に耽っていたらしいな……。「あの人……リヒターさんは、悪い人には見えませんでした」「そうか――」それに関しては俺も同意見だった為、頷いて肯定を示した。「けど……あのルインという人は……恐い、です」恐い……カレンは確かにそう言った。それは非常に的を射た言葉だと思う。――人は、あそこまで邪気に満ちた瞳で、他者を弄ぶことが出来るのだろうか……?あんなにも歪に歪むモノなのだろうか……?「あんなに濁った眼を……私、見たことなくて……」「カレン……」……カレンの言葉は正しい。俺も、今まであんなに歪んだ眼をした奴は見たことが無い。今までに、色んな奴を見て来たが――例えどんなクズ野郎でも、あそこまで濁った眼をした奴は居なかった――。それは大なり小なり、正しいとか間違っているとか関係無く、ソイツが信念を抱えていたからだ。だが、奴にはソレが無い――。ドブ川が腐った様な眼……いや、それ以上だ。強いて言うなら、悪意を圧縮したヘドロの様な何かを、より強く凝固したナニカ……とでも言えば良いのか。あるのは何処までも歪な悪意と、邪気にまみれた愉悦だけ――。「私……わた、し……」「カレン」「あっ……」奴の狂気に触れたことを思い出したからか、恐怖で震えるカレンを俺は抱き締めた。すると、カレンの震えはスーッと消えていく……。ホッとしたように、身体の力を抜いて俺にその身を委ねてきた……。「――私、恐いんです……あの人が、みんなを……貴方を奪って行く気がして……」「いつだかの夢の話か?心配しなくても――「心配します!!」――む……」「心配……します……貴方は、私たちのことばかり心配してくれますけど――貴方自身のことは二の次、三の次……心配しないわけ……無いじゃないですか……」否定は……出来ないな。自分をないがしろにしているつもりは無い――だが、自身の優先順位が低いのは確かだ。分かってはいるんだが――自愛が足りないってのは――。とは言え、これは昔からのクセみたいなモノだし……チート転生をして、その辺の感覚が鈍ったってのもあるかもしれないケドな――。「心配するなよ――俺はあんな奴にどうこうされるつもりは無いし、カレン達も必ず守ってみせるさ」幾ら自身の優先順位が低かろうが、ソレが彼女を悲しませるというのなら――俺は命をないがしろには、絶対しない……いや、出来ないのだから。「でも……」「本当にカレンは心配性だなぁ……」俺はカレンを抱き締める力を強める。「シオン、さん……」「なぁ、カレン?俺が約束を破ったことがあったか?」そう尋ねる俺に対して、カレンは首を横に振ることで答えとした。――実際にカレンに対しては、約束らしい約束を破ったことが無い。だから、俺は自信を持って告げた。「約束する、俺はカレンを悲しませない――例えどんな障害があろうと、必ず生還してみせる――皆も死なせないし、俺も死なない――絶対だ」それは贅沢な望みだ――そう上手く行くワケが無いってのは、理解している。現実はそんなに甘くない……幾ら俺自身の運がご都合的に良いとしても、だ。100%なんて、現実の事柄ではあり得ない――だが、自身を研鑽し、思考を巡らせることで、それを100%に近付けていくことは出来る――。言うなれば、これは『誓約』だ。自分自身を奮い起たせるための――約束を違えないための誓約。「……信じます。貴方の言葉を」カレンはそう言ってくれた。それは絶対的な信頼の証――それを裏切るワケには――いかない。「ああ、信じてくれ。なんなら、この前みたいに指切りするか?」俺は自身の小指をカレンの眼前に掲げる。それを見て、カレンはクスリと笑いながらも、ソレに応じた。「指切りげんまん――」その絡めたられた小指は、細くしなやかで――暖かくて。「嘘ついたら針千本のーます――」その暖かさが、否応なしに伝えてくれる――守るべき者の尊さを。「「ゆーびきったっ!!」」