※文章量が少ないので2本立てです。***********俺は、再び世界を越えた……コレで何度目になるのか……。数え切れないくらいの回数の世界を越えて来た……。つまり、安住の地を未だに見付けられていない……ということだが。『MASTER……』ソレが俺の運命だと言うならば、甘んじて受け入れようと思う……ただ、眷属になってまで俺に付き従う道を選んでくれた、彼女達には……悪いと思っている。『MASTER……こんな格好までして……おいたわしいです……』「……そうか?まぁ、仕事だしな……」うん、現実逃避は辞めにしようか――。俺は今、とある姿をしている――。左右非対象の目が着いた白いマスク……額には『2』。真っ黒な全身タイツの様なそのスーツの胸部には、輝かしい程の『F』マーク。白いパンツと手袋、ブーツという出で立ち――。まるで、何処かの戦闘員の様な格好―――いや、様な、じゃあない――。正に、戦闘員なのだ――。「やあ、いらっしゃい。今日はよろしくね?」「はい、よろしくお願いしますヴァンプ様。キーッ!!」悪の組織……フロシャイム川崎支部、アルバイト戦闘員――通称2号。ソレが今の俺の役職である――。***********「――おい、今日の戦闘員……なんか違わねぇか?」「ククク……何を言い出すかと思えば……我々はコレから命を賭けた対決をするのだぞ?戦闘員などに気を取られていると、あっという間にやられてしまうぞ……?やってしまえアーマータイガーよ!!」「死ねぇ!!サンレッドォ!!デスラアァァァンスッ!!」サンレッドと呼ばれた、赤いヒーローマスクの様な物を着け、『主人公』と書かれたTシャツを着たその男は、俺を見て疑問に思ったらしいが、上司であるヴァンプさん(立場上、仕事中は様付けで呼ぶ)は……いかにもな悪役風な台詞を吐き、鎧を着けた虎男――アーマータイガーさんをけしかけた。――あぁ、無理だ。あのアーマータイガーさんも、相当強いみたいだが……。「オラァッ!!」ドバキャッ!!!「ぐぼぉふぅ!!?」あのサンレッドって奴の方が強い……。デスランスという技……というより武器の名前か……を、叫びながらその得物……槍を振り下ろしたアーマータイガーさんだったが、サンレッドはその槍を半身になって避け、その場で回転――勢いのまま裏拳一発で、文字通り叩きのめした。あれだ……龍玉の宇宙の帝王編の、野菜王子と宇宙の帝王くらいに差があるなぁ――。「ア、アーマータイガーくぅんっ!!?」思わずヴァンプさんは、素に戻って悲痛な叫びを上げる。どうやら、先程迄の雰囲気は『作っていた物』らしい。まぁ、普段の雰囲気が……何と言うか、主夫?だからな……。今、ヴァンプさんと一緒にアーマータイガーさんを介抱している戦闘員――1号さんいわく、近所の奥様方と仲が良いらしいし――。「テメェらは……人が質問してるってのに、問答無用で襲い掛かってきやがってよぉ……」ゴキリ……ゴキリ……と、拳を鳴らしながら近付いてくるサンレッド。――やむを得ないな……。俺はヴァンプさん達の前に踊り出て、サンレッドの前に立ち塞がった――。***********とりあえず、いつも通りヴァンプの所の怪人をボコッた俺は、これまたいつも通りにコイツらを正座させて、説教でもしてやろうと近付いた。というか、それぐらいしなきゃ腹の虫が治まらねぇ……。何しろ、今日は駅前のパチンコ屋で、『CR江戸の花嫁』シリーズを対象にしたイベントを朝一からやってたってのによぉ……。この馬鹿どもはコッチの都合も考えずに襲ってきやがって……今から行っても、新台の『CR江戸の花嫁3』には座れねぇだろうな……。2くらいなら座れるか?――いや、月一イベントだから無理か。