※この話は、もし『シオン』こと『海堂 凌治』、『リヒター』こと『国枝 国彦』の立場が逆だったら……というif話です。つまり、もしも『シオン』が『国枝 国彦』で、『リヒター』が『海堂 凌治』だったなら……という話です。中身が違うことを念頭に考えて、ご覧下さい。それと、とある人物のせいでBADEND仕様です。ハッキリ言って気分が悪くなります。それでも良いという人は……どうぞ。*********Sideシオン(in国枝 国彦)オッス!オラ国彦っ!!突然だが、皆に言いたいことがある。俺、オリ主になりました。何を言っているかは分からないだろう……だが、これは変えようの無い事実!そう、俺はオリジナル主人公として!此処!グローランサーの世界に爆誕したのだ!!まぁ、別にトラックに轢かれたワケでもなく、事故にあったワケでも無いんだが……何故か転生していたのだ!!しかもシリーズ最高傑作と名高い無印!!銀髪蒼眼の美青年!!ニコポナデポも思いのままよ!!フフフ……見える、見えるぞ!!俺による俺の為のハーレムが!!オリ主の俺により平和を約束された大地が!!あ、ちなみに今の俺の名前はシオン。シオン・ウォルフマイヤーだ。バーンシュタイン王都の郊外にデッカい屋敷を構えた、インペリアル・ナイトを多く排出してきた家柄。オリ主に合わせてオリ設定ですね分かります。俺の親父になる、レイナード・ウォルフマイヤーも、少し前までナイトだった。まぁ、小難しい話はともかく……俺のオリ主たる活躍ぶりを、諸君に聞かせようじゃないかと思う。まず、生まれた時から赤子の時の話だが……ここはスルーで。誰にでも黒歴史はある。……まぁ、見た目美少女な母親にお乳を貰ってたのはラッキーだった。つい、ねっぷりとした舌使いをしたのは内緒だ……。さて、幼少時……身体が動く様になったらやることがある。オリ主恒例、能力チェックだ!!で、色々試した結果……。「ふ……フハハハ!!俺TUEEEEEEE!!これで勝つるっ!!!」どうやら俺は皆既日食のグローシアンらしいが、それを考慮して余りある程の魔力!!そして、なんと……俺は気が使える!!そう龍玉な世界で有名な気だ!!テンションイールアップですよ!!男の子なら誰しもが憧れる、龍玉!!ちなみに、その力も相当の物で、近くの森の奥で全力全開にしたら、周りが吹き飛んだ。ハッピートリガー状態になって、ゲヴェルの本拠地に乗り込んだ俺は決して悪くない筈だ。「な、何だ貴様は!!?」「問答無用!!チイィィネェーーーーッ!!!」「ウギャアアアアァァァァァ!!!?」グローシアンパワー+気で強化してのフルボッコ。正直、勝負になりませんでした。武器?手刀で十分さね。某大魔王の災厄の終わりみたいなモノだし。拳圧だけで吹き飛ぶし。まぁ、道中……仮面騎士やユングで散々試したんだけどね。罪悪感?化け物に同情の余地無しっ!!まぁ、人としてどうよ?と、思わなくは無いけどね?どうやら、俺は気や魔力を読めるらしく、だから分かった。ゲヴェル、恐るるに足らず……と。気功波ぶっ放して、野菜王子みたいに「汚ぇ花火だぜ……」とかやりたかったが……出来なかったので汚い肉塊にしました♪案の定、ジュワアァァァって溶けちゃったよ。しばらく肉料理は食えそうに無い。やることやってスッキリした俺は、満足しながら家に帰って行った。(ちなみにこのことが原因で、バーンシュタイン王国第一王子と、大陸一の豪商の息子と、宮廷魔術師の息子が急死する羽目になったのだが……この時の国彦は気付かなかった)少年期………リシャール王子がお亡くなりになられましたが……もしかせんでも俺のせい?……そう言えば、王都でも商人の息子が溶けて消えたとか……。………もしかしてカーマインも?……ま、まぁ、不幸な事故だよな。うん、俺のせいじゃない。とにかく、国を震撼させる事態だったが、その騒ぎも鎮静化したある日……俺は更に行動に移す。「遥々来たぜランザック!!」気で強化して全力ダッシュ……半日も掛からなかったぜよ。「というわけで瞬殺!!」「グボァッ!!?……なん……な………」ランザック城に忍び込み、ヴェンツェルを暗殺。気や魔力を自在に調整出来る俺には朝飯前なのだ!!ヴェンツェルの死体を連れ去り、適当な場所に埋めて帰還。……これで巨悪は滅びた。ふふ、流石はオリ主。********その後、シオンは邁進し続ける。自身に宿った便利で厄介な能力。ラーニング能力に悩まされながらも、それを利用し……能力を向上させながら。そして、少年期にジュリアと出会い、唾を付けた。まぁ、色々あって少年期からラブラブだった。父や母から剣や魔法、戦略などを学び……。そして青年期への変わりめに、軍学校へ入学。