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No.7317の一覧
[0] グローランサー デュアルサーガ(旧題、異世界転生者の平穏)多重クロス(ネタ)[神仁](2013/12/29 20:56)
[1] プロローグ―ふわふわぴかぴか?―[神仁](2011/11/13 21:53)
[2] 第1話―チートボディなのに才能無いとか……イジメですか?―[神仁](2011/11/14 06:44)
[3] 第2話―友人・傲慢・前途多難―[神仁](2011/11/14 07:19)
[4] 第3話―ラーニングとその代償―[神仁](2011/11/20 13:11)
[5] 第4話―O・NI・I・SA・N・暴・走―[神仁](2011/11/20 20:37)
[6] 第5話―シオンVSゼノスin闘技場―[神仁](2011/11/29 18:56)
[7] 第6話―主人公補正=朴念仁?―[神仁](2011/11/29 18:51)
[8] 第7話―原作開始!―カーマインSide―[神仁](2011/11/29 19:01)
[9] 第8話―原作開始!―シオンSide―[神仁](2011/11/27 21:49)
[10] 第9話―原作開始!暗躍!!頭領、就任?―[神仁](2011/11/29 19:07)
[11] ―みにみにぐろ~らんさ~♪パーソナリティはティピと………このネタを知らない人はゲームをクリアしておまけを聞こう♪番外編です―[神仁](2009/03/18 19:49)
[12] 第10話―運命に導かれ出会いし者達―[神仁](2011/11/30 05:17)
[13] 第11話―強襲!盗賊団頭領!!―[神仁](2011/11/30 06:03)
[14] ―ラングレー兄妹の憂鬱―番外編2―[神仁](2011/12/01 17:16)
[15] 第12話―兄と妹と―[神仁](2011/12/01 17:49)
[16] 第13話―エンカウント、誤解されそうなシチュエーション―[神仁](2011/12/01 18:06)
[17] 第14話―光と光が出会う時―[神仁](2011/12/01 18:24)
[18] 第15話―影の掃討と再会―[神仁](2011/12/01 18:43)
[19] ―みにみにぐろ~らんさ~♪速報!作者はプロット変更を余儀なくされたようです。微妙にネタバレ注意―番外編3です―[神仁](2009/03/30 14:04)
[20] 第16話―それぞれの価値観と少年との出会い―[神仁](2011/12/01 19:51)
[21] ―みにみにぐろ~らんさ~♪これが出た時は作者はリアルで忙しいと思って下さいm(__)m―番外編4です。[神仁](2009/03/31 22:41)
[22] 第17話―デリス村の戦い―[神仁](2011/12/01 20:06)
[23] 第18話―宴の夜とそれぞれの想い―[神仁](2011/12/01 20:22)
[24] 第19話―邂逅…師弟で主従な二人―[神仁](2011/12/01 20:34)
[25] 第20話―闇の遣い、テレポート、ラーニング―[神仁](2011/12/01 20:56)
[26] 第21話―サンドラを救え!―[神仁](2011/12/01 21:06)
[27] ―みにみに!ぐろ~らんさ~♪パーソナリティはティピと…………アレ?―番外編5です―(楽屋裏ネタ注意)[神仁](2009/04/05 23:48)
[28] ―ジュリアン・ダグラスの憂鬱―番外編6―[神仁](2011/12/01 21:11)
[29] 第22話―魔法学院、寄り道、カレンを救え―[神仁](2011/12/03 17:14)
[30] 第23話―……慟哭……―[神仁](2011/12/03 18:36)
[31] 第24話―ラングレー家での優しい時間―[神仁](2011/12/03 22:15)
[32] ―カレンの彼への想いはマキシマム!最初からクライマックスです!―番外編7―[神仁](2011/12/03 22:23)
[33] 第25話―決意、新たに―[神仁](2011/12/04 22:16)
[34] 第26話―登場!妄想少女ミーシャ!―[神仁](2011/12/04 22:37)
[35] 第27話―ミーシャ大暴走!二人のお兄さま☆―[神仁](2011/12/04 22:51)
[36] 第28話―学院長(クソヒゲ)との邂逅―[神仁](2011/12/04 23:02)
[37] 第29話―南の遺跡、天才学者アリオストとの出会い―[神仁](2011/12/04 23:14)
[38] 第30話―いざ、フェザーランドへ!―[神仁](2011/12/04 23:27)
[39] 第31話―I Can Fly!!到着、フェザーランド!―[神仁](2011/12/04 23:37)
[40] 第32話―交渉人シオン・ウォルフマイヤー?―[神仁](2011/12/04 23:47)
[41] 第33話―ネゴシエイター・シオンの交渉内容―[神仁](2011/12/04 23:57)
[42] 第34話―妄想少女と手掛かりと闘技大会―[神仁](2011/12/05 00:07)
[43] 第35話―いざグランシル!アリオストの祖父と父親―[神仁](2011/12/05 00:21)
[44] ―ウォルフマイヤー夫妻の憂鬱……inジュリアン―番外編8―[神仁](2011/12/05 00:27)
[45] 第36話―開催!グランシル闘技大会!未然に防ごう影の企み―[神仁](2011/12/05 00:57)
[46] 第37話―準決勝……そして決勝!!激闘の果てに―[神仁](2011/12/05 04:07)
[47] 第38話―激闘!!決勝戦!!それぞれの想いと漢(おとこ)の誓い―[神仁](2011/12/05 22:33)
[48] 第39話―修羅場発生そして……魔王降臨!―[神仁](2011/12/06 19:46)
[49] 第40話―ジュリアンとの邂逅……決意と誓いと願い―[神仁](2011/12/06 19:56)
[50] 第41話―ジュリアの決意と想い―[神仁](2011/12/06 20:07)
[51] ―カレンの思考……同盟結成の巻―番外編9―[神仁](2011/12/06 20:18)
[52] 第42話―DOKI☆DOKI♪湯煙温泉紀行?―[神仁](2011/12/07 03:21)
[53] 第43話―ダニー・グレイズのフェザリアン講座―[神仁](2011/12/07 18:14)
[54] 第44話―過去の傷痕―[神仁](2011/12/07 18:37)
[55] 第45話―自覚と逃避―[神仁](2011/12/07 18:51)
[56] 第46話―歌と花とおじいさんと―[神仁](2011/12/07 19:01)
[57] 第47話―お見舞いと、情報収集と、男の約束―[神仁](2011/12/07 19:33)
