刹那、アスナ、カモ。この三人の誤算は、ネギ・スプリングフィールドが子供であるという事を忘れていた事だ。元来、ネギ・スプリングフィールドは頑固な子供である。コレと決めた事は何が何でもやろうとする。今回は、その頑固さと子供っぽさが悪い方向に向いてしまった。小太郎の挑発に乗ってしまったのだ。「男やろ!! 拳で語れや!!」この言葉に、ネギは雰囲気を変えた。カモが言う「ダメだ兄貴!! 挑発に乗るな!!」「大丈夫だよカモ君…一分で終わらせる」小太郎は喜び。ネギは自分の勝ちを宣言した開始の合図など無く。二人は合わせたかのように進み、その場を飛び引いた「なっ?!」「十字手裏剣?! デカ過ぎやろ?! ガッ!!」叫んだ小太郎は、横からの一撃を喰らい。吹き飛んだ(残像…分身攻撃!!)「だ、誰や!!」「熱くなって、我を忘れ大局を見誤るとは……精進が足りないでござるよ? ネギ坊主」「な、長瀬さん!! 夕映さん!!」「ほれ、ネギ坊主。詳しい事は後で話すでござるから、先に己の本来の役割を果たすでござるよ」「で、でも」「早く!!」「分かりました!!」【祭壇への道・中間点】「真名…来てくれたのか!!」「まぁね。ソレに、途中で心強いスケットと合流してね。思いの外、早く来れた」「スケット? 一体誰が…」「西の長だよ。」刹那は自分の耳を疑った。西の長・近衛詠春は石化の呪いを受けていた筈だ。ソレを解けるであろう、治療魔法の使い手も含めて今は全国に散らばっている。援軍が来たとしても早すぎる。一体誰が…ソコまで考えて、ヤル気の無い気だるげな眼の同居人が脳裏を過ぎった。「まさか…アギ先生が?」「その通りだよ。ハヤテも刹那の傍に居るよ」「先生……真名。私はお嬢様の所へ向かう。此処を頼んで良いか?」「任せな、相棒。殆どの鬼が先生が貸してくれた封印の瓶に封じられたからね。」「ありがとう。アスナさん!! 私に掴まってください!!」刹那は、アスナの近くまで進むとそう言って続けた「アスナさん。私の事を気持ち悪がっても構いません。ただ、力を貸してください!!」「? 何だか良く分からないけど…当たり前でしょ? 友達じゃない」美しく広がる純白の翼。その姿にアスナは半ば見惚れた「アスナさん。早く!!」「え?あ、うん」アスナの腕を掴んで宙に舞った刹那に、アスナは言った「刹那さん。気持ち悪くない、その逆で綺麗過ぎるわよ?」「…ありがとう御座います。アスナさん」「さて」二挺拳銃を構えて、真名は月詠に言う「君の相手は私だ」正直な所、近接で勝てる可能性は少ない。遠距離でもだ。刹那という相棒と仕事をするからこそ解る。月詠は強い。人も殺しているだろう。それでも、引く訳には行かない。「ん~もう、仕事も終わったんで帰ります。」「何?」「ウチの仕事は、千草さんが封印を解くまでの足止めだったので…お姉さんも強そうだから戦ってみたいんですけど……タイプではないんで。それじゃ」「助かった…のか? 」【森の上空・アギ】「お~…ヤッパリ間に合わなかったかぁ…どう思う? リリアさん」赤黒い蝙蝠の様な羽を広げて、宙に留まっているリリアは眼を細めて言う「流石は神の一柱…ってトコかしら? まだまだ、主様じゃ従えれないわよ。荒御霊とはいえ、神の一部だもの。この間従えた鬼だって、普通なら考えられないわよ。相当、嫌だったんでしょうね。召喚した人間が」あぁ、やっぱりそうなんだ。結構良い人? 鬼だけど人でいいか。素で強いし…四人が束になっても勝てないんじゃないかなぁ? 「およ? 刹那だ。」「あら、翼を出してるじゃない。人を抱えてるみたいだけど……真名じゃなくて、弟君の従者じゃない? アレ」ふ~ん。自分を出せたのか…成長してるんだねぇ…先生は嬉しいですよ? 俺はもう関わる気がないですから。ヘルマンの時は役立たずなのハッキリ思い出したし。エヴァさんと協定組めたからねぇ。エヴァさんと一緒に居れば超の時も大丈夫だろうし、タツミーに狙われなくて済むしね。「ハヤテどうだった?」戻ってきたハヤテに聞く。「……結局渡せなかったのか…一々、旅館に取りに行ったのに…残念だったねぇ。」少し哀しげなハヤテに胸の高鳴りが止まりません。タツミー達も大丈夫みたいだしね。ネギも橋の上で何かしてるし。「「あっ」」スクナが出てきちゃったねぇ……全部じゃないけど「撤収ぅ」「ハイハイ」【祭壇前・ネギ】間に合わなかった。遅延呪文を使って足止めしたのに…このかさんを助けられなかった。封印を解くのを阻止できなかった。残った殆どの魔力を使った『雷の暴風』も効かなかった僕は…どうすれば…「残念だったね、ネギ君」「うっ…」「兄貴、仮契約カードだ!! カードを使えば姐さんが召喚出来る!! 今は生き残る事を考えるんだ!!」カモの言葉にネギは頷いた。胸の中には自分への怒りが渦巻いている小太郎の挑発に乗らなければ本山が安心だと、警戒を緩めなければ結果は違ったかも知れない「従者を呼ぶのかい? 良いよ。結果は変わらない」ギリィと奥歯が鳴った。悔しさで涙が出そうな自分を叱咤してネギは叫ぶ「召喚!! ネギの従者・神楽坂明日菜!!」目の前に現れる自分の従者。その姿に安堵を覚える。「アスナさん…すみません。このかさんを」「解ってるわよ!! ソレよりも、って、何よアレー!!!」驚くアスナに、千草が笑いながら言った「二面四つ手の大鬼『リョウメンスクナノカミ』千六百年前に打ち倒され封印された。飛騨の大鬼神や。」今気付いたんだが…今日は金曜日だ。土曜だと思っていたのに…学校じゃないか?!中途半端でスマン。また、夜だ。今回は此処まで。皆も寝ろよ? 俺はメガテン3で忙しい取り合えずは、スクナが終わったらループにもどろうと思う