炎は俺に届かなかった何故?壁が有ったからだ、俺は魔力が勿体無かったので障壁は張っていない。正確には張れる余裕が無い。眼前に現れたのは分厚い石と氷の壁石は融解し氷は溶けて蒸気になった。それでも、俺には届かなかった何やってるんだよ「大…丈夫? アギ?」「リリア…何やってんだよ」綺麗な肌が爛れちまってるじゃねぇか…綺麗な髪も焦げて…「御主人様を…護るのが、私達の望みだもの。大丈夫、向こうに還る…だ…」アン、封印の瓶!!「ラゲーナ・シグナートーリア…絶対に治すから休んでろ」「ありがとう…優しい…御主人様」何やってんだよ、勝手に還ろうとしてんじゃねぇよside ギアンリリアがやられた…あの炎を喰らったら消滅だぞ?左腕の再生が遅すぎる、周りの力を借りてもこのスピードだ。完治すんのに一ヶ月はかかるぞ?コレでも、まだ手加減してやがるなんてよ…「ガラ」「どうした、良い未来が見えたか?」馬鹿、逆だ。アイツの一撃は俺達に取っちゃ致死だぞ?「俺を食え」「…正気か?」正気も正気だ。今の俺じゃあ足手纏い、何の役にも立てない。だったら、託すさ。俺の全部を預けても大丈夫な奴に「当たり前だ馬鹿が…リリアはアギから知恵を貰った。俺は楽しみを貰った。お前は忠義を知った。クロは自由を貰った。俺等の望みはアイツが幸せに生きる事だ…お前もそうするだろ?」「…承知した…お前の分まで主を護る」それが、俺達の望み。理性をくれた大事な主、生をくれた大事な家族、共に笑ってくれる大事な仲間。ソレを護れるなら…恐くはないさside エヴァンジェリンギャーギャーと五月蝿い神楽坂アスナを天ヶ崎の式神が黙らせる。「ちょっと…助けに行かなくて「黙りんさい!!」!! 何よ?!」「黙れ、神楽坂アスナ。コレは我が盟友の戦いだ。部外者が出張る隙など微塵も無い」「でも!!」「黙れ…私はな…奴の本気が見たいんじゃない、奴の全力が見たいんじゃない、奴が死ぬのを見たいんじゃない。」あぁ、そうだ。私が見たいのは「私は奴の本気の全力を…死に者狂いの全力を…奴の心の底に有るモノが見たくて溜まらんのだ!! 誰が対等と認めた存在の死を望むか!! 本来ならば、アソコに居るのは桜咲刹那でも、チャチャゼロでもなく、私なのだ!! ソレを我慢してこうやって立会人をしている!! 小娘は黙っていろ!!」「ぅ…!!」「近衛このか、良く見ておけ。貴様が師事する男の力を…奴はキレたぞ?」「解かっとる…アギ君の今の立場は…ウチにも訪れる可能性が在るんや…」良い具合に育っているな。それで良い。ソレでこそ私達が鍛えている人間だ奴は身内に甘い。私も…そうだがな…そんな身内を傷付けられれば…「見せてみろ、私を殺せる盟友よ。貴様の力を…」side アギ聞こえてるぞ? 大馬鹿共、勝手に居なくなるな!!「■■■■■■!! ■■■■■■■■■!! 戻れ!!」「なっ!!」「主!!」真名は力を持つ。でも、ただ口にすれば良いだけじゃない。力を込めて、一寸特殊な方法で使わなければ、意味が無い。使役法。大嫌いな術。家族を、仲間を使役なんてしたくない。それでも…好き嫌いは言ってられない。「チャチャゼロ、刀貸せ」「オイオイ、自殺トカ無シダゼ?」「馬鹿、大事な家族を傷つけた奴に何もせず死ねるか」半分に折れた剣で、邪魔な髪を切る。やってやるよ、使役してやろうじゃないの。 そして、土下座させてやる。「チャチャゼロ、刹那、お前達の命。