やあ、わんばんこ!!これはあくまで嘘予告です!!本当にそうなるかは分かりません!また、メインキャストのシオンはかなり後期のシオンな為、チート臭さに磨きが掛かっており、様々な技やスキルをラーニングしている上、アレンジスキルも大量に覚えています。ハッキリ言って今までの嘘予告以上にネタバレ注意です。オンパレードです。それが嫌な方は全力でスルーして下さい。それでも良い?本当に?引き返すなら今だYO?ならば、ご覧下さい……。ちなみに、ここから先について、当方は責任を持ちません故……。**********「……此処は、何の世界だ?」……不本意ながら、またまた飛ばされた俺は、周囲を見渡す。どうやら森……みたいだな。かなりテンプレな場所だが、毎回のことなので、もう慣れた。『……本当は慣れたりしては欲しくないですよ……MASTER……』相棒……ディメンションデバイス(元がディケイドライバーなので命名)であるディケイドが、悲しそうに呟いた。「まぁ……仕方ないさ。誰かに認められたら、誰かに拒絶されることもある……それよか、周囲のサーチを頼む」『了解です……』心配してくれるのはありがたいが……心配し過ぎなんだよなぁ……。俺自身、最初の頃は絶望していたというか、悲観に暮れていたが……アイツらが着いて来てくれるから………そして、いつも相棒であるコイツが側にあるから、寂しくはないんだよな。勿論、別れの悲しさは何度味わっても慣れるモノじゃないが……。こんな俺を心配してくれる相棒の為にも、此処が安住の地になれば良いんだがね……。さて……俺は俺で周囲の気を探る。……魔素が濃いな……ということは、魔法が存在する可能性あり……か。「ん……、この気配は……?」『検索完了……近くに町があります。どうやら、文明レベルは低くは無いようです。それと近くに反応が……コレは』「分かってる。気配からしてモンスターに襲われているな……必要無いとは思うが……念のため、セットアップしていくぞ」『YES、MASTER』俺は破壊者のアーマーコートを纏い、その場を移動した。そして、ソレは直ぐに見付かった。一人の少年が、震えながらも、玩具の刀を構えながら……数匹のモンスターに相対していたのだ……。「く、来るなら来い!お前らなんか、この沢渡様がやっつけてやる!ここ、恐くなんか無いんだからな!?」自分を奮い立たせながら、相対しているが……後ろから狙われているのに気付いていない……マズイ!?「危ないぞ少年!!」「えっ!?わぶっ!?」俺はすかさず少年を抱き抱え、連中から距離を取る。記憶から検索……このモンスター達は………該当無し……見覚えが無いな。ということは、俺の知らない世界か……。「無事か、少年?」「あ、い、うぇ?」どうやら混乱しているらしいな……無理も無いか。「少し待ってろよ?」俺は眼前のモンスター達にメンチビーム!!だが、スライムタイプや樹木タイプの連中なので、効果は無いようだ。ドラクエタイプの世界なら、スライムや樹木系でも効果覿面なんだが……。「面倒だな……久しぶりにコイツを使うか」俺がライドブッカーから取り出したのは、ディケイドクレストが描かれたカード……。『出番……出番ですねMASTER!?このカード……MASTERがアレを覚えて以来、中々使ってくれなくて……しかも普段からこのカードを使わなくてもMASTERはどうにかしてしまいますから……』「な、何だよ今の声は!?女の子の声!?」まぁ、仮面ライダーディケイドだった士もそうだが、俺にとってもFAR以外の決め手的カードの一つだからな……アレを覚えて以来は中々使わなくなったが……修行的な意味でもな……と、沢渡少年がビックリしているな。早々にケリをつけるか。俺はそのカードを腰のディケイドライバーに投げ入れる。そして、開かれたディケイドライバーを回転させて閉じ……カードの能力を発動。『イリュージョン』ディケイドの言霊と共に、俺の幻像が俺から左右に分かたれ……実体化した。