俺達はアリオストの研究室にやってきたワケだが……。何と言うか、皆……警戒してるなぁ……。まぁ、仕方ないのかも知れないが……。「さて……質問に答えてくれるということだが?」「はい、私に答えられることならば……ですが」「じゃあ、聞くけど……副学院長の知り合いを殺したのは……アナタ?」警戒心バリバリなウォレスの問いに、イリスは答える……って、ティピ……ストレート過ぎ。「……分かりません」「分からない…って、どういうこと?」「そこを話すには、ある真実を話さなければなりません……それはミーシャにとっては、辛いことかも知れません……」「アタシ……?」分からないというイリスに、厳しい目付きを向けるリビエラ。そして告げる……これから話すことは、ミーシャに関わりのあることだと。「……あなたに、真実を知る覚悟はありますか?」その瞳はひたすらに真剣で……真っ直ぐにミーシャを捕らえていた。……俺は知っている……その真実を。故に、それがどれだけ重いことかと言うことも……。「……聞かせて。アタシは大丈夫だから」ミーシャはそれに頷いてみせた。……ミーシャも気付いている。自身の記憶の食い違い……それに関する事柄だと。恐怖はあるのだろう……だが、それでも知ることを選んだのは、ミーシャの強さだと思う。「……分かりました。では話します……私と、アナタの真実を……」それを見て頷いたイリスは語り始める……自身と、ミーシャに隠された真実を……。「私は学院長……マスターに造られた、ホムンクルスです」若干の表情の変化――そこから感じるのは、真実を知らせなければならない『悲しみ』と――。「そして、ミーシャ………貴女も」揺るぎない『決意』だった――。それから……イリスの口から語られたことは、信じられない程の衝撃を与えた……少なくとも皆には。イリスとミーシャは、クソヒゲに造られた魔導生命……ホムンクルスであること。イリスはクソヒゲの補佐、ミーシャは最高のグローシュを持つ者を見張らせる為に造られたこと……それはつまり、ミーシャの親友……ルイセのことを見張らせる為に近付かせたと……。「そんな…そんなの嘘だよ……!」「………もし嘘なら、もっとまともな嘘をつくだろうさ」ルイセはそんな話、信じられない……そんな感じだが、俺はイリスに先を促す。当のミーシャも頷いて先を促した。……その身体は震えているが。「……続けます」クソヒゲの目的、クソヒゲの出生、奴の協力者……知る限りの全てを、イリスは話してくれた。そこに嘘が無いのは、イリスの顔を見れば分かる。……ついでに、俺の『原作知識』と、ほとんど差異は無かったしな。「……支配階級グローシアンの末裔……か」「その為だけに……グローシアンの人達を……」カーマインとラルフは信じてくれた様だ。そして、怒りを感じている……。「グローシュを抜き取る…そんなことをするなんて……」「……クズだな、あの野郎っ!」カレン、ゼノスのラングレー兄妹も同様。もっとも、カレンは悲しみが、ゼノスは怒りが大半を占めているんだが。「……成る程、ティピのテレパシーを傍受していたわけでは無く、ミーシャを介してこちらの様子を伺っていたのか……」「……アタシじゃなかったんだ」ウォレスはとことん冷静に状況を分析している……内心はどうか分からないが。ティピも、悲しみを抑えながらも呟く……。……見てしまったから。ミーシャの悲しみを湛えたその表情を……。けれども、絶望には染まらない。……皆が居るから、それを理解したから……踏ん張れた。転げ落ちないで済んだ。クソヒゲの蔑みの言葉が無かったのも、理由としては大きいかも知れない。けれど……。「……ごめんね、ルイセちゃん」「元気出してよ、ミーシャ!」「アタシ……人じゃなかった」「何言ってるのよ!ミーシャはミーシャでしょ!?」「……それだけじゃなくって、ルイセちゃんを監視するために造られたんだって……」「わたし、ミーシャといるとき、とっても楽しかったよ?一緒に遊んだり、一緒におしゃべりしたり、全部楽しかったよ!」それも、非常に危うい……そう……サーカスの綱渡りの様に。「でも……」「わたしたち、親友でしょっ!?」「!?」ルイセは声を張り上げる……ミーシャの心の扉を……こじ開ける様に。その瞳から、とめどなく涙を流しながら……。「ミーシャがなんだって、関係ない!学院で一人だったわたしに、友達になろうって言ってくれたじゃない!」「けど……それだって……ルイセちゃんを」「あのときの気持ちは、本物だった!あのときの友情は、本物だったっ!!」……その叫びは、何処までも強く、悲痛で、温かだった。「……ルイセちゃん……」「それはこれからだって変わらない…!……こんなことで壊れちゃう友情なんて、偽物の友情だよ?……だから、こんなことで、わたしとミーシャの友情は壊れたりしないんだから……っ!!」「ルイセ……ちゃ……ルイセちゃああぁぁぁぁぁんっ!!!」