スッと離した小指に、若干の寂しさを感じながらも――腕の中の温もりは確かに存在する。だから――俺はカレンに言った。「これで、心配無し……だよな?」ニカッ!と、笑みを浮かべて言う俺に対してカレンは――。ふるふる――。首を横に振って答えた――って、ほわい?「ゆ、指切りだけじゃ……足らないです」「え、え〜っと……」まぁ、カレンの言いたいことは……分かる。カレンの顔……真っ赤だし。凄く、しがみつく感じだし。――幾ら俺が鈍感泥付き人参だとしても、好き合った相手の機敏くらい理解出来る。――まあ、なんだ。さっきの『やる気が無くなってきた宣言』は撤回させて貰おう。ぶっちゃけ、恥じらい100%なカレンを見てたら――みなぎってきた。「――じゃあ、何が欲しい?」「貴方の――ぬくもりが欲しい、です……」「それは、こうして抱き締めてるだけじゃ駄目なのか?」俺は白々しくもカレンに問いながら、包み込む様に、少し強めに抱き締めた。カレンはただ優しく抱き締められるよりも、強く抱き締められる方が好みらしい。その方が、自分が強く求められていると実感するから……だとか――。「あ、んっ……もっと、もっと欲しいんです――もっと貴方を感じたいんです……ダメ、ですか?」「――分かってるだろ?俺の心臓、バックンバックン言ってるのが」カレンは更にギュッと抱き付き、俺を求めてくれた――。ならば、自分が格好つける理由は存在せず、俺は自身の胸の高鳴りを吐露した。「俺もカレンが欲しい……もっとカレンを感じたい――ソレが素直な気持ちだ」「……もう、みんなと一杯――していたのに?」「ソレとコレは話が別だ」「……ずっと、本当にずっと待ってたんですよ……?なのに貴方は、こっちのアプローチに気付きもしませんでしたし……気付いてからも、ずっとお預け状態でした――」「……それについては、弁解の余地も無いな」俺達は互いに問答を交わす。それは互いの高ぶりを静めるためか――否、互いの熱さを確認する為だ。互いの高ぶりを、熱さを、想いを再認識した――だから。「だから、待たせた分を取り戻させて欲しい――ダメか?」「ダメなわけ……ないです、嬉しい――です、本当に――嬉しいです……っ」抱き付く力を強めるカレン――歓喜に震え、涙を流しているのが、湿る胸元を通して伝わってくる――。……そこまで喜ばれると、逆に申し訳なく思ってしまうな。けれど、俺は自分を卑下しない……この場この時に限っては、何処までも自惚れることにした。「良かった……それじゃ、存分に感じてくれ。そして、目一杯カレンを感じさせて欲しい――」「はい、シオンさ――んっ……」俺は、カレンは、待ちきれないとばかりにお互い口付けを交わした。「んむ……ちゅ、んちゅ……」舌をカレンの口内に割り込ませる――カレンはぴくりと身体を震わせたが、すんなりと受け入れてくれた。「ちゅる、ちゅぷ……ねちゅ、くちゅ――ふあぁ……っ」互いに舌を絡め、吸い付き、唾液を貪る――それが甘露である様に……実際、俺には堪らなく甘露なワケだが……カレンはどうだろう?ふと気になった俺は、ふやける様な快感を与えてくれるカレンの口内から名残を惜しみつつ、ゆっくりと唇を離した……。「はぁ……はふ……あふぁ……♪」――聞くまでも無いかも知れないな。凄くふやけきった笑顔――ぶっちゃけエロい表情を浮かべているカレンの顔を見れば、な。多分、これは俺以上に――。「キス……きもちいい……それに、シオンさんの唾液も……すごく……おいしぃ……♪」……まぁ、以前にディープなキッスをした時も、再起不能一歩手前くらいにふやけたカレンだが――何か色々吹っ切れたらしい。身体に力が入らない程、キスを感じているのは変わらないが――なんつーか、求め方が貪欲な気がする。いや、素直になったと言えば良いのか?まぁ、何だ――つまり辛抱堪らないっつーワケで――。「カレン――」「あっ……」出来るだけ、優しくしようと……麻痺していく理性の中で決めた――。