箱庭、ソレは俺の領域悪魔を…アスモダイをこの中に入れたのは、少しでも自分が有利になる為だ。麻帆良には住んで日が浅い。正確には周囲の精霊達と仲良くなっていなし、力を振るおうにもバレたくない。俺が、ネギに余り関わりたく無い、事件の表舞台に出たく無いのは死亡フラグ満載だからだけが理由じゃない。メルディアナに通っていた時、俺は周囲からダメな子と思われていた。そう思われるようにしていた。原作通りにネギは神童をしていた。勿論の事だが、比較される。その時に聞いてしまった『英雄の息子は一人しか期待できない』『大切にせねば』簡単にすればこれだけの意味合いの言葉。でも、その意味を考えると怖ろしくなった。やはり、何処かでマンガの世界だから甘いものと思っていた部分があった。甘く見過ぎていた。使える英雄の息子が二人いたら?答えは簡単だ。ドチラかが居なくなっても替えが聞く。俺の被害妄想なのかもしれない。でも、そういった未来も有り合える。俺が自分の為に考え出した答えは、正解だった。この選択で、俺は救われている。精霊達にも助けられた、悪魔にも助けられた。俺からすれば魔法自体が眉唾物。精霊や悪魔も魔法使いも大して変わらない存在と認識している。勿論、今は違う。でも、必要以上に恐れる心配は無い。良い人間が居れば悪い人間も居る。ソレと同じ。何も変わらない。でも、俺は悪魔や精霊達よりも、人間が恐かった。人間だからこその考え、判断。ソレが出来る自分が嫌いで恐い。だからだろう、俺は肉親でさえも恐い。内心、何時もビクビクしている。薬草を吸うのはそういった物を押える為であり、誤魔化す為。快楽にも逃げた。だからだろう、俺は精霊が悪魔が好きで堪らない。俺の大切な家族、仲間、臣下。皆が居れば他に『者』は要らない。そう断言できる。だから…俺の家族を傷つけた奴にはソレ相応の事をして貰う我は全能の神の力を得て、ここに何時を呼び出す。そして、われはバララメンシス、ポーマキエ、アポロロセデス、最も強力なる王子ゲニオとリアキデ、タータルスの玉座の大臣たち、第九天のアポロギアの玉座の王子たちの名と力を借り、此処に創造す。名を刻む神剣よ、此処に生じよ。王命により、全てを刻め(足りない)圧倒的に魔力が足りない。幾ら五行相生法を使っても魔力が足りない。俺の許容魔力は当に超えている。(…主人公なんかじゃないからなぁ…インスタントヒーローにもなれやしねぇ)足りない、何もかもが足りない。真名押えた。それだけでは奴は従わない。何かが足りない、魔力異常に何かが足りない(ソロモン…ソロモン王、神の加護受けた人の王…何が足りない?)神の加護など有り得ない。俺は元一般人。ただ、何の因果か主人公の兄として生まれた脇役みたいなモノだ。(何が足りない?!)大嫌いな使役法。思い出せ、ソロモンのみ許された方法を!!指輪は何も教えない。教えるのは真名のみだけである。これでも破格なのは解かっている。それでも…(指輪は真鍮と鉄で出来ている…真鍮と鉄? 鉄だ!!)解かった、何が足りないのか思い出したソロモン王は魔神を使役するさいに、指輪を使い分けた。良き魔神(天使)を使役する場合は真鍮の部位を、悪き魔神(悪魔)を使役する場合は鉄の部位を投げ当て、呪文を唱えるといかなる魔神も強制的に従わせた。確かそうだった筈。「今一度、請い願う。偉大なる神ゼバオトよ。汝が力に今一度願う」マガ・マギ・ゴディア・マラスクス『我は全能の神の力を得て、ここに何時を呼び出す。そして、われはバララメンシス、ポーマキエ、アポロロセデス、最も強力なる王子ゲニオとリアキデ、タータルスの玉座の大臣たち、第九天のアポロギアの玉座の王子たちの名と力を借り、此処に創造す。偉大なる主なる神ゼバオトよ。創造を許し給え、怖ろしい鉄の神剣を創造する事を許し給え。神命を受け、王命となりし剣よ。我を糧とし此処に現れよ。汝は名を刻む刻銘の剣。聖魔の分別を知る偉大な力也』体中の力が座れる、指輪に集まる力の圧力に耐えられそうも無い。腕の肉がまた裂けた。左腕はもう真っ赤だ。意識が朦朧としてくれれば楽なのに…痛みがそうはさせてくれない(痛いのは嫌いだって云うのにさぁ…今更、引けないわな)戦いなんて下らない。争い事も下らない。臆病者と笑えば良い。小さな世界を望む俺を好きなだけ笑えば良い。俺は何とも思わない。だけど、ケジメはつけて貰う。「王命の剣!!」声を出すのが辛い。呼吸をするのも面倒になって来た。外氣を吸収したのいいけど運用しきれずに、足から嫌な音がする。(ネギは凄ぇや…こんな事しなくても強くなるんだからさぁ)代償はデカイ。絶対にもうやらない。足を引きずって、アスモダイに向かう。(皆、頑張ってまぁ…俺には勿体無いなぁ。コマ、頑張り過ぎ。ハヤテも、ハーリーも、シアも、皆頑張りすぎだよ。チャチャゼロ、特にお前だ馬鹿人形)動かない殺戮人形。(倒れてるくせに何でカッコイイんだよ)どれくらい歩いた? もう、一時間以上歩いたみたいだ「それで? 俺を従える事が出来るのか?」