あ〜……なんか余計に腹立つわぁ……やっぱ説教の前にもう少しボコるか……よし、そうしよう。そう決めた時、ソイツは割り込んで来た。「2号くん!?」ソイツはヴァンプの所の戦闘員2号……だが、いつもの奴と違う。戦闘員スーツの上からも分かる、鍛え貫かれた無駄の無い筋肉、見覚えの無い十字架を模したネックレス……そして何より、雰囲気が違う――。「あん?何だテメェは?」「正義の味方が弱い者虐めか?正直、見ていられないぜ……」「はぁ?お前らは悪の組織だろ?悪の組織を正義の味方(俺)が倒して何が悪い?つーか、連絡も無しに問答無用で襲い掛かって来たのはソッチだろうが……批難される謂れはねぇぞコラ」まぁ、倒すっつっても?コイツらを本当に倒すつもりは無いんだけどな。今の所は……。一応近所だし、かよ子の奴とも付き合いがあるし………悪い奴らじゃねぇからな。悪の組織のくせに。本当に悪の組織かコイツら……?って位にお人よしだからな……コイツらは。コイツら……弱くは無いんだが、俺が強すぎるからなぁ……俺のモチベーションが上がらねぇってのもあるし……。……先輩たち……アバシリンの二人なら、容赦無くぶっ殺すんだろうな……。……うわっ、思いっきり想像しちまったよ。「ふむ……まぁ、正論だな。命を狙われた以上、この程度で済ますのはむしろ甘いとも言えるし……」「だろ?何だお前、話が分かるじゃねぇか」アレだ……周りの反応が反応だから、俺の対応がおかしいのかと思ってたが……どうやら俺の対応は正常みたいだな。「とは言え、俺も雇われてる身だからな……雇い主を見捨てるとか出来ないんだわ……」「なら――どうするってんだよ?」「――決まってんだろ?」そう言うと、目の前の奴は拳を握り締め、それを眼前に掲げて言った――。「男なら―――ゲンコツで来い。まぁ、不安だったら武器を使っても良いケドな?」「……面白ぇ」俺は身震いした……ヒーローとしての直感が告げている……目の前に居る奴は――強い。初めて――初めて全力で戦えるかも知れない相手を前に、俺は高揚を隠し切れなかった……。「いくぞオラァッ!!」「甘ぇよ」!?いなされた……!?俺の拳が……っ!?「本気で来い……或いはこの身に届くかも知れんぞ?」「上等だぁ!!うおおぉぉぉぉっ!!!!」『MASTER……幾ら格好つけても、その格好で全て台なしですよぅ……』何か女の声が俺のレッドイヤーに聞こえた気がするが……関係ねぇっ!!俺は!!今っ!!燃えているっ!!!俺の身体を炎が包み込み……バトルスーツをその身に纏った。さぁ……第二ラウンドだぜっ!!!***********「…………」「…………」「…………」信じられない物を見ている。「く……くそがぁっ!!」「どうしたどうした?そんなパンチ――蝿が止まるぜ?ゼアッ!!」ドゴンッッ!!!「グハアァッ!!?」あのレッドが……今まで散々自分たちをボロクソにしてきたレッドが……逆に追い込まれてる……。今も2号(臨時アルバイト)に殴り飛ばされて、公園の塀に激突してる……。「ヴ、ヴァンプ様……あの2号、凄いですね……」「あの2号君……レッドの言う様にいつもと違うみたいっスけど……何者なんスか、ヴァンプ様?」俺とアーマータイガーさんが、ヴァンプ様に聞く――あの2号を採用したのは、ヴァンプ様だった筈だし……。「う、うん……皆も知ってると思うけど、今日の担当の2号君が急用で田舎に帰省してるのね?で、ちょうど都合悪く他の担当の子たちも、来れないらしくって……。で、今日のレッドさんとの対決に間に合わせないとって思って、本部に問い合わせたらちょうどアルバイト希望の子が居るって聞いてね?