[58] 第48話―女王の救出―[神仁](2011/12/07 19:48)
[59] 超・番外編……とある転生者の激闘―これで勝つる!―[神仁](2011/12/07 19:59)
[60] 第49話―シオン・ザ・ネゴシエイター再び―[神仁](2011/12/07 20:12)
[61] みにみに!ぐろ~らんさ~!微妙にネタバレ注意―番外編10―[神仁](2009/05/11 20:38)
[62] 第50話―サンドラ回復!忍び寄る影と仕官―[神仁](2011/12/07 20:34)
[63] 第51話―初任務とシオンの漫画日本昔話―[神仁](2011/12/07 20:45)
[64] 第52話―聖剣と魔剣のお話……そして新たなフラグの香り―[神仁](2011/12/07 20:56)
[65] 第53話―任務達成、初めての休暇―[神仁](2011/12/07 21:06)
[66] ―サンドラ・フォルスマイヤーの憂鬱―番外編11[神仁](2011/12/07 21:16)
[67] 第54話―シオン先生のマジカル講座!そして白々しいヒゲ―[神仁](2011/12/07 21:26)
[68] 第55話―水晶鉱山潜入……クリアノ草?いらないだろ?―[神仁](2011/12/07 21:36)
[69] 第56話―ウォレスの拳と巨人の人型―[神仁](2011/12/07 21:47)
[70] 第57話―休暇と秘書と心のしこり―[神仁](2011/12/07 21:56)
[71] 第58話―戦争勃発…忠誠と救出と月夜の晩に……―[神仁](2011/12/07 22:38)
[72] 第59話―シオンの葛藤、受け入れられた想い……―[神仁](2011/12/07 22:49)
[73] 第60話―過去との邂逅、未来への飛翔……そしてイチャラブ―[神仁](2011/12/07 23:01)
[74] 第61話―エリオット襲撃……って、何故に?計画が頓挫しそうな件―[神仁](2011/12/07 23:10)
[75] ―秘書イリスの感情―番外編12―[神仁](2011/12/07 23:15)
[76] 嘘予告!!超ネタバレ注意!『異世界転生者くんの憂鬱』[神仁](2011/12/07 23:21)
[77] 第62話―魔王再び、エリオットといけ好かないアイツ―[神仁](2011/12/07 23:33)
[78] 第63話―シオンとジュリア―[神仁](2011/12/08 18:21)
[79] 第64話―シオン先生の勉強会と、宮廷魔術師との契り―[神仁](2011/12/08 18:40)
[80] 第65話―イリスとの談話、アリオストの苦悩―[神仁](2011/12/08 19:21)
[81] 第66話―暴虐のコーネリウス―[神仁](2011/12/08 19:46)
[82] 第67話―動き出す時代……同盟と奪回―[神仁](2011/12/08 19:59)
[83] 第68話―リシャールごっことアンジェラ様と確かな証拠―[神仁](2011/12/08 20:09)
[84] ティピと!ラルフの!みにみに!ぐろ~らんさ~♪―番外編13―[神仁](2009/05/31 03:33)
[85] 第69話―暗躍するシオン……昔を思い出します―[神仁](2011/12/08 20:24)
[86] 第70話―アジト、メイド、父と母の愛と熱き血潮の漢(おとこ)達―[神仁](2011/12/08 20:47)
[87] 第71話―ジュリアのもとへ……と思いきやの四人目な件―[神仁](2011/12/08 22:24)
[88] 限りなく現実に近い嘘予告―封印されし異世界転生者―超ネタバレ注意[神仁](2011/12/08 22:36)
[89] 第72話―暗躍と説得とジュリアへの手紙―[神仁](2011/12/09 14:53)
[90] 第73話―ところ変わってカーマインSide―[神仁](2011/12/09 15:06)
[91] 第74話―情報収集、スニーキング、ティピちゃんは見た!―[神仁](2011/12/09 15:17)
[92] 第75話―対策、砦、合流―[神仁](2011/12/09 15:27)
[93] ―オズワルドの奮闘―番外編14―[神仁](2011/12/09 15:35)
[94] 超・番外編2……とある転生者の暴走―見せてやる!オリ主のチートぶりを!!―[神仁](2011/12/09 15:45)
[95] 限りなく真実に近い嘘予告―異世界転生者と並行世界の破壊者―超ネタバレ注意[神仁](2011/12/09 16:01)
[96] ティピとシオンの!みにみにぐろ~らんさ~!!―番外編15―ネタバレ注意―[神仁](2009/06/11 05:07)
[97] 第76話―戦争に策略は付き物です―[神仁](2011/12/09 16:10)
[98] 第77話―着替えと待機と死の商人―[神仁](2011/12/09 23:51)
[99] 第78話―無敵超人と策略―[神仁](2011/12/10 14:49)
[100] 第79話―同盟工作と死の商人再び―[神仁](2011/12/11 17:05)
[101] 第80話―同盟締結とGLチップス―[神仁](2011/12/11 17:23)
[102] 第81話―ベリーメロンと黒い円盤と常識の勉強―[神仁](2011/12/11 17:33)
[103] 第82話―観光地で語られる漢の挽歌と姫様との約束―[神仁](2011/12/11 17:43)
[104] 第83話―いざ、クレイン村へ―[神仁](2011/12/11 17:54)
[105] 第84話―村長との話し合いと小さなゲヴェル―[神仁](2011/12/11 18:05)
[106] 第85話―……鎮魂……―[神仁](2011/12/11 18:16)
[107] 第86話―鎮魂の祈りと信じること―[神仁](2011/12/11 18:27)
[108] 第87話―真実とシオンのお話―[神仁](2011/12/11 18:38)
[109] 第88話―レティシア姫の告白と勉強会―[神仁](2011/12/11 18:46)
[110] 第89話―カードの謎と地獄の鬼ごっこ開幕―[神仁](2011/12/11 18:54)
[111] 第90話―シオンVSグローランサーズin模擬戦―[神仁](2011/12/09 16:21)
[112] 第91話―イリスとケーキ―[神仁](2011/12/11 19:07)
[113] 限りなく実現しそうな嘘予告―異世界転生者と竜の騎士―激ネタバレ注意―[神仁](2011/12/11 19:24)
[114] 超・番外編3……とある転生者の破滅―オリ主は悪魔と手を結ぶ―[神仁](2011/12/11 19:39)
[115] 第92話―保護とチーム分け、アリオストの決意―カーマインSide―[神仁](2011/12/14 01:40)
