静かな朝。体を揺すられて目が覚める「朝ですよ。アギ様」「ん…おはよう。茶々丸」「はい、おはよう御座います。朝食に、トーストにベーコンエッグ、サラダは如何ですか?」「貰う~…太極拳の後で」「シャワーを浴びている間に出来上がります。」幸せです。このまったりゆっくりな生活が、最高の幸せです。「アギ様、紅茶が入りました」「うん。ありがとう…今日は何をしようか?」茶々丸に聞いてみる。このままマッタリするのも良いけどねぇ…茶々丸と何かをするのも良いと思うんだ。今なら、学園長のクソジジイにも笑顔で接せられるかも知れない。「…散歩などは如何でしょうか? 健康にも心のリフレッシュにも最適化と思われます」「それじゃあ、そうしよう。茶々丸に懐いている猫には午後に会いに行こうか?」「はい」目的も無く歩く散歩道。日の光が少し眩しいが何故か気分が良くなる。ふと視界の隅に映った公園に拠る事にした。ベンチに座ってのんびりと、公園を眺める。今日は土曜日。休日です。当たり前のような事だが、幼稚園や保育園も大概休み。公園のブランコを子供が揺らし、滑り台を流れるように多くの少年少女が滑る。砂場では山を作り、穴を開けてハシャグ。平和だ。平穏だ。自分が望む世界の一部が眼前に広がっている。普通の世界。それが酷く眩しく見える。魔法も争いも関係ない。ただ、其処に在る幸せ。だけど、悲しい事に人間は今以上の幸福を望む。当たり前の幸せは幸せでは無くなるのだ。何故、ソレが分からない。不思議で堪らない。振り返れば己が幸せだという事が分かるのに、俺を含めて人は今以上の幸福を望む。夢を見て、描いた理想に手を伸ばす。悪い事ではない。悪い事ではないが…人は穢れを嫌う。穢れが無ければ綺麗も分からないのに…立派な魔法使いを目指す者達は自分がドレだけ幸せなのかを理解しているのだろうか? 俺は理解できているとは思う。確信は無い。人は矛盾しているからなのかも知れない。他人の幸せを望む時も有るのに、不幸も望む。「っ?! ダメだな…ゆっくりしすぎるとどうでも良い事を考える」今の幸せを受け止める。今はソレだけで良いじゃないか。子供に大人気の茶々丸を見ながらそう思った。しかし、こうしていると茶々丸がロボという事を忘れてしまう。(そう言えば…九十九神というのが有ったな…エヴァさんの魔力と電力が動力の茶々丸なら…案外早く成るかもしれないな。自分で考え善悪を判断出来るんだし)そんな未来を想像すると、心が温かくなった。今日はこんなにも気分が良い。ハヤテも喜んでいる。久しぶりの外だ。必要な事とはいえ、長い時間別送に留まらせてしまったからなぁ。以前は無かったが、俺が精霊を連れていると何かしら他の精霊達が活気付く。今日はハヤテとシニィにアンちゃん。ソレとアーシーを連れているから公園の大地が風が光りが、そして闇が活気付いている。公園の大地に力が溜まる。降り注ぐ光りに優しい力強さが在る。吹く風が疲れを取るような心地よさを、公園の玩具や木々の影が夜の様な優しさを持っている。太陽の昇り具合を見て、おおよその時間を予想して茶々丸に声を掛ける。「茶々丸、ソロソロ昼にしよう」「はい、それでは皆さん。また」子供達に別れを告げてコチラに来る茶々丸と、並んで公園を出る。時計は見ない。散歩っていうのはそういうモノだろ?アギの知らない南国で、天ヶ崎千草は近衛このかと桜咲刹那を眺めながらジュースを飲んでいた「皆、元気一杯どすなぁ」「嬉しいんだろ? 南国に来る事など普段なら中々ないからな」「そういうエヴァンジェリンさんも、嬉しいんじゃないのかい?」「ふん。奴が居れば百点だったがな。居なければ八十だ。ぼうやでは知識が足りないからな。」パチパチと碁石が音を立てる「ちょっと、待った。」「またか? 貴様は日本人の癖にジジイ並に弱いな。天ヶ崎」「ソレは偏見や!! ウチが得意なんは将棋どすえ?」何だかんだ言いながら、楽しそうな三人は次の瞬間に思いっきり噴いた「アギって本当に従者が居なくても大丈夫なのかしら?」「…オレッチがアギの旦那への高感度ナンバー10を教えてやるぜ!!」「「「ブッ」」」意外な事に、アスナとネギは飛行機の中で仲直りしていた。原因はアギである。アスナは約三日ほど世話になった為に、アギとネギの違いに気付き。ネギが何で自分を呼び出した(召喚)のかを考えて、自分が大人に成るしかないと思ったのだ。ネギは、体の弱い兄に自分の仕出かした行き違いで迷惑を掛けた事を反省して。ちゃんとアスナと話し合い、謝罪をして自分の意思をちゃんと伝えようと努力したのである。その結果。互いの意見を理解し、元の関係に戻ったのである。アスナは、弱いくせに何かと忙しそうなアギがネギに関する事で忙しくならないようにという気持ちと、無理をしやすいネギが心配で従者を続ける。ネギも、これ以上兄に迷惑を掛けないように、心配を掛けないようにする為に、自分が目標とするマギステル・マギになって兄を安心させる為に決意を新たにして、自分を手伝ってくれるパートナーとしてアスナを従者とした。そんな二人の心配は、アギのパートナーである。一応、仮契約の説明を受けて居るアスナがが言った事が、カモが輝く瞬間を作った。「でも…兄さんはそういう事は考えてないと思いますよ? 」「そう言われればそうね…アイツ身体が弱いし…戦いとかには向かないもんね」「いえ、そういう訳ではなく。兄さんが静かに暮らしたいと零したのを聞いた事が在るんです。職員室で」話す三人の傍で聞き耳を立てる三人。気になるのは仕方が無い。一人は己と対等な存在と認めてるし、仮契約もしている。一人は、イロイロな事情でそうなったが肉体関係を持っている。一人は、未来に起こるだろう惨劇を回避する為に近くで護っている。「三人ともなにしてるん?」「「「しっ」」」「「????」」このかと刹那が?を浮かべるのも仕方が無い。ブルリと背筋が冷たくなった。風邪か?「ニャー」「ん? 膝の上が良いのか?」子猫は可愛いねぇ。心が満たされるよ。「アギ様、重くはありませんか?」「大丈夫、寧ろ暖かくって眠い」現在、猫に囲まれいます。子猫率が多いのは何故だろうか? 頭にも乗っています。しかも飼い猫ばかり。野良は茶々丸が持ってきた餌を食べてる。「茶々丸」「はい」「幸せだねぇ」「そうなのですか?」「何れ分かるよ。ソレだけ猫に好かれてるんだから」「…はい」あ~眠い。今日は晩御飯いらないかもぉ三時間ほど寝たら、夢の中で知らないおっさんに言われた「だから言ったのに」そのだからは何なのかと問いたい。息抜きに書いてないとイライラしてしまう。ふぅ、また、勉強に戻る。落ちたら本当にヤバイもの