「………ミーシャ……」もう堪えられなかったのだろう………。縋り付かれたルイセは、自身も悲しみを拭い去る様に、ミーシャを抱きしめた。この気持ちに嘘は無いと言う様に……強く、強く……。皆、それを見てホッとしていたり、ヒゲに怒りを感じていたり、もらい泣きしたりしていた……。「……………」だが、イリスは複雑そうな表情を浮かべる。……何となく、何を考えているか分かるな……。「……気にし過ぎない様にな。イリスのせいってワケじゃないんだから」「…はい」まぁ、そう言ったって無理か……。気にするな……とは、言えないしな。そう言われたって気にするだろうし。「大体分かったけど、最初にしたウォレスの質問の答えは、まだ貰ってないんだけど?」「それを説明するには、私とシオンの繋がりを話さなければなりませんが……」「シオン君との繋がり……?」リビエラが問う。警戒心は若干薄れたみたいだが、イリスが繋がりと言った時、ジト目をこちらに向けて来た。俺には疚しいことは何一つ無いので、スルーしたが……。アリオストが先を促す様に言ってきたので、イリスは頷いて先を続ける。イリスが言うには、クソヒゲは俺がグローシアンであるという事実を知った時、最優先捕獲対象としたこと。……しかし、幾ら俺のグローシュパワーがルイセより上でも、今まで目を付けていたルイセより優先されるって、どうよ?と、聞いたら……。「シオンがグローシアンとして最優なのも勿論ですが、マスターは独自にグローシアンの保護を行っていたシオンを、疎んじていた様です」そう、イリスが答えてくれた……成程ね。俺はクソヒゲにとってはモルモットであり、邪魔者でもあるわけだ。故に最優先……ね。それから、更にイリスは続ける……。イリスはクソヒゲに命令された。学院に来た俺を監視……そして『篭絡』する様にと……。だから、リビエラ、カレン……そんな目で見るなっての!!まさか、そんな思惑があったなんて知らんかったのだから。二人の視線をスルーして、イリスの話を聞く。「……私は、シオンの監視と……篭絡を命じられましたが……そもそも、篭絡とはどうすれば良いのか……分からなかったので資料を見ながら、シオンを観察していたのですが……そこをシオンに見付かってしまい………一般常識を叩き込まれました」「「「「「………は?」」」」」イリスの言に、皆がクエスチョンマークを浮かべていた。まぁ、シリアスな言い回しから、いきなり一般常識云々なんて言葉が出るのだから。……その資料が発禁小説だと知ったら、皆はどんな反応をするのやら。「私は一般常識に欠ける……そう言われて、勉強をしました。……気付くにはしばらく掛かりましたが、教わる内に気付けたんです……私に足りなかったのは常識、道徳、倫理……そして感情なのだと。それに気付いた時、迷いが生まれました」「迷い?」ティピは首を傾げて尋ねる。「マスターのなさることが……正しいのかどうかを。……以前の私なら、こんなことは考えなかった……私にとってはマスターが全てだったのだから……。けれど、分からなくなった。マスターのすることが間違いだと、私は理解した……しかし、本能が拒んだ。マスターに棄てられることを恐怖して……」「…………」イリスの独白を、皆が聞いている……。茶々を入れず、静かに。イリスは保護したグローシアン達の世話というか、差し入れを届けたりする役割だったらしい。その時、グローシアン達と話す内に迷いが湧いた……つまり、情が移ったのだという。あの時、俺に相談を持ち掛けたのはそういう意味なんだろう。俺に言われ、自分の心に従うことにしたイリスは、ある賭けに出た……。グローシアンを逃がすという賭けを……。結果、数人は逃がせたらしいが、自分と何人かのグローシアンが捕まったのだと言う。そして……イリスは操られた。「……私が知るのはここまでです。次に気付いた時、私は学院に居たのですから」どうやら、俺達が学院に来た時、奪われた記憶を取り戻したらしい。これは憶測だが、秘密研究所に行こうとしたイリスは、俺達の接近に気付かずにマジックジャマーの有効範囲に入ったのでは無いだろうか?と、俺は考えている。ご都合過ぎる考えだろう……が、考えられないことじゃない。『原作』ではイリスは操られていなかった、だが今回は違う。だから、差異が出た……どちらにせよ結果オーライだ。ご都合だろうと何だろうと、な。「……私はマスターの意思に反しましたが、後悔はしていません。……自身の心に準じたのですから……ただ……マスターに操られている間、何をしていたのかが、気掛かりではありますが……」イリスに後悔は無い……だが、それは自身の意思で決めた行動に対してだ……。操られていた時のことを覚えていない……だからこそ、記憶無き記憶に後悔する……というより、しているのだろう。「成る程、話は分かったよ。確かに、不自然な所は無い。むしろ話が繋がるからね」アリオストは納得した顔をしている。