[116] 第93話―手紙、約束、全員集合―シオンSide―[神仁](2011/12/14 17:59)
[117] ―ルイセ・フォルスマイヤーの視点―番外編16―[神仁](2011/12/14 18:05)
[118] 第94話―リビエラとカレンとサンドラと……おまけでハゲ―[神仁](2011/12/14 18:29)
[119] 第95話―甘々地獄と魔物使いのケジメ―[神仁](2011/12/14 18:58)
[120] ホップ・ステップ・嘘予告―異世界転生者とはぐれ悪魔―激烈ネタバレ注意―[神仁](2011/12/14 19:09)
[121] 第96話―最終兵器ミーシャと狂人シオンとデートな休日―[神仁](2011/12/14 20:48)
[122] 第97話―イリスの葛藤とカレンの夢と不安の影―[神仁](2011/12/14 21:10)
[123] ―イリス爆誕。シリアス&毒舌イリスさん―番外編17―[神仁](2011/12/15 01:40)
[124] 第98話―護衛とオリビエ湖と悪意の影―[神仁](2011/12/15 13:31)
[125] 第99話―ルイセの誕生日パーティー―[神仁](2011/12/16 06:41)
[126] 第100話―シオン・ウォルフマイヤー氏の極めて平穏な日常―[神仁](2011/12/16 07:06)
[127] 第101話―シオン先生の説明会と、カレンさんとの約束―[神仁](2011/12/16 13:00)
[128] ―ウォー・オブ・バーンシュタイン―番外編18―[神仁](2011/12/16 13:28)
[129] 〜if〜もしもシオンとリヒターの中身が逆だったら〜※BADEND注意[神仁](2009/11/08 23:04)
[130] 超絶嘘予告―異世界転生者と……戦国乙女?―ネタバレ注意―[神仁](2011/12/16 18:56)
[131] 第102話―暗躍する者、縛られた者―[神仁](2011/12/16 19:22)
[132] 第103話―疑惑と隠された真実―[神仁](2011/12/16 20:42)
[133] 第104話―真実と仲間―[神仁](2011/12/16 21:08)
[134] 第105話―断罪と陰り―[神仁](2011/12/16 21:39)
[135] キャラクター紹介〜第105話時点〜シオン&ラルフ[神仁](2010/01/12 16:28)
[136] 第106話―姉妹の絆―[神仁](2011/12/16 21:57)
[137] 第107話―考察、キス魔、ガチンコ訓練―[神仁](2011/12/17 02:56)
[138] 第108話―サンドラの師と触れた真実―カーマインSide―[神仁](2011/12/17 03:28)
[139] 第109話―最悪の襲来とグレンガルの最後と愛する騎士と―お触りもあるよ!―シオンSide―[神仁](2011/12/17 07:17)
[140] 第110話―闘争、脅迫、母の愛―[神仁](2011/12/17 19:10)
[141] 第111話―影の終焉、つかの間の休息―[神仁](2011/12/17 19:36)
[142] キラリと輝く嘘予告―異世界転生者のぱすちゃこんてぃにゅ〜+α放浪記―絶ネタバレ警告―[神仁](2011/12/17 19:56)
[143] 超・番外編4……とある転生者の死闘―オリ主の軌跡は自伝に残る―[神仁](2011/12/17 20:12)
[144] 第112話―決戦・バーンシュタイン―[神仁](2011/12/18 02:05)
[145] 第113話―ラルフに語られた真実と、陰謀に嵌められたシオン―[神仁](2011/12/18 15:42)
[146] 第114話―ジュリアの誓いとルイセの気持ち―[神仁](2011/12/18 18:02)
[147] 第115話―食い止められなかった凶行―[神仁](2011/12/19 16:25)
[148] 第116話―襲撃、復活、覚醒―[神仁](2010/03/04 05:17)
[149] 第117話―ペンダントと覚醒と決着へ向けて―[神仁](2011/12/19 17:46)
[150] 第118話―激突、決着、フライシェベルグ―[神仁](2011/12/20 07:12)
[151] 第119話―受けた褒美と、御前試合と、動き出すシオン―[神仁](2011/12/20 07:56)
[152] 第120話―シオンが行く!―[神仁](2011/12/20 11:53)
[153] 細部と展開が微妙に違うだけの嘘予告―異世界転生者と不屈の魔法少女―[神仁](2011/12/20 12:14)
[154] 第121話―銀の紅と銀の蒼―【15禁?】[神仁](2011/12/20 15:54)
[155] 第122話―問題児部隊とエリートと心酔する少女―[神仁](2010/05/19 23:50)
[156] 第123話―酒と休暇と触れ合う絆―【15禁?】[神仁](2011/12/21 17:52)
[157] 第124話―様々な邂逅―【15禁?】[神仁](2011/12/21 18:31)
[158] ―ジュリア・ダグラスの昔語り―番外編19―[神仁](2011/12/01 21:41)
[159] 第125話―同盟会談と新メンバーと……研修生?―[神仁](2010/09/17 00:37)
[172] 第126話―少女の願いと約束と成金―【15禁?】[神仁](2011/12/21 20:17)
[173] 第127話―シオンVS蒼天騎士団―[神仁](2011/12/22 16:25)
[174] 第128話―遅すぎた再会―[神仁](2011/12/22 17:10)
[175] なんちゃって嘘予告―異世界転生者と天体戦士―&異世界転生者と剣立つ大地―どちらもネタバレ注意―[神仁](2011/12/22 17:29)
[176] 第129話―胎動―【15禁?】[神仁](2011/12/22 17:51)
[177] 生存報告!みにみにぐろ〜らんさ〜♪―番外編20―[神仁](2013/01/02 07:42)
[178] 第130話―光と闇―束の間の祝賀会―[神仁](2013/02/17 03:00)
[179] 鋼鉄と杖の嘘予告―獣を宿した狩人と虚無の魔法使い―ネタバレ微注意―[神仁](2013/03/28 10:16)
[180] 第131話―介入―[神仁](2014/11/07 15:24)
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[7317] 第92話―保護とチーム分け、アリオストの決意―カーマインSide―
Name: 神仁◆ea4a46c3 ID:99adae9e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/12/14 01:40


