さてさて、休みなのに仕事です。今の内から新学期の授業の用意をしてれば後が楽だからね?今の内に頑張りますよ?石化を解く薬はまだ出来てません。どうしても、ヘルマンが使った石化が解けません。リリア達に薬草を頼みました。また、成分の分析から始めないといけません。コレばかりは面倒臭いとは言わない。職員室にも人が少ないです。新田先生と瀬流彦先生と他数人。何故か新田先生から眼を付けられています。「アギ先生」「なんですかぁ」「もうチョット、ヤル気を出そうとは思わないんですか? そんな態度では生徒に示しが付きませんよ?」お父さんですか貴方は…ウゼェ「まあまあ、新田先生。こうやって、新学期の為に出て来てるだけでも十分立派ですよ? 」瀬流彦先生は若いから俺と同じ考えの持ち主です。後で楽したいものねぇ。ネギはどうするんだろう?行き当たりバッタリはキツイと思うけどなぁ「そうは言いますがね、瀬流彦先生もですよ? 生徒を甘やかしすぎです」「いや…そう言われましても」俺に助けを求めないで下さい。俺には無理です。足早に、コピー機の所に向かう。プリント作りは意外に簡単です。ネギは余り使わないみたいだけどね。教科書って、無駄が多いと思わないのだろうか?瀬流彦先生はまだ新田先生に捕まっています。哀れなスケープゴート。そう言えば…血を触媒に何を造ろう? 自分専用の造血剤は有るし…薬には余り使わないんだよなぁ。エヴァンジェリンみたいに、魔法触媒のヤツ作っても良いけど…精霊さん達にお願いした方が早いし、威力高いし…どうしたモノか?アレ? コピー機が動かない「瀬流彦先生、コピー機が動かないんですけどぉ!!」「ちょっと待って!! 新田先生、後で話しましょう、後で」タタタと走ってくる瀬流彦先生。新田先生は良い人だけど自分にも他人にも厳しすぎるのが玉に瑕だよねぇ。娘さんの反抗期が大変そうだ「アギ君、もうチョット早く助けてよ」「夜に超包子でどうです?」「奢り?」「半分しか持ちませんよ」「それでも良いか。約束だよ?」夜は、お持ち帰りの分も頼まないとそんなこんなでお昼です。薬草吸うにも職員室は禁煙。中庭も禁煙。喫煙所は遠い。それなら教室で吸えば良いじゃない。と思ったので、来ました2-A。窓を開けて火を付ける。落ち着きます。薬の効能だけどね。これだけだとジャンキーみたいで嫌な感じ。朝買ってきた御握りを食べながら空を見る。空も大分変わります。ウェールズの片田舎の空とは全然違う。向こうはモット蒼い。空の色が濃いんだよね。表現が間違ってるかもしれないけど。一度だけ、精霊さん…ハヤテとシニィに頼んで町の跡地を見ました。殆ど何も残って無かった。ソレが、物凄く哀しかったなぁ『先生』「あれ、相坂? エヴァンジェリンの所から出て良いの?」他の魔法使いには見えないと思うけど、用心したほうが良いのに『はい。ちゃんと許可貰ってきました。』「それでも、用心はしなさいねぇ。はやとちりする奴だって居るんだから。エヴァさん暴れたら、殆どの人が勝てませんよ?」先ずは俺とネギが襲われそう。俺に関しては逃げ道が有るけどね『ぶぅー堅い事言わないで下さい。久しぶりの外なんですから。それと、ネギ先生と近衛さんが校舎に向かってますよ? ソレを伝えに来たんです。二人とも追われてる見たいでしたよ?』何か有ったけ? 二人の愛の逃避行? 所々物語が変わってるから? ソレだとヤバクね?窓の外を見ると二人が走ってました。ばっちり眼が合いました。逃げれそうにも有りません。「あがー」相坂はそれだけ言うと、何処かに行きました。何処に行ったかは知りません。たとえ祓われてもエヴァさんの監督不届きです。俺の所為じゃないもん。五分もすると、私服のネギと着物のこのかさんが来ました。普通に美人です。厄介な背後関係と立場が無ければ告白してたかもしれません。家庭的で優しくて、ゆっくりが似合うのに残念です。「兄さん、助けて!!」「アギ君助けて!!」何事? 薬草吸いながら話しを聞きます。要約するとこうネギの場合何故だか自分がとある国の王子で、日本に来たのは嫁探しに来た事に成っている。パートナーの事が変な風に漏れたらしいこのかの場合ジジイの陰謀。「懲りないねぇ…あのジジィもパパラッチも」取り合えずは朝倉に連絡。