俺に預けろ」「ケケケ、今更今更。俺ノ今ノ主人ハオ前ダロ? 御主人」「もとよりそのつもりです。アレ相手に生き残るにはソレしか無いでしょ?」良いね良いね。初めて熱くなってるよ。怒りが限界突破すると、逆に冷静になるっていうのは本当らしい「時間稼ぎ宜しく。」「何秒ですか?」「馬鹿ダナ、何分ノ間違イダロ?」「ソレもそうですね。往きます!!」さてさて、もう引くに引けない。魔力も半分。コレでダメならどうするか? 考えるのは止めにして、さっさと行動。(アーシー、コマ、イーファ、ヴィヴィ、ハーリー。集合。シニィは撹乱続行、シアは足止め、ハヤテは全力で往け。アンは引き続き待機。)「四方の山に囲まれし、人が恐れし彼方の者よ」俺の切り札でフルボッコにしてやるぞ? アスモダイside アスモダイどうやら本気になったようだ。今までとは眼が違う。爛々と光るその眼差しは本気になったのだろう(ヤレヤレ…身内に甘いのも変わらんのか)「余所見シテンジャネェ!!」人形の攻撃が苛烈さをました。今までサポートに回っていた精霊の一柱が攻勢に回った。ハーフの小娘の攻撃の威力が上がった(面白い!! さぁ、どうする? 時間稼ぎをして何をする!!)小僧の声が聞こえる「四天は朽ち、阻むもの既に無し。神便鬼毒酒は既に枯れ、童子切りは此処にはあらじ。崇り祀るる老ノ坂、先の峠に眠りし大明神。首は繋がり肉は現世に有り。通る道に横道あらじ、京の杯には既に意味はなし。恐れる物は在らず。四天の縛りは千切れ、剣は錆び、折れた。門の鍵は有らず、我が声に答えよ」(召喚? 今更なにを)「名は酒呑!! 酒呑なれど酒呑にあらじ!! 酒顛なれど酒顛にあらじ!! 朱点なれど朱点にあらじ!! 名は真名を通り、真名は名と成る!! 来たれ酒天!! 猛る力を世界に示せ!!」五芒星? 破邪の術か? しかし、召喚? まさか…天子?「悪鬼顕現、酒呑童子!!」東洋の鬼だとside エヴァンジェリン「参った…日本三大悪妖怪、日本最強の鬼と呼ばれる鬼を召喚とは」笑いが止まらない。近衛このかも、天ヶ先千草も、口を開いて唖然としている。あの、バカレッドも何やら思い出そうとしてるそこまで知られている鬼。「そうだ…もっと見せろ…貴様の底はもっと深いだろ?」愉快過ぎて咽が渇く。そうか…ソレも良いが…(力尽くというのは面白くない)クツクツと笑いが漏れた。side アギ「ゴメンね、しゅうさん。完全な状態では呼ぶ事が出来なかった」真後ろに立っている鬼に言う。「仕方が無い、我を呼ぶ程の相手だ。準備も出来なかったのだろう? ならば、それで良し。二割ほどの力しか出せないが…何とかして見せよう。戦いは鬼の本分だ」そう言って、跳ぶ紅い鬼。角は五本、短い乱れた赤髪が揺れる。(魔力は四分の一以下…)「足止め、頼むよ?」『任されよ!!』悪魔王VS最強の鬼。良い勝負だよ…ホント。(アーシー、コマ、イーファ、ヴィヴィ、ハーリー…配置に付け)「見せてやろうじゃん。西洋と東洋魔法の可能性、『五方偽神』」俺を中心に五体の上位精霊を特定の位置に配置。力を巡らせる。(アン、魔法薬S-A~B全部!!)飛び出し割れる瓶。溢れ出す魔法薬に切り取った髪を放る。準備完了。指輪に魔力を流し、真名を探る。既に死んだ伝説。封印は解かれている筈なのに、解かれた封印の残滓が強すぎて探れない(だったら、無理やりブチ破る)「力よ廻れ。