まぁ、ぶっちゃけ士の使ってたイリュージョンのカードとほぼ同じ。俺の場合、込める魔力によって分身する人数が増えたりするが……。今、分身体を入れて俺は三人。コレだけいればお釣りが来る。「「「さて、やるか!」」」俺の分身Aはライドブッカーをソードモードに……分身Bはガンモード、俺は素手。そして、俺が敵を殲滅してる間……少年は何やら輝く瞳で俺を見ていた。後々、何でイリュージョンのカードを使っちゃったんだろう……?何でセットアップしちゃったんだろう……?と、ちょっぴり後悔したりする羽目になったが……。「コイツで決めだ」『ディメンションキック』「はああぁぁぁぁぁ!!」ズドオオォォォォン――。やべぇ、やり過ぎた……手加減してた筈なのに、クレーターが出来てるよオイ。まぁ、全力でやったら比べモノにならない位、地球に大ダメージなんだがな……。「兄ちゃん!」「おわっ!?」な…なんだぁ!?「兄ちゃん、忍者なんだろ!?すっげえ!本当にいたんだ!!やっぱり忍者はいたんだっ!!」「いや、あのな……?」「俺、沢渡シュウジ!兄ちゃん……いや、先生!!俺を……弟子にしてくださいっ!!」「いや、俺は忍者じゃないんだが……確かに忍術も使えるケド……」シュウジ少年は、俺の説明を聞き……それでも構わないと、何度も頭を下げて来た……正直、困ったが……行く宛も無いし、とりあえず少年を親御さんの元に送り届けねばならないしな。**********こうしてシオンは新たにやってきた世界……【ぱすてるチャイム】の世界で、忍者を夢見る少年……沢渡シュウジと出会う。この出会いをキッカケに、少年は鍛えられ……数年後――原作開始時には忍者マスターサワタリと自称する程の力を得る……忍術以外も習得したが、忍者。彼にとって、シオンは超忍戦隊チョウニンジャーの超忍なのだ!言わば、デ○レンジャーの○カ・マスター、○ギー・ク○ーガーみたいなモノなのだ!!ちなみに、レッドは自分だと信じて疑わないのが……サワタリクオリティー。魔法を使おうが、霊能を使おうが――忍者。栄光の手を見せれば『忍法・光る鉤爪の術ですね!?』と言い……。マジックガトリングを見せれば『忍法・気合い手裏剣・乱れ撃ちの術ですね!?』と言われ……。カイザーフェニックスを見せれば『超忍法・極楽鳥の舞ですね!?』と言われる……。(せめて間違えるなら、科学忍法火の鳥とかにして欲しい……)とか、転生者が考えたかは定かでは無いが……。コレはシオンが使ったイリュージョンのカードが、強烈なインパクトとなって忘れられなかったからであり……そしてサワタリが当時嵌まっていた漫画が、忍者漫画だったからでもある。……半分以上はシオンの自業自得である。それを理解しているからか、シオンは少年の頼みを引き受けて少年を魔改造……もとい、鍛えたワケだが。**********そんなこんなで、原作開始時期……冒険者育成校、ファルネーゼAS。その生徒会室にて、頭を悩ませている者が居た。彼の名はリカルド・グレイゼン。大陸有数の武器メーカー【銀星】の跡取り息子にして、ファルネーゼASの生徒会長である。(確か……そろそろだったな)彼は成績優秀、文武両道、品行方正であり、尚且つ他者を見下さず、友好的なその姿勢は……生徒のみならず、教師からの受けも良い。……原作を知る者なら、それは有り得ないと豪語するだろう。何故なら、本来の彼は確かに優秀だが……その性格は傲慢、冷徹、卑劣、……と、上げればキリが無い位に嫌味な男だったりするはずだから………である。だが、この変貌には理由がある……。(そろそろ原作の……【ぱすちゃコンティニュー】の始まる時期の筈なんだよなぁ……どうするかなぁ……)そう、何を隠そう……このリカルドは転生者なのである。しかも、ぱすちゃは無印からコンティニューの++までやり込んだ猛者だ。だから、当初リカルドに転生したと知った時、よりにもよって会長かよ……と愚痴ったりもした。