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No.6943の一覧
[0] 俺はドワーフ(VRMMO)習作[のなめ](2009/03/15 22:46)
[1] 俺はドワーフ 第二話[のなめ](2009/03/08 13:54)
[2] 俺はドワーフ 第三話 【修正と追加】[のなめ](2009/03/15 22:48)
[3] 俺はドワーフ 第四話[のなめ](2009/03/13 07:06)
[4] 俺はドワーフ第五話[のなめ](2009/03/15 22:44)
[5] 俺はドワーフ 第六話[のなめ](2009/03/27 00:03)
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[6943] 俺はドワーフ 第六話
Name: のなめ◆ae0415db ID:98911a80 前を表示する
Date: 2009/03/27 00:03
あれから半月が経過した。
あの時のパーティーのメンバーの中に、ホームページで体験記を書いていた人がいたようで、ボスの攻略法などが書かれて公開されていた。
その中に俺の名前や、俺がレアアイテムを入手したことも書かれていたらしく、いろいろな人からメールやそのアイテムについての質問が大量に送られてきた。
それに対応するのに、かなりしんどい思いをした俺は、現時点で予想される限定アイテムの取得条件などを全て掲示板に書き込んだ。
そのため、あれから二回あったボス戦は多くのパーティーで込み合い、かなりの争奪戦になったそうだ。
だが、なぜか誰も取得することが出来なかったらしい。
まぁ、しばらくしたら、何人も取得する人が出てくるだろう。
レアの価値が下がるだろうけど、俺はそんなことを気にせずのんびり待ったり生活中だ


俺はドワーフ



トンテンカンテンと、今日も俺は鉄を打つ。
これで完成と、出来上がったバスターアクスを持ち上げて、その全容を確かめる。
ステータスや、外形ともに良い出来に仕上がっている。
これを販売しようと、親方に見せたところ問題ないと言われ、販売許可をもらう。
今度はロングスピアでも作ってみるかなと、俺は材料を取りに、倉庫に向かおうとしたら、その時、メールの着信音と共に、フレンドからメールが届いた。
誰からだろう?と確認してみると、この間ハンマーを売ってあげた戦士の人からだった。
何々?と、メールを開けて中を確認してみると
『この世界には無い武器の製作をお願いしたい バーツ』
という内容だった。
一体どういう意味だ?と考えた俺は、とりあえず話を聞きたいというメールを送り返事を待った。
すると、すぐに、今からそっちに行ってかまわないかと書かれていた為、了解という返事を送り、彼が来るのを待つ事にした。
しかし、この世界には無い武器とは一体何のことをさすのだろうか。
そんな事を考えながら待つこと数分、バーツが工房にやってきた。

「久しぶりだな有名人。掲示板での活躍は聞いてるぜ」
そう言ってニヤッとした顔でこちらを見てくる。
「御蔭様で、自称レアハンターや、トップクラスの鍛冶屋の方々に、毎日のように売ってくれと催促のメールが来ている」
誰かさん達のせいでねと付け加えて返すと、バーツは苦笑しながら、
「それは、きっついねぇ、あいつも反省してるようだから勘弁してやってくれ」
わかっていると返事をし、俺はとりあえず、話が長くなるようなので近くにある、お気に入りの喫茶店で話そうとバーツと二人で向かうことにした。