――どれだけ遵守出来るか怪しかったが。***********で――カレンの部屋なワケで。「結局、無茶させちまうんだよなぁ――」我ながら自分の暴走っぷりには呆れ果てるしかないな……。先程の決意は何だったのかと、小一時間問い詰めたい――。「すー……すー……」「なのに、こんなに満ち足りた表情してんだもんなぁ……本当、男冥利に尽きるよな」カレンの幸せそうな寝顔を見て、ほっこりした気分になる。――今のカレンの全身像を見たら、モッコリしちまうケドなっ!!……親父ギャグですねすみません。まぁ、状況は察してくれ。「しっかし……下手くそだとは思わないが、ついこの前までチェリー君だった俺が、カレンをあんなに乱れさせたなんて……何か、変なフェロモンでも発してるんじゃないか――俺?」……あながち、無いとも言えないのが恐ろしい。俺自身、自分の能力については全てを把握しているワケじゃないからなぁ……。「まぁ――良いか」結果的に、痛い思いを少なくさせているのだから。寧ろ喜ばしいことだよな――。「っと、もうこんな時間か……我ながら、なんという――」グランシルに来た時は昼近くだったのに、外から降り注ぐ光は既にオレンジ色だ。つまり、それだけアレしていたってワケなんだが――。「本当に……猿だな」いや、猿もこんな長時間アレしたりしないか……。無理を言ってバーンシュタインを飛び出して来たからなぁ……。本当なら、直ぐにでも帰らなきゃあいけないんだが――。「――ほっとけないよなぁ……やっぱ」健やかな寝息をたてるカレンを見て、俺は今日は此処に残る決意を固めた。――本当、ナイツとして相応しく無い所業だと思うが。カレンが寂しい思いをしていたってのを、これでもかっ!というくらい理解してしまったから。せめて今日1日くらいは――な?「思い立ったら即吉日――ってな」俺は転移の腕輪(EX)を取り出し、同じ腕輪を持つ者――ジュリアへとその旨を伝えることにした。結果、上手く誤魔化してくれるという話になった――。今度、何か礼をしなきゃな――。***********「うぅ、ん……?」私は、寝てしまったんですか……?「……って!?わわわ、私、はだ、はだ、裸――っ!!?」な、何で――あっ……。そうだ――私、シオンさんと――。―――ボフンッ。「はうぅぅ……お、思い出しちゃった……」ダメ……恥ずかしくて死んじゃいそう……。でも――うふふっ♪顔がゆるんじゃう――。思ってたより痛くなかったし――それどころか……。「ーーーっ!!」ヤダヤダ、私ったらっ!?でも――フフフッ……♪「まだ、残ってる――」シオンさんの――感覚が……。「っ、そういえばシオンさんは――」もしかして、もう帰ってしまったんじゃ……?それも、仕方ないんでしょうね……シオンさんは、本来忙しい人なんですから――。ガチャ。「カレン、起きたか――って……」「あっ……」シオン――さん?バタンッ!!「わ、悪ぃ……ノックくらいするんだったな……」「い、いえっ、そんな……」私がその――こんな格好だから、シオンさんは慌てて開いた扉を閉めました。――昨日は、もっと隅々まで見られたかと思うと――あぅ……。「あ、あの――入っても、良いです、よ?」って、何を言ってるの私〜〜!?「い、いや、そんなことしたら絶っっ対に!抑えが効かないから――今は止めとく。そ、それよか、夕飯の支度が出来たから呼びに来たんだ」抑えが効かないなんて――抑えなくても、良いんですよ……?な、なんて、やっぱり私ってば、おかしくなってるのかしら?こんな、まるで誘う様な考え方……。「って、お夕飯……ですか?」***********ヤバかった……。物凄くヤバかった……。あのままだったら、ルパンダイブを敢行してても可笑しくない状況だった……。?もっと色々やってたくせにヤバいもクソも無いだろう……って?