さて、休暇を終えた俺達は――ローランディア王城の謁見の間へと、顔を出した。

「現在、お前たちの持ち帰った情報を重視し、シオン殿に任せるだけでなく、我々の方でもグローシアンの保護を進めることにした。シオン殿には負担を掛けるかも知れないが、そちらが既に保護しているグローシアンたちについては現状維持で頼みたい」

遂に来たか……裏にチラつくのはクソヒゲの影……。
だが、アルカディウス王は俺を信じてくれた……。
現に、俺が保護しているグローシアン達については、今のまま俺に任せると言って来たのだから。

「無論です。……それで、今回の任務は?」

「うむ、グローシアンの保護は順調に進んでいるのだが……実は1人だけ連絡の取れないグローシアンがいてな、それで困っておる。保養所に勤めている女性なのだが……」

俺の問いに答えるアルカディウス王……成程、アイリーンか。
……と言っても、俺の存在のせいで原作以下の接点しか無いわけだが……。

「それってあの人かな、ほら……えっと、なんて名前だっけ?」

「……あの人だよな……?確か白衣を着ていた……」

どうやら、カーマインも細かく思い出せない様だな……仕方ないか。
ほんの少し、話をしただけだしな……。

「確か……アイリーンさん、でしたよね?」

しかし、アイリーンの名前を思い出した者が一人……カレンだった。
そういえば、医療について色々聞いていたっけな?

「そうそう、その人!」

「ほほぅ、知っているとは心強い。それでは、お前たちが彼女を探し出して、保護して欲しい。」

ティピはカレンの答えに、スッキリした笑顔で同意。
アルカディウス王も、知っているなら話は早いと、任務の内容を告げる。

「アイリーンさんの保護ですか?」

「そうだ」

「それで、保護した後は、どこへ連れていけばいいのでしょう?」

「お前のよく知っているところ、魔法学院だ」

「魔法学院に?」

ルイセとアルカディウス王が話し合っている。
アルカディウス王が言うには、学院長には既に協力を頼み、学院長も快諾したという。

まぁ、あのクソヒゲにとっては渡りに船……って奴だろう。
わざわざ、危険を冒して俺の保護するグローシアンを奪いに来なくても済むのだから……。
とは言え、半数以上のグローシアンをこちらで保護している以上、何らかのアクションは取ってくるであろうことは、容易に想像出来るのだが――。

「シオンさん?そのアイリーンって人、シオンさんが保護している……なんてことは?」

「それは無いな。確かに、俺達はグローシアンの保護をしていたが、全員が俺達に保護されるのを良しとしたわけじゃない。中には断る者も当然だが居た……アイリーンさんもその一人さ」

ミーシャが疑問を尋ねてきたので答えてやる。

「僕達は同行を無理強いするわけじゃない……その人の意思に委ねていたんだ……安全策として、『転移の腕輪』を渡したりね?」

ラルフが更に追記する。
この場に居る面子には以前、転移の腕輪についても説明しているので割愛。

「で、その腕輪すら受け取らない人も居たのよ……その内の1人がそのアイリーンって人ね……その時は私やオズワルド達が交渉に行ったんだけど――ね?」

リビエラが詳しく説明する。

――アイリーンと面会し、交渉するリビエラ達。
自分達がグローシアンの保護をしており、グローシアンを狙う連中も存在するということを説明する。
真剣に説明したのが効いたのだろう……どうやら彼女はこちらの話を信じてくれたらしい。

任意での同行を求めたが、彼女は自身の仕事を理由に拒否。

まぁ、医者だし……原作ではカレンの命の恩人と言われていたことからも推測出来るが……。
恐らく――内科医であると同時に、外科医でもあるのだろう。
この世界の医療が、どこまで進んでいるかは分からないが……そんな彼女が患者を放って行けるわけがない。

ならばせめて……と、転移の腕輪を渡したのだが、そこを邪魔した奴が居た。

「彼女の恋人……ニックって奴に腕輪を取り上げられちゃったのよ……『アイリーンには俺が居る。だからこんな怪しげなアイテムは必要無い!!』……とか言ってね?」

丁度、ニックがアイリーンを訪ねて来ていたらしく、横槍を入れて来たらしい。
腕輪を窓から投げ捨てた後、ニックは警告したそうだ。

『貴様らの戯言なんか信じられるか……二度とアイリーンに近付いてみろ……俺がこの手で叩き切ってやる!!』

……と。
元より、無理強いをするつもりは無かったリビエラ達は、素直に引き下がったらしい。

「そういうことだったのか……」

アルカディウス王も納得した様に頷いている。

「じゃあ、アイリーンさんについて、先生は……」

「ああ、残念ながら分からないな……」

ルイセの問いに答えてやる俺。
突っぱねられたのに、無理矢理拐う様な真似はしない。
正直、突っぱねた奴まで面倒は見切れ無い。
冷たい様だが、正義の押し売りなんてしたくないんでな……。
どちらかと言うと、俺のはバーゲンセールだな。

とは言え、アイリーン自身の意思で突っぱねたのか?
……そう聞かれると返答に困るわけだが。

「それとシオン殿……シオン殿には別件で頼みたいことがある」

「私に……ですか?」

何なんだろうか?

