「ふふ……ふふふ……遂に手に入れたぞ……」オリ主である俺が、悪の手先に屈辱的敗北をプレゼントされてからしばらく……。俺は武器を求めていた……。そう!オリ主である俺が負けたのは、武器が貧弱だったからだ!!でなければ、あの時に武器を破壊されることは無く、あのヒゲ親父は俺の経験値になっていた筈なのだっ!!そして、俺は各地にある未開の遺跡を巡り……遂に見付けた。オリ主である俺に相応しい、最強の剣を!!「この『バルムンク』と『アスカロン』があれば、あのヒゲ親父も敵じゃないわっ!!フハハハハ!!来たぞ!!俺の俺によるオリ主フィーバーがっ!!」『バルムンク』と『アスカロン』……グロランオルタにおいて、最強クラスである二振りの剣だ。『バルムンク』は、かの有名な北欧神話(ドイツの民話として広がった方)の英雄ジークフリートが持っていた剣の名前で、『アスカロン』はキリスト教の伝承に出て来た聖ジョージが持っていた剣である。どちらも竜殺しの剣として有名で、アスカロンに至っては様々な徳(病を退けるとか、なんか聖剣らしい凄い能力)があったらしい。*********※これは聖ジョージを主役にした物語での話で、元になった聖ゲオルギウスの『黄金物語』では、竜を殺したのは剣だとされているが、竜を倒したのは槍……その上、竜を殺した剣自体に特殊能力はおろか、銘柄も無い。*********もっとも、この二振りにそんな能力は無い……ただ頑丈で強力な武器だ。もしかしたら、この世界の『グラム』みたいな能力があるかも知れないが、それは今の所関係無い。「見てろヒゲ親父め……この二振りで今度こそ経験値にしてくれる!!!」俺は新たな愛剣を両手に携え、オリビエ湖に爆進!!!フハハハハハハハ!!!こうして、オリビエ湖に辿り着いた俺だったのだが……。「な、何故だ!!何故あの館に辿り着けない!?確かにこの辺りの筈なのに!!!」俺は数時間以上この辺りをうろついていた……なのに、全く館とエンカウント出来ない!!くそっ、これは陰謀だ!!オリ主である俺が、ご都合主義の波に乗れないなんてことがあるか!?ここは館が見付からなきゃダメだろう!?※今回、リヒターは敵意丸出しだった為、結界により館へ侵入出来ません。更にそれから数時間……結局、館は見付からず……すっかり夜になってしまったので諦めることに。ふっ……きっと運命が、あんな雑魚は放っておけと告げているに違いない。そうだよな……オリ主たる俺が成すべきことは原作介入&ハーレム!最強、これ最強!!ならば、次に成すべきことは……。「どうにも、イベントが先倒しになってる気がするんだよなぁ……と、なると少し先を見据えた介入をしなければならないだろうな……」俺自身、武器探しに少し時間を喰ったし、……原作主人公達はクリアノ草を取りに来なかったし……。………止めよう。思い出したら寂しくなってきた……。しかしそうなると、ランザック同盟時に絡むのは無理だろうなぁ……なら、クレイン村辺りで待機するか?原作オルタでは、リヒターはクレイン村育ちだし……もしかしたら原作オルタの幼なじみ(女)と運命的な出会いをするかも知れない!あ?ラッセル?……野郎なんか眼中にないし。あんなバトルマニア……いや、バトルジャンキーは特にな。ついでに、ゼメキスの爺さんを助け出せば皆の好感度もアップ!俺様ハーレムへの道が更に近付く……フハハハハ!!素晴らしい!素晴らしいぞ!!まぁ、単純にゼメキス爺さんを助けたいという気持ちも、無いわけじゃない。しかし、俺がゼノスをフルボッコにしたらカレンたんの好感度が下がっちまうか………いや、待てよ?そもそも、カレンたんは無事だったんだから……ゼノスが悪の道に引きずり込まれることは無いんだよな??闘技大会で見た限りでは……。あの時の記憶は少し曖昧なんだが……。「なら、問答無用で好感度を上げるチャーンス♪」敵がただのシャドー・ナイトなら容赦の必要無〜し!!「そうと決まれば即行動!!ウィング展開!!」俺は反重力翼を展開!宙に浮かび上がる。「ドライブ全開!!ビクティムピ○ク!!!」百舌鳥の名を冠するPTの必殺技を叫びながら、爆進!爆進!!また爆進!!!目指すはクレイン村だっZE!!そしてクレイン村到着!!って……あの人影は?1番奥の家から、一瞬だけ魔力を感じ、次の瞬間にはその家から人が飛び出して来たのだ。紫色の衣服に、覆面……シャドー・ナイトですね本当にありがとうございます。……間に合わなかったのか……。どうして俺はこういつも……。…………。