赤ん坊の時分は発狂しそうにもなった……ルートによっては、会長はテラーと同化した上に化け物と化したり、ろくでもない目に遭ってるから。その大半が自業自得ではあるのだが。まぁ、容姿は良いし、金持ちのボンボンだし、才能はあるし……ここはネットの転生オリ主らしく、第二の人生を謳歌してやることにしたのだ。とは言え、彼の元来の性格上、陰険傲慢眼鏡の真似は出来ないし、するつもりもない。故に、所謂【綺麗な】リカルドとなっていた。そのため、ファルネーゼASは独裁政権も顔負けなリカルド至上主義の独裁学園では無く、純粋に冒険者を育てる育成校として、有名になっていた。元々はエリート指向が強すぎる感があったが……これは、リカルドが行った構造改革により、良い方向に向かって行った為、原作以上に名高として名を馳せることとなったのだ。「入りますよ、会長」「来たな……薙原」生徒会室に入って来たのは、薙原ユウキ……原作ぱすちゃコンの主人公である。彼は生徒会の末端ではあるが、リカルドとは個人的な友人でもある。「堅苦しい挨拶は止めにしよう……実はお前に頼みがあってな?」「なんだよ改まって……お前にしちゃあ珍しいじゃないか?」砕けた口調で話す二人……原作と違い、ユウキはリカルドとの確執が無かった為、髪の毛は赤毛では無く黒髪のままだったりする。「実は……お前には交換留学生として、とある冒険者育成校に向かって欲しいんだ」(ユウキは優秀だからな……我が校としては手放したくは無い人材らしいが……ユウキに動いて貰わなければ【物語】は始まらないからな)そこには、テラーなどに対する為の打算はあったが、それ以上にこの頑固な友人に【冒険を楽しむ心】を思い出して欲しいという想い……そして、幼なじみと再会させて度肝を抜かせてやろうという、悪戯心が大半を占めていたりした。**********こうして、転生者はこの世界で生きていく。「やぁ、皆さん。新しく赴任したシオン・ウォルフマイヤーです。よろしく〜」使命を果たすため、冒険者育成校に、裏技を使って教員として赴任した転生者。彼は自身を恋愛原子核……かどうかは分からないが、容姿がずば抜けて良いことを知っている。そして、有り得ないと思いつつ、自分がモテたりすることを転生者は理解していた。今まで、控え目控え目にしていたが、それでも誰かに好意を持たれる程に。故に、好意を持たれない様に容姿を偽る。「「「「……………」」」」母から受け継いだしなやかな銀髪は、敢えてボサボサに。父から受け継いだブルーサファイアの様な蒼眼はぐるぐる牛乳瓶眼鏡で隠し……。にへら〜、とした軽薄気味な顔を浮かべ……。そのモデル並かつ、鍛え貫かれた長身を猫背に……。スラッとかつ、無駄な脂肪の無いガゼルの様に鍛えられた長い足をがに股に……。コレだけやったら、幾ら恋愛原子核だろうと、ニコポ魔人だろうと、好意を持たれることは無い筈だ……と。その目論みは大多数の者に対して見事当たるワケだが……彼の相棒たるデバイスは嘆いたそうな。『そんな……MASTER……何故そんなことを………嗚呼……せっかくのMASTERの美がぁ………』しかし、彼の眷属達は見た目が変わっても、彼は彼だと転生者に変わらぬ想いを誓っていたが。そして彼女達は悟っていた……見た目を変えようが、分かる者には分かるだろう……と。そんな眷属達の予想通り、転生者の内面を見抜き……好意を持つ者も居た。それを知り、毎度のごとく転生者は苦悩することになるのだが……それはまた別の話。「俺はサワタリ!忍者マスターだ!下の名前を知りたい?いや〜参ったなぁ〜……♪だけど、それは秘密だ!その方がカッコイイからな!!」「いや、そんなこと聞いてないんだが……」沢渡シュウジ改め、忍者マスターサワタリ……転校してきた薙原ユウキと友好を交わす。変わっても変わらぬ友情……。「あ゙……ユウキ……」「リナ……お前、まだそのカードゲームを……」再会した幼なじみの知られざる秘密に遭遇……。「むぅ……やりますな!」「先生!!?」