捏ねる。簸たすら捏ねる。「おい、魔法薬が切れたぞ」「ストック分を持って来てる。鞄の中に入ってるから」「茶々丸」「はい、コチラになります」捏ねる。捏ねて捏ねて魔法薬を垂らしてまた捏ねる「…腕が痛い」「お前は人間だからな…私とは根本的に力が違う。戦いの歌は使えないのか?」何それ? …身体強化のヤツか…覚えてないよ。「覚えてない」「チッ、貴様の事だ。どうせ、戦わないから良いやとでも考えて覚えなかったんだろ?」その通りです。先にゲートを覚える事を優先しました。「…返す言葉もありません」「戦闘用の魔法も使えるのが在るんだ。研究のみ焦点を絞るからそうなる…後で教えてやるから今は自業自得でヤレ」「…はい」過去の自分に言ってやりたいね。普段は精霊さんやリリア達に任せっきりだったもん。今日は土曜日、外の時間では夜の十時。もう少しで弟の弟子入りテストが有ります。茶々丸に一撃入れるのが合格条件らしいです。どうせ、弟子入りするんだけどねぇ。俺にはどうでも良い事です。あの子がチャンとやっていてくれれば周りがヨイショするだろうし、明日からはエヴァさんの別荘は使わないしねぇ。エヴァさんには予めその事は教えています。フルボッコされそうになりました。茶々丸が庇ってくれなかったら…一応、研究室も見せました。機材も新たに入れました(エヴァさんが)。でも、ほかの事は見せてません。出来上がっていないし、全部知られるのは都合が悪い。本当の事に少しの嘘を混ぜるのが素直な嘘吐きの俺です。今は、エヴァさんの別荘で「ほらほらどうした!! 何時も前鬼・後鬼が護っているという事は無いんだぞ!!」ノリノリでこのかさんイジメをしています。今日の朝型からせっせと捏ねた粘土に魔法薬を加えて作った土人形。人形遣いのエヴァさんが操れば、とんでもない動きをする簡易ゴーレムになります。「っ!! 」このかさんも頑張って逃げ回ってるけどねぇ…体力持たないよ。「何の為に霊符を渡した!! 何の為にアギから術を習っている!! 何の為に天ヶ崎千草に指導して貰っている!!」「御札さん水気の力を散らして!! 土剋水!!」そう来たか…まぁ、あのゴーレムが粘土で出来ているから使ったんだろうね。取りあえずは合格点。でも…まだだよぉ「アギ、やれ」「はいはい。」祖ハ何也ヤ、乙(きのと)ヨリ吹ク風也。汝(なれ)ハ何也ヤ、祖ヲ土トス命也。シカラバ風ハ何也ヤ、風ハ土削ル災イ也!!「ん?! っ!!」「どうした?! 呪いも返せないのか!!」キツイ…力の制御が難しいよコレ。慣れない所為も在るけれど…やっぱりデリケートだよ。今回は、木気で土気を弱らせて、其処から金気にも影響を与える呪いを使っています。簡単に言うと、口(土気)を封じて鼻(金気)を行使させて力を消耗させてるの。金縛りと、腹下しを混ぜて使ってます。因みに言えば、もっと力を込めれば肺と脾臓を不調にさせる事も出来ます。本来ならば長期の呪いで、其処に風邪を促してやれば肺炎に其処からは、あの時代なら普通に死ぬね。今は短期のヤツだから制御が難しすぎて、これ以上は出来ません。一応、呪いの媒介にこのかさんの髪を使ってるけど。髪は金。このかさんと繋げる為に火気で抵抗を弱らせてから水気で繋いでそのまま木気で弱らせてます。基本、人は土に属するって考えだからねぇ。木気の呪いは利き易いのかもしれない。まぁ、抵抗も在るし金気で散らして解呪も出来る。火気を使って別の形で返される事も在るから対策は入念にして在ります。「(木気の力を散らしめよ、金剋木!!)」「ん…散らされたねぇ…残留魔力はどうするのかな?」「…飲み込みは早いみたいだな、昨日のが利いたか」前日、と言っても別荘内でのね。このかさんには呪いを掛けました。腹下しの。千草さんは反対したけど、知った事ではないので問答無用でやりました。涙目で頑張るこのかさんが居ましたよ。千草さんも親身にアドバイスして二十時間ぐらい掛けて解呪に成功。そのまま返されても困るので、元から排除しました。結構簡単な部類なんだよね。腹下し。触媒とか使って効力強めて使ったけどねぇ。「枯れし力に水を与えよ、水生木!! 東方より来たれ荒ぶる風よ!! 炎を煽り乾かせ!!」片手の親指と小指を立てて、金気と水気を呼んで、もう片方で手の薬指を立てて体内に合った木気を集めて、増幅した水気で少しづつ木気を高める「熱風で、水気を飛ばすか…魔力頼みの力押しだが…」「合格かな? 魔力量も才能の一つだし。まだまだ、初歩しかやってないのに呪いを解いて、残った呪いの力を自分で増幅して使ったんだから」才能の在る子は凄いねぇ…俺がコレを使うのには滅茶苦茶集中しなきゃ出来ないのに…嫌になる粘土のゴーレムは乾燥して土ではなく砂になりました。「合格だ。」「今日はもう休んで良いよぉ。体に溜め込まれてた木気も使ってるから肝とか筋が大分疲労してる筈だから。茶々丸に御粥作って貰ってるからソレを食べたら寝なさい。千草さん、サポートお願いね」「解かっとります。お嬢様、コチラに」「ウチ…少しは出来るように成った?」「今の所は十分。次は治療系に行くから。それでも、反復は忘れないようにねぇ」「うん」さて、俺は家に帰って寝る筈だったんだけど「何で、此処に居なきゃならんのよ?」「お前が居た方がぼうやを揺さぶり易いからだ」「すみません。アギ様、マスターの命令は絶対なので」「いや、茶々丸の所為じゃないから。謝らなくても良いよ。悪いのエヴァさんだし」「ふん」「更新速度が漸く日刊に落ちそうです」 ↑お前が俺に火をつけた…勉強させてくれ。気分転換に書いてるけどさ。夜は無理やり寝ることにしました。暗記力を上げる為に。しかし、よほど疲れてないと三時間~五時間で目が覚めてしまう。コレでも良いのだろうか?