そりゃあそうだ。わざわざ、蒸し返すことは出来ないし、とりあえず的を射ているからな。とは言え、気になることがある。「イリス……これは、お前の物か?」俺は、預かっていた赤いピアスを手渡す。「……はい、私が使っていた物です」「それは、殺された副学院長の知り合い……とやらが、握り締めていた物だ……意味、分かるよな?」「ちょっと、シオン!?」イリスが肯定したことを確認し、俺はピアスの入手場所を伝える。……俺としては、真実を教えること、それと確認したいことがあったから……なのだが。リビエラに止めに入られてしまった。リビエラだけで無く、メンバーの半数以上がイリスを信じた様で、俺に批難じみた眼差しを向けてくる。ウォレスとルイセとミーシャは静観していたが。ウォレスは、心情的にはイリスを信じているらしいが、やはり楽観視はせず、一歩引いた場所から見ている様だ。その冷静であろうとする在り方は、流石だと思う。ルイセは信じたい気持ちはある……。心根が優しい娘だからな……本来なら、いち早く信じていただろう。だが、親友であるミーシャを追い詰めた奴……とでも思ってるのだろうか?そこまでは思ってないにしろ、半信半疑の様だ。なんとも複雑な表情をしている。ミーシャに至っては、軽い人間不信。軽いのはルイセが居て、カーマイン達が居るからだろう。普通に人と会話する分には問題無い。だが、自分を騙していた人物……クソヒゲの関係者だと言うのが強いのだろう。疑心を含んだ視線を向けている。ミーシャが本当に吹っ切れれば問題無いと思うのだが、今はルイセのミーシャへの想いと、ヒゲへの憤怒に近い感情がミーシャを支えているに過ぎない。だから、原作において……ヒゲを打ち倒した後は再び、心に陰りを落としたのだ。イリスも、それらに気付いているのか……どこか沈んでいる様に見える。「じゃあ……イリスは操られている時の記憶は、全く無いんだな?」「はい……。強いて言うなら、寝ている時の感覚と言うか……先程も言いましたが、気付いた時には学院だったので」イリスに嘘は無い……ならば、何故このピアスを残した……?ヒゲが馬鹿だというなら説明はつく。原作ならば、イリス自身が取るに足らないことと考えたのかも知れないが……。……もしかしたら、操られている間は大まかな命令しか受け付けないんじゃないか?そう考える。例えば、何かを『ごまかせ』と命令する。そうすればごまかすことはするが、機転は効かないので、不自然な部分が出てくる。メディス村でのミーシャを例に考えれば、有り得ないことでは無い。恐らく、イリスも似た様なモノだったんだろうな。と、なると………グローシアン達は……。しかも、イリスが何人か助け出した……そうなると最悪、捕まった全てのグローシアン達は今頃……。もっと上手く立ち回れた……だのと、自惚れるつもりは無い。だが、諦めるつもりも無い。幸いと言うべきか、早めにエリオットが反旗を翻したので、本来起こる筈だった、『ランザックへの援軍』という事態が無くなっている。原作では、任意イベントであり、イベントを行おうと行わなかろうと、シナリオの本筋には影響が無かった。だが、実際はかなり時間の短縮になった筈……。もっとも、それは『ランザックへの援軍』込みで原作の時間軸とした場合だ。もし、『ランザックへの援軍』を除外した時間軸が原作のそれだとしたら、時間的猶予は無い。なので、コレに関してはあまり期待しない。だが、こっちにはイリスが居る……そこが大きなアドバンテージになる……。故に……。「……とりあえず、皆に力を貸してもらう。勿論、イリスもな?」俺は策を提示する……あのヒゲを打倒する為に……。「……二人には悪いが、あのクソヒゲ……潰すからな?」俺も感情に従うことにする……。*********「また失敗か……」「あ……う……」私は搾りカスとなったグローシアンだったモノを見遣る。「役に立たぬゴミめ……」ゴオオォォォォ―――!!私が放った魔法が、役立たずのゴミを燃やし尽くす……フン、不快なゴミよな。「止めろっ!何故こんなことをする!?」「口を慎むがよい。……とは言え、わざわざこんな所まで足を運んでくれたのだ……付き合いも長いし、話してやろうでは無いか……ブラッドレー君」そう、魔法学院の副学院長であるこの男は、私の正体を突き止めたのかどうか……それは分からないが、この秘密研究所に足を踏み入れて来たのだ。もっとも、直ぐに捕らえて、今はこうして魔法障壁を張ったカプセルの中だが。……恐らく、こやつの知己を殺した所から足が着いたか……。やはり、ダミーは適当な人間にしておけば良かったかな?「グローシアンに……なるだと!?」「私がグローシアンとなる為には、グローシュが必要だ。ただのグローシュでは無く、純粋なグローシュが……だ。