………。……。…。まぁ、間に合わなかったのなら仕方ない。爺さんのご冥福を祈りつつ……あのシャドー・ナイトは捕まえる!!爺さんの供養にもなるし、捕まえることが出来ればまだ好感度アップは可能!!「待ちやがれぃ!!」ギューーーンと飛んでいく俺。某鉄人2○号の様に!!**********今、僕はクレイン村の近くまで来ている。どうやらゼノス君の代わりに別のシャドー・ナイトが派遣されたらしい。僕のお気に入りの彼……確か、シオン君だっけ?彼がどういう動きを見せるか……それを見たかったからね。どうやらシャドー・ナイトは失敗したらしい。シオン君は何かを仕込んでいたらしいね……それが何かは分からないけど……面白い、面白いよシオン君。けれどね?このゲームを好きに弄るのは僕だけの特権なんだよ?だから、君には力は必要ないよ?このゲームは僕だけの物……だから君は邪魔なんだ。安心してよ。君が壊れても、君の能力はいずれ僕が有効活用してあげる♪魔法を改竄する能力……素晴らしいよね♪他にも色々能力を隠していそうだし……しかも皆既日食のグローシアンらしいじゃないか!ふふふ、君から奪えれば、僕はますます強くなれるよ。「さて、まだまだシオン君とは遊ぶ時じゃないし……あのシャドー・ナイトで遊ぼうかな?ふふふ、今日は何の能力を使おう?」僕はどれだけ玩具が耐えてくれるか、楽しみにしながら逃げたシャドー・ナイトを追ったのだった。********くそっ……見失った!?何処へ行きやがった?俺は逃げたシャドー・ナイトを空中から探していたが……全然見付からない。もう大分、クレイン村から離れた……もうこれ以上の探索は無理か。「畜生……これでは好感度が上がらないでは無いか……」そう愚痴を零していた時だった……。「ぐぎゅええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!??」ズンッ!!「な、何だ!?」何というか、捻り潰される様な悲鳴が聞こえたかと思うと、大地の一部が大きく揺れた様に感じた。「何だ……アレは?」その方向には、木々が『揺らいでいる』妙な場所があった。「行ってみるか……」俺はその場に向かってみることにした。**********さて、シャドー・ナイトの前に先回りして立ち塞がった僕。一応、魔力が漏れない様に……遠視出来ない様に結界を張っておく。シオン君辺りにバレる可能性もあるし、ヴェンツェルに感づかれる可能性もある……前者はともかく、後者に感づかれるワケにはいかない。今後の僕の楽しみの為にも……ね♪「き、貴様!何者だっ!?」「僕かい?……君を死出の旅路へと誘う道案内……って所かな?」クックックッ……と愉快な笑みを浮かべる僕を見て気圧されるシャドー・ナイト君。「クッ……まさか追っ手か!?」そう言って双剣を構える彼……うん、良いね。壊し甲斐があるよ♪僕も真っ赤に染まった愛剣を抜く。「やる気なら大歓迎……さぁ、遊ぼうか?」数分後……彼はボロボロに疲弊していた。覆面は砕け、素顔を曝し……身体中は切り傷だらけで血を垂れ流している。正直、僕の相手としては役者不足だねぇ……。「な、何なんだその剣は……」「ん?コレ?魔剣の類でね……斬られたヵ所はこの剣に込められた呪いの力で、決して癒えることは無いのさ」そう説明しても、彼のやる気は萎えることは無く、最後まであがくつもりみたいだ……ふぅ、もう剣で切り合うのは飽きちゃったなぁ。「じゃあ次は耐久試験ね♪どれだけ耐えられるかな?」僕は彼に向かって手を翳し……一言。「重力展開……2倍」ズズッ!「がっ!?……こ、これは……」「これは僕の能力の一つ……重力操作さ。能力は読んで字の如く、相手……または自身に掛かる重力を操作すること。今の君は、通常感じる重力の倍の重力を感じている筈だよ」仙界伝・封神演義に出てくる、元始天尊という仙人が持ってたスーパー宝貝……あれと似たような能力なんだけどね。「ぐっ……くそ……」「ハイ、3倍♪」ズダンッ!!「がああぁぁ!!?」彼は地面に膝を着いて苦しむ……普通はコレだけでも辛いのにねぇ……ふふふ♪「ちなみに、徐々に重圧を上げていったらどうなるか分かる?潰れるんだよ?赤い花がプチュンと散って、グシャグシャのペッタンコ♪その前に内臓が潰れて死ぬだろうけどね?」クスクスと笑いながら、僕は彼に未来を説明してあげる。僕って優しいでしょう?「た、頼む……助け、て……」「おやおや?非情の実行部隊である筈のシャドー・ナイト様が、随分と弱気だねぇ……駄目だよ?