それはアレだ……前にも言ったと思うが、ぐでんぐでんに酔っ払った翌日に、一緒に飲んだ奴と素面で遭遇したような……そんな感覚に近いんだよ。ぐでんぐでんに酔っ払ったことが無いから、正確には違うのかも知れないケド。あの時は何か色々とスイッチ入った状態だったから、テンションが色々変だったが、普段からあのテンションで居るワケ無いだろJK?……って、俺は誰に言ってるんだか……。内心で言い訳してたら色々オシマイな気がするなぁ……。まぁ、それはともかく。あの後、カレンが着替えるのを待ってから居間に向かった。……カレンは何処か歩き辛そうにしていたが、敢えて触れないのも気遣いって奴だろう。「勝手知ったる何とやら――ってね。カレンが寝てる間に用意させて貰った」テーブルの上に用意した料理は、いわゆる家庭料理って奴で、和洋折衷当たり前な仕様の物だ。まぁ、和洋折衷とは言っても――正確には『向こう』と料理の名前が違ったり、材料が違ったりと、些細な差はあるが――そこは割愛させてもらう。「ありがとうございます……けど――起こして頂けたら手伝いましたよ?」「――あまりに幸せそうに寝てるから、起こすに起こせなかったんだよ……」礼を言いつつも、起こしてくれたら良かったのに……と、苦笑……というより困った様な照れ笑いを浮かべるカレン。俺も、カレンと一緒に料理をするのも悪くないかな……とは思ったんだが――あの幸せそうな寝顔を見てたら、とてもじゃないが俺には起こせんよ。「そ、そうですか――それじゃあ仕方ありません、ね……」そう言って、照れてほんのりピンクに染まっていたカレンの顔は、ゆっくりと赤くなっていった――。――抱き締めてよかですか?……と、いかんいかん――抑えろ俺。せっかく作った飯が冷めちまうだろうがっ。「さて、冷めない内に食べようぜ?」「は、はいっ!」***********それから――この日の夕食は、簡単な世間話や料理の感想等、他愛の無い話をしながら緩やかに時間が過ぎていった。「ごちそうさまでした。なんだか、久しぶりにシオンさんの手料理を食べた気がします」「お粗末様。まぁ、なんだかんだで皆で居る時はゼノスが作っていたし――」皆で一緒に居た頃の料理は、我らがゼノっさんの独壇場だったからなぁ――。勿論、俺を含め皆で手伝ったりはしたが、俺単独での料理――なんて、滅多に無かったな。それこそ、ゼノスが出稼ぎに行ってた時くらいか?「率先して作る必要が無かったとも言う――いつも張り切っていたからなぁ……ゼノスは」「ふふっ、そうですね。兄さんは料理を作るのが趣味ですから――」まぁ、だからと言ってあのエプロンはどうかと思うのだが――アレは野郎が着けるモノでは無いっ。――もう慣れたケドなっ!「……こうして、誰かとゆっくり過ごすのも――久しぶりな気がします」「――かもな」カレンもそうだが、俺もゆっくりマターリした時間が、無かったワケじゃないが。ただ、それを実感出来る時間が少なかっただけで――。いや、カレンが言いたいことはちょっと違うのかも知れない――。「あの時は、カレンと俺と、ラルフにゼノスも一緒で――まぁ、賑やかではあったな」以前、俺とラルフがグランシルに滞在していた時のこと――。あの時の日々は、恐らくカレンにとっては掛け換えの無い大切な時間だった筈。勿論、その後の仲間と過ごした時間や、再会した父親との時間がソレに劣る――なんて、言うつもりは無い。俺だって、故郷で過ごした時間も、仲間と過ごした時間も、どちらも大切なんだってことに変わりは無い。「そうですね――ラルフさんが居て、兄さんが居て――あの時は本当に楽しかったです」ただ、カレンにとっては――あの時の日々が、一番安らげた日々だったのだろう――と、俺は思う。「けれど、何より……貴方が居てくれたから、私は安心出来たんだと思います」「なはは、そう面と向かって言われると、何か照れ臭いものがあるなぁ……」軽く頬を掻きながら、若干照れ臭く感じる俺。