アーネスト・ライエル、オスカー・リーヴスと竹馬の友になる。そして軍学校卒業後、インペリアルナイトに。ナイツマスターに任命されるのも時間の問題だった。そして知らされた真実……本物のリシャール王子の存在。どうやら、リシャールも死んだ時に溶けたらしい。後継ぎのいないバーンシュタイン王国は、王子の捜索を急務とした。王子は直ぐに見付かった。バーンシュタイン王国内に住んでいたのである。それを見付けたのはシオンだった。その後、紆余曲折があり、リシャール改めエリオット王子誕生。シオンの調教……もとい、教育により最初から女であろうとしたジュリアを皮切りに、シオンはそのキラキラパワーを用いて積極的にハーレムを作成。原作キャラは言うに及ばず、モブの街娘らをも頂いたシオン。一挙に百人以上の子供を持つ親に。順当に平和を享受していたシオンだったが……。「すいません……シオン様でしょうか?」「そうだが……君は?俺のファン?」「はい、是非サインを下さい!!」「フフフ……仕方ないな?特別だ………ぞ……?」ズシュ……。「フフフ……愚かだねぇ……油断しやすい性格が災いしたねぇ……君の力、戴いたよ?アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」「お前……何者……原作知識に……無い……オリ主たる俺が……この程度で……」「……まだ生きてるのか。さっさと僕に力を寄越しなよぉ!!!?」「ガアアアアァァァァァァァァァ!!!!???」生来の調子に乗りやすい性格が災いし、もう一人の転生者、ルインの凶刃を受け、その能力と命を奪われる……享年27歳だった。********Sideリヒター(in海堂 凌治)最初は何か分からなかった。俺は身動きの取れない場所に居た……。混乱と恐怖……暗闇の中でもがいていた俺を救ってくれた男……。徐々に視界が閉ざされる中で、確かな光を感じながら……。俺の名は海堂 凌治。極平凡な企業戦士だ……だった筈だ。しかし、眼を覚ますとそこは、知らない天井ってやつで……最初は混乱したもんだ。俺が所謂、転生というのをしたこと……この世界がグローランサーという、前世においてゲームになっていた世界だったこと。これらを理解するのに結構掛かったなぁ……。あ、俺の今の名前はリヒターだ。……オルタの主人公かよ。orz したのは記憶に新しい……。だが、どうもオルタとは状況が違うらしく、俺を引き取ったのは鉱山夫だということだ。……つまり、今の俺は物語に巻き込まれる可能性は少ないってことだ。だが、確か物語後半に水晶鉱山を占拠される筈だ……。その時、生き残れる様に……大切な者を守れる様に……己を鍛えておこう。幸い、この身体の才能は凄まじく、達人級の力を身につけるのに、あまり時間は掛からなかった。しかも、どうやら生物兵器としての力を自由に行使出来るらしい。……これなら、余程のことが無い限り、皆を守ることが出来るな。そんな俺だが、今は……。「親父、早く行こうぜ?」「おう、んじゃあ行くか!」「二人とも、いってらっしゃい」「ああ、行ってくるよ。お袋」俺は鉱山夫として、親父と一緒に働いている。毎日忙しいが……充実した日々を送っていると思う。「ふぅ……」「おう、疲れたかリヒター?」「冗談、まだまだイケるぜおやっさん!」「若いねぇ〜……俺も昔はなぁ?」現場の人達との仲も良好……皆、気さくな良い人達ばかりだ。ちなみに、旧坑道に巣くう馬鹿者どもは早い段階でボコッて自警団に引き渡しておいた。俺の眼の黒い内は、俺の勤める職場で不正は許さん!!まぁ、正体がバレたら学園ヒゲに何をされるか分かったモノじゃないから、仮面を着けたりして変装してたケドな。「リヒター、お前……外の世界とかに興味は無いのか?」「どうしたんだよ親父……薮から棒だな」「いや、な?お前は頭も良いし、腕っ節も立つ……しかるべき場所に行けば出世街道に乗ることだって出来るだろうに……こんな仕事を……」「コラ親父……俺が嫌々鉱山夫をやってるってのか?俺は好きでこの仕事をしてるんだ……それとも親父は俺が居たら邪魔なのかな?」「んなワケねぇだろう!!」「だったら、そんなこと言わないでくれよ……俺はこの街が、この街に居る皆が好きなんだ。例え、俺が本当の息子じゃなかったとしても……親父が良ければ跡目を継ぎたいと思うし、な?」「オメェ……気付いてたのか?」「まあ、な。俺って親父にもお袋にも似てないし……それはともかく。こんな出来た息子が居るんだ。何時引退しても良いんだぜ?」「ば、馬鹿野郎!10年早いんだよっ!!そんなことを言う暇があるなら、嫁の一人でも連れてきやがれ!!」