そのためには、グローシアンが使用した燃えカスの様なグローシュでは無く、その身に内包した未使用のグローシュを抜き取らなければならん」現状、グローシアンから抜き取る以外、純粋なグローシュを得る方法は無い。文献を調べれば、他にも何かしらの手段があるらしいことが分かるのだが……。その方法を解析するには、まだまだ掛かりそうなのでな……私は何よりも早くグローシアンになりたいのだよ!「馬鹿な……グローシアンのグローシュを抜き取るということが、どういうことか……分からない筈は無いだろう!」「ふむ……確かに、無理矢理グローシュを抜き取るということは、記憶を壊すことと同義……廃人になるだろう。それは見ての通りだが……それが何なのかね?」「な……っ!?」「私は……支配階級グローシアンの末裔なのだよ……しかも、王族のね。そんな私の糧となれるのだから、奴らも本望だろうて……ふははははははははっ!!」とは言え、残ったグローシアンは二人……。何処かから新たなモルモットを入手しなければな……やはり、あの愚民の隠れ家からさらうか……。あの結界は厄介だが……何、やりようなど幾らでもある……。「さて、それでは実験を再開するとしよう……」「いや……止めて……」私は、剣で四肢を壁に貼付けておいた、モルモットに近付く。白衣を纏った女……アイリーンと言ったか……まぁ、どうでもよいがな。パチンッ!!「あぁ…!?」ドサッ!!私が指を鳴らすと、女の四肢に刺さっていた剣が消え去り、女は床に崩れ落ちた。「止めろとは異なことを……もう一人の代わりに身代わりを買って出たのは貴様ではないか……」そう、この女はもう一人のグローシアンを庇い、自分がモルモットになると言ったのだ。もっとも、全員モルモットにしてやるつもりだが……寛容な私はこの際、順番の希望くらいは聞いてやることにしたのだ。「フン……だが貴様は愚かにも私に牙を向いた」「あぐぅ!?」私は女の髪を掴み上げる。そう、こともあろうに慈悲を与えた私に襲い掛かって来たのだ……返り討ちにしてやったがな。幾らグローシアンであろうと、魔法を重点的に学んでいない者に、仮にも魔法学院の学院長であるこの私が、遅れを取りはせん。私はその女をカプセル状の装置の中に放り込む。この装置は私の傑作……グローシュを抜き取る装置なのだ。四肢を剣で貫いておいたから、抵抗も出来んだろうて。「い……いやぁ……止めてぇ……!?」「止めろぉ!?くそっ!!」ドンッ!ドンッ!!ブラッドレーが魔法障壁を叩いているが……無駄なことだ。貴様ごとき愚民に、その装置の障壁は破れはせん……無力な己を呪うのだなぁ?フォフォフォフォフォフォ!!カチッ!!私は装置を起動させる。女が入ったカプセルは、地に飲み込まれ、完全に外界と遮断された。クックックッ……次は成功して欲しいものだ。「い……いやぁ……記憶が……きえ……やめ…てぇっ!……忘れたく……なぁ…い……ニッ…ク……助…け……死にたくな……い……っ!!?」「……五月蝿い愚民だ。まぁ、直に口を聞くことも出来なくなるだろうが……む?」ガチャ!「…………」「イリスか……何をしておった。遅かったでは無いか」「申し訳ありません」……つまらん人形め。まぁ、実験にかまけてテレパシーを一回しか送らなかったのは私のミスだが……。「貴様は私のサポートをする身だ……本来ならば、私より先に駆け付け、実験を行っているのが礼儀であろう?」「申し訳ありません」フン……淡々と答えるか……本当につまらん人形だな……だが、そうしたのは私だ。こやつから思考を奪ったのはな。「もう良い。早速実験の補佐をするがよい」「かしこまりました」カチッ!!ウィーーン……。「なっ!?」グローシュを抜き取る装置がキャンセルされ、地に飲み込まれ外界と遮断されていたソレが、再び地より上がって来た……。「……何のつもりだイリス?」「私は……貴方の意には従いません」「!?貴様、洗脳が……」馬鹿な……我が念波を……どうやって……!?「これはこれは学院長殿……」「き、貴様は……!?」そこに居たのは、私の計画をことごとく邪魔した愚民……。「随分と、好き放題やってくれた様で……」「……シオン・ウォルフマイヤー」こやつ……またしても私の邪魔をするつもりかっ!?おのれぇぇぇぇぇぇ………っ!!?**********話は少し遡る……。イリスの案内にて、俺達はクソヒゲの秘密研究所に赴く。その間、俺はイリスに研究所の概要を詳しく聞いていた。原作と現実の差異を確認する為だ。原作ではそれらしい場所は無かったが、何人ものグローシアンを拉致ったんだ……当然、グローシアンを監禁してある場所があるはず……。案の定、研究所の地下には牢の様な物があるらしく、恐らくグローシアン達もそこに捕らえられているだろう……とのこと。イリスが恐らく…と言ったのは、操られていた時の記憶が無いからだろう。「ん……?」「これは……」「人の気配がする……」道中……秘密研究所への隠し通路が存在する洞窟の中で、俺、ラルフ、ウォレスは人の気を感じた。