一人になりたい。そう思う事は贅沢なのでしょうか?「はーい。授業開始そうそうですが、恒例の十分テスト~。プリント配るから回してねぇ」授業です。三時間目です。コレが終われば、もう授業は無いです。一人の時間が待ち遠しい。「先生」「何でしょうか、村上さん?」「あの、その…ですね」本当に何だろうか?「ネクタイ曲がってますよ?」首に手をやると、本当に曲がっている。別に良いでしょ?「ありがとねぇ…でも、小テスト中だからプリントしようね?」「あ、はい」ネクタイぐらいどうでも良いでしょ? スーツよりカッターに白衣の方が長かったんだから、頑張ってる方だよ?窓を開ける。薬草を吸うのはね、癖なんだよ。困った事に、相坂の近くに居る事になるから見ないようにしないとね。火を付けて吸うと、仄かな甘みが口に広がる。他の先生に見つかっても怒られないよ? 俺が吸ってるのは薬で在って、タバコじゃないもの。新田先生が五月蝿いです。キーンと、飛行機が上空を通る。ムカつく位に青い空。眩しい太陽。でも、此処からでは自然が見えない。人が作った人工的に造った自然は有るけどね。何で、教室に居なきゃ成らないんだろう。草原で精霊さん達とお昼寝したい。風が気持ち良ければ最良で、大きな木陰が有れば最高。そうだ、家を買うときは草原の近くに買おう。小川が在ればさらに嬉しい。ソレにしても…空が青いなぁ…次は何が有るんだっけ? ネギまの事、殆ど覚えてないよ。 まぁ、ネギに関わらなければ良いと思うから、余り気にしてないからねぇ…修学旅行は行かないようにしないと。アレに行ったら眼を付けられるでしょ? 人形さんに。行きたくないなぁ…京都。西の長にも会いたくないしね、一々自分を通して英雄を見る人間は嫌いです。向こうはそのつもりは無いだろうけど、ちゃんと感じるから。期待と希望。あぁ…面倒臭い。学園長死なないかなぁ…タイーホでも良い。「…鳥になりてぇ…」その言葉は、無駄に教室に響いた(ちょっと、絶対に先生ヤバイって!!)(朝倉!! 朝倉!!)(私に振らないでよ!!)(アンタ、麻帆良のパパラッチなんだから何か知ってるでしょ!!)(知らないよ!! アギ先生、ガードが堅すぎなんだもん!!)生徒に余計な心配を掛けるダメ教師。普通なら、笑い飛ばしたりして無理やりお祭り騒ぎを起こす2-A。ソレの天敵はアギである無駄に疲れてる眼気だるさで身体が出来ていると言われても納得してしまいそうな態度。何故か哀愁が漂う背中。ネクタイの曲がりを指摘されても直さないそのヤル気の無さ。今までこのクラスには余り無かった物を殆ど兼ね備えた男がこの教師である。「先生」無駄な静寂を打ち破る勇者は誰だと、殆どの人間が振り返る。「ん~? 何だぁ、綾瀬?」「先生は何で鳥に成りたいですか?」((((((((((そうじゃないだろ!!))))))))))大変纏まりの有るクラスである。何で鳥に成りたいか…かぁ何と無く言っただけなのになぁ…「まぁ、ぶっちゃけて言えば鳥じゃなくても良いんだけど」「動物に成りたいという事ですか?」理解の有る子は助かります。何でこの子がバカレンジャー? アレか? 俺と同じでヤル気の無い子か?「そういう事。人間はねぇ、面倒臭いじゃない? 勉強だの受験だの付き合いだの就職だの老後だの遺産だの…食って寝て子供作って、下手すりゃ死ぬ。野生が羨ましいのよね。厳しいだろうけど」「…確かに…そうかも知れないでしょうが…人間は素晴らしい物だと思うですよ?」ほうほう、聞こうじゃない。別に人間が嫌いな訳じゃないし、自殺願望が有るわけでもないよ?「人は考え、学び、造る事が出来る生物です。その中には娯楽等が含まれますが…ソレを楽しいと思えるのは人間だからですよ?」「確かにその通りだ。人として生まれたからには人として生きなきゃならん。でも、だからこそ成りたいと思うんだよ。皆も有るだろ? 将来こういう人間に成りたい。こういった生活がしたいっていうの?」