「そうしたいのは山々だが……俺、モテないしなぁ……皆、俺を見るとソワソワしながら視線を逸らされたり……風邪をひいたのか真っ赤になりながら逃げたり……顔は悪くないと思うんだがなぁ……やっぱり性格かね?」「お前……本気で言ってるのか……?」「……その娘さん達も可哀相にねぇ……こんな朴念仁を……」「お袋!?いつの間に……」リヒターは平穏に過ごしていた……また、それを望んだのだ。だが……ある時。バーンシュタイン王国が滅亡した……という噂が流れた。この鉱山街ヴァルミエも国内ではあるが、魔法学院の管轄である為、主だった被害は無かった……。……今までは。「フフフ……君の技は覚えたよ、リヒター君?」「馬鹿な……俺のアビスが……効かない!?」ある時、ふらりと現れた一人の男……そいつが自警団を虐殺したのだ。怒りが身体を支配していく中、家族や友人達を逃がす為、勝ち目の無い戦いを挑む。だが……リヒターの最強の一撃は男……ルインには通用しなかった。「そぉれ、受け取れ……アビス」「なっ!?ガアアアアァァァァァァァァァ!!?」あまつさえ、ルインはアビスを繰り出して来たのだ……。「ぐ……うぅ……」「もう終わり?つまらないなぁ……じゃあ、不甲斐無いリヒター君には、罰ゲームを与えま〜す♪」「な、何を……」「確か……あっちだったね……」ルインは呪文を唱える……現れたのは巨大な魔法陣。そして……強大な魔法。「まさか………」「くふふふ……そのまさかだよ。……メ・テ・オ♪」「止めろおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」召喚されたその強大な隕石は、広大な土地を薙ぎ払った……リヒターが身をていして逃がしたモノ達……その全てを。「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!み〜んな死んじゃった♪」「……嘘……だ……」「嘘じゃないよ?皆、ぺちゃんこ……いや、粉々になっちゃったよ。真っ赤な真っ赤な……赤ぁい花を咲かせてね?まぁ、メテオの熱量でその真っ赤な花も直ぐに蒸発しちゃったんだけど」ザザザッ!!頭を過ぎるのは赤い水溜まり……。「嘘だ……」……壊れた人形の様になってしまった少女。「嘘じゃないって……僕は気を読めるからね……みーんな消えたよ」……それでも微笑んで……その姿が重なり、鮮明に……。「嘘だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」「煩いよ屑」ズウゥゥン!!「がっ!??」飛び掛かろうとしたリヒターを縛り付けるのは、重力の楔。「フフフ……君も綺麗な赤い花を咲かせるかい?」その嗜虐的な視線は、目前のリヒターを侮っていた……だが。「アアアアァァァァァァァァァッ!!!!」「何!?」リヒターを覆うのは青き奔流……それは気と呼ばれる代物だった。殺意に身を流されるまま、リヒターはルインに切り掛かった……。「しまった!!?………なんてね?」振り下ろされたのは深緑の光……ルインによる全力の魂の光。「あ………」光に包まれる中で……走馬灯が流れていく。リヒターとしての人生、その中で出会った両親、同僚、友達……そして……海堂 凌治としての人生……両親、弟、悪友、同僚………そして。「………沙…………紀…………」数奇な運命の中、平穏に生きようとした男の人生は、こうして幕を閉じた。享年29歳だった……。「フフフ……消滅したかぁ。まぁ、汚らしい肉塊を片付ける手間が省けた……という所かな……おっ?……この力があれば空も飛べるか。……フフフ……アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ!!これで僕を脅かす者は居ない!!僕こそ、この世界の神っ!!!この世界は僕の物っ!!!僕の玩具だぁっ!!!!ヒャハハハハハハハハッ!!!!」―――これは、もしもの物語の、更にもしものお話。もしもシオンが油断しなければ………シオンとリヒターの中身が違えば……。或いはルインという存在が無ければ……。ただ、言えることは……この世界は破滅に向かうということだ。もはや、彼の者を止めることが出来る者は……誰も居ないのだから……。********後書き。唐突に思い付き、作ってみたif話。本来はオタクニシオンが無双して、リョウジリヒターが平穏に過ごす……というだけの物でした。しかし、ならルインは?そう考えた結果、BADENDに。最初から居ないことで考えたら、彼らはそれぞれの人生を謳歌した筈。しかし、ルインが居ることを考えた場合、オタクニがもっと鋭い性格をしていない限り……。正直、ご都合主義作品で、肝心の場面でご都合主義が発動しないと言う、胸糞悪い話ですが……。こういう展開もあった……ということで。