気配……という意味では、カーマインとゼノスも感じた様だ。ちなみに、洞窟に入った時、久しぶりにライトの魔法を使ったことを明記しておく。おかげで洞窟の中なのに、昼間の様に明るい。「……どうやら、戦っているみたいだな……」「そうみたいだね……どうする?」俺とラルフは、気を読んで、その人数と状況を確認する。どうも、一人が複数と戦っているらしい。……この気には覚えがある。「……放ってはおけないだろう」「そうだね!見過ごすことなんて、できないもんね!」「幸い……研究所への入口はこの先ですので、寄り道にはならないでしょう」「つまり、戦いは避けられない……ということか」カーマインの意見をティピが肯定し、イリスは寄り道にはならないと言う。ウォレスは、どちらにせよ、戦いは避けられないことを悟り、その意識を戦闘へと向けていく。こうして俺達が向かった先では……。「邪魔だ!!どけぇっ!!」一人の男が、襲い掛かる敵を斬り捨てながら……前へ進もうとしていた。「あれは……ニックさん!?」そう、アイリーンの恋人……剛剣のニックが戦っていた。あの盗賊風の連中は……クソヒゲの雇われ者か。「ボーッとしてる場合じゃないぜ?」「ああ……ニックに加勢するぞ!」俺が促し、カーマインがそれに頷き、指示を出す。「ニックさん!」「君たちは……」「話は後だ!!助太刀するぜっ!!」ティピが声を掛けると、ニックは一瞬だけ視線をこちらに向ける。ゼノスの言葉を皮切りに、俺達は賊どもに襲い掛かって行く。「な、なんだテメェらは!?」「貴様らに名乗る名前は無いっ!!」シュミミーーーン!!「「「「うげあうおえあおぉぉぉぅっ!!?」」」」俺はまず、手加減メンチビームで敵を無力化。一気にバタバタと気絶していった連中を縛り上げ、その辺に放り投げておく。と、何人かは俺のメンチビームを喰らいながら、気絶せずに立っていたので、適当にあしらう。「邪魔だ」ズドンッ!!!「ガッ……!?」瞬時に詰め寄り、デコピン一発。一応、加減はしているので、頭蓋骨は粉砕していない筈だ。………ぶっちゃけ、俺だけでも蹴散らすのはワケ無かったのだが。俺ばかりが前に出るのは、皆の為にならんからな……。とは言え、俺抜きとして考えても……こちらの頭数も多いわけで。「ハァッ!!」「セイッ!!」ドガアアァァァァンッ!!「ゴハアァ!?」カーマインとラルフが、ダブルライダーキック(正確にはライダーでは無いが……)を決めて蹴散らし……。「とおりゃあああ!!!」ドゴンッ!!「ぐべはぁ!!?」ウォレスは気を纏った拳で格闘戦。……全盛期の戦闘力を超える日も近いかも知れない。「くたばりやがれっ!!」ザンッザシュッ!!「ぐふっ……強い……」ゼノスも当然と言った感じの無双ぶりを示した。「ええぇぇぇいっ!!」ズブッ。「アッ――――――!!?」カレンは魔法で迎撃していたが、近付いて来た奴にインジェクターⅡ(シオンが改良した『どデカ注射器』)を敵の尻にブッ刺していた……なんか、薔薇が見えたぞ……気のせいか?しかも、麻痺毒を喰らったのか、その盗賊はピクピク痙攣していた。……何故か恍惚の表情を浮かべていたが……見なかったことにしよう。他の面子は魔法で援護に回っていた。とは言え、洞窟の中だからあまり派手な魔法は使えなかったが。正直、勝負になりませんでした。ニックが数を減らしていたのも、要因の一つだな。「もう敵はいないよね?」ティピがそう言いながら周囲を見渡す。……確かに敵の気配は無いな。「ありがとう。君たちのおかげで助かったよ」「気にするな……ところで、何故こんな場所に?」「ああ、僕の方でも学院長や副学院長を捜していてね……それで、足取りを追う内に、副学院長がこの洞窟に入って行ったのを見て、ここまで追って来たんだが……」礼を言うニック……そんなニックに事の顛末を伺うカーマイン。ニックは答えてくれたが……つまり。「つまり、副学院長を追って来たのは良いが、その途中で奴らに邪魔された……と?」「そうなんだ……で、敵の中に親玉みたいな奴が居たんだが、ソイツに言われたんだ……『お前さん、急いだ方が良いぜ?でなけりゃあ……女がどうなるか分からんぞ?』と。その親玉には逃げられてしまったが」俺は敵に邪魔されたことを指摘した。ニックはソレに答えたが……親玉ね。「ちなみに、その親玉はどんな奴だったんだ?」「スキンヘッドの大男で、片目に眼帯をしていたな」ゼノスの質問に答えたニック……。まぁ、十中八九グレンガルだな……やはりグレンガルは退いたのか。「それってアイツだよね……えっと確か……アンタは覚えてる?」「グレンガル……だろ?」「そうそうソイツ!」ティピは思い出そうとしたが、結局分からず、カーマインに聞いていた。「どうやらあの男は、学院長と何かしらの繋がりがあるらしいな……」「はい。その男は学院長に雇われていました……」ウォレスがそう呟く。それに答えたのはイリスだ。