木生火、火生土、土生金、金生水、水生木。力廻り、力を育み再度廻る」バチっと二の腕の肉が裂けた。三度廻らせ、既に体が魔力に耐えられない。流石伝説。神から知恵を授かった、祝福された王。格が違いすぎる外気を取り込む。形振り構っていられない。死にたくない、仲間を死なせたくない。何よりも、アイツに負けたくない。絶対に謝らせるんだ。俺の家族に…外気を取り込み、傷が塞がる。直ぐにまた傷は開いて、また治る。(何処の苦行だ…密教僧でもないのに)痛みを耐える。後少し…後少しなんだ…(見えた!!)「全軍、一斉攻撃!! 足を止めろ!!」マガ・マギ・ゴディア・マラスクス!!(ぶっつけ本番…やるしかない!!)われは全能の神の力を得て、ここ に何時を呼び出す。そして、われはバララメンシス、ポーマキエ、アポロロセデス、最も強力なる王子ゲニオとリアキデ、タータルスの玉座の大臣たち、第九天のアポロギアの玉座の王子たちの名と力を借り、此処に創造す。名を刻む神剣よ、此処に生じよ。王命により、全てを刻め side アスモダイ見破った、真名が暴かれた事が漠然と解かった。(しかし…力任せに来たか…面白い!!)ただで、従う気は無い。何よりも、一度押えられた名。封印は既に解けているがその残滓は強烈なものだ。本来なら自身で振り払っているが…俺を含め七十ニ柱は誰もソレを振り払っていない。コレは懐かしく愛おしいからだ。彼の事を未だに我等は引きずっている。最初は怨んだ。友好的な最初は殆ど無いだろう次に不思議に思った。人の王、神の祝福を受けた選ばれた人間。なのに、不思議なほど、周りの人間に無関心な所が有った次に後悔した。人は怖ろしい。同じ生命を持った存在なのに、怖ろしい程中身が違う。彼は人を恐れていた。気を抜けば利用されるからと次に唖然とした。彼は王になど本当は成りたくなかったと言った。王にならない方法を知る為に神に頼み貰った知識にはそんな事は刻まれていなかった。次に笑った。政務を同胞にやらせていた事にだ。私は何時の間にか彼が好きに成って居た。元々風変りな悪魔と自身を認識していたが、此処までとは思わなかった。そんな彼は人間で、当たり前のように死んだ。皆が理解していた。彼は敵わぬ夢を持って死んだ。『何も関係ない。静かで安穏な暮らしをしてみたかった。皆と一緒にな』ソレは詰らないと皆で笑った。でも、少し考えさせられた。我等の寿命はどれほどなのかは解からない。彼が死に、元の世界に還れば荒々しい日々が待っていた。何時の間にやら、強く成って居た。だが、ソレも虚しい物に成ってしまった。多くの同胞は眠りに付いている。退屈な日々は我等に取って毒だった。起きているのは、俺を含めて六柱程だ。その中で旧世界と呼ばれる此処に来る変わり者は俺ぐらいだろう。俺は、いや。俺達は、彼が夢見た世界で暮らしてみたいのだ。ソレが夢と成っていた。地位などに興味は無い。この思いは驚くほど強く、自身でも驚いた。彼は我等に多くをくれた。我等は彼に多くを与えたが、ソレが釣合っているかは解からない。彼は望みを叶えていなかったのだからそんな時、暇つぶしに力を封じて来たこの世界で懐かしい思いをした。アギ・スプリングフィールド。彼に何処か似た少年。俺を恐れずに居た人間。それだけでも面白いと思った人間は、俺と言う理不尽を許容した。諦めきった顔が、彼を彷彿させた。(彼も小僧も、望まぬ道に諦めを見出した)それでも、彼は何とかしようとしていた。