後少し、後少しだ。足りない物が分かった。どうすれば良いのかも分かった。凡そ一ヶ月。別荘に缶詰した甲斐が有った。何と言うマヌケな事をしていたのだろう。初歩的なミスを犯していた。最初の頃、初めての実験をした時のようにすれば良かったのだ。何と言う未熟。ある程度の魔法薬や霊薬を作れる様になって、在る程度の知識を得たからといって天狗に成って居た。無様だ。不甲斐無い。最初の気持ちを忘れていた。情熱が失われていた。成分が分かっただけで止める馬鹿が何処にいる?研究は其処で終わらないのだ。ソレを再認識した。足りない物は揃った。熟成も終えた。表に出せば発禁物だが、コレはどの悪魔にも在る。はぐれ悪魔や召喚された悪魔を倒して使いましたで通る。己が呪い等受ければ調べるのが当然だ。通してみせる。「クッ!! そうだ、俺は研究者だ。何時までも挑戦し続ける。ソレが楽しいんじゃないか」得られる達成感は堪らない。失敗した時の悔しさは堪らない。故に、次の。その次へのバネに成るんだ。「もう直ぐだ。もう直ぐ出来上がる。」俺の役目ももう直ぐ終わる。コレが終われば…俺は…(やっと……ゆっくり出来る。もう直ぐだよ、スタンじいちゃん)今尚、眠り続ける。師に頭の中で告げる何故か叱られた様な気がする『急ぐな、このバカモン』疲れてるなぁ…取り合えず、イラナイモノは処理しとこうチャチャゼロの行動は迅速だった。最近、と言っても此処二日程だがアギの様子がオカシイ。隈が酷い。妙にやつれて居る。そして、普段なら夕食の準備に掛っている時間になっても別荘から出てこない。すぐさま、エヴァンジェリンと茶々丸を呼んだ。自分が入っても良いが、自分にはやるべき事が在る。監視の発見だ。普段遊んでいるように見えても遣るべき事は遣っている。二人は直ぐに駆けつけた。勿論、一緒に住んでいる龍宮真名も一緒だ。真名は直ぐに何かあった時のための準備を完了させた。主人と妹は別荘内に入って行った。勿論、別荘内にもそれなりの物が在る。真名が準備したのは無駄に終わる。彼女は既にツテの在る医療機関に連絡を入れている。一時間が嫌に長く感じる其処で出てきたのは……顔が真っ赤なエヴァンジェリンとそのエヴァンジェリンを何処か冷めた眼で見る茶々丸茶々丸に抱かれて気絶しているアギだった。(取り合えず…点滴は必要だね)「何ガ有ッタンダヨ? 御主人?」「マスターは自首した方が宜しいかと」「チガッ!! アレはアギからしてきたんだ!! 私も被害者だ!!」(本当に何が在ったんだい? 先生)真名、点滴をしてからアギを起こす事にしたその頃、麻帆良女子中女子寮の一室で一人の少女が黙々とゲームをしていた「だから、無視しないでくれよ!! すげぇでしょ?! この青い飴玉・赤い飴玉年齢詐称薬!!」一人だけ喚くのはカモ。害獣である他に居るのはカモの主で在るネギ。アスナと同室のこのかに、このかの護衛で親友の刹那。三人からのカモヘの視線は冷たい。アスナは、勇気を出して学園デートに意中の男性、高畑にデートの誘いをしようとするも失敗。乙女らしい恥かしさが敗因である。ソレを知っている三人、勿論カモもコッソリと見ていたのだから分かる。なのにソレは無いだろうと思う三人。「なぁなぁせっちゃん。アスナは…」「はい、憂さ晴らしの為に何故か一人でフルフルを乱獲してます」「アスナさん…僕はどうすれば良いんでしょうか? このかさん、刹那さん?」「「………」」聞かれてもどうすれば良いのか分からない。二人はまだそういった経験が無いからだ。流石に仕方が無いそこで二人は気付いてしまった。そういった経験が無いのは認める。彼氏など居ない。まだまだ中学生、未来がある…が目の前の少年。ネギには良い仲の少女が居る。何気に兄から助言を貰って余程の事が無い限り、暇がアレば少女と会っている。中々に小まめだ。(せっちゃん…ウチ等って)(アカン!! それ以上はダメやこのちゃん!!)「ふ、二人とも何で落ち込んでいるんですかー!!」「だから、コレを使って大人に成れば良いんですって!!」カモの叫びに三人の乙女がキラリと目を光らせる。が、三人とも在る事に気付く。アスナは自分が魔法などを解除出来る事に気付き、何かのショックでその効果が切れた時の事を考え溜め息を吐いた。このかと刹那は未来の自分の姿が分かるという事に興味を示したが…何かと関係の在る男はそういった事に気付く可能性が高い。しかも、自分達に興味が在るのかどうかも分からない。二人は溜め息を吐いた。二人の考えは正解であり。細かい所は違う。何気に一緒に居る時間が長かった二人、微妙にだが琴線に触れた事は有ったりする。二人のネックは家柄だったり、その護衛だったりとするのでソレが関係無くなれば可能性は在るが二人はその事を知らない。「いや、其処で溜め息って?! それじゃあアレだ!! 兄貴にコレを飲んで貰ってデートの練習して慣れれば良いんすよ!!」