アギです。 エヴァさんが五月蝿いとですアギです。 さよさんが男を紹介するらしいとですアギです。 その男は瀬流彦さんでFAとですアギです。 瀬流彦さんの死亡フラグでは無いのかと考えてしまうとです。アギです。 錯乱するエヴァさんを落ち着けるのに苦労したとです。アギです。 エヴァさんの言葉が無駄に重いとです。アギです。 涙目のエヴァさんにゾクッとしたとです。死にたくなりました。「来る!! もう直ぐ来る!! 大丈夫か?! 本当にコレで大丈夫なのか?!」「一応幻術で大人の姿になってるんだから、威厳とかは大丈夫だよ。後、少し落ち着こうね?」「お前がそんなんだから。さよがホイホイと馬の骨に着いて行ってしまうんだ!!」「ちょ?! エヴァさんの管轄でしょ?! 俺の責任じゃないよ!!」瀬流彦とさよはエヴァハウスの前で立ち止まっていた。正確に言えば、立ち止まっていたのは瀬流彦だけである。怖い物は恐い。しかし、彼は既に決心していた。(ちゃんと報告しないと…僕は男としてケジメを着けないといけないんだ!!)それでも足が竦む。瀬流彦はそっとドアノブに手を掛けて耳を澄ました『大丈夫なんだな?! 絶対だな?! 絶対に大丈夫なんだな?!』『はいはい大丈夫ですから。そんなに慌てないでドシッと構えて。』『分かっている!! もうちょっとコッチに来い』瀬流彦は、深呼吸をして手に力を込めた(エヴァンジェリンさんって…案外気さくな人なのかも…)「お邪魔します」「エヴァンジェリンさん!! 来ましたよ~」瀬流彦が中に入って見たのは、妙齢の美女と壮年の男。瀬流彦は状況が一瞬の見込めず。ポカンとした。「瀬流彦さん、取り合えずこちらに」「さっさと動け人間。挨拶も出来んのか?」口調を聞いて思考が回復する。「アギ君に…エヴァンジェリンさん? あっ、幻術?」其処まで口で言って、慌てて動く。テーブルでは無くコタツ。ソレに何で? と思いながらも二人の前に座る「どうぞ、お茶です」「あ、すみません」「さよさんも」「ありがとうございます」お茶を出した茶々丸は、ススススと動き。空に成っていたアギとエヴァンジェリンの湯飲みにお茶を注いだ。沈黙が場を支配する。瀬流彦からすれば堪ったものではない。エヴァンジェリンの纏うソレは王者の物だ。逆らう気など起きない。寧ろ、命令されれば従ってしまうような気さえしてしまう。そんな弱い心を叱咤して、瀬流彦は口を開いた「今日は、こんな遅い時間に時間を作って頂いて誠にありがとうございます」「…良い。要件はなんだ?」声は低く、冷たい刃のように突き刺さる。「エヴァさん、そんなに威圧しない。相さ…さよちゃん。今日はどうしたのかな? 何か有ったんでしょ?」アギの言葉に少し楽に成った瀬流彦は、エヴァンジェリンと眼を合わせてしまった。(凄い睨まれてる?!)「はい、その…此方の瀬流彦さんとは…その…け、結婚を前提にお付き合いをしてるんです!! その報告に来ました!!」声が大きくなるのは、恥かしさと緊張の為。瀬流彦はさよの言葉に力を貰ったような気がした。(僕も言わなきゃ)「僕はさよさんが好きです!! 愛しています!! お嬢さんを僕に下さい」「誰がヤルカァァァァ!!!!!!!!!」「エヴァさん!!」一瞬にして形成された魔力の刃。断罪の剣が瀬流彦の首を切り裂こうとしたその時、アギの言葉に反応してチャチャゼロと茶々丸がエヴァンジェリンを止めた。「放せ!! 其処の馬の骨が殺せない!!」「エヴァさん!! 二人の話をチャンと聞いてからでも遅くは無いよ? 少し落ち着いて…ね?」瀬流彦は息も絶え絶えである。目を凝らせば自分の周りを無数の糸が包囲していた。死は直ぐ其処に有る。数秒前には殺されそうになった。自分の知らない内にだ。冷や汗が背中を伝う。叫ばなかったのは奇跡だ。「クッ!! 落ち着いて居られるか!! さよの将来が掛っているんだぞ!!」「それも、俺達が決める事じゃないでしょ? 少し落ち着いて話を聞こうよ。さよちゃんの幸せはさよちゃんが自分で掴むものだ。解からない訳じゃないでしょ?」「…スマン。熱く成り過ぎた。さよ、続きを話せ」ほっとしたのもつかの間、さよが無自覚に爆弾を投下した「むぅ…瀬流彦さんは馬の骨なんかじゃありません!! 私の大好きな人なんですから!! もう、キスだってしてます!!」ブフッとお茶を吹いたのは仕方が無い。「キ…キスだとぉ!!」「エヴァさんそんなに興奮しないの。今日日、高校生と成人が付き合ってたらソレぐらい当たり前だってば。それで? どんなのしたの?」「フレンチなのを…キャ」(オワタ。