「其処な異人はん。アンさんの目的は?」「契約に従ったまでだ…個人的には連れてきたい奴が居たんだがな」鶴子はポンと手を打って聞いた「もしかして、ヤル気の欠片も見当たらない魔法使いさんの知り合いどすか?」「……お前も、目が死んだ魚の様な餓鬼の魔法使いを知っているのか?」「………お互い知ってる御人の依頼みたいどすな」「あ、あの。お二人とも? 其処まで言う必要は無いんじゃ」「「あの子(奴)を表現するには一番の言葉でっしゃっろ?(だろう?)」」「…先生」アギの味方は刹那だけの様だった何だろうか? 今物凄く、貶されたような気がする「…まぁ良っか。」さてさて、ギアンも巧くやってくれてる見たいだし…早く来ないかなぁ「それにしても、彼方も容赦が無いわね。」「まぁ、居ても居なくてもさぁ。もう害にならないんなら役に立って貰うのが当たり前でしょ?」「ねぇ、やっぱり悪魔に成らない? 皆協力するから」一寸、魅力的だと思ったのは内緒。全部はやる事やってからだからねぇ「さぁねぇ」「アンやヴィヴィ達と違って、私達はこっちには余り居られないのよ? 不公平だと思うんだけど?」全部終わったら考えるよ。本当にねぇ。有る意味、そっちに行った方が安全なんだけどさぁ。精霊さん達もそっちには行けるし。俺も寂しくないし。「スタンじいちゃんとご飯食べて、酒飲んで。ゆっくりしてから決めるさ」「フフフ…悪魔に成るなんて言ったら怒られるんじゃないの?」だよねぇ私の前には一人の英雄と二人の最強がいる「それでは、私が気を逸らしますので二人は」「ドチラが多くの腕を落とせるかの勝負だな!!」「フフフ、負けられまへんなぁ」この人達に任せて良いのかが心配になってきました。アギ先生、なんて人達を寄越したんですか…長が腹の…胃の辺り押えています。長が持って来てくれた魔法薬によってネギ先生の石化は解除されました。私にはアギ先生が良く解らない。自分は役立たずの足手纏いと言うが、私達は今回の戦いでアギ先生に助けられている。真名達の応援、長の救出、神鳴流最強の青山鶴子の参戦。話を聞けば、エヴァンジェリンさんが此処に早く来れたのも、座標を書いた紙を部屋に送られたからだとの事。「本当に…彼方には感謝してもしきれない」「どうしたの刹那さん? 」「いえ、何故かアギ先生の手の上で遊ばれてるような気がして」私がそう言うと、アスナさんは少し考えて「良いじゃない。ヤル気無し、気力無し。それでも頼りに成るんだから」「まぁ、そうですけど」ドッと疲れが押し寄せて来た。安心したからか、このちゃんの体温を感じているからか。いろんな事がどうでも良くなってきた。このちゃんが起きたら、全部話そう。一族の掟なんてもう知らない。先生みたいにゆっくりっと生きるのも良いのかも知れない「ん…せっちゃん?」「このちゃん、もう少し寝ときぃ」「せっちゃん。天使みたいやなぁ…凄く綺麗や」「このちゃん…うち…うちぃ」「おやすみ、せっちゃん。やぁっと、このちゃん言うてくれたなぁ」こんなにも簡単な事だったのか…「私は……大馬鹿者だったんだな」「今更だね。」「…真名」少しボロボロに成った真名が居た。何時もの様に不敵な笑みを称えて、私を見ている「苦戦したか?」「まぁまぁね。でも、先生から貰った依頼料と差し入れで十分な払いだよ」「それでは、往きますよ?」「何時でも良いぞ!!」「ウチもや」リョウメンスクナノカミに対峙するのは、たったの三人。されど、侮る無かれ。一人はサムライマスターの異名を持つ英雄一人は今も尚恐れられる真祖の吸血鬼にして古き大魔法使い一人は神鳴流歴代最強の女剣士「神鳴流決戦奥義!! 真・雷光剣!!」帯電する刀が振り下ろされ、膨大な熱と光りがスクナの前面に振り下ろされる身体を焼く感覚に咆えたスクナが腕を振るう。しかい、ソレさえも無駄に終わった右腕一本が軽い音を立てて止められる。残った右腕も湖に落ちた「こんなものか? 大鬼神。」エクスキューショナーソード固体、液体を無理やりに相転移させる理不尽の刃が腕を切り落とす「滅殺斬空斬魔剣!!」最強が振るう刀に込められた膨大な気が、左の二本を一刀で消滅させるスクナは思い出した、嘗て己を封じた者が使った技を。最初に受けたのは雅に、過去に己を傷つけたものだ。スクナは怒り、咆える。二つの顔が怒りと痛みに歪む。それでも倒れないのは鬼神の意地か前面の口が大きく開き、集束した魔力が放たれる。その威力は確実に人を消滅させ山おも崩す威力が有るのだろう。故に、最強はソレを受ける「詠春はん!!」「年寄りにはキツイんだけどね!!」―――真・極大雷光剣!!―――極大雷光剣!!鬩ぎ合う事すら許さない。魔力の閃光は二つの雷光によって掻き消される「まだまだ往くぞ!! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!! 契約に従い我に従え氷の女王!!」咆える事さえ、動く事さえ許されない。この場に居る三人がソレをさせない「拡散・斬光斬魔剣!!」「拡散・斬光剣!!」四方八方に飛び散る気の斬撃。その巨大な体躯が仇となったスクナには何もできない。両の腕は切り落とされ、消滅させられ。身体は無数の斬撃と雷光による熱でボロボロだった「来たれ!! とこしえのやみ!! 『えいえんのひょうが』!!」限りなく絶対零度に近い低温での150フィート四方の広範囲完全凍結殲滅呪文。氷の棺に閉じ込められたスクナが、その中まで氷付くのに時間は掛らない「アハハハハハハ!! 何処かで見ているか!! 感じているか!! コレが!! コレこそが!! 貴様が解き放った力だ!!」それにしてもこの吸血鬼。テンション上がりすぎである「まだ、終わらせんぞ。これは祝砲だ!! 」「ウチも便乗させて貰いますえ!!」全ての命ある者に等しき死を、租は安らぎ也「『おわるせかい』」「真・極大雷光剣!!」飛騨の鬼神は倒れるのではなく無残に消滅した。「アレって人間?」「いや、俺に聞かないでよ」うん。言いたい事は解るよ? 解っちゃうよ? でも、人間なんです。片方はアレだよ?エヴァさんは解るよ? 真祖だし。吸血鬼だし、古い大魔法使いだし。でもさぁ、鶴子さん何者? 人が出せる出力じゃないよ? 気が枯渇しちゃうよ? 普通。歴代最強っていう情報が在ったから近衛詠春よりも強いのか的な感じで、助っ人頼んだけどさぁ。あの人が一千万ですよ? 億単位だしてもあのレベルは中々雇えないよ?「強さのインフレってやだなぁ」「彼方も人の事言えないわよ?」無理です。勝てません。精霊さん達を全力で総動員すれば逃げるぐらいは出来ると思うよ? でも、絶対に勝てません。寧ろ、戦いません。『おーい、そっちに行ったぞ』「リリアさん。準備して、もう直ぐ来るって」「OK…そう言えば、ハヤテ達は?」「スクナの残りを食べに行ってるよ?」さてさて、俺の為に少しだけ付き合ってね。