「うっく、ひっく、ぐすっ、みごどぢゃーん、ひぐっ」
「あー、もういい加減に泣きやめよ。たかだか1週間ぐらいの話だろうが」
「うっさい! なにが悲しくて、この付き合ったばかりでイチャコラする蜜月に彼女と離れなけりゃいけないんじゃい!?」
「…仕方ねぇだろ。なんでかネットで俺らが有名になっちまったんだから。その熱を冷ますために一回学園都市を出なきゃいけねぇのは仕方がない」
「そりゃあ、おまえはインデックスちゃんと常に一緒だから良いだろうけどよぉ!!」
「なっ!? 何を!?」
「? とうまの顔まっか~」
学園都市を離れる幻想殺しと変態。
「てか、家にも帰れねぇってのに……どこ行きゃいいんだって話だよ」
「……俺と、一緒に海に来るか? 俺は別にかまわないぞ、どっちにしろインデックスは一緒だしな」
「んー、じゃあお邪魔しようかな」
二人はとある海に赴くことになる。
「君が垣根 帝督くんかい? 息子から話は良く聞いているよ」
「ども、お父さんすか? なんかロリコンの匂いがしますね。いや、血は争えない」
「「それ、どういう意味!?」」
「まあまあ、刀夜さんも当麻さんも落ち着いてー。それより、帝督さんもインデックスちゃんも一緒に海を楽しみましょうね~」
「お母さんっすよね? ええ、よろしくお願いします。それにしても、お若いですね」
両親との巡り合いに、幻想殺したちはふだんの喧騒から離れる。
そして――――
「ほーら、いつまで寝てんのよう、おにーちゃーん! 起きろ起きろ起きろ起きろ!」
――――天使が堕ちる。
「え? なに? なんで御坂さんがここに!? てか、帝督を追いかけてきたの!? ってか、なんでいきなり俺にボディプレス!? え、てかお兄ちゃんって何さ!!??」
「? 何言ってのお兄ちゃん。まだ寝ぼけてんの?」
始まる異変。
「ちょっと、インデックス? お前ナニ着てんの?」
「当麻。母さんが自分の服を着ているのがそんなに不思議なのか?」
深まる混乱。
その異変の脅威は、ついに変態をも汚染する。
「さっきから五月蠅いけど、なんかあったの上条?」
「えっと、どちら様ですか?」
「はぁ? 何寝ぼけてんのお前? 頭の中メルヘンで染めてやろうか?」
「ま、まさか、帝、督か?」
「そうだけど…見りゃ分かるだろうが、このボケ」
「な」
「な?」
「なんで黒髪ワンレングスボブの清純派美少女になってるんだー!!?? しかも、好み!」
「は、はぁ?」
現実からの逃走を図る上条。そこで上条は彼女と再開する。
「見つけました、上条当麻……ッ!」
「はっはっは、ねーちんはカミやんが大好きだにゃー」
「あれ? アナルヌスじゃん何やってんの? つーことは、そっちのお兄さんもそっち関連の人?」
ギアをローからセカンドへ、セカンドからサードへ。
物語は加速を始める。
「エンゼルさま、エンゼルさま、それではイケニエはあの少年でどうでしょう?」
「問一。『御使堕し』を引き起こしたのは貴方か?」
「おい、昨日からずっと気になってたけど何があったんだ? いい加減に教えろよ」
そして、物語は終局へ。
「――――上条刀夜は、俺が救ってみせるんだ!!」
「待、て。――――ミーシャ、……話を!」
「そこから離れなさい、上条当麻!!」
「下がってろ、カミやん。後(バトル)は俺たちの仕事だぜぃ」
「おいおい、お仲間かよ。初めて見たぜ」
夕闇から夜闇へと切り替わる世界。
「その名は『神の力』。常に神の左手に侍る双翼の大天使」
堕ちた天使が産声を上げ、
「――――――q愚劣rw」
「――――――救われぬ者に救いの手を(salvere000)」
「えー、ちょ、ないわー。惑星操るとか、マジどんだけー。と言うか、俺とのスペック差が信じられないことになってるんですけど」
「ああ、もう!! いいから黙っていなさい!!」
「……うぷっ、中身があのおっぱいだときいても、きもち悪っ!! ちょっ、こっちくんな! マジキモイから!?」
やがて、全ての決着がつく。
宵闇に紛れて、全ては元に戻る。
「なあ。貴方は、寂しくないのか? 私は……帰りたい。あの人の元に帰らなければいけないんだ」
「さて、ね。少なくとも、助けてもくれない『■■(アイツ)』の所にだけは帰りたくないな」
「……それでも、私たちは――」
ただ、一つを除いて。
「殺してやる! お前なんて、お前なんて死んでしまえ!!!!」
それでも、物語は『めでたしめでたし(ハッピーエンド)』を迎える。
とあるメルヘンの未元物質 ~御使堕し編~
プロトを切り張りしただけの予告。
未だにPVがのびて23万まで逝ってしまったので、こっそりと投稿します。
本編は、今書いてる別作品が終わり次第公開します。
なお、皆様の感想は全て読ませていただきました。
エイワスに殺されれば良いなど厳しい意見などもありましたが、その意見全てを真摯に受け止めてメルヘンをもっと良くしていきたいと思います。
応援してくださる皆様、未だにお恥ずかしながら禁書の設定を完璧に理解したとは言えない地雷作品ですが、時折この作品を思い出していただけると幸いです。
それでは、女々しい言い訳が続いてしまったことをお詫びしつつ、今回は失礼させて頂きます。