(やっとかよ…)「王命の剣……其処まで使えるか…指輪にも認められたようだな。アギ・スプリングフィールド」何笑ってんだコノヤロウside アスモダイ懐かしき神剣が目の前に在る。鉄色の神剣。我等を従えた王の剣。認めよう、お前は彼と同じ場所に立っている「ソレを使えば…俺達でも消滅させられるぞ?」当れば、大天使、大悪魔、関係なく滅ぼせる。真名とはソレが出来る力を持つ。ソロモンと同じ指輪の使い方が出来るならな何も言わずに、肩から心臓目掛けて、神剣が突き刺さる。激しい痛みが身体を魂を駆け巡る(消滅を選んだか…満足だ)思えば退屈な日々だった。嘗ての同胞達とも疎遠になる。当たり前だ、我等が住む世界は余りにも広く広大過ぎる。皆が集まるまで数百年掛った。それでも、あの時には戻れない。嘗ての輝かしい日々は戻らない誰かが言った何故人に惹かれてしまったのか?同感だ、嘗ては人の娘に恋をした事もある。しかし、ソレとはまた違うモノだった。議論が続いた。長く続いた討論の結果に俺を含めて皆が納得した『我等は彼を友として、対等で尊敬できる存在として認め好いていた』後から気付き、我等は自身の不甲斐無さになげいた。何が魔神か? 友の望みも叶えられぬ我等が……所詮は過ぎた事。だが、変わらぬ事実だった。幾ら力を得ようとも虚しい事だった。其々が、何かしら事を始め退屈に毒され眠りに付いた(そうか…俺は終わらせたかったのか…この無意味に長く退屈な生を)消滅を受け入れよう。痛みが無くなると、唖然とした。「消滅を選んだのではないのか?」彼は俺に気だるそうに言った。「馬鹿じゃねぇの?」side アギコイツ、何言ってくれてんの? 「消滅も何も、従えろ言うたのアンタじゃん?」馬鹿らしい「俺はお前の使役悪魔を」「治せるだろ? 悪魔王なんだから」ソレぐらい出来るだろ? 出来ないなら、知識を寄越せ。無いなら持ってる奴を紹介しろ。説得は任せる「大体、リリアに謝って無いだろうが」悪い事をしたらごめんなさいでしょ? 悪魔はどうか知らんけど「フ…ハハハハハ!! そうか…謝罪をしていないから此処に居られるのか」何で笑ってるの? イカレた?「どうでも、良いけど。出来るの? 出来ないの?」「喜んでやらせて貰おう。コレを付けて置け」渡されたのはまた指輪。しかも金と黒。趣味悪いぞお前「この世界に俺が居なくとも、思念で会話できる。黒の指輪を嵌めさせて、魔法薬や治療魔法を使えば、勝手に指輪が効果を増大させる。それで十分だろう?」「…インスタントかよ…まぁ、良いか。」「謝罪の品だ。あの悪魔はフォラスの眷属だろ? なら、その指輪の価値も解かるはずだ」「へー…」「それでは、俺は戻る。コレより、お前は七十ニ柱と契約する事が楽に成るだろう。覚悟しておけ、我等と契約すると言う事は神々の加護が無いお前には相当な負担を強いる。」「アンタ以外としねぇよ。痛いのも戦うのも嫌いなんだ。それに、俺はさっさと隠居してゆっくり暮らしたいの」だから、何故笑う?「……そうか…お前もか…アギ、運命と呼ばれるモノがソレを許さなかったらどうする?」どうするって…どうしよう?「…新世界でも作るよ。運命なんて糞喰らえだ。俺は平穏に生きたい」「新世界か……面白いな。お前は…もう一度聞く、何故俺の消滅を望まなかった? 先の理由だけじゃないだろ?」還りながら聞くなよ。変な悪魔だなお前「人間よりも悪魔や精霊が大好きだから」「変わってるな、お前」五月蝿い。後は…「見逃してくれた借りを返しただけだ」それだけ言うと最後にキョトンとした顔で還って行きやがった。一本取れた気分で最高です。体中から力が抜ける「エヴァさーん…見てるなら後よろしくぅ」「先生」何よ? 俺はもう動けませんよ?「体中が痛いです」「このかさんに治して貰おうねぇ」俺もだよ。もう絶対にあんな無茶しない。命が幾つ有っても足りません。絶対に寿命縮んだ。絶対に、十年ぐらい縮んだ(代償も恐いなぁ)side エヴァンジェリン最後まで我を通したか「近衛このか行くぞ」「はい」「ウチはこの子に一寸、話ときますわ。イロイロ話して口止めしとかな」そう言えばそうだな。もう少し脅しておくか「神楽坂アスナ、喋れば躊躇無く殺す。貴様だけではなく。貴様の関係者から先に殺す」殺気をぶつける。ドンドン青くなる顔色が愉快だ「わ、解かってるわよ…絶対に誰にも話さない。」「どうだかな、危険そうなら、貴様の記憶を弄る。」「私に魔法は」「方法は幾らでも在るんだよ。ソレを忘れるな」「…はい」最後まで我を貫く強さ、貴様の心の底に見えた恐怖。見させて貰ったぞ? アギ・スプリングフィールド。人間嫌いの面倒臭がり。そんなお前が、誇りに思えるよ。鼻が高いとはこの事だな。そうだろう?二代目ソロモン王?終りねぇ~最後は呆気なく、何時も通りにだる~くいきました。反論は…知らん!!以下略『BIN氏より先に読者が倒れる』『アブノーマルではない BINノーマルだ』『アブノーマル逃げてぇ』『害のないタバコを開発してしまっても構わんのだろう?』切に願う。喫煙者のために!!オヤスミ