「本当ですよ?――前に言いましたよね?私は、永遠の片思いをしていた――って」「――あぁ、そんなこともあったな」当時はまだ、アイツの事故を吹っ切れていなかったから、『告白されたらその時の記憶が吹っ飛ぶぜ症候群』に苛まれていたんだよな。「今だから白状しますけど、実はその片思いの相手って……ゼノス兄さんだったんです」「そうか――まぁ、何となくそんな気はしていたケドな」「気付いて、いたんですか?」「まぁ、何となく――だけどな」ぶっちゃけ、原作知識があったから――なんだがな。正直、この知識が無かったら仲の良い兄妹にしか見えなかったかも知れないし――。「……人のことに関しては鋭いのに、自分のことだと酷く鈍感になるんですね――シオンさんって」「……面目ない、としか言えないな」正確には、カレンが俺に向けていた気持ちには、何とな〜く気付いていた節もあるんだが……。それが確信に変わる前に例の症候群が発動してたからな……。ジュリアやリビエラの時も同様だ。過程はどうあれ、結果としてカレン達の気持ちに気付けなかったのは事実。故に、鈍感男の汚名も甘んじて受けるさ。「――でも、そんな貴方がいなかったら、私は本当に永遠の片思いのままだった……かも、知れないですから――」「そうか?そう言ってくれたなら男冥利に尽きるってモノだが――」実際、カレンの様な良い女を、世の男共が放っておくことなど有り得ないと思う――。まぁ、先ずはカレンの『優しいお兄さん』をどうにかするのが最前提だけどなっ!いや〜、勘違いから勝負を挑まれたのも、今じゃあ良い思い出……なのか?「私、本当に幸せです。幸せ過ぎて、怖いくらい……」「――あぁ、俺もだ」本当に、そうだ――幸せ過ぎて……怖い。俺は三国一の幸せ者だって、胸を張って言える半面――いつかその幸せが、崩れてしまうんじゃないかって、不安になる。けれど――。「けれど、そんな怖さなんて――吹っ飛ぶくらいにハッピーになれば良いだけさ!」「シオン、さん――」「幸せにする――皆を、俺自身も。それくらいは、やってみせるさ。な?」「――はいっ」それは至極普通で、簡単で、難しいこと――。だけど、やり遂げる――それが誓いで、約束なのだから――。***********この後、他愛の無い会話をした後に就寝した。……まぁ、寝る前に――な?敢えて語るまい――。つか、我が事ながらry――。なのでTPOを弁える意味で、夜は一気にすっ飛ばして翌日――。***********「えっ、シオンさんの家に……ですか?」「ああ、戦勝祝賀会まで残り1日を切ったし、カレンさえ良ければ――な」二人で朝食を摂りながら、今日の予定について話し合う。俺はカレンを我が家に招待しようと誘った。戦勝祝賀会も明日に迫ったので、カレンの移動の手間を省こうという意味合いがある。ゲームだと何分も掛からないが、実際にグランシルからバーンシュタインまで徒歩だと、少なく見積もっても二、三日は掛かるからな。強行軍なら1日掛からないが。まぁ、各国を繋ぐバスの様な役割の馬車が、あるにはあるが――。その乗車賃が、一般の人に軽く手が届く金額かどうか位――察しが付くだろう?きっとカレンのことだから、無理してでも来るつもりだったのだろうが――。「わ、私は問題ないですけど――シオンさんがご迷惑なんじゃあ……?」「迷惑だったら誘ったりしないさ。ウチの家族も、きっと喜ぶと思うぜ?」そう、ウチの家族は間違いなく喜んでくれる――色々ブッ飛んでるからな――主にウチの母上が。「そ、そうですか……それじゃ、お言葉に甘えても――構いませんか?」「あぁ、幾らでも甘えてくれって!」こうして、カレンをバーンシュタインの我が家に招待することと相成った。先程、カレンを誘ったのは、戦勝祝賀会も明日に迫ったので、カレンの移動の手間を省こうという意味合いがある。