「実は、シオンさんが保護したグローシアンたちの現状を確認したいのです」

サンドラが言うには、行方不明になったグローシアンの家族達が、随分前から国に捜索届けを出していたという。
無論、アルカディウス王は自国の民の為に捜索をしたが、殆どは行方不明のまま……稀に見つかっても、変死体で見つかる始末。

しかし、この前……俺から真実を聞いた。
故に、現状を知らせてやりたいと言う。

「勿論、事件が解決するまでは彼らを保護していなければならないが……せめて彼らの家族には無事であることを知らせてやりたいのだ……頼めるだろうか?」

確かに……それくらいなら問題無いだろう。
いや、むしろ保護しているグローシアン達の為にも、彼らの家族達と何らかのコミュニケーションを取らせてあげることも大事だ。

俺はアルカディウス王の提案に頷いた。

「かしこまりました……それで、いかが致しましょうか?」

「彼らの家族から、手紙を預かっています……それを届けて戴ければ」

成程……手紙のやり取りか……。

「分かりました。その手紙を届け、その返事を持ち帰れば良いのですね?」

「うむ……そういうことだ。今回はサンドラも同行させようと思う」

…………は?

「サンドラ……様が……ですか?」

「シオン殿を信用しないわけでは無い……だが、やはり第三者の眼は必要だろう。故にサンドラを同行させたい……構わないかな?」

……言いたいことは分かる。
監視役……というより、証人役とでも言うべき役所がサンドラなのだろうな――。

コーネリウス一派が殆ど捕まったとは言え、俺のことを良く思っていない連中は、少なからずいるのだろう。
当然だな……俺は戦争中である敵国の貴族なんだからな……。
エリオットに協力する姿勢をアルカディウス王が見せているので、パッと見は大人しいが……内心どう思っているのか。

まぁ、そういう隠れコーネリウス派はともかく……単純な猜疑心を持つ連中もいるのだから、そいつらにも信用させなければならない……。
そのためには、この国で強い信頼を受ける人物に同行させ、状況を説明させるのが1番……つまりサンドラを同行させて、状況を説明させるのが1番手っ取り早く、確実な方法って訳だ。

理屈は分かる………だが。

「アルカディウス王……本当にそれが理由でしょうか?」

「な、なんのことかな?」

……怪しい……怪し過ぎる。
何が怪しいって、あの眼だ。

泳ぎまくっているのだ。

もうクロールでバシャバシャと……。

アルカディウス王は間違い無く王……だが、これでもかって位に『いいひと』だ。
簡単な話、嘘がつけないのだ。

アルカディウス王が俺を信用していない……ということはない。
その辺の機微が分からない程、俺は鈍くはない。
むしろ、信用し過ぎなくらい信用してくれているだろう。

勘違いしないで欲しいが、アルカディウス王はそれが必要な嘘なら嘘をつける。

為政者足る者、民草の為には時として真実を告げない様にしなければならない時もある――ってことだな。

……つまり、シリアスな内容では無く、どうしようもない位にくだらないことが理由である可能性が高い。

無論、先程説明された話も真実なのだろうが――。

「同行するって……お母さん、宮廷魔術師のお仕事は……」

「心配は要りませんよ。急ぎの仕事は片付けておきましたから」

ルイセの疑問にも、さらりと答えるサンドラ。
……怪しい。

「サンドラ様……よもやとは思いますが……『私情』が絡んでいるなどと言うことは……ありませんよね?」

「!?そ、そそ、そんなことはありませんよ?」

成程……今ので大体分かった。
恐らく、サンドラが何かしらの圧力を掛けたに違いない……。
しかも、俺と一緒に居たいとか……そんな理由で。

これは自惚れでは無く、事実だろう……現に、サンドラを見遣ると真っ赤になりながら眼を逸らす。

つまり、そういうことだ。

まぁ、アルカディウス王としても、周りの悪意を押さえ付ける意味合いは確かにあるのだろうが……。
何故だろう……また別な思惑がある気がする。
なんかこう……レティシア絡みで。

サンドラはサンドラで、任務より自身の我が儘が多少ウェイトが大きい気がする……。

それに気付いたのが、俺だけみたいなので、ある意味では良かったのかも知れないな。

「その任、確かに承りました」

俺がそう告げると、アルカディウス王とサンドラはホッと胸を撫で下ろすのだった……。

サンドラが仲間になった!

いや、あくまで一時的にな?
ずっと連れて歩くつもりは無いからな?

謁見の間を後にした俺達は、今後について話し合っていた。

「これからどうする?」

カーマインが俺に尋ねてくる。

「まぁ、いつかの時みたいに、メンバーを二つに分けるべきだろうなぁ…」

というのも、手紙を届けるのは一瞬だが……彼らが返事を書くのを待たなければならない。
中には手紙を書かずに、伝えてくれれば良い……という人や、既に手紙をしたためておいた人も居るかもだから、直ぐに済むかも知れないが……。

可能性として、屋敷に何日か滞在する可能性も否めないわけだ。
なら、再び二手に別れた方が時間を喰わずに済む。

「で、メンバー構成はどうする?」

「とりあえず、俺とルイセは別々だな……互いにテレポートが使えるから、いざと言う時には早く合流出来るだろう」

「あと、お母さんは先生側かな?」

ゼノスの問いに、俺はとりあえずの確定事項を言う。
とりあえず、テレポートが使える俺とルイセは別々に行動。
サンドラは任務の都合上、俺のパーティーに固定。

その後、協議の結果……以下の様に決定。

アイリーン捜索組。

カーマイン、ルイセ、ウォレス、ゼノス、ミーシャ、ティピ。

オリビエ湖アジト組。

俺、ラルフ、カレン、リビエラ、サンドラ。

本来、ラルフはアイリーン捜索組だったのだが、無理を言って同行を願い出た。
だって考えても見ろよ?
ラルフが抜けたら、男は俺一人になるんだぞ?

しかも、件の『同盟』メンバーオンリーだ――。

あんな魅力的な女が、三人一斉にしな垂れかかって来たりしてみろ……。
俺の鋼の理性がショートするかも知れん。
そんな時に、仲間が居ればまだ抑えが効くかも知れんが……第三者が誰一人としていなかったのなら……。

誓いを忘れ、ケダモノと化して×××板行きは確定では無いか!!
二人同時に迫られた時もやばかったんだ……三人とか正直キツイわ!!