「負けません……勝ちたくなっちゃいましたから!」担任の教師と凄腕の走り屋によって繰り広げられるカーチェイス。……に、巻き込まれる原作主人公。「……まさか、貴方は俺と同じ?」「よもや、会長閣下が転生者とはな……」邂逅する転生者達。「だ、誰なんだアンタ一体!?」「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えなくても良いぜ?」生徒の危機に正体を隠して助ける転生者。そして……決戦の時。**********現れたのは……新たな……もう一人の転生者。彼は恐怖の力を手にする……それは、会長となった転生者には予想外のイレギュラー。「くっ……よもや、こんなことになるとはな……」「リカルド……」「ユウキ……お前は逃げろ。お前には、待つ者がいるんだろう?」「それはお前もだろうが……先輩の気持ち、お前には分かるだろ?」「……彼女は、私には過ぎた女性さ。それに、私には彼女の気持ちが向いているのは、お前の様に思えるがな?」「だから!それはお前の勘違いで……それに俺にはアイツが……っ!!」言い合いをしながらも、会長と主人公は戦う。殿りを勤め、仲間達を逃がす為に……。(アゼルとクリスは逃がしたし……後はドッツが何とかしてくれるだろう……あれで中々頼れる男だしな。しかし、ユウキとリナが魔王の力を得て応援に来てくれたのに……倒し切れなかったんだからな……全く、つくづく想定外だ……)『貴方は昔から変わらないんですね……残念なような、ホッとしたような……不思議な気持ちです』(……斎香さん、か。彼女から答えを聞きたかったモノだな……まぁ、今更か。それに、親同士が決めた許婚などという物に、彼女のような人が縛られる必要は無い――)最凶となった者に、愛用の黒と白の双長剣を構えて相対する……自分が足止めとなる為に。仲間のために、意地を張り続ける為に……。そんな自分の悪あがきに、このお人よしを付き合わせるのは、些か気が引けるのだが……。「最初に謝っておく……スマンな……ユウキ」「へっ……謝るなよ。俺はこんな所で死ぬつもりは無いんだからな!アイツも待ってるんだ……死ねるかよ!」そう言って自身も得物を構えて恐怖と向かい合う主人公……。『はははははは!!バカメ!!お前タチごとキが……オレ様にカテるとオモってるのカ?最強ムてキの力を手にしタ俺サマヲ!?それに……逃げた奴ラはおれサマの分シンが、ミナ殺シにしてイル頃ダロウよ!!』罵り笑う恐怖を纏いし者……。リカルドとユウキ……二人は分の悪い賭けに出る。己の為に……己を待つ者達のために勝利する……。チップは自身の命という……分の悪い賭けに……。「皆殺し……?それは無理だな」だが、そこに現れたのは、彼らのよく知る人物……。一人にとっては自身と似た様な境遇の持ち主……。一人にとっては自分達の学園の教師だが……。「貴方は……」「シ、シオン先生!?い、いや、なんか雰囲気が違う様な……」「よう、諸君!頑張ってるみたいだな?あと、薙原……雰囲気違うのは当たり前。何せ、こっちが地だからな……俺は」もう一人のイレギュラー……シオン・ウォルフマイヤーである。ニカッと人好きのする彼の笑顔を見て、ユウキは危機的状況にも関わらず、呆然とする。それもその筈。転生者の学園での評価は『教え方は上手いが、気味が悪い』『不気味で近寄りたくない』『キモい』等、散々な物ばかりだったのだから。ユウキはユウキで、悪い人では無いとは思っていたが、自分から近付こうとはしなかったし、思わなかった。そりゃあ『キィヒッヒッヒッ!』なんて、あからさまな悪役笑いをする奴に、好んで近寄ろうとは思わない。(けど、何故かサワタリの奴はよくシオン先生の所に行ってたよな……それにイヴ先生が言ってたな……『外見ばかり見ていると、隠された物が見えなくなるわ。これは冒険者の鉄則よ?……あの人のそれは、反則なんだけどね』って、反則処の騒ぎじゃねーだろコレはあぁぁ!!?)