で、それならってことでその子をコッチに回して貰ったわけ」なるほど……それで彼を面接して、採用した――と。「でも、なんかイケそうですよね!俺、レッドがあんなに苦戦してるの初めて見ましたよ!」「自分もッス!希望が見えて来たッスよヴァンプ様!!ウッス!!」「そうだよね〜♪これは、このまま世界征服出来ちゃう勢いかも……あっ!?」ゴオォォォォッ!!!レ、レッドが炎の柱に包まれて……っ!?ズバッ!!!その中から現れたのは……レッド……なのか……?「サンレッド!究極形態!!ファイヤーバード・フォームッ!!!」巨大な炎の翼を噴出させて現れたのは、サンレッド……なんだろうけど、所々変化していた。金色のガントレット、プロテクター、スーツに刻まれたファイヤーパターン……挙げれば切りが無い。「あ、あれは……レッドさんのパワーアップ形態……ファイヤーバード・フォームッ!?」「ご存知なんですか、ヴァンプ様!!?」「以前、かよ子さんの家で押し入れの整理をしていたレッドさんが言ってたんだよ……レッドさんの究極戦闘フォーム……私も初めて見たケド……」要するに、ヒーロー物で中盤以降に登場するヒーローのパワーアップ形態と、同じような物らしい……それだけ、レッドが追い込まれているってことか……。「初めてだぜ……俺をここまで熱くさせた奴はな……」「フッ……そうかい。なら、見せて貰おうか?その究極形態の力とやらを……」「ああ、見せてやるよ……いくぞオラァッ!!」し、痺れる……今まで戦闘員やってて、こんなに痺れる展開は初めてだ……!!これが近所の公園じゃなく、ダムとか高層ビル群の近くとかなら最高のロケーションだったんだけど………そんな贅沢は言ってられないよな!「ヴァンプ様!応援しましょうよ!!」「そうだね!いまの私たちに出来るのって、それくらいだもんね!」「自分も応援するッス!!」俺とヴァンプ様とアーマータイガーさんは、お互いに見遣って――頷いた。「頑張れーっ!!2号ーっ!!」「頑張ってぇっ!!2号くぅんっ!!」「レッドをぶっ飛ばせ2号君ーっ!!!」***********なんか、凄く応援されているんだが――。正直、どっちが正義の味方なのか分からなくなる様な状況だな。つか、此処って普通の児童公園なワケで……サンレッドの奴、あんなに炎の羽を広げて――あぁ、遊具が溶け出してるし――。「とても正義の味方の所業には思えない件」「よそ見してんじゃ――ねぇっ!!」レッドが炎を纏った跳び蹴りを放ってくる。俺はソレを魔力を纏い、更に圧縮変換させた拳撃で迎撃する。「バーニングゥ……キィィィック!!」「暗黒魔闘術奥義……魔神裂光殺っ!!!」エネルギーとエネルギーのぶつかり合い……エネルギーが奔流となり吹き荒れ、強烈な光が互いを包んだ――。「ぐっ……があぁぁぁっ!!?」均衡を崩し、光から吹き飛んだのは――レッド。空高く吹き飛ばされ、あわや遥か彼方まで弾き飛ばされる所を、背中の炎の翼を逆噴射させ、ブレーキを掛けて近場のビル群に着地したのが見えた。――アレに耐えたか。手加減したとは言え、並の奴なら只じゃ済まなかったんだが――要するに只者じゃねぇ……ってことだな。俺はすかさず瞬転を発動、レッドの所に向かう。「アレに耐えるとは、ね?まぁ、見るからにボロボロだが」「……へっ、まだまだ……俺の太陽(コロナ)は……燃えてるぜ……っ!!」「強がりは止せ」「試して……みるかぁ……?」あちこちボロボロになりながら、未だ闘志を失わぬレッドは、やってきた俺を見据えながら、腰に下げた銃の様な物を取り出し――次の瞬間、ソレは巨大な大砲の様な物に変化した。ソレを肩に担ぎ、照準をコチラに合わせる。「充電率100%だ……これが、最後の勝負だぜっ!!」