この間の面白画像をネタに、事実と違う事を告げる。ついでに、俺を騒ぎに巻き込んで殺す気? と脅しておく。素直に謝ってきたので、許す事にしました。実際には余り関与はしていないらしいので今度何か奢ります。「なぁなぁ、アギ君。ウチの方はぁ?」「学園長室に行かないと始まりません。二人とも付いてきなさい」己あの狸爺!! 俺の昼食を邪魔するとは!! 食後の一服が台無しだ!!やってきました学園長室。途中で来た黒服には「教育委員会と弁護士に電話されたく無かったら、どきなさい。雇い主がブタ箱で臭い飯を食うハメに成っても良いなら動きなさい。お給金も貰えないの嫌でしょ?」と優しく説得すると、道を開けてくれました。ついでに、実際のトコどうよと聞くと、向こうも余りいい気はしてなかったようです。凄いね、お金の力って「あんなぁ、おじーちゃん」「こ、このか、そのハンマーは何に使う気じゃ?!」ネギがこのかを止めようとしましたが、防ぎました。「に、兄さん」「ネギ。世の中はな言葉だけじゃ解決しない事が沢山有るんだ。コレはその一例。あんな大人に成らないように目を逸らしちゃダメだぞ?」「ア、アギ君!! 話しが違くない!!」必死だねぇ…嘘は言ってないよ俺。だって、このかが縁談に気付いて無かったんだもの~誤魔化しようがないよね?「俺はちゃーんとしましたよ? 裏を取らなかったのがアンタのミスだ。」「おじーちゃん。ウチ言ったえ? 次ぎやったら縁切るって」「ま、待つんじゃこのか!! コレは孫を思う心が暴走して」アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー夜に成りました。瀬流彦先生と約束道理に超包子に来ています。中華風スープが美味しいです。胃に優しいしね。朝倉も呼びました。何故か、ネギ、アスナ、このかも居ます。盛り上がっている様ですタツミー達も呼べば…刹那が断るか…仲良くすれば良いのに。ハヤテ君は刹那の事を気に入っています。アンちゃんもです。ハヤテは自分と同じ純白の翼を持っているからで、アンちゃんは魔と人の混血だからだそうです。アンちゃんが愛って素晴らしいと微笑んでいました。その代わりに、今の状況に悲しんでいます。どうにか出来ないかと言われても、どうにも出来ません。深くは関わりたく無いもの「良いの、アギ先生? 向こうに行かなくて?」「俺が約束したのは瀬流彦先生ですよ? 四葉さん、餃子追加ぁ」――――――――はい、少々お待ち下さい――――――――ニコリと笑うと本当に和みます。「アギ先生って」「何ですか?」「僕より大人みたいだよ?」中身は新田よりも上だと思う。若さが羨ましい今日この頃です。今日は、タツミー達も仕事が無いので、トランプをしました。ババ抜きに魔眼を使うのは反則だと思います。刹那さんと結託して、嵌めました。明日の夕食当番はタツミーです不思議なヤツ「アスナ、どうしたん?」「そうだよ、アスナ。さっきから少しボーっとしすぎだよ?」「えっ?! そう?」「そうだよ。ねぇ、ネギ先生」「ふぇ?! す、すみません。聞いてませんでした」仕方ないわよね、此処の餃子も肉まんも美味しいものそれにしても、なんでアイツの背中が懐かしく思えるのかしら? 訳がわかんないわ?良く分からない兄兄さん…僕よりも教師してるなぁ無理はしてないかなぁ。身体が弱いのに…僕ももっと頑張らないと!!それにしても、四葉さん凄いなぁ。こんなに美味しい餃子を作れるなんて!! スープも美味しい!!視線を上げると、兄の姿は見えませんでした「アレ?兄さんは?」「あれ? 何処に行ったんやろ? さっきまでカウンターに居たのに」「ネギ先生」「あっ、瀬流彦先生。兄さんを知りませんか?」「アギ君なら、もう帰ったよ? 今日は奢ってやるから、明日、学校で授業の準備しとけってさ。頑張ってね、ネギ先生」そう言って、瀬流彦先生は帰っていきました。正直な所、僕達兄弟は歪だと思います。魔法学校に行っている時も殆ど話せなかったし、今の学校でもです。それでも、あの人を兄と呼ぶのは、僕を見ててくれるからだと、思います。あの人は、僕を突き放したり、助言をくれたり。良く分からない。それでも…あの人が兄で良かったと。僕は今日初めて思いました。「もっと一緒に居たいなぁ」