僕オワタ)瀬流彦は絶望した。「おい、馬の骨」ペタペタと断罪の剣で頬を叩かれる瀬流彦。「は、はい」「遺言は聞いてやる」(殺す気満々ですかぁ!!)「まぁまぁ、エヴァさん。瀬流彦さん一つ聞いても良いですか?」アギの言葉に姿勢を正して、「はい」と答える。エヴァンジェリンは再び茶々姉妹に取り押さえられた「さよちゃんと、別の一般人十人が魔物に襲われています。助けれるのはアナタだけです。しかも、ドチラかしか助けれません。援軍も無し。ドチラを助けますか?」ソレは、マギステル・マギを目指す者には酷く嫌らしい質問であった。「それと…嘘は吐けませんよ? 吐いた瞬間にエヴァさんが激怒します。俺も止めません」数秒の時間が数時間に感じた。それほど集中して考えた。さよを選ぶのはマギステル・マギを目指す者として魔法先生として正しいのか?知らない十人を助けるのが正しいのか?瀬流彦は考える。さよを見捨てる事など出来ない。彼女は瀬流彦の生活や、心に深く入り込んでいる。瀬流彦は、心を決めた。ソレと同時に涙が流れた。「僕は…さよちゃんを選びます…例え、その十人に怨まれても…僕は…僕は!! さよちゃんを選びます!!」瀬流彦は夢を捨てた。ただ一人の愛しい人。それを見捨てるなんて出来ない。してしまったら自分が信じれなくなる。瀬流彦はもしもの時は、さよの為だけの魔法使いになると決心した。「だってよ? エヴァさん。認めてあげたら? やっと…さよちゃんが幸せを掴んだんだ。瀬流彦さんに力が足りないなら与えてやれば良い。ソレだけでしょ?」「………私は吸血鬼だ。滅ぼされない限りの不老不死。血を啜りながら、悠久の時を生きる誇り高き化物だ。そんな私の身内を…娘のような者をどこぞの馬の骨にくれてやる事など、考えられるか!!」「護ります!! 力が足りないなら着けて見せます!! 僕に…僕にさよさんをください!!」「黙れ小僧!! 貴様に!! 貴様などに!!」「取り合えずは力を試そうよ? エヴァさんの闇の吹雪(全力全開)を瀬流彦さんが防ぎきれば認めたら?」落とし所を提案するアギ。その言葉にエヴァンジェリンは少し考えてから、瀬流彦を連れて別荘へと向かう。「瀬流彦さん。コレ」「アギ君…コレは…」「護る為には手段を選んじゃダメだよ? 頑張って」side アギ「アギ先生!! 瀬流彦さんは大丈夫なんですか?!」「大丈夫さね、茶々丸とチャチャゼロが着いて行ったんだし。エヴァさんも内心は解かってるんだよ。」だから、落とし所を提案したのだ。頭で理解できても感情で理解できないのが、知性と感情を持つ生物の厄介な所だねぇズズズっとお茶を啜る。「さよちゃん。エヴァさんはね、本気で君の事が心配なんだよ。だから、ああも熱くなる。俺を含めてエヴァさんも身内には甘い。自覚も有るからねぇ…君が可愛くて仕方が無いのよエヴァさんはさ。」「で、でも」「エヴァさんは長い事独りだった。だから、チャチャゼロを造ったんじゃないのかなぁ。喋れる相手が欲しかったんだろうさ、純粋に戦力もね。何でエヴァさんが人形しか回りに置かないのか考えた事有る?」「い、いえ。茶々丸さんもチャチャゼロさんも凄いなぁぐらいにしか…」簡単な答えだけどね。外れてる可能性も高いけど「エヴァさんは吸血鬼の真祖。日の光も流れ水も克服してるし、吸血も嗜好の一つでしかない。そんな彼女は不老不死。寿命の有る生物を周りに置いても置いて逝かれるだけだからじゃないかなぁ…って俺は考えるのよ。そんな彼女に情が移る存在がいた。それがさよちゃんだったら? エヴァさんは死に物狂いで何とかしてやろうと考えるよ。独りの辛さも、幸せの重みも、この麻帆良では一番知っている筈だからね。嬉しい反面、悔しいのさ。」「悔しい…ですか?」「娘が幸せに成るのは嬉しい。でも、他人に娘を取られた様で悔しい。過保護な母親の気持ちなんだろうさ。だから…大丈夫だよ。お母さんを信じて待ってあげなさい」「…はい、お茶…入れてきますね……お父さん」「お父さんねぇ……ヤベェ結婚式とか絶対に出ねえ。」絶対に泣きそうだもん。さよちゃんの淹れてくれたお茶は、何故か塩辛く感じた。泣いても居ないのに不思議で堪らない。一時間経つと、エヴァさんがプリプリ怒りながら出てきた。瀬流彦さんはボロボロ。スーツはズタズタ。凍傷も多々有る。治療した後が見れたから大丈夫でしょう。再び向かい合う形で座った俺達四人。瀬流彦さんは床に手を着いて、大声で誇らしく言った「お義父さん、お義母さん、娘さんを僕にください!!」「顔を上げろ。」顔を上げた瀬流彦さんは何処か逞しくなっている様な気がした。