――と言ったが、確かにそれも本音だ。だけど、本来の意図はまた別――ぶっちゃけ、カレンを守るためだ。もし仮に、俺だけがバーンシュタインに帰国した場合――奴が、ルインが動き出す可能性がある。あの野郎のことだ――俺が居なくなったのを見計らって、カレンを拐うくらいのことを企んでいたとしても、何ら可笑しくはない。とは言え、恐らくその可能性はほぼ無いのではないか?とも、思っているのだが。というのも、奴の思考――考え方が何となく理解出来てきたからだ。……あまり理解はしたく無かったが。奴は超が付くくらいのエンターテイナー気取りで、猟奇的なまでの快楽主義者。今回、手下を使ってカレンを拐いに来たらしいが――言い換えるならそれは、自身が赴く様な重要案件では無かったってことだ。奴には奴なりの美学が有り、それに従って行動している様に思える。その美学自体、とても理解出来ないが――。今回、カレンを拐いに来たのは――言うなれば『ついで』だったのだろう。拐うことが出来れば、それはそれで良し――出来なければ、それはそれで良し。――奴らが水面下で、何かを企んでいるのは間違い無い。そして、それは明日の戦勝祝賀会の日に始まる――。それは予感では無く確信。奴らの――いや、奴の今までの行動パターン、言動から考えて、判断したからだ。奴は、何かを仕出かそうとしている。それが何かは分からないが、何度も奴と対峙した俺だからこそ分かることがある――。あの野郎は――誰かの下に付く様な殊勝な奴じゃあ無い。ヴェンツェルに従っているのにも、奴なりの理由がある筈――。っと、長くなっちまったが――つまり俺が言いたいのは、あの野郎に対して警戒し過ぎってことは無い――ってことだ。リヒターのこともあるし、頭が痛くなるねぇ――本当。けれど、もう――失わないって決めたから。俺は――……。***********――バーンシュタイン城・シオンの執務室――で。準備を終えたカレンを連れて、一旦家に戻った俺はカレンを家族達に紹介し、カレンを任せてこうして仕事にやってきたワケだ。「事情はジュリアから聞いたわ。まぁ、色々とツッコミたいことはあるけど……それは置いておくわね」執務室で待っていたのはリビエラ。色々と聞きたそうにしていたが、そこはグッと堪えた。ある程度はジュリアから聞いているらしいが……。「まぁ、休んだ分は取り返させて貰うさ――で、今日の予定はどうなってる?」「ええ、今日の予定は――」こうして俺は束の間の日常を終えた。また、こうして日常を謳歌出来る様に、今日も頑張っていきましょうかね――。***********――戦勝祝賀会を明日に控えたバーンシュタイン王国。ワーカーホリックと化したシオンによって、仕事が激減したとは言え――流石に一大イベントが控えているならば、その限りでは無い。では、シオン・ウォルフマイヤーの仕事風景をダイジェスト気味に追ってみたいと思う。***********case1・前日会議。「では、会場内の警備に関してはシオンの蒼天騎士団に一任したいと思う」「無論、兵も配置に着ける――我々も陛下の護衛として祝賀会に参加することにはなるが――」「いざ、という時に騎士団としては少数精鋭の蒼天騎士団が居てくれた方が、こちらとしてもやり易いからね」上からアーネスト・ライエル、ポール・スターク、オスカー・リーヴス――各インペリアル・ナイトのコメントである。重臣が集まり、明日の予定を話し合う。その中で決まったことの一つが、会場内の警備担当として蒼天騎士団が選ばれたこと。新人インペリアル・ナイトが率いる、新設の騎士団――。それが会場内の護衛をすることに、反感を覚える者も少なくなかったが、先日行われた第8師団第2部隊との模擬戦の噂が広がり、結果として蒼天騎士団の実力は多くの関係者に知れ渡ることになった。シオン本人に対しては、言わずもがな――である。