要所要所を形成するパーツこそ酷似しているが、ユウキからすれば丸っきり別人である。何と言うことでしょう……正にbefore&after。それだけ転生者の演技力が、ずば抜けていたのかも知れないが。『き、キサマ……ナゼ』「此処に居る……か?生憎、あの程度の奴らに殺られる程、弱くは無いつもりでね……」『ば、バカな……幾らオレサマの分身ガ劣化こぴーだとシテも……コノせかいノ人間に太刀打ち出来るワケが……』「確かに一人一人の力は弱いかも知れない……だが、人は支え合うことが出来る。互いの弱さを補うことが出来る……諦めずに立ち向かうことが出来る!補い合った力は……例えどんな強大な災厄だろうと―――打ち砕くことがことが出来る!!それが――人なんだからな!!!」転生者の示す言葉の通り、此処とは別の場所にて……彼らは戦っていた。「行くぜ!先生直伝の忍術を見せてやる!!……影分身の術!!」「「「「「行くぜ行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇーーーーッ!!!!」」」」」忍者マスターを自称する転生者の教え子が――。「みんな、大丈夫!?」「僕たちも……続く……よ」小さな心優しき者と、大きな心優しき者が――。「キリがありませんわね!!」「弱気になるな!ライバルの薙原が頑張ってるんだ!!僕達が引き下がるワケにはいかん!!」「分かってますわ――お兄様」主人公の自称ライバルである者とその妹が――。「ええい!アンタら、欝陶しいのよ!!この、チ○○っ!!」「ユウキの為にも……ボクたちは負けられないんだ!!」ハンマーを振り回しながら、猥褻物の名称を吐き捨てる様に言い放つ少女と、主人公を誰よりも慕う格闘少女が――。「ニィー」「分かってますよニィさん。油断は禁物ですね?」ローラーブレードで怪異を掻き乱す、黒猫を連れた少女が――。「薙原さん達が帰るまで――此処は死守します!」(リカルド――貴方もどうか無事で――)彼らの安否を願い、流麗な剣捌きで敵を切り捨てる可憐な女性が――。「どりゃああぁぁぁ!!」「危ない!!」「おっと……サンキューセレス。相変わらず良い腕してるよ」「もう、気をつけて下さいね…?」たまたまこの地を訪れていた、主人公の幼なじみの姉である超一流の冒険者と、その卓越した弓の腕で彼女をサポートする主人公達の担任である女性が――いや、彼女だけではなくこの学園の全ての教師や生徒が一丸となり、戦っていた。――そして。「マイ・マスターの命だ……」「この場は絶対……」「死守します――!」「だから、悪く思うなよ?」「もっとも、アイツの頼みが無くても、どうにかするけどね―――!!」転生者の眷属たる美しき戦乙女達もまた、戦っていた――。この学園だけでは無い――大陸中の人間が抗っていた――恐怖という名の力に――。そして――此処でも。「良いんですか……アゼル先輩?」「仕方ないじゃない……あのお嬢ちゃん、全然言うことを聞いてくれないんだし……それに、私もリカルドを見捨てるのは癪だしね……アンタは逃げても良いのよクリス?」「――いえ、自分も戦います。自分も会長や薙原先輩を見捨てたくはありませんから……!!」「ったく、しょうがねぇ奴らだぜ……まぁ、旦那に死なれると生活出来なくなっちまうからな……やるっきゃねぇか!!」「バカユウキ!!私はアンタを見捨てない!見捨てたり出来るワケ……無いじゃない!!待ってなさいよ?コイツらやっつけて……一発殴りに行ってやるんだから!!」(だから……お願いだから……無事で居てよ……ユウキ……!!)一度は言われるままに逃げたが、二人だけで残った彼らを想い、追っ手と戦うことを決意した者達……会長を支えた者達……そして、主人公の幼なじみであり、想いを遂げた少女……。彼ら、彼女らの声が……心の想いが……転生者達のいる空間に凛と響き渡る。「ふっ……随分と想われてるんだな、ユウキは……」(何を考えていたんだ……俺は。