砲口に濃密なエネルギーが集中されていく――避けたり、撃つ前に止めるのはたやすいが――。「……無粋だな」俺は瞬時に呪文を紡ぎ、自身の中で上位に位置する砲撃魔法――『極光』を待機状態にする。「付き合ってやるよ、その悪あがきに……な」「へっ……後悔するな、よ……」互いにエネルギーを高め、ソレが――臨界に達したっ!!「行くぜぇっ!!」「――来いっ!」「コロナバス『あの、大変申し訳ないんですけど……』タ………あ?」正にクライマックス……って時に、我が相棒ディケイドが待ったを掛けた。「どうしたディケイド?」『大変……言いにくいのですが……MASTER、時間です』「マジ……?」ソレを指摘された俺は、携帯を取り出す。……マジみたいだな。俺は携帯を開き、電話を掛けた。「あっ、もしもし――ヴァンプ様ですか?……はい、はい……2号さんは……あっ、着いた?それじゃ、自分は定時通りにということで。はい、了解しました……はい――では、失礼します」ピッ。「と、まぁ――そういうワケなんで、スマンが今日は此処までだな」『実はMASTERは今日のシフトでは無かったんですけど、本来担当の人が急用の為、代理で入ってたんです。それで、その担当の人が戻るまでの時間、MASTERが急遽シフトに入ることになりまして』「で、時間になったんで一応ヴァンプ様に連絡してみたんだよ。そしたら、今日担当の2号さんが到着したらしくてな。間に合わなかったら残業で相手出来たんだが――悪いな」「……………」レッドは固まっている――まぁ、思いっきりKYだからなぁ……俺達。だが、現代日本で生きる以上――時間というのは守らなければいけないワケで――。『MASTER、次は定食屋の仕事です。急がないと――』「あぁ、そうだな。じゃあ、俺らは行くから」「…………」俺は消える様にその場を去った。尚、その後ヴァンプ様達はボロボロになったレッドと対決したらしいのだが………まぁ、手負いの獣ほど恐ろしいモノは無いってことだな。――全治数週間で入院したとか。ヴァンプ様いわく、「あの頃のレッドさんより恐かった……」らしい。あの頃というのが、どの頃なのかは知らないが。……何だかよく分からない罪悪感があったので、デパ地下の菓子を持って見舞いに行きました――どっとはらい。**********と、まぁ――ヴァンプ様達、フロシャイム川崎支部の面々や、レッドやかよ子さん……そして時々現れるヒーロー達による何処か平穏なドタバタ劇。それに巻き込まれる俺達――だが、こういうのも悪くない。ずっと、こんな時が続けば良い……本気で俺はそう思ったんだ。***********そんな俺達を襲ったのは――狂わされた転生者が率いる、異次元からの侵略者!!「この星は我々が戴く……我々『グレートショッカー』がなぁっ!!」狂わせた者は大幹部に扮する――かつて、あの世界に俺を招き寄せた男。「鳴滝……!」「遂に見付けたぞ……シオン。君を呼び寄せたのは私のミスだ。故に破壊者――ディケイドを継ぐ者よ――お前もまた、消えねばならないっ!!」敵は強大……だが、異次元からの侵略者を退けるために、正義と悪が手を組んだ!!「世界を征服するのは、我々フロシャイム!!――レッドさんを倒すのは私たちなんだっ!!あんな奴らに負けるワケには――いかないんだ!!」「最後まで悪の組織らしくないなテメェらは……まぁ良い、行くぞお前らぁっ!!」「「「「おおおおぉぉぉぉっ!!!!!」」」」次元を越え、集うは――かつての旅の仲間。「士、ユウスケ、大樹――それに夏美ちゃんまで」「俺たちだけじゃないぜ?」銀幕のカーテンから現れるのは、仮面ライダーの名を継ぐ者達――。「再会を喜ぶのは……後にしようじゃないか?」