故に、表立って反対する者は殆ど居なかった。尚、会議に出席した重臣の中には、件の模擬戦を仕掛けてきた将軍の父親も居り、苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべていたのを明記しておく。「まぁ、確かに少数ではあるな。今回はそれが利点になってるワケだが」(とは言え、エリック辺りは周囲の哨戒をさせた方が良いんだけどなぁ――)小数であることを認め、またその利点を確認するシオンだが――こと、モンスター使いである蒼天騎士団員――エリック・ウェルキンスに限っては、その能力がフルに活かされる屋外任務の方が本来は望ましい。とは言え、他の将軍が率いる騎士団は、ハッキリ言って大所帯だ。それでも、インペリアル・ナイトが率いる直轄部隊は、比較的数が少なめではあるが――。それでも、ライエルやリーヴス、ジュリアたちの様に――ナイツになってから一定以上の時間が経っている者たちは、最低でも数百人単位の人数の直轄騎士団を率いている。会場内の警備には不向きだ――人員を選抜すれば良いだけの話しではあるが、彼等はいざというときの控えとして、バーンシュタイン各地の警護にあたっている。無論、王城内や城下町の警備にも割り当てられているが――。ならばポールはどうか?ポールもシオン同様、新人インペリアル・ナイトであり、騎士団員もシオン程では無いが少人数だ。だが、ポールの直轄騎士団もまた、各地の警護に回っている。それだけ、敵の動きが神出鬼没であるということだが――。(『原作』程では無いにせよ、国内を二分する戦争をやらかしたんだ――兵力不足は否めないよな……)故に、原作においてバーンシュタインはとある傭兵団を頼ることになるのだが――それは置いておく。とにもかくにも、当日の兵の配置や担当等、煮詰められる案件を煮詰めていった。***********case2・段取りそれからしばらくして――。バーンシュタイン錬兵場にて。「と、言うワケで……パーティー会場内の警備を俺らが行うことになった。役割分担はさっき話した通りだ――何か質問はあるか?」シオンは蒼天騎士団を召集、会議で決まった案件を団員に説明していた。「先生っ!今の話から察するに――俺らもパーティーに参加する形になるわけっスか!?」「誰が先生か。まぁ、そういうことになるな」シオンの問いに、元気よく手を上げて質問するのはニール・アスタード。蒼天騎士団の特攻隊長を自称する、正義感の強い若者だ。ニールの問いにツッコミを入れつつ、シオンは答えた。「つまり――ご馳走食い放題ってワケですね!?いぃよぉっしゃあ!!」ガッツポーズをとって喜んでいるのは、ビリー・グレイズ。最近、意外に倹約家だと判明した勢いのある青年だ。「ど、どうしよう!?パーティーに着て行ける服なんて、持ってないよ私!?」「い、いや……僕らはあくまで護衛ですから、普通に制服で良いんじゃないでしょうか?」一人パニクッている少女が、レノア・ウィルバー。それを苦笑いしながらツッコミを入れているのが、マクシミリアン・シュナイダーである。「気を抜いてんじゃねぇぞテメエらっ!!将軍の説明を聞いてなかったのかぁ!?」「そうそう。はしゃぐ気持ちも分からないでも無いが、あくまでもお仕事だからな――コレは」と、そんなメンバーに喝を入れたのが――蒼天騎士団団長、オズワルドと――その豊富な経験から副団長ポジションに居る、バルク・ディオニースの二人だ。ちなみにバルクは、パーティーで飲み食いする気満々である。「わかっている。ヴェンツェルとかいうジジイの襲撃があるかも知れない――と言うのだろう?むしろ望むところだ」「だけど、俺は襲撃が無いなら無い方が良いと思うけど――」「ふん……臆病者の負け犬は引っ込んでいろ」「な……なんだと!?」