「……俺たちはこれから、グローシアンたちを助けに行く。アンタはどうする?」「グローシアンを助ける……?どういうことだ?」カーマインは俺達の目的を告げた。ニックは話が見えないのか……いや、無意識では気付いているのかも知れないが……とにかく、分からないという表現をした。なので、俺達は説明する……学院長が全ての黒幕であること、学院長の目的……など。ミーシャやイリスのことは伏せておいたが。「そんな……それじゃあ、アイリーンも……?」「そうだ……で、さっきの質問に戻るが……アンタはどうするんだ?」ニックは愕然としてるが……正直、そんな時間も惜しいんだ。だから、カーマインは質問を繰り返す……まぁ、答えは分かってるけどな。「…俺も行く!足手まといにはならない筈だ!頼む!!」俺達に、それを断る理由は無かった。こうして、ニックを同行者とした俺達は、先に進み……。カチッ!イリスは、岩の隙間にあった金属の突起を押し込み。ビュウンッ!!宙に浮かぶクリスタルの様な物に触れ……。ブゥン……。秘密研究所への隠し通路を開いた……。開いた……というより、認識阻害系の結界と、魔力障壁の様な物を合わせた壁……みたいな物が消えた……というのが正確かな?「さて……、ニックには説明してなかったが……俺達には作戦があってな……」「作戦?」「あぁ。それは……」俺はニックに説明する……俺達の策と、その概要を……。**********と、此処で今現在に戻る。イリスには研究室へ先に入ってもらい、俺は扉の陰からソレを伺う。そして、タイミングを見計らって扉から侵入したワケ。「これはこれは学院長殿……随分と、好き放題やってくれた様で……」「まさかここを嗅ぎ付けられるとはな……」俺は見た……この部屋に漂う嘆きと怨恨の魂を……そして、イリスが停止させた装置の中に居る……白衣の女性を。「おお、君達!早く助けてくれ!!」……どうやら副学院長も捕らえられていたらしい……予想通りだが。「アイリーン!!」「おじさま……」後ろから来たのは、ニック……そしてミーシャと、ルイセ……そしてアリオストだ。「あ………ニック………ニック……?……来てくれたぁ……来て……くれ……」「ア……アイリーン……」ニックは見た……四肢が血まみれになった彼女を……そして、力無き瞳で……それでも安心した様に微笑む彼女の顔を……。「どうして……どうしてアイリーンさん達をこんな目にあわせるの!?」「決まっている。私がグローシアンになるためだ!」ルイセは、イリスから説明を受けていたとしても、どうしても聞いておきたかった様だ。「……やはり、彼女の言ったことは真実だったのか」「その口ぶりでは知っているらしいな……大方、イリスが口を滑らせたのだろうが……」「ああ……全部聞かせてもらった……テメェがグローシアンになって、支配者を気取るつもりだってこともな……」アリオストは、イリスの言葉が真実であったことを認識した。ヒゲはイリスが喋ったことを悟った……当然だな。これで気付かなきゃ、ただの馬鹿だ。「……そんなことの為に…俺の…俺のアイリーンをぉぉぉっ!!!!」「研究に犠牲はつきものだよ。では逆にこちらから質問しよう。どうやってミーシャとイリスのテレパシーを遮断したのだ?」「!?」ニックは怒る……愛すべき者を、守りたかった者を奪おうとしたこの屑野郎を……許せなくて。それをクソヒゲは、研究に犠牲は付き物……そう言って吐き捨てやがった。そして、テレパシーが繋がらないことへの疑問を浮かべて………。………ミーシャの身体が震えたのを、俺は見逃さなかった。「……マジックジャマーって、知ってるよな?」「成る程……そういうことか……余計な物を持ってきたものだ……」ヒゲはそれだけで、事の顛末を理解した様だ。「大人しく人形でいれば良いものを……お前達の様な不良品は即刻廃棄してやる!」「………あ…ぁ………」ミーシャは震える……理解していた……。理解している筈だった……だが、感情では納得したくなかったのだろう。心の何処かでは信じたかった……ソレを真っ向から断ち切られた。だから、再び絶望という名の鎖がミーシャを搦め捕ろうとする……。「……許さない……。許さないんだからっ!多くのグローシアンを、そしてわたしの親友まで傷つけて!絶対に許さないんだからっ!!」「ミーシャはお前を見張らせる為に造らせた道具……それを親友だと?笑わせる!」……もう良い。「!?なっ……!!」「貴様はもう喋るな……」俺は……自身の怒りを解放する。コイツだけは……許さん!!「あの二人はお前の人形じゃない……ミーシャも、イリスも……意思を持った存在だ。お前の玩具にして良い様な奴じゃないんだよっ!!」「あ……」「シオン……貴方は……」「ミーシャはな……俺達の大事な仲間だ!!イリスだって、俺にとっては大切なダチだ!!だから……そんなコイツらを弄んだ貴様は……許さん!」