組織の為には死ぬ位の覚悟を見せないと♪」もっとも、そんなことされたらつまらないから、命請いしてくれて凄く嬉しいけどね♪「お、俺には……故郷に……待ってる奴が……お願いしま、す……助けて……」へぇ……そういえば物語の中のゼノス君はシャドー・ナイト入りした後、真実を知り……ガムランさんに問い詰めたけど、妹を人質に取られて嫌々シャドー・ナイトを続けていたね……成る程、彼もその類なのかな……?それは……悲しい話だな。「その待ってる人って言うのは……恋人かい?」「!!あ、ああ……そうだ!俺の、大事な……村で待ってる……だから……!!」笑いを消して、神妙に尋ねる僕に、彼は必死に訴えかける。村の名前を口にしてる時点で、かなり必死だ。自身が助かりたくて……という訳では無く、彼女の為に……。ならば、慈悲を与えなきゃいけないよね……。「話は分かったよ……」「!じゃあ……」「うん、安心して……」僕は告げる……。「君の大切な人は僕が玩具にしてあげるからさぁ!!!だから安心して死んで良いよぉ!!!!」我慢していた笑いを開放して!「!?なっ!!?」「アッハハハハハ!!何?助けてくれると思ったぁ?君みたいなモブキャラを助けるワケ無いじゃん!!バッカじゃないのぉ!?」僕がそう告げると、彼はただでさえ血の気が引いてしまってる顔を青くして絶望している。イイ!凄くイイよぉ!!絶望に塗れたその表情っ!!軽くイッちゃいそうだよっ!!!まぁ、モブキャラじゃなくても助けてやるつもりは無いけど、ね。「君の大切な人が美人なら、犯して、飽きたら実験動物にしようかな?実は改造人間ってのに興味があってね?イイ玩具になってくれると良いなぁ……まぁ、美人でなくても実験動物にはなるか」「き、貴様ああぁぁぁぁぁ!!」怒りながら立ち上がろうとする彼……僕は重力圧を更に上げた。再び彼が地面に押さえ付けられる。「だ……だのむ……俺はどうなっでもいいが……ら……アイヅだげば……だずげで……」自身が死にそうなのに、泣きながらそう懇願する彼……普通は自分の命乞いをする筈なのに……中々出来ることじゃない。だから僕は敬意を払ってこう言ってやる。「い・や・だ♪」僕は重力圧を徐々に上げていく。「ギャアアアアアアァァァァァァ!!!?」ブシュッ!ブシュッ!!そんな音と共に傷口や血管から、紅い花が飛び散る彼……その薄汚い悲鳴と合わさって、それは極上の見せ物だ。「ククク!苦しい?苦しい?ゲームのモブキャラの癖に苦しいんだぁ?なら僕が楽にしてあげるよ!僕は優しいからさぁ!!」僕は加速度的に重力圧を百倍にしてあげた。「ぐぎゅええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!??」プチュン。潰れた。真っ赤な大花を咲かせて。ペッタンコに、グシャグシャに……かつて人だった塊がそこにはあった。「真っ赤な花は綺麗だけど、残骸は醜いね……汚らしい」僕はモブキャラだった物に一瞥し、その場を離れた。誰かに見付かっても面倒なので、結界は強化して放置しておこう。そして、結界から出て出会ったのは……新たな玩具だった。**********異変のあった場所まで赴く俺……そこで出会ったのは、フードを被った怪しい奴だった。見るからに怪しい……怪し過ぎる!!オリ主の勘が告げている……コイツは怪しいと!!「何だお前!怪しい奴だな……さっきの奴の仲間か!?」俺は咄嗟にアスカロンとバルムンクを構える……が。「ま、待って下さい!僕は……」怪しい奴はフードを取った。ショートカットな髪型……エリオットや原作主人公みたいな髪型だ。しかし髪の色が白髪、そして瞳が真っ赤。しかも美少年!?渚のカヲ○君!?いや、髪型はともかく、それ以外はカ○ル君!!な、何と言うチート臭い見た目……。まるでチートオリ主………馬鹿な!?それは正に俺のことだろうに!?「僕は旅の剣士でルインと言います……この辺りで悲鳴が聞こえたので駆け付けて来たのですが……」「なに!?俺も悲鳴が聞こえたから来たんだ」その後、話を聞くとルインと名乗ったコイツは、先に来て周辺を探っていたらしいが、何も見付からず途方にくれていた所で俺に出会ったらしい。「成る程な……」「そう言えば……貴方は?」「自己紹介がまだだったな……俺はリヒター!究極のオリ主だ!!」「……オリ主?」やべぇ……つい勢いで言っちまった。「何でもないんだ……忘れてく」「……もしかして、貴方も転生者ですか?」「な……に……?」馬鹿な!?何故バレた!?