「なぁ、お嬢ちゃん。一つ聞いてもええか?」「何よ!!」「最近の女子は…その…なんや」「?」「下着は着けんのか?」「え゛?! 」なんとも締まらない一場面を、風に伝えられて笑う男が一人居た「アスナ…俺を殺す気か……」腹筋的な意味で…ハヤテも良いから、パンツ持っていこうとしなくても良いから?! 戦闘中は履けないでしょ!!キューンじゃ有りません。もぉ可愛いなぁ……分かったから、持って行って良いから、直ぐに帰ってくるんだぞ?「さてと、何時かが以外に早く来ましたねぇ。近衛詠春」試験管に入っている魔法薬を掛ける。煙を上げながら石化が解ける。この魔法薬でも、ヘルマンの石化は解けない。「うっ…私は? …そうだ、このか!!」「祭壇の方に向かっている様ですよ? 詠春さん」薬草に火を付ける。火種がジジジと音を立てる「アギ君?! どうして此処に?!」まぁ、貸しを作りに来たとは言えません。台無しになっちゃうからねぇ「コレを渡しに来ましたよぉ。石化解除薬ぅ。コレで最後だから、本当に危ない人に使ってねぇ。それじゃあ、足手纏いはお暇しま~す」「君は来なくて良いのかい? ネギ君は向かったんだろう?」「足手纏いは行きませんよぉ? 戦場なら尚更。俺はねぇ、詠春さん。魔法も不思議も関係ない、普通の世界で楽隠居したいの。彼方の石化を解いたのは、彼方が強いから。代金は請求しますよ? 二つしか作ってない貴重品ですからねぇ」今度こそ、本山を後にする。俺の今回の目的は、さっき決ったからねぇ「アギ君!! 私の借りだ!! 何時か必ず返す!!」嬉しい事、言ってくれるねぇ。もう少しだけ、協力してあげるよ。それも、貸しにするけどねぇ「悪鬼顕現。先の眼。隠された知。刹那の腕。呼び声に答えよ」現れたのは、最初の臣下。俺の良い兄貴分。ギアン。ギアン・ヴァサ「どうした、アギ? また下位の悪魔を召喚するのか?」「違うよ、一寸、手伝って。」「? まぁ、良いか。それとな、珍しいのが手に入ったんだ。今度は別荘の方に呼んでくれや。酒も持っていくからよぉ」「OK。後でリリアも呼ぶからさ、コレとコレを何時でも撒けるように待機しててくれない?」「ハヤテはどうした? 散歩か? 普段はベッタリなのに」「お友達を助けに行ったんだろうさ。お父さんは嬉しいけど、悲しいです」本当に、良く懐いたねぇ…呼び出された『式』鬼達に取って、神楽坂アスナの得物は厄介な物だった。しかし、下着を履いていない事を指摘すると余り激しく動けなくなったので。心を落ち着かせ、本当の意味で怖ろしい物を見た。「往くで!! 嬢ちゃん!!」ガギ「ぐっ!! 」大鬼の重い一撃を夕凪で受け流す。小太刀は抜かない。否、まだ抜けない「強いなぁ、嬢ちゃん。その腰のは抜かんでええんか?」「頼り過ぎは過信を呼ぶのでな。コレは確実に『殺す』時か、今の私では『倒せない敵』が出てきた時にのみ抜くと決めている!!」「咆えたな嬢ちゃん!! 何が何でも抜かせて見たいわぁ!!」迫る鉄塊。流すは刃。鋼が擦れ、火花が飛ぶ。足は止まらず。腕は動き続ける。何時しか周りも、興奮し始めた。ドチラが勝とうが、賞賛が送られる。ドチラが負けようが、賞賛が送られる。実力が伯仲した闘いは、それだけの価値がある。ソレに水を注す、罪人が一人ヒュッ「嬢ちゃん、屈めぇぇぇ!!」「なっ?!」刺さる刃は鬼を貫き、有るべき場所へと還そうとする「セーンパイ♪ 死合いましょ」狂人・月詠。その遥か背後に溢れ出た光りの柱が、刹那とアスナに知らせる間に合わなかったと「ンフフフ♪ あの子供魔法使いは間に合わなかったみたいやなぁ。ウチには関係ないからええけど。ソレよりも、早く始めましょ、センパイ」ソレが合図に、二筋の剣閃が刹那に迫る。ギギィィィ「おろ? センパイも二刀流なん?」「………抜かせたな…月詠!!」鍔迫り合いからの蹴り。避けられるのは確信して放った。飛び引いた月詠が体勢を立て直す前に、刹那が夕凪をしまい。小太刀を抜く「先生、力を貸してください」ニタァっと月詠が笑う。気配が変わった。纏う気の質が変わった。流れる気が美しく刹那を、小太刀を包んでいる。「アハ…アハハハハハ!!」邂逅は一度。「にとー連撃、斬鉄けーん」「神鳴流奥義、斬鉄剣!!」鉄に罅が入る。頬に血が垂れる。月詠は、刀を一本失い、刹那は頬を切られた。剣が叩きつけられる戦場に、空気が抜けるような音が響く。「ぬお?!」「何じゃ?!」「いあたぁ!!」「ちょ、ソコはだm!!」草むらから放り投げられる、一つの瓶が淡く光ると。本来ならば還る筈の鬼が吸い込まれる「刹那!! 絶対に割るなよ!!」パンパンパンパン「チィ!! 鉄砲か!!」「舐めるなぁ!! 小娘!!」龍宮真名に迫る、鳥の顔に黒い羽を持つ烏族。ソレすらも、龍宮真名はライフルを放した手で二挺の拳銃で撃ち貫く「小娘? こう見えても、プロなんだ。刹那、相棒が助けに来たぞ? 先生にも感謝してやれ」「うひゃぁー。あのデカイの本物アルか?!」「真名…」「止めてよ小太郎君!! 僕は君と戦ってる時間が無いんだぁ!!」空を飛んでいた、ネギ・スプリングフィールドに立ちはだかったのは、犬上小太郎だった。強く望む。己と対等な者との戦いを。己とより強い者との闘いを。その望みを叶える為に、犬上小太郎は立ちはだかった。「お願い、退いてよ!! 闘いなら後ででも出来るでしょう?! 約束するから!!」「出来るかボケェ!! お前は今やないと本気で戦わん!! 先に進みたいなら、俺を倒していけやぁ!! 男やろ!! 拳で語れや!!」皆、まだ大丈夫か?