「ふん……飛んで火に入る夏の虫……貴様のグローシュも取り出してやる!」意気込むのは結構だが……。「お前一人で……か?」「ふん……愚か者め!私が駒を持っていないと思っているのか?」「愚か者はお前だ……そんなことくらい、見抜けないと思ったか?」俺はクソヒゲに告げてやる……真実を。「……何だと!?」「気付かなかったのか……?お前に学院で会った時、俺達は何人で行動していた?そして、残りの連中は何処に行った……?」「まさか……!?」「ご名答……そのまさかさ」研究所に入る前に、気を探ってみると……研究所の中に複数の気を感じた……最初はグローシアンかと思ったが、それにしては大多数からグローシュの波動を感じなかったし、気が散らばり過ぎている。ならば、敵と当たりを付けるのは当然。元々、捕まっているグローシアンを助ける為、二手に分かれる予定だったのだから……。なので、救出班には敵の掃討も頼んだ。その分、救出班に人数を多く割くことになったんだが……。「ぐぬぬぬ……愚民がぁ……調子に乗りおってぇぇぇ!!?」「黙れと言ったぞ……慈悲は無い……楽に死ねると思うなよ」俺は愛剣リーヴェイグではなく、魔導具である天弓を装備し、構える。ニックも剣を抜き放った……。アリオストは今のうちにアイリーンを救出、回復魔法を掛けていた。今回はルイセもやる気だ……そして、イリスと……。「アタシは……アタシは人形じゃない!!」……ミーシャも。「ふん!死ぬがいい愚民どもっ!!」パチンッ!!ヒゲが指を鳴らす……すると、空間が歪んで剣が現れる。それが一本ずつ俺らを標的にし……。ドドドドドドッ!!!……たが、俺が天弓で全部叩き落とした。ちなみに、肉弾戦で全て叩き落とすことも可能だが、それはしない。……そのままの勢いでヒゲを倒してしまいそうだからな。「なっ……」「悪いが……そんな手品くらいではやられねぇよ」クソヒゲを切り倒したいのは山々だが……。それは……。「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」ズシャアッ!!!!「ごふぉ……!?」この男に譲るぜ。剛剣のニックは伊達じゃない……ってか?渾身の一撃がクソヒゲに叩き込まれた。「まだだ……私はグローシアンの王に……支配者になるのだ……こんな所で……」「良いから逝っとけ……屑野郎」致命傷を受けた筈のヒゲが立ち上がり、抵抗しようとして来たので……。ドシュッ!!俺は容赦無く、その頭をぶち抜いた。「……マスター……」「………………」イリスとミーシャが、複雑な表情で見守る中……ゆっくりと地に倒れる屑を……俺は、とことん冷めた眼で見遣るのだった。「おーいっ!!」と……あっちも終わった様だな?「どうやら、皆無事みたいだな?」「おいおい……本気で心配してたんじゃねぇだろうな?」俺の言葉に、苦笑を浮かべながら問い返してくるゼノス。確かに、心配なんて殆どして無かったがな。「それで……アイリーンさんは?」カレンが尋ねてきたので、俺はアイリーンさんに視線を向けることで答えとした。「………ニック……来てくれた……来てくれた……?何処に……?けど……うれしい……」「アイリーン……」「傷の手当はしましたが……僕にはこれ以上のことは……申し訳ない」原作より早い段階で装置を止めたからか、忘れていることは少ないが、加速度的に記憶が壊れてきている様だ……。ニックはそれに愕然とし、アリオストは治療しか出来ない自分の不甲斐無さから、謝罪している。「彼女……なんであんなことに……」「詳しくは分からないが……どうやら、グローシュを無理に抜き取ろうとしたための、後遺症らしい……」ラルフが呟いた言葉に、俺は答えを返す。「……そんな……」カレンは小さく言葉を零す。「なんでこんなことが出来るんだろう……。いくら研究のためでも、人を傷つけていいなんて、そんなの、間違ってるよ……」「でも、このままじゃいられないよ。すぐにお城に報告して、ここへ来てもらおうよ」ルイセは悲しむ……同じ人間なのに、何でこんなことを……と。魔導師としても、ヒゲのやり方は許せないと……。ティピは城に報告すると言っている……それはグッドアイディアなんだが。「そうだな。だがお前のテレパシーは使えないんだろ?」「ん〜、マジックジャマーの範囲から出れば大丈夫だと思う。アタシ、外に出てマスターに報告してくるから、少ししてから来てね」ウォレスの言う通り、マジックジャマーがあるため、テレパシーは使えない……が、マジックジャマーの効果範囲から出れば話は別だ。ティピはサンドラに報告するため、外に向かった……。「それで……そっちはどうだったんだ?」「ああ……俺たちはシオンたちと分かれた後、更に二手に分かれたんだ」カーマインが言うには、各部屋の探索、敵の掃討をカーマイン、ウォレス、リビエラが……地下へグローシアンを救出に向かったのが、ラルフ、ゼノス、カレンだったそうな。