いや、耐える自信が無いわけじゃないが……保険は掛けておきたいんだよ。
だってさぁ……ずっとそういう衝動は無かったし、スーパー賢者タイムを発動させたことも無い。
正直、自分は男として枯れているのかとさえ思ったが……カレン達に接している内に気付いた。

俺は枯れていたのでは無く、無意識に抑え込んでいたのだと……それに気付いてからは、さぁ大変だ。
某潜入作戦のプロフェッショナルの言葉を借りるなら『性欲を持て余す』という所か。
これを意識的に抑えるのに、どれだけの苦痛を強いられるか……と、言うと大袈裟かも知れないが、俺としては誓いを破りたくは無いんだよ。



カレン自身は少し迷ったが、結局こちら側に。
アイリーンと俺……天秤に掛けて、俺に傾いたらしい。
カレンとしては、アイリーンから医療に関して聞きたかったのも、事実なのだろうが……。

「貴方と……離れたくなかったんです……」

――らしい。
……面と向かって言われると、やはり照れる。
しかも皆が居る前で……いや、勿論嬉しいけどさ?



リビエラは迷うことなくこっち。

「私が一緒に行って、変に警戒されたく無いから……ね?」

以前、ニックに追い返されたのを気にしているらしい。
アイリーン自身がそうした訳でも無いし、幾らニックでもしばらくして頭が冷えてる筈だから、大丈夫だとは思うんだが……。
まぁ、良いか……余計な諍いが起きるよりは良いだろう。

「じゃあ、お互いに頑張って行こうぜ?」

「ああ……また後ほどな?」

簡単に挨拶を交わした俺達は、それぞれの任務に着いた。
はてさて、どうなることやら。

*********



シオン達と別れた俺達は、アイリーンを探す為に城を後にした。

「保養所かぁ……」

「どうしたの、ミーシャ?」

「そこの西にね、すっごく小さな田舎の村があるんだ」

「メディス村のこと?アンタ、そこに住んでたって言ってたっけ?」

ミーシャの呟きに反応するルイセ……ミーシャはどうやら故郷の村を思い出し、懐かしんでいる様だ。
ティピの問いには元気よく……。

「うん☆アタシの生まれた村だよ。本当に何にもない所なんだけど、自然に恵まれているから、薬草とかいっぱい採れるんだ。あとお気に入りのお花畑があるの!」

――そう答えた。
そう言えば、前にラルフが……。

『メディス村の薬草は質が良いんだ。だから、他で採れる薬草よりはちょっと単価は高いけどね?』

とか、言っていたっけな。

「ミーシャって、本当にお花が好きなのね」

「だな……花言葉なんて知っているくらいだからな」

「えへへ♪でも、アタシが花言葉とかを覚えたのも、おじさまに車百合をもらったあのお花畑の思い出があるから……なんですけどね☆」

テヘッ♪
と、照れ隠しにはにかむミーシャは中々に可愛らしいと思う。

「……あの学院長がお花をくれても、あんまりいい思い出って感じがしないけど……」

ティピの言い分は中々に酷いが…………否定出来ないのが……何とも。
まぁ、何だ……思い出というのは美化される物らしいし……駄目だ、フォロー出来ん。

まぁ、それは置いておいて……。

「ルイセ、頼む」

「うんっ、まかせてお兄ちゃん!」

――こうして、俺達はルイセのテレポートで一路ラシェルへと向かった。

***********

やはり情報を集めるには、彼女の勤め先から調べるのが確実だ。

そんな訳で俺達は保養所に向かう。

そして情報収集を開始。
幾つかの情報を入手する。

アイリーンは薬草を採りに行くときなどに、黙って出掛けることがあったという。
大概はすぐに戻ってきていた為、心配はしていなかったらしいのだが……。

それと、アイリーンの恋人の話も聞けた。
その名はニック。
シオンの指示を受けたリビエラ達を追い返した奴で、確か闘技大会でそのシオンとぶつかり、軽くのされていた奴……だった筈。

何でも、アイリーンと離れたく無くて、自ら辺境警備を申し出たらしい。
リビエラ達の話を合わせて考えると、それだけ彼女が大切なんだと分かるが……。

今はメディス村に住んでいるらしい。

「大体、重要な情報は集まったな……」

「だな……ニックに会いに行けば、何か掴めるかもな」

ウォレスとゼノスも同じ意見らしい。

「じゃあ、次はメディス村だな……む?」

俺がそう告げた時、ふとミーシャを見ると、嬉しそうにほくそ笑んでいた。

……何でだ?

「アタシ、どきどきしてきちゃった」

「なんで?」

ワクワクが止まらないって感じのミーシャに、ティピはさらっと尋ねた。

「あのお花畑が見られると思うと、嬉しくって……。だって、すごく綺麗なんだもん」

「成る程……そんなに綺麗なのか……」

「きっと、お兄さまも気に入ってくれると思いますよ♪」

花畑を見たのは、このラシェルが初めてだったからな……アレより綺麗な花畑か……少し楽しみだな。


それから、俺達はメディス村に向かう前に、以前見舞いに来た少女に顔を出しておこうと考えた……しかし、顔を出してみると病室には誰もいなかった。
情報を集めてみると、どうやら完全に元気になり、故郷へと帰って行ったのだとか。
あの娘の故郷は鉱山街ヴァルミエだと、ナースの人が言っていた。

なんでも、しきりに誰かに会いたがっていたそうだ……。
……この任務が終わったら、シオンにこのことを伝えなきゃな。

そんなこんなでメディス村へ向かう。
俺達は、メディス村に向かうのは初めてなので、徒歩で。

道中、リザードマンやインプという小悪魔が出て来たが、今の俺達には歯が立たないらしく、軽く蹴散らしてやった。



そして、メディス村に到着した……しかし。

「ん?1人足りなくないか?」

「あれ……ミーシャがいない……。さっきまではいたのに……」

ウォレスが最初に気付いて辺りを見回すと、確かにルイセの言う通り、ミーシャがいなくなっている……いつの間に?