「正直な話、答えはNOだ。だが…お前は耐えて見せた、こいつの手を借りたとしてもだ。」見えないように脇腹突かないでよ。痛いじゃない「さよとは漢字で書くと小夜。小さな夜と書く。夜は絶対に訪れる物だ。夜は優しく怖ろしい物だ。その優しさを、太陽の昇る時間にも持てるように、小さな夜を持てる様にと願い付けられた名前だ。…大切にしろ、絶対にその夜を穢すな。もし、貴様がこの契約を破ったのならば…」ゴクリと唾を飲み込む。エヴァさんの威圧が半端ないです。「生きたままその五体を引き裂いて生きたまま豚に食わせてやる!! その覚悟が在るのなら持っていけ!!」「…ありがとうございます。絶対に…絶対に幸せにして見せます!!」瀬流彦さんは泣きながら言った。さよちゃんも泣いてるよ。エヴァさんも危ないなぁ。俺もね、一寸ジ~ンと来た。さよちゃんの名前にそんな意味が有ったなんて知りませんでしたよ。さよセル!!!!【完】イロイロと痛い。円座頼りにならねぇ。食欲も有りません。ウィダーが美味しいです。全部さよセル。瀬流彦の戦闘シーン? 思い浮かばなかったよ? だって、結界張って防ぐだけだもの。瀬流彦が試験を合格出来たのは、アギが渡した魔法薬のお蔭。試験管に魔力をタップリと溶かした液体が入っていたのです。結界が破られそうになった時にそれを使ってしのいだ瀬流彦。でも、エヴァさんはちょっとお怒りモード。ついでに戦闘訓練を付けられたのでボロボロになりました。以下略「静符のS席も余裕で顔パスのBIN」「たまに人生を深く考えさせるBIN」「1日見なければ禁断症状でエターナルフォースブリザード」守衣さん。そっちのマスクマンも知ってるよ!! 悠久は素晴らしいです。声優も神ばかりだしなぁ。感想を視て、チャンピョン!! チャンピョンの事かと勝手に叫びましたオマケエヴァギさよ達が帰った後、エヴァンジェリンとアギは何も言わずにお茶を啜っていた。不意に、エヴァンジェリンがポツリと言った「お母さんか…」あぁ、ソレは効くだろうとアギは思った「俺もお父さんって言われたよ。さよちゃんに」「なぁアギ。私は今の侭で良いのだろうか?」「どういう事?」首を傾げる「幸せ過ぎる。さよは私の事を母と呼んだ。子も居ない…人を殺し続けてきた私の事を…は…は…だと」「其の侭で大丈夫だよ。其の侭のエヴァさんが一番だよ」声無き部屋に涙が落ちる。アギはそっとエヴァンジェリンの横に座り。小声で言った「ねぇ、エヴァさん。■■を創らない? エヴァさんが望むなら…チャチャゼロも茶々丸も連れてさ…其処で…」「それも…良いな。そうしよう…もう、独りは飽いた。」ついでのオマケ。寧ろ本編? どっちでも良いか学園長室で近衛近右衛門は頭を抱えた高畑の報告が原因である。(『俺は…魔法使いに生まれたく無かったよ』か…根本から間違いじゃった。此方には時間が無さ過ぎる)世界樹。蟠桃が二十二年に一度の魔力放出を行う。異常気象で一年前倒しに成ってしまった事が悔やまれる。まるで、世界がアギ・スプリングフィールドに手を出せないようにしているように感じてしまう。有り得ない事を考えて、近右衛門は頭を振った。(しかし……何処が真実で何処が嘘なのかのぉ…全てが掛け無しの本音に聞こえてしまう。その逆に全てが嘘に聞こえもする。)近右衛門が嘘だと断定できるのは『俺は魔法とか全然ダメ』という部分だ。何故なら、彼が実力を隠しているのを知っている近右衛門が本当と断定できるのは『普通に生きる。名前も全部捨てて、一般人として生きたい。魔法も荒事も派閥争いも関係ない。平穏でゆっくりした暮らしをしたい。農業とかね。土を弄るの好きだし』という部分と『人は魔法など無くとも人を救える。治療できる。癒す事が出来る。造る事が、忘れる事が、学ぶ事が出来る。』という部分だ。後者は自身も考えた事がある。「しかし…高畑君ものぉ…もう少し、考えてくれれば良いんじゃが」高畑はアギに使われたのだ。ソレは直ぐに解かった。コレは忠告と何かだ。その何かが解からない。気に成るのは、唯一名前が出てきた『超鈴音』の事だ。しかし…彼女の名前は茶々丸の製作者として出てきただけとも考えられる。「待てよ…確か、茶々丸君を作ったのは…」ピーンと来た。コレはメッセージだ。「ほっ…この状況で貸しを造られるとは…高畑君を止めたのは正解じゃったか…」もう、あの子には手を出せない。ヘタをすれば超と何かをするかも知れない。ブラックリストに載っている科学の天才。しかし…「彼女が何をするのかもサッパリじゃよ…」近右衛門の苦悩は続く