アイツらが頑張っているのに、もう駄目だと思っていた……アゼル、クリス、ドッツ……それにファルネーゼASの皆………アイツらが頑張ってる時に踏ん張れなくて、何が会長だ!!それに、斎香さんが俺を想って……これじゃ、答えを聞くまで益々死ねないじゃあないか!!)「へっ……そういうお前もな……生徒会長閣下?」(皆も頑張ってる……けど、俺はどうだ?口では諦めないと言ったが、内心では諦めていたんじゃないか……?ヤレヤレ……これじゃあリナにぶん殴られても、文句は言えないな……ああ、文句は言わない。気の済むまで、文句だろうとなんだろうと受け止めてやる……そのためには……コイツを……倒すっ!!何がなんでもなっ!!)どういう原理かは分からないが……だが、それは間違いなく自分達の仲間の声だと分かった……そして、それを成したのが自分達を背に庇う様にその場に立つ男なのだと……彼らは理解した……。ボロボロの身体にも関わらず、互いに笑い合いながら立ち上がった二人の眼には、先程以上の光りが宿っていた。その光は――『希望』と呼ばれる物――『勇気』と呼ばれる物――。『なんナンダ……ナンナんだオマエはあアぁァァァァァ!!!??』恐怖の力を手に入れた男は、恐怖の宿った瞳で眼前の男を見遣る……本能で理解したのだろう。眼前の男が………。「通りすがりの……破壊者だ……覚えておけっ!!」自身を破壊する者だと――。「ディケイド―――セットアップ」転生者は破壊者の十字を象るアーマーコートを纏う。「グローヒーリング」転生者の放った偉大なる癒しの光が、二人に降り注ぐ。「す、すげぇ……身体の疲れや傷が一瞬で……」「次は……コイツだ」転生者が取り出したのは二つの灰色のカード……だが、それは徐々に色付き始め……その全容を表した。一つは白と黒の双長剣を構えたリカルド……もう一つは長剣を携えたユウキ……それらの全身像が描かれたカード。それらは絆のカード……それらをディケイドライバーに読み込ませていく……。『ソウル……ダブルリンク』「な、なんだ!?」「身体に……力が……!!」魂とのリンク……本来、彼の眷属や使い魔にのみ許された、転生者の魂を触媒として魔力などの供給を行うスキル。眷属達のそれとは違い、一時的な物だが……その効果は凄まじく、かつての魔法少女の世界では、守護騎士の一人とソウルリンクを行い、彼女の最大の必殺技をカートリッジ無しに二人で行使し、尚且つその威力は、カートリッジを可能な限りロードしたソレを、遥かに上回ったのだから―――。「行くぞ二人とも……着いて来れるか?」「ふっ……言われずとも、着いて行ってみせるさ」「ああ……奴をぶっとばして、必ずみんなの所に帰る!!俺達、全員でっ!!」決戦の火ぶたは切って落とされた。彼らは戦う――自身のため、自身を待つ者のため―――今、恐怖を打ち砕く―――!!**********あとがきっ!はい、舌の根が渇かない作者の神仁です。息抜きをかねて嘘予告……書いちゃいました。(-.-;)しかも今回はいつも以上にネタバレ……。ちなみにシオンのカメンライドカードに相当する、ソウルカード……。サイズはディケイドカードのサイズであり、裏にはその人物を象徴するクレスト……そして、表にはグローランサーチップスカードの様な立ち絵が描かれています。通常はカメンライドカードと似た様な効果ですが、ある状況と条件に限り、ソウルリンクになります。『ソウルリンク』から必殺技のイメージは、ディケイドコンプリートフォームのライダー召喚決め技をイメージすれば分かりやすいかと……。強いて言うならTV版最終回の海東とのディメンションシュート、劇場版最終回のWのFFRによるトリプルキックが1番近いのですが……無論、FARカードを使った場合の話ですけど。FARはリカルドの場合、有り得ないくらいに威力が魔改造されたディス・グレイズになります。ナギーは……何だろう?(爆それでは……さいならっきょ!!m(__;)m≡≡33P.S.シオンは、ぱすちゃシリーズの原作知識がありません。