「どっかで遊んでるんじゃないの?この村にいることは間違いないんだから、そのうち戻ってくるでしょ」

「まぁ、大方…例の花畑にでも行ってるんだろう?ミーシャを探すのは後にして、まずはアイリーンか、ニックって奴を探そうぜ?」

ティピの言う通り……なのか?
こういう時にシオンやラルフが居れば、気を探ってミーシャを見つけることも出来たのだろうが……自身の気の運用を習得したウォレスや、まだ自身の気を感じれない俺達では、ミーシャの気を感知するなんて出来ない。

ゼノスの言う通り、今は任務を優先しよう。

あちこち情報を聞きながら、捜索するが……村の人達は皆、今日はニックを見掛けていないと言う。
むぅ……手詰まりか?
そんな時、無関係だが不可解な情報を聞いた。

「この村の西側は薬草が育つのに適した土地なんだ。だから、自生している薬草の他に、栽培だって出来るんだよ」

「花畑とかは無いのか?」

俺は後でミーシャを迎えに行こうと……何気なく尋ねただけだったのだが……。

「えっ、花畑?それはないなぁ……」

何だって……?

「まぁ、個人が作る鉢植え程度ならともかく、この村は薬草栽培一筋だから、花畑は一度も作ったことはないよ」

「花畑は作ったことがない〜?ミーシャ、ここに花畑があるって言ってたのに……」

ティピの疑問は最もだ……俺も首を傾げているわけだからな。
どういうことなんだ……?
何か妙なしこりを残したまま、俺達はアイリーン達の捜索に戻った。

俺達は村の西側……先程の男が言っていた薬草の栽培に適した場所に向かう。

「ここにいるかなぁ?」

「とにかく探してみましょ!」

俺達は隈なく探してみるが……誰も見つけることは出来なかった。

「ここまで探していないってことは、ここには来なかったってことかな?」

「これ以上先はないから、もう村に戻ろうよ」

「そうだな……」

ティピの推測通り、アイリーンが此処を訪れなかったのかは分からないが……ルイセの言う通り、これ以上は先に進めないから、戻る他ないな。

こうして村に戻って来た俺達……手掛かりも掴めず、振り出しに戻ってしまったな……そう思った時、宿屋の扉が開き、そこから二人の男女が姿を現す。

「あ、あの人ひょっとして……」

間違い無いな……ニックとアイリーンだ。
二人とも見覚えがある。

「ごめんね、こんなことに巻き込んで……」

「何を言うんだ、アイリーン。君は僕が守る。どうやらグローシアンが狙われているというのは本当のようだ。僕が魔法学院まで送るよ」

「ありがとう、ニック」

「君を守るのは当然だろ?それに……君に忠告をしに来てくれた彼らを、追い返したのは僕だからね……なら、彼らに切ったタンカくらいは守らなければ、申し訳が立たないよ」

……どうやら、リビエラ達に関する誤解は解けている様だな。
とりあえず、無事な様で何よりだ。

だが、そこに現れたのは一人の盗賊風の男。
随分といきり立っている様だが……。

「俺の子分をかわいがってくれたのはお前だな?」

「誰だ!?」

ニックはアイリーンの前に出て彼女を背に庇う。
それと同時に、似た様な盗賊連中がぞろぞろとやってくる。

「!この間の野盗の親玉か……」

「俺様が来たからには、貴様に一片の勝機もない。俺に勝てるような奴は、いないんだよ!」

そう言って大斧を構える親玉(仮)
……あの大斧、どこかで見た様な?

「逃げろ、アイリーン!こいつらは僕が食い止める!!」

「でも……」

「いいから、逃げろ!!」

そう言って自身も大剣を構えるニック。
何となくだが……実力はニックのほうが上に思える。
だが、多勢に無勢だな……。

「何だか知らんが……俺達の前に現れたのが運の尽きって奴だぜ!!」

「ああ、あの盗賊どもを倒すぞ!!」

ゼノスを始め、みんなのやる気も十分らしい。
それを確認した俺は号令を出した。
シオンが居たら、気絶させて捕まえるだけで済むが……贅沢を言うつもりは無い!

「お前らは、野郎の足止めをしろ!女の始末は、俺がやる!」

「へい!」

「あと、ついでだ!村の奴らはみんな殺しちまえ!!」

「へっへっ!了解でさぁ〜!!」

……下種が。
そんなことをさせると思っているのか?
俺達を……舐めるな!!

「ハァ!!」

ズシャッ!!

「ぐぇ!?」

俺は村人に襲い掛かろうとした奴を、問答無用で切り捨てた。

「ゲッ!?貴様らは……!!」

どうやら大斧の男が気付いた様だな……俺達を知っているみたいだが……誰だ?

ザシュ!!

「グハァ!?」

「誰だか知らんが、観念するんだな!!」

盗賊の一人を切り倒し、ウォレスがそう告げる……ということは本当に知らない奴みたいだな。

「誰だか知らないだと〜?なら教えてやる!!俺様はエリックの野郎の代わりに新しく頭の座に着いたゲオ」

「なにいきがってんだよ、このゲス野郎が」

「な、何だとぉ!?」

名乗ろうとしたゲオ何とかだが、そこをゼノスに邪魔される。
成る程……以前から色々良からぬことをしてくる、あの盗賊団の新しい頭領か……。
エリックというモンスター使いはどうしたのだろうか……シオンの警告を聞いて、団を抜けたか……?

「テメェの名前なんざどうでもいい……これ以上の非道は俺達がさせねぇんだからな!!」

「ええい!お前から八つ裂きにしてやるわ!!」

「やってみろよクソ野郎がっ!!」

どうやらゼノスがゲオ(以下略)を引き受けてくれる様だ。

なら俺は……。

「いやーっ!?こんなところから!!」

「へっへっへ……ここから現れるとは、思いもしなかっただろう!」

女性の悲鳴に振り向くと、道具屋の影から盗賊の一人が現れた。
……何と言うか、伏兵を仕込むのは、こいつらの伝統か何かか?

「そんなことはどうでもいい!とにかく、例の女を殺せ!邪魔する奴は……」

「ファイアーアロー!!」

ドドドドドッ!!
ボワッ!!

「うぎゃああぁぁ!?あ、熱いぃぃ!?」

伏兵はルイセの放ったファイアーアローを喰らい、地面を七転八倒している。

「そんなこと……させないんだからっ!!」

フッ……我が妹ながら、頼もしい限りだ!