再びこの世界に来て見れば、小僧も彼と同じ事をしていた。(故に溜めさせてもらった)殺す気などない。神の祝福も受けていない、人の子。短い時間で調べてみれば英雄の子だと解かった。魔法の才が無い等という情報も有ったが。中々どうして…この人の子は彼よりも狡賢いようだ。ヘルマンをコケにしていたのを見た時は、久しぶりに笑った。小僧は何を望んでいるのだろうか? 情報を纏めて予想すれば、出た結論は彼が望んだ物と同じなのではないかと思った。(既に合格だ。その指輪は、お前の物だ)「全軍、一斉攻撃!! 足を止めろ!!」小僧が攻めに転じる。さぁ、どう出る? 俺は魔王。只では引かぬよ東洋の鬼は強く、他のモノ達も中々だ。コレだけの力を戦力を有する小僧。アギ・スプリングフィールドよ。俺は何時でも良いぞ? 貴様の思う通りに…「やってみろ」さて、自重すると前回言ったっから…別にニ・三日更新しなくても良いんだろう?にしても、設定が随分と酷い事にwwwww〜アギの愉快な家族達一覧〜(精霊)風:ハヤテ(虎+羽)光:シニィ(????)(金髪ショートの女性。気が強い)闇:アンちゃん(????)(女性)(前髪が長く顔半分が見えない)大地:アーシー(????)(蛇)水:ヴィヴィ(????)(不明、多分女性)氷:シア(????)(不明、多分女性)火:イーフィ(????)(鳥/人、多分女性)雷:ハーリー(????)(ハリネズミ)木:コマ (????)(小人)(悪魔)男性型:ギアン(ギアン・ヴァサ)(魔族)ソロモンの悪魔、七十ニ柱の予言の貴公子(ヴァッサゴ)の眷属の末端アギに多大な負担を掛けるが、先見の魔眼を持っている。でも見れるのは三秒~五秒先でも、消耗が激しいので使い処が難しい女性型:リリア(リリアン・フォラ)(夢魔)ギアンと同じくソロモンの悪魔、七十ニ柱の探索者の総統にして、主君(フォラス)の眷属。でも。夢魔でも在る。薬草などをギアン達と共にアギにプレゼントするのはその血筋故のモノと思われる特殊な能力は殆ど無いが、アギと共に学んだ魔法や、盗み見た魔導書などから多くの魔法を使える。悪魔としての土台が在るため、魔力も高い猫型:クロ(ネクロフィ)(魔獣型)????? 実はもう決めているけど、出しません狼型:ガラ(ガラ・ラ・ハルパー)(魔獣型)ギアンと同じくソロモンの悪魔、七十ニ柱の死と破滅の伯爵(ハルパス)の眷属。他の悪魔達と違い、アギの集めていたドラマや小説に影響されて忠義を知った。サムライに憧れているらしい。日本に侍はいないと言われ、涙を流した密かに人型に成る練習をしている。クロとは喧嘩友達鬼:酒呑童子元々は、侵入者に無理やり召喚されていた。しかも、不完全過ぎて存在がブレルぐらいに酷い方法で。侵入者の技量が低いのではなく、態と。完全に使役できないので、不完全で尚且つ自分が使役できるレベルで召喚したため。アギの提案に乗り、アギと契約した。因み、杯も交わしている侵入者はクロに美味しく頂かれた。ついでに、元々が犯罪者なので、逃げても西の術者に捕まってしまう未来が有った。酒呑童子を召喚するために、多大に悪い事をしていたので仕方が無い。首塚大明神から、土や奉納されていた酒などを盗んだりと、結構やってる以下略『作者はニコチン中毒、読者はBIN中毒』『常人の異常が通常の漢』『BIN式変換「御慈愛→御死合」』「みのBIN」