「捕まっていたグローシアンは……1人だけだったよ。他に人は居なかった……」「そうか……その人は?」「ミラさんって、女の人なんだけど……今は扉の外で待って貰ってる……シオン達が戦ってたら、巻き込んでしまうかも知れなかったから」俺の問いに答えたのはラルフだ。にしても、ミラか……確か、原作ではラシェルで療養している、アルトという男の恋人がミラだったか……。現実としては、アルトと話したことが無いから分からないが……ミラはグローシアンだった筈。……そう考えたら、『そのミラさん』は『あのミラ』……なんだろうな。カチッ、カチッ!ビュウン!「ふぅっ、助かった……」副学院長がカプセルから出て来た……どうやらイリスが装置を止めたらしい。「……………」そのイリスも、心ここに在らず……という感じだが……無理も無い……か。「しかし、予想が当たったとは言え、本当に学院長が黒幕だったとはな……」「イリスさんが教えてくたおかげ……ですね」「……私は何も……ただ、自分の心に従っただけですから……」ウォレスはヒゲの死体を見ながら、予想通りとは言え、ヒゲが犯人だったことに軽いショックを受けた様だ。カレンはイリスのおかげだと言うが、イリスは複雑そうな表情をして、ソレに答えた。「…………」「ミーシャ……」「大丈夫……ルイセちゃん。アタシは大丈夫だから……」そう答えるミーシャだが、その瞳には深い悲しみが彩られているのを、見逃せなかった……。「まぁ、結果はどうあれ、やっと一段落……って所か?」「そろそろティピもいい頃だろう。王都へ戻らないか?」「そうだな……」ゼノスとウォレスに促され、カーマインは王都へ戻ることを告げた。「私は他の兵が来るまで、アイリーンとここにいます。どうもありがとうございました」「私もここで待つことにするよ。正直、腰が抜けてすぐには動けそうにない」……そう告げるニックと副学院長にこの場を任せ、俺達は外に出た。すると、ティピが待っていた。「あ、来た来た」「どうだった?」「ローランディアでも、独自に調査してくれてたみたい。すぐにここへ来てくれるってさ」「よし、それじゃ行こうか」――こうして、後味の悪い事件は……とある少女と女性に少なくない陰りを落として、幕を閉じたのだった――**********おまけNG学院長はEI-YOU-王?「フン!死ぬがいい愚民ども!」ヒゲが指をパチンッ!と鳴らすと、空間が歪み無数の剣が……って、待てコラ。「見せてやろう……王の財宝の力を……『ゲート・オブ……』」「ちょ、作品が違っ!?」結論、全部叩き落としてやりました。いやね?見た目は凄いけど、所詮見た目だけだし……数が多いだけで聖剣魔剣の類じゃないし……ハッキリ言おう。ただの剣なんかを何万本放って来ようが、俺には通じん!!俺の全力の弾幕は某東方を凌駕する!!え、やり過ぎ?研究所が粉々?……うん、反省してる。おまけ2ハーレム馬鹿一代「…………」「……………」私とカレンはシオンをジト目で見詰める……スルーされてるけど。うん、理解はしてるのよ?シオンがあのイリスって人を、どうこうしようってワケじゃないってことくらい。……彼女は好意を持ってるみたいだけど。それは良いの!仮にシオンがその好意を受けたとしても……それは真摯な物だろうから、納得もするわ。ただ、私たちが散々アプローチを掛けてるのにスルーして……なのに、新しい人をアレするなんて……許せないじゃない!「カレン……私たち甘かったのかもね」「私はシオンさんの意思を尊重するつもりでした……けど!」私達は決めた……他の人に目を向けたりしないように、もっと大胆に…ってね?絶対に骨抜きにしてやるんだからっ!!(見えない……俺は熱い視線も、ピンクな空気も……何にも感じないんだからねっ!!?)**********後書き。最初に謝っておきます。ごめんなさいm(__)m散々悩んだ結果がコレ……笑えよ……笑うが良いさ……的心境だったりします。最初はじっくり戦う予定だったのですが、色々あってこんな形に……。まず、シオンが殺る気になって学院長に苦戦とか無いな……と、思ったのと、当初の予定通り進めていたら、後3話は続いたことなどがあったので……。収拾つかないな……と。当初の予定(今回の話との相違点)。・ヒゲの研究所に乗り込む。・アイリーンを助ける。・ヒゲの策発動、イリス意識を持ったまま操られ、自身の命を人質に取られる。・シオン、攻撃出来ず、グローシュを抜き取る装置の中へ。・シオン、装置の中で全力全開。大量のグローシュを放出して破壊。………などなど。他にもルイン登場で大根ランとか、イリス重傷とか……。そういう展開だったワケで……ちなみに、最初はアイリーンは犠牲にならず、シオンが犠牲になり……徐々に記憶が逆行していく予定でした。さて、ゲームで言えばようやくDisk2に入ります。まだ先は長いですが、最後までお付き合い願えると幸いです。それではm(__)m