この一言で俺天才!! と胸を張るカモだが、速攻でネギが反論した。「ダメだよカモ君!! 僕には勇気を出して思いを打ち明けてくれた人が!!」コレに同調するように三人が続いた「そうや、本屋ちゃんの恋路。邪魔したらアカン」「そうですよ、あの勇気に私は感銘を受けました」「何言ってんのよ。私が好きなタイプはね、世の酸いも甘いも経験した様なおじ様…あっ」アスナはポンと手を打って聞いた「それってさぁ、何処まで年を取れるの? 誤魔化すんだっけ?」「三年から五年ぐらいッス!! 」「飲めば更にイケル?」「…さぁ? 其処までは…」「分かった。ちょっと出てくる。」そう言って着替えて、出て行くアスナ「アスナー何処に行くん?」「心当たりが在るんですか?」「アスナさーん。今日は僕の青クック手伝ってくれるって…」「アギの所に行って来る!!」「「「「………え?!」」」」そう言ったが最後。既にアスナは駆け出していた。このかと刹那は直ぐに思考を纏める。二人はアギの本当の姿、外見を知っている。肉体年齢十五歳。最近十六に成ったらしい。髪は適当に切った所為でワイルドを通り越してだらしなく成って居たのでエヴァンジェリンが切った。現在短髪。顔は苦労している所為か老け顔と言って良い。その状態で年を取らせる。恐らくだが、見た目的にはアスナ好み?世の酸いも甘いも知っている。寧ろ遣ってる事が大人過ぎて赤面したのは最近の事デアル。ヤバクね?二人は慌てて駆け出した。ネギも着いて行く(そうだ、兄さんに手伝ってもらおう)何気に兄弟で遊ぶのが初めてに近いので、何処か笑顔のネギだった。所変わりアギは、茶々丸に介護されながら食事を取っていた。点滴も終わっている。が、どうにも記憶が無い。薬が完成したのは覚えている。後処理したのも覚えている。何故かエヴァさんに睨まれている。何かしたのだろうか?「本当に記憶が無いんだな?」「うん。俺、何かしたの? 薬が完成して有頂天になったのは覚えてるんだけど…」なら良いと言うエヴァさん。何が在ったの?「もしかして…一人で完成させたから怒ってる?」「そんな小さい事で怒るか!! 私は…その…アレだ!! 人間の癖して篭り過ぎるお前に怒っているんだ!! もっと自分を大切にしないか!!」いや、そんな事言われても…溢れる好奇心と言うか知識の探求と言うか…研究欲がね?「お前は人間なんだ。別荘のデメリットは分かるだろう?」「まぁ…ソレ覚悟で使ってるからねぇ。じゃないと、今の俺は居ないよ」「確かにそうだが…今の肉体年齢は分かっているか?」「十六? もう直ぐ十七かも…このかさんの修行以外でも結構使ってるからねぇ」「……いい加減にしておけ。髪は後で切ってやる……次、こんな事が在るようなら噛むぞ?」「ソレは勘弁。俺は人間だからねぇ…まだ、人を捨てられるぐらい生きていないのよ?」「だったら自重しろ」は~い。にしても…俺、本当に何をしたんだろうか?アスナが飛び込んで来たのは髪を切り終わって、シャワー浴びて居る時。突然来て、人の裸を見て怒るなよ。それから、少し遅れてネギ達が来ました。既にアスナの用件を聞いていたので普通にモンハン遣ったよ?刹那のアカムをタツミーとチャチャゼロと一緒に手伝って、アスナのティガをエヴァさんと手伝って、ネギのクック亜種とザザミを手伝いました。このかさん…貴女もユーザーだったのね。アカムは今度手伝うから。デートねぇ…久しぶりだけど…ゆっくりやるかねぇ。気晴らしには丁度良いだろうし、何か買ってやるかぁ…長谷川との商売も巧く行ってるし? 余裕在るのよおじさんは。最後の方までエヴァさんが機嫌悪かったのは何でだろう? 友人からも言われた。お前馬鹿なの? 死ぬの? 自重しないの? と。一日一話。コレは俺が決めたルール。俺ルール。じゃなきゃしねぇよ。書いてて楽しいからSS書いてんだ。コレだけは破りたくねぇ。意地が在るんだ。正しくは無くとも間違いでも無いなぁ、そうだろ?おまけ今日のエヴァさん駆けつけた別荘では、アギが狂ったように笑い。喜んでいた「お、おい。アギ」私達に気付き、駆け寄るアギ。ちょっと待て!! ブツカル!!「エヴァさんやったよ!! 出来た!! 完成した!!」何?!「本当か!!」正直に嬉しい。共に研究した者として、一人の研究者としてだ。興味も尽きない其処まで思って抱かかえられて居る事に気付く「ちょ?! 放ムゥ!!」包容からキス。嬉しいのは分かるが止めろ!! イキナリ過ぎる!!「プハッ!! 落ち着ムゥゥ!!!」ヤメ…茶々丸!! 見てないで助けろ!!「マスター…自重してください」「いや、違うだう?! お前も正気に戻れ!! 馬鹿者!!」メメタァ!!!!「ヘブゥ!!」「アギ様!! 大丈夫ですか!!」「放っておけ!!」クソッ…されるのは苦手なんだ。「マスター? ドチラに?」「風呂だ!!」アギの奴め!!