「だありゃああぁぁぁぁ!!!」

ズシャアアァァァァァ!!

ゼノスの一撃を受け、武器を破壊され、手傷を負ったゲオry。

「ぐはっ!?お…おのれぇ……せっかく頭になったのに、こんな所でくたばってられるか!!」

そう言って直ぐさま逃げ出すゲオ。

「逃げ足が早い奴だ……」

ゼノスなら追うことも出来たが、深追いして足並みを乱すことも無いと判断したんだろう。

それからしばらくして……俺達は敵の全てを掃討した。
正直、相手にならなかったな。

「ありがとう。おかげで助かったよ」

「助かりました」

ニックとアイリーンに礼を言われる。

「俺たちはアルカディウス王の命令で来たんだ。アイリーンさんを魔法学院に連れて行くようにと」

「そうですか」

「では、彼女をよろしくお願いします」

俺は事の顛末を説明すると、二人は納得してくれた。

「アンタはそれで良いのか?」

「本当は自分でアイリーンを送り届けたいけど……君達に任せた方が安全みたいだからね」

悔しいけど、お願いするよ。
と、穏やかな表情でニックは告げた。

どうも以前にリビエラ達を問答無用で門前払いしたのを、多少は後悔しているらしいな……。

俺達はニックの頼みを了承した。
さて、魔法学院に行くか……と、その前にミーシャか。

「どうする?探しに行くか?」

「けど、どこにいったんだろう……ミーシャ」

そうだよなぁ……ルイセの言う通り、居場所が分からなければどうしようも……。

「ああ!待って、待って!!」

噂をすれば影って……こういうことを言うんだな……。

「何処行ってたのよ!?」

「ちょっと」

いや、ちょっとの一言で済ますには酷すぎるんだが……。

「ミーシャ、みんな心配していたんだぞ?それに賊も襲って来たんだ……『ちょっと』で済ますわけにはいかないだろう……」

俺がそう言うと、ミーシャはショボンとしてしまい……。

「……ごめんなさい」

そう、謝ってきた。


……?


何だ……?

何故か感じた――不思議な違和感。

俺は――ふと、ミーシャを見て思った。

……本当に、ミーシャなのか……?

――と。

何故そんなことを感じたのか――それは判然としないけどな。

「もう良いじゃない、ミーシャも謝ってるんだし……許してあげようよ?」

「まぁ……俺は別に構わないが」

ウォレスとゼノスも構わないと言ってくれたので、ルイセの言う様に、この話はこれでおしまい。
ティピはまだまだ文句がありそうだったが……。



俺達はそのまま、テレポートで魔法学院に向かった。
寄り道はせずに、そのまま学院長室へ。
秘書の人にアイリーンさんを連れて来たことを伝え、中に通して貰う。

……気のせいか?
秘書の人の表情……随分柔らかくなった様な……?
まぁ、それはともかく。

「失礼します」

「おお、これで全員揃ったようだな」

ルイセの言葉で入室した俺達を、微笑みながら学院長は迎えた。

「どうも、遅くなりました」

「いやいや、気にするな。しかし、いったい誰がグローシアン狩りなんかを始めたのやら」

「グローシアン狩り?」

時間が掛かったことを謝罪したルイセを、これまたニコヤカに許した学院長……しかし、最後になにやら物騒な台詞を言う。
ウォレスもそれを疑問に思った様だ。

「次々とグローシアンが襲われているからな、いつの間にかそう呼ばれているんじゃよ……だが、この学院にいれば安心だ」

ウンウンと頷く学院長……グローシアン狩りか。
シオンが半数以上のグローシアンを保護している……という真実を知る俺達からしたら、少し複雑な気分になる言葉だ。

「それではアイリーンさんをお願いします」

ルイセがそう告げた後、俺達は学院長室を後にした……しかし、そこで待っていたのは。

「やぁ、みんな」

「あ、アリオストさん」

そう、アリオストだ。
どうやら俺達を待っていたらしい。

「どうしたんだ?」

「実は君たちに話があるんだ」

俺が尋ねると、やはり俺達に話があるらしい。

「なんの話?」

「戦争についてなんだ。フェザリアンらを説得しようにも、戦争している今の状態でそれができるとは思えない。だけど1人で戦争を止めるなんて事はとてもじゃないが出来ない。でも、君たちとならやれそうな気がする。だから僕も一緒に連れていって欲しいんだ。君たちに協力して、この戦争を終わらせたい!!」

成る程……気持ちは分からなくはない……だが。

「良いのか……?俺達は戦争をしているんだ……その俺達に協力するってことは……つまり、人を殺すことにもなるんだぞ?」

俺だって、慣れては来たが未だに震えが止まらない時がある……それに、俺は見ている。

ある男の慟哭を……。

その男は今も戦い続けている……そいつは慣れて来た様で、慣れていないのを知っている……背負いながら戦う道を選んで戦っている。

俺には出来ない戦い方だと思った……だからこそ、俺は誓った。
アイツが折れないなら、俺が折れるわけにはいかない。
逃げずに戦うと……。
戦えない人々の代わりに戦ってやると……。

「……それでも構わない。確かに戦争は愚かな行いだ……けれど、それに目を背けて何もしないのはもっと愚かだ!……だから、僕は戦う……後悔しないために」

どうやら本気……みたいだな。
なら、俺に止める理由は無いな。

「みんなはどう思う?」

「わたしは、アリオストさんが決めたことなら、何も言えないよ」

「そうですよ!アタシなんて、そんな志しなんて無いし……」

ルイセとミーシャは賛成らしい。

「へっ、まぁ……そういう熱い答えは嫌いじゃないぜ?」

「ああ……あとは戦場の空気に触れて、対応出来るかだが……これは慣れるしかないな」

ゼノスとウォレスも納得してくれた。

「じゃあ、全員一致だね♪」

「とまぁ……そういうわけだ。これから宜しく頼むぞ、アリオスト?」

ティピも含めて満場一致だな。

「ありがとう……頑張るよ!!」

こうして魔導学者、アリオストが仲間に加わった。
さて、後は戻るだけなんだが……シオン達はどうなっているのか……。




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