「今は――アイツらを片付けるのが先だなっ!!」「行きましょう!!今度こそ終わらせなくちゃ――!」そして、代行者である俺は……自身の眷属、仲間達と共に――狂わされた転生者と、妄執に囚われた調定者が率いる闇へと向かって行く。日本の、限定的な場所で行われていたドタバタ劇は――世界の存亡を巡る物へと変わっていく――。天体戦士サンレッド〜Double Cast〜with仮面ライダー〜公開未定〜***********あとがき色々ツッコミ処満載ですが、オールスルーの方向でm(__)mまぁ、某が書く物は全部ツッコミ処満載ですが……(;¬_¬)では次をどうぞm(__)m**********これは嘘予告である!主人公の状況、その他のネタバレ等を含む、もしもの話である!!それらに納得した者のみが、先に進むことを許可される!……まぁ、要するにヤ○チャしやがって……的な生暖かい眼で見てやってくれってことだな。覚悟は良いか?では、開幕を告げようっ!!!***********〜遥かいにしえの戦いによって生まれた、剣立つ大地――アースティア。この物語は、そんなアースティアを守るべく立ち上がった……勇者達の物語である――!〜「……と言った世界にやってきたワケだが……」『MASTER……この世界もご存知なんですか?』「まぁな……あんなどデカい剣が刺さった大地……なんて、一つしかねぇよ」またまた、世界を飛ばされた俺は……相棒のディメンション・デバイスであるディケイドに説明する。遠目にも見える程の巨大な剣―――アースブレード。それだけで分かる。此処は――覇王大系リューナイトの世界だ。――まぁ、TV版かOVA版か……或いは漫画版か……それは流石に分からないが。……それによっては、随分と展開が変わる世界だからなぁ……。まぁ、なんとかなるさ……今までだって、何とかしてきたんだしな。「とりあえず、周辺のサーチを頼む」『了解しました』俺は俺のやれることをやる……そう誓ったのだから。先ずは、与えられた使命を果たす……。転生者を探し――見極めるという使命。――その後、出来るなら平穏に過ごしたいなぁ……。等と、つくづく思う俺だったが――その願いは叶わなかった。何故なら――この世界は『混ざっていた』のだから――。***********こうして、剣立つ大地を旅することになった世界の代行者……そこで様々な出会いを経験する。一族を想う、人魚族の少女――。用心棒をする、さすらいの凄腕ガンマン――。(……オイオイ、まさか……俺の生まれた、グロラン世界の時みたいに……『混ざって』やがるのか――?)それを決定付ける出会いが――代行者に襲い掛かった。「ふっ……この私に逆らうとは……身の程知らずめ」白髪を帯びた黒衣の騎士――。「おい、イクズス?コイツは俺がやるからな――邪魔するなよ?」「好きにしろ――年寄りの冷や水にならなければ良いがな?」一見、少年の様に見える魔族の剣士と、冷笑を浮かべる魔族の導師――。(ガルデンに、ヒュントとイクズス……マジかよ……つまり、邪竜族と魔族が両方とも出っ張ってる状態……ってことは、ウォームガルデスとかも存在するってことか……?ソレってヤバくねぇか……?)思案する代行者……ふと。(待てよ……そうなると、サルトビの一族の仇って……どうなるんだ?ガルデンか?イクズスか?それにパッフィーは封印の魔女なのか、そうじゃないのか?)そんなことが頭を過ぎりながらも、襲い来る脅威を退け……旅を続ける代行者。答えは、いずれ現れるだろう……と。そして、彼は出会う――もう一人の相棒と――。「……お前は……ずっと、俺を待っていたのか……来るかも分からない俺を――?」