店に入った俺達は、窓際の席に迎え合わせに座った。
店員に注文をし、それを待ってから本題に入ろうと、俺はバーツに声を掛けた
「それで、俺に何を作れと?」
するとバーツは、
「手斧だ」
手斧?手斧って
「手斧って、ひょっとしてゲームとかで使われている、投げるほうの手斧か?」
「ああ、知っているのなら話が早い。あの手斧を作ってほしい」
手斧ねぇ、要するに投斧か。
「しかし、単純に遠距離攻撃の方法がほしかったのなら、ボルトアクスとかのように、
魔法攻撃のできる斧とかの方が手軽でいいんじゃないのか?」
この世界には装備することによって、魔法を使用することのできる武器があリ、そのうちのひとつがボルトアクスだ。
「重戦士は魔力が低い。敵によってはほとんどダメージが通らなかったりするからな。
それに、斧の熟練度が適用されないのも厳しい」
確かに、重戦士等の戦士系は基本的に魔力なんて鍛えない。
理由は言うまでも無く、魔力を必要とする技能は極めて少ないからだ。
「しかし、わかっているとは思うが、投げる斧は作れても、手元に戻ってくるブーメランのような斧は物理的にありえないぞ」
基本的にこのゲームは物理法則からを守っていて、そこから逸脱するような行動は出来ない。
「それはわかっているが、それでも使ってみたいんだ」
「何でそこまでこだわる?」
俺がそう尋ねるとバーツは、親指を立て、満面の笑みを浮かべながら
「それは、男の浪漫だからだ」
それを聞いた俺は、ため息を漏らしつつ、
「男の浪漫じゃあ仕方が無いな。まったく、そんなことを言われて断れるか。わかった、やれるだけやってみるさ。」
そう答えた。それを聞くとバーツはあんたならやってくれると思ってたぜとガハハと笑っている。
「その代わり、幾つか言っておきたい事がある。まず、今まで存在しなかった種類の武器等来るということは、多くの失敗作を生み出すということだから、かなりの金額がかかるということ。それと、そちらが払った金額に見合う品はまず出来ないということだ」
わかっているとバーツもうなずいている。
「了解。そこまでわかっているのなら、俺は自分の全力を尽くすだけだ」
その言葉にバーツは
「その言葉に、期待させてもらうぜ鍛冶屋の旦那!」
そう答えた。


それから俺達は、予算や期限等を話し合った後、解散した。
手斧か、『この世界に存在しないものを作ってくれ』とは、またえらい難題を持ってきたな。物理的に戻ってくるはずのないものを、戻ってくるようにしなければいけない。
どこから手をつけて良いのかが、さっぱりわからない。
とりあえず、参考までに、ブーメランを一度作ってみる事にした俺は、多くのプレイヤーが物品の販売を行っている、市場へと向かうことにした。




工房を出て、十分ほど歩いたところにある市場がある。
市場といっても、運営会社が作ったものでは無く、プレイヤーが集まって作られた物だ。
最初は、販売NPCが二人居ただけの、只の広場だったのだが、そこで商人プレイヤーが店舗を出し始めたのが切欠で、販売する店舗を持たないな多くの商人系のプレイヤーが集まって少しづつ大きくなっていった。
今では、ここで手に入らないものは、ゲームの中では流通していないとまで言われている。
とりあえず俺は、ブーメランを売っている店が無いかと、顔見知りの情報屋を訪ねることにした。


「よう、情報屋泣かせ」
「男を鳴かせる趣味は無い」
顔見知りの情報屋は、俺を見つけるなりそう言ってきた。
美味しい情報は俺に売ってくれよなと、皮肉混じりに言ってくる
こいつは、情報屋としては優秀なのだが、皮肉屋なのが玉に傷だ。
「情報で儲ける気は無いからな、俺は。
 性能のいいブーメランを売っている店の情報が知りたい。
 出来れば、設計図の販売を行っている店がいい」
欲がないねぇと言いつつ、自分が持っている情報が書かれたノートを見始めた。

『情報を調べる』
それはVRだけにかかわらず、MMORPGにおいてとても重要なことだ。
ある人は効率のいい狩場を探し、またある人は流行のアイテムの相場を調べる。
情報屋は、多くの人脈などを使って、攻略サイトよりも早く情報を仕入れ、それをネタに商売を行う。
前に、こいつに情報屋プレイって面白いのか?と尋ねた事がある。
すると、リアルでも情報を扱う仕事だからその練習の為という返事が返ってきた。
どんな仕事をしているのだろうかと、気にはなったが、リアルに触れるのはノーマナーだからやめておいた。
MMOでの人間関係は、ビジネスライクが一番というのが俺の考えだからだ。

「ブーメランの設計図を買いたいのなら、ここじゃなくて、ランスターの町あるブーメランの専門店を訪ねるたほうが良いな」
「了解、ランスターだな」
「料金は500Gだ。今度はブーメランを作るのか?作るのなら、お前の販売リストに加えとくけど良いか?」
500Gを払った俺は、情報屋にこう言った。

「いや、俺のリストには、『この世界に存在しないもの』って付け加えておいてくれ」
まだ存在しないけどなと付け加えて。



後書き

文章の書き方を模索中
今回が一番突っ込まれそうだ






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