と、意見の不一致から言い争いを始めたのが、レノアの弟であるラッセル・ウィルバーと、かつては名声を馳せたが、とある理由で廃れていった貴族――クルーズ家の血筋である、ウェイン・クルーズだ。「俺のことを負け犬って呼ぶけど、それを言ったらお前だって負け犬じゃないか。今までシオン将軍やオズワルド団長と模擬戦をして、全然手も足も出なかっただろ?」「あの二人は俺より強い――それは事実だからな。故に、今は力を蓄えてるに過ぎん」「――この間のシオン将軍との模擬戦で、予想以上の奮闘をしたリビエラさんを見て、『実力を試してやる』とか言って返り討ちに遭ったのはどこの誰だっけな?」「………今は、力を蓄えてるに、過ぎん……」――この二人はこの二人で、それなりに上手くやっている様だ。ウェインが少し大人になった――のかも知れないが。「というわけで、みんな今日の訓練は軽く流す程度にして、ゆっくり身体を休めてね?当日に疲労や体調不良です――なんて言われたら目も当てられないからね?」「バッサリ言うわねぇ――だけど、そういうリビエラもしっかり休みなさいよ?」メンバーに釘を刺したのが、シオンの副官であるリビエラ・マリウス。そのリビエラに釘を刺し返しているのが、エレーナ・リステル。どちらもタイプは違うが、凄い美人である。「まぁ、そんなワケで今日は軽く流して、各自明日に備えてくれ。んじゃ、今日の訓練始めっぞ!」「「「了解っ!!!」」」***********case3・明日に備えてその後、軽く訓練を終えたメンバーは解散、それぞれ明日に備えることになる。「いよいよ明日ですかぁ……頑張って下さいね、マスター!」「……うん、がんばる」「本当は私もマスターと一緒に行きたいんですけど……うぅ……ひ弱な自分が恨めしいですぅ……」「……大丈夫、また……一緒に出掛けられるように……なるから……」(あの人は……信じろって言った……真っ直ぐに……だから、信じる)ある主従は、来るべき未来に思いを馳せて。***********『クアアァァ――』「あぁ、お前は外で見廻りを、俺は将軍たちと城内の守りを――何、それを着けてれば他の兵に誤って攻撃されることも無いだろう」『ゴアアァ……』「ふっ、確かにな――よもや将軍がお前の制服も用意していたとはな――相変わらず用意周到な奴だよな?正確には制服じゃなくて鎧だが――どうだ、違和感ないか?」『グワッ!』「ああ、頼りにしてるぞ……相棒!」(仲間……か。良いものだな――仲間のためにも、明日は気を引き締めていかないとな――)あるコンビは、互いに明日に向けて気合いを込めて――。そして――。***********「セェェェイッ!!!」シュバアァッ!!!「明日――か」(いよいよ明日、『物語』が再び動き出す――俺や、恐らくアイツらのせいで随分と歪んじまったが――)「絶対に勝ち取ってやる――運命って奴を」(勝って、お前との約束を――『幸せになる』ってことを、果たすぜ――なぁ、沙紀)彼は巨大な満月の月光に照らされ、一人剣舞を舞い――かつての幼なじみを月に見て、その誓いを掲げる。幾多の思惑が交差する中――いよいよ、戦勝祝賀会が明日へと迫っていった。***********人は語る――平和の唄を。人は語る――日常の尊さを。されど、それは一時の淡雪のごとく。――再び時代は混迷の渦に巻き込まれる。絶望を撒き散らす者――希望を掴もうとする者――。2つがぶつかり合うのは必定だった。されど今は、平和の凱歌を高らかに――。次回『光と闇』***********あとがきえ〜、仕事やら何やらで色々遅れました。m(__)m次回から、もう少し更新ペースも上がる――と、良いなあ……。(;¬_¬)もう少ししたら仕事も落ち着きそうなので、今年中にはグロラン編は終わらせたい――という野望が実現出来そうです。――本当は夏の内には終わらせたかったのですが……それどころでは無かったので。(-_-;)それでは、また次回にて。m(__)m