『…………』「『ジャスティーン』か……良い名前だ……ん、分かった。一緒に行こうぜ」彼は愛機と出会い、剣立つ大地を駆けていく。そして出会う―――勇者の一行と。「あなたもリューの使い手なのですね?」「姫、此処は彼にも助力を願い出ましょう」魔導師のリューを使役する姫君と、彼女に付き従う巨漢の僧侶。「へぇ……アンタはソコの音速バカと違って、話が分かるじゃねぇか」「誰が音速バカだこの野郎っ!?」一族を滅ぼされた復讐の忍び……そして、自称・音速の騎士を名乗る騎士見習いの少年。他にも、守銭奴だが悪どく成り切れない武器商人の少女、部族再興のために奮起する美貌の青年、剣を極める為に島国から旅立った若きサムライなど……様々な出会いがあった。そして――戦いも。「来い……リューナイト・ジャスティィィーン!!」現れしは、蒼と白を基調にした騎士のリュー……。「どうやら、アニメ版の様に動きを完全にトレースして動かすみたいだな……つまりは」代行者は虚空より剣を取り出す……自身がもっとも頼りにする大剣を……。すると、どうだ……自身の剣がリューにも投影され、スケールアップされた――全く同じ剣を、リューが握っていたのだ。「どういう理屈かは知らないが……これで、俺も存分に……遠慮無く戦えるってワケだ!!」『グオオォォォッ!!』彼の気迫に呼応するかの様に、リューが雄叫びを上げる……。代行者の能力を忠実に再現する騎士のリューは、獅子奮迅の働きをする――。魔族、邪竜族――様々な思惑が絡み合う中、その剣と新たな力と仲間と共に駆け抜けた――。「アデュー、お前はゼファーと本当の意味で一体になっていない。今のゼファーは、以前の乗り手の意思を体言しているに過ぎない」「そ、それの何が悪いんだよっ!!」「あのパラディンの力は、言わば借り物でしかないってことだ。――それが悪いとは言わない。だが、もしより強く、より高みに上り詰めたいのなら――お前は探さなきゃならない。お前だけの聖騎士の力を……それが出来たら、真の意味でゼファーと一体になることが出来る……まぁ、ジャスティーンの受け売りだがね」「俺だけの――力、俺とゼファーの……力」音速の騎士は、代行者と出会うことにより、更なる高みへと駆け上がることになる――。それはOVAと呼ばれる媒体に出てくる、彼の聖騎士の姿だった。そして、世界を破滅に導こうとする転生者と出会う――。「クククッ!!闇の力も、精霊石の力も――全部、全部俺のモノだあぁぁぁぁっ!!」「悪いが……お前の望みを叶えさせることは出来ない――俺が、お前を止める――ディケイド、セット・アァァーップッ!!」リューに乗った代行者は、破壊者のアーマーコートを纏う――。すると、リューが変異していく。頭部に吸い込まれる様に突き刺さるプレート、鎧はマゼンタカラーに白と黒の十字。代行者の物に瓜二つなアーマーコート――。「リューブレイカー……ジャスティィーン!!さぁ、俺達の本当の力を……見せてやるよ」「貴様ら……何者だぁ!!?」「通りすがりの――代行者だ、覚えておけ――」彼らは戦う――世界を滅びから救うため、立ち上がった。遥かいにしえの戦いによって生まれた、剣立つ大地――アースティア。この物語は、そんなアースティアを守るべく立ち上がった……勇者達――そして世界を滅びから救う為、安息の地を求めてさすらう……代行者達の物語である――!***********あとがきどうしようもなく、おまけ臭が漂う今回の嘘予告――。またまたスルーでお願いしますm(__)mちなみに、ジャスティーンの元ネタは、ワイルドアームズを知っている人には一目瞭然かも。アデューがゼファーなので、こうしました。それではm(__)m