「まぁ…」「確かに‥」「有るわねぇ」授業内容は他のクラスと同じくらいだし、少しぐらい雑談しよう。今日の内容はプリントに書いてある公式を覚えて貰えればソレで終わるし「だろ? 夢が有るのは良いことだ。ソレを掴みたいと思うのも良いことだ。その夢に向かって努力するのも良い事だと、先生は思います。でも、理想は追うなよ?」「何故でしょうか、アギ先生?」ショタ長か、お前は俺を見るな。恐いんだよ。ネギをやるからソレで満足しろ「雪広さん。夢と理想の区別は分かりますか?」「い、いえ」「コレは俺の持論で、俺がそう思ってるだけの穴だらけの事なんだけどね」携帯灰皿に吸殻を入れて、もう一本。「夢は見る物、理想は描く物。前者は掴める可能性は有る物で、後者は決して掴めない物だと俺は考えるの」「?」「う~んと、理想はね、こう…完璧でしょ?大概は?」「そうかも知れませんが…」「大体そうなのよ。女性なら分かるんじゃないかなぁ…例えば、理想の自分と今の自分。ドチラが優れてる? はい、朝倉さん!!」「えっ私!!・・・ま、まぁ・・・理想の方かなぁ」一矢報いたぜ!! 「そういう事、理想は何時まで経っても常に自分の上に居るの。そんなモノ追っても潰れるだけよ?」「はぁ…言いたい事は何と無く分かりますけど…」「なら、ソレでOK。それじゃあ、今から呼ぶ人は黒板に問題と答えを書いてねぇ」プリントには例題入れて五問しか書いてません。黒板は書いてもらいます。面倒だから。「アスナさん。古さん。那波さん。宮崎さん。どうやって解いたかも、言って貰うから席には戻らないでねぇ」結果だけ言えば全員正解。バカレンジャーは頭が悪いんじゃなくて、物覚えが悪い上に勉強に興味が無いのですよ。公式見ながらなら誰でも出来る。後は暗記。繰り返せば覚えます。「あ、あの」「宮崎さんもちゃんと自己主張出来るようにねぇ、クラスの人で予行練習だよ?」「はい」ネギとイチャイチャしたけりゃ、自己主張しないとねぇ…ソレが終わると、終了五分前。ゆっくりやってるからこんなもんかぁ最後に、応用編のプリントを宿題で渡す。「明日は、問題が違うけど今日と同じの出すからねぇ。ちょと早いけど授業終り。鬼(新田)がでるから騒がないようにね。鐘が鳴ったら教室出ても騒いでも良いからぁ」そう言って教室を出る。長いするとパパラッチがウザイからねぇ。職員室に戻って資料整理して、帰ります。ネギに体調が悪いから帰ると言わないと・・・って授業か…昼休みまで本でも読もう「アギ先生ってさぁ…意外に私達の事見てるよねぇ」「本屋ちゃんの事?」「そうそう。あっそうだ!!」「どうしたの朝倉?」「アギ先生に質問出来ないなら、知ってる人に聞けばいいんだよ!!」パパラッチ覚醒。寧ろ今更じゃね? と思った他のクラスメイトは正しい「アスナー!! 」「ちょ!! 何よイキナリ!!」「あんた、ネギ先生と住んでるじゃん? アギ先生との違い分かる?」急に何よ。ネギとアギの違い? 「ヤル気?」「いや…確かにそうだけど」「それじゃ、疲れてる眼?」「そうじゃなくて!!」「ネギに聞けば良いじゃない…」「使えないなぁもう」五月蝿いわねぇ、餓鬼は嫌いなのよ。アギは…餓鬼っぽく無いからそうでもないけど昼休み、ネギを探してたらタカミチと会いました。面倒臭い。ハァ…其の侭、話しながらネギを探します。タカミチはクラスの子はどう? と聞いてきます。取り合えず、素直に「テンションに付いていけない。」と言いました。タカミチは冷や汗掻いてました。ちょっと、スッキリしましたネギは女子高生と女子中学生に取り合いっこされてました。ヨクヨク考えればこのラッキースケベ。親父が英雄じゃなくても女性関係での争いに巻き込まれるのでは? と、思います。取り合えずは、ざまぁwww「ネギー」「あっ兄さん、助けて」「体調悪いから帰ります。帰りのHR、宜しくねぇ」ネギの事は知りません。巻き込まれたく有りません。一人で読書がしたいです。