俺が超絶オリ主にしか発せないオーラを醸し出しているからか!?……ん?貴方『も』?「もしかして……」「はい、僕も転生者なんです!!」嬉しそうに人懐っこい笑みを浮かべる……ヤバイ、キュンと来た!?リヒちゃん危ない道に嵌まりそう!?ち着け、素数だ……素数を数えry。話を聞いていると、ルインも転生者であり、自身は交通事故が原因で転生したそうだ……テンプレですねわかります。「リヒターさんはどう言う経緯で転生を?」「俺?俺は……………アレ?」俺は……どうして此処に転生したんだろう?むぅ……向こうの俺……つまり、『国枝国彦』のことだが……『死因』という物を思い出せない。最後のあの日は確か……『東鳩2』をプレイして……タマ姉でハァハァして……スッキリして寝ちまったんだよなぁ……。つーことは何か?寝てる時に心臓発作とか起きたか?そんなに心臓弱くは無い筈なんだがなぁ……。「悪い、よく覚えてないわ」「そうですか……それが普通なのかも知れませんね?転生した上に、前世の記憶を持って来ている僕達みたいな存在の方が、多分稀なんでしょうから」言われてみたら確かに……俺達が稀なんだろう。「そういえば、お前はこの世界がどんな世界か知ってるか?」「ええ、グローランサーの世界ですよね?少し原作と違うみたいですが……」そう!そうなんだよ!!原作と違うんだよ!!オリ主たる俺が介入してないのにだよ!?これは陰謀だよ!?「原因は分かっているのですが……」「何!?本当か!?」「シオン・ウォルフマイヤー……この人物が鍵を握っているらしいです」「シオン……確か……原作には居ないインペリアル・ナイトの息子……」まさか……そう思いながら俺は、ある仮説を立てる。「そのシオンって奴も転生者なんじゃあ……?」「それは何とも言えませんが……彼が好き勝手にやっているのは確かです……」ルインから聞いた話は信じられない物だった……。シオンという男……一見すると善人だが、その実はロクデナシの快楽主義者でスケコマシ……揚げ句に殺人鬼というクズみたいな人間だと……。今は原作主人公パーティーに紛れ込み、女性陣相手にやりたい放題だと言う……。な、なんたる外道!!ルイセたんやミーシャたん……もしかしたらカレンたんを相手に生ハァハァとは!!?「ゆ……許せん!!許せんぞシオン・ウォルフマイヤー!!!このオリ主たる俺が必ず成敗してやるっ!!!」「頼もしいですね……勿論、僕も協力しますよ」流石は主人公!と、ルインは言ってくれる。ああ、任せてくれ!!このオリ主の目の黒い内は!!その後、俺はルインと別れてその場を後にした。ルインが言うには、『一旦、別々に行動して情報を集めてから、再び合流しよう』と……。せっかく旅の供が出来たと思ったんだが……仕方ないか。後、シオンというクズを見付けても、いきなり勝負を挑まない様に忠告された。ルインが言うには人格はともかく、馬鹿みたいに強いらしく……その実力はあのリシャールを超えるらしい。ならば、情報収集と合わせて修業もせねばなるまい……。待ってろよ?原作ヒロイン達よ!!必ず助け出してやるからな!!まぁ、野郎どももオマケで助けてやるさ。**********ククク……まさかシャドー・ナイトで遊んで居たら、あんな面白い玩具に出会えるなんてねぇ……。見たら中々に使えそうな駒になりそうだ……。というか、初対面の人間の話を信じるなんて馬鹿みたいだよねぇ♪でも、だからこそ御し易い。「それにリヒター……あのオルタのリヒターだ……例の能力も備わっている筈だ……」ふふふ……飽きたら、その能力を戴くのもイイね……空を飛ぶ力……素晴らしい!!ゲヴェルの性格を反転させる能力はつまらないからいらない……いや?オルタみたいにカーマインを闇に 染めたら面白いかな?「まあ、その辺はリヒターさんに頑張って貰おうかな?」しばらくは僕の玩具として頑張ってね……大丈夫だよ?僕が飽きたり、君がでしゃばり過ぎたら……君の能力はちゃあんと戴くからね♪「さて……哀れにも壊れてしまった彼の為に、故郷の村に向かいますか♪」モブキャラの最愛の人……所詮はただのモブキャラだけど楽しみだなぁ♪どんな声で鳴くのかな?どんな絶望を与えよう?ふふふ……考えるだけで、もうギン・ギン !!しばらくは飽きずに済みそうだね……ふふふ。**********後書き。ハイ、遂にもう一人の転生者……ルインの登場です。中々に胸糞悪いキャラになってると思います。オタクニリヒターのオリ主気取りが霞む位には。あ、止めて!石を投げないで!?⌒゚Σ(ノA・。)