バタバタと部屋に戻って鞄を漁る。何処に遣ったっけかなぁ「先生、早く」「チョイ待ち。…あっ」そう言えば、アンちゃんに影の中にしまって貰ったんだっけ?(アンちゃん。二番の瓶と十番の魔法薬だして)ポンと飛び出る。瓶と試験管。空中キャッチでハイどーぞ。「…コレは?」「封印する為のアイテム。魔法薬を瓶に入れて五秒で発動するから。」「使い方は?」「出来るだけ、召喚された異形の多い場所。まぁ、それでも封印範囲は出来るだけ広くしてるし。終了までの時間が長いから、有る程度は離れてても大丈夫だけど。封印し終わったら直ぐにフタしないとダメだからね」「分かった。依頼料は要らないよ。後、弾…ありがとう」およ? タツミーが依頼料要らないなんて…どうしたの?「何か有った?」「プライドの問題だよ。私のね」まぁ、良いか。頑張ってねぇ「それで? 私の封印を完全に解くんだな?」『そうじゃ、今動ける魔法使いで一番強いのはお主じゃからな。』「まぁ、そうだろうな。アギ・スプリングフィールドは良いのか?」『…彼は動かんじゃろう。ワシには全くと言って良いほどにあの少年が掴めん』ククク、そうだろうさ。私にもアレが良く分からないんだ。『それでは、準備に取り掛かる』「ああ、終わったら茶々丸に連絡してくれ」【本山付近・祭壇への道途中】「やるやないか!! 新入り!! どうやって本山の結界を抜いたんや?! 最初からあんさんに任しておけばよかったわぁ!!」「んーんー!!」天ヶ崎千草は狂喜していた。欲しかったモノが意とも簡単に手に入った。全ては目的の為。長い時間育んだ暗い感情が踊る心を抑えながら言う「安心しなはれ、このかお嬢様。酷い事はしまへんから。」コレは本心である。彼女が欲しいのは膨大な魔力タンク。自分はそれを制御させて貰うだけ。西洋魔法使いを追い出す為に。「さぁ、祭壇へ向かいますえ」「待て!!」千草は幼い大きな声を聞いて、視線をズラして嗤った。千草からしてみれば、子供が三人。一人は西洋魔法使いの英雄の息子。一人は厄介な能力を持っている英雄の息子のパートナー。一人は混ざり物の神鳴流。確かに厄介だろう。普通ならば。既に、近衛このかは己が手に有り。リョウメンスクナノカミを操る為の仕掛けを、既に近衛このかに仕掛けている「フフ…諦めの悪い。本山でガタガタ震えてれば後悔はせんへんかったろうに…あんた等にもお嬢様の力の一端を見せてあげまひょ。お嬢様、すこし失礼」「ん゛っ!!」オンそう唱えるだけで門が開くキリ・キリ続く真言。詠むわ異形ヴァジュラ・ウーンハッタソレは、昔。鬼と呼ばれ、妖と呼ばれ。今も尚、妖怪と呼ばれる存在。幾多の『式』鬼が召喚される「一応、殺さんよーにとだけは、言うとくから安心しぃ。ほな」【残された三人】「くっ!!」「刹那さん…さ、流石に私…こんなの」「風花旋風・風障壁!!」少しばかりの猶予が出来る。カモが、千草が喋っている最中にネギに頼んだ障壁が三人を包む「手短に作戦を纏めようぜ!! どうする?! コイツは不味い状況だ!!」カモの言葉に刹那が答えた「…二手に分かれましょう。此処には私が残ります」「そんな!! 無茶です!!」「そうよ!! あんなに居るのに、刹那さん一人じゃ!!」刹那は、二人に一度微笑むと言った「これしか有りません。お二人はお嬢様をお願いします。お嬢様を助け出せれば、私達の勝ちです。それに、元々私はああいう異形を祓うのが仕事ですから」「だ、だったら私も残る!!」「「ええ?!」」【旅館・アギの部屋】「それで、来たんですか」「何だ? 来てはいけない理由でも有るのか?」満載です。寧ろ貴女のそのセリフを聞きたくないから、来ないでくださいどうするかなぁ、血液の解凍終わっちゃったんだけど…もう使えないよ? たぶん。俺の魔力を多分に含んだ血液。「それでも、戦いが終わったら戻っちゃうんでしょ?」「……気に食わない事だがな」フム……使うか? 今は緊急事態。エヴァさんの為に血を飲ませても罪にはたぶん成らない。寧ろ、その事で釘を刺していない向こうが悪い。良し「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。自由を望みますか?」「…当たり前だ。あんな窮屈な所に十五年も縛られてきた。」「それじゃあ、はい。」影から取り出した血液に、眼を見開くエヴァさん。驚いてる驚いてる。まぁ、当たり前だけどねぇ「き、貴様…コレは」「俺の血。昔から取っては保存して、取っては触媒にして、ってな感じで取っておいたんだよねぇ。御蔭で貧血ですよ?」「対価は何だ? 私の自由と引き換えに何を望む?! たとえ、呪いが解けずともこの血液の対価に何を望む?!」決ってるじゃない。俺の目的は二つ。スタンじいちゃんとアーニャのご両親の石化を解く事と。平穏な田舎暮らし「この、血液を俺が渡した事を秘密にしてくれれば。後、魔法薬の研究を手伝ってくれたら嬉しいかなぁ。まぁ、アレだよ。協力関係を結んで欲しい」「それだけで良いのか? 魔法を教えてやっても良いのだぞ?」「戦いは嫌いなの。ゆっくりと平穏に暮らしたい。貴女なら分かる筈だ吸血鬼。平穏が如何に幸せなモノなのかをね」「…誓ってやろう。その契約を私は破らない。部屋に戻る。貴様はゆっくりと休んでいろ」「はいはい。」バタンと閉まるドアを見ながら、切っていた携帯の電源を入れる。リダイヤルを押してコール三回『もしもし? 仕事どすか?』「はい、お願いします。鶴子さん。恐らくですが…神が斬れますよ?」『フ、フフフフフ………嬉しい事を教えてくれますなぁ。それじゃ、今からでます。』「はい、それでは………高い買い物だったなぁ。俺も行きますか」そう言って、俺は闇に沈む扉って便利だよねそう言えばですが、今日家に帰るのがメンドクなって吉牛にハイって豚丼大盛りを頼んだらこうなりました店員「豚丼大盛りお待ち」ドンパカ店員・俺「…………」机に置いた瞬間にに陶器が割れました。これは何を暗示しているのだろうか?ソレと、アギ君のナニは普通です。初めて、ソレも中学生の妄想はこんなもんですよ。どれだけ入るかも分からない可能性が高いですし。まぁ、あの恐怖と好奇心が入り混じった顔にはゾクッときますが………