眼を開ける。視界に映っているのは見覚えの有る部屋だった。培養液の中に居るのを思い出して、ヴィヴィを呼んで体内の培養液を排出。ハヤテとイーファに体の表面に付いた培養液を風で吹き飛ばして貰って、熱風で乾かして貰った。服を着て、リビングに行くと暖かい料理が容易してあった。試しに口に入れる。粥だったので、吐き気も無く。チャンと食べれた。「まさか…自分で自分の記憶操作してるとは思わないよなぁ……念の為のクローンもチャンと使えたし…」でもどうしよう? この事、茶々丸とチャチャゼロにしか教えてないよ? 茶々丸には文章で。チャチャゼロには口頭で。茶々丸がこの事を知ったのは、恐らく二日前の夜中だと思う。チャチャゼロに頼んだからね。「絶対にエヴァさん怒ってるよなぁ」カチャ「勿論、私もだよ?」「…早いですね、皆さん」「つまり…ヘルマンと戦う以前から既に入れ替わって居た?」タツミーの言葉に、頷く。エヴァさんも気付かなかったんだ、フェイト如きが気付ける訳も無い。「待て、それならば…アスモダイと戦った時はどうなんだ?」「アレは俺だよ。別荘に入った瞬間に入れ替わった」「私が見ていたんだぞ?」「光の屈折と幻術の応用だよ。後、人型も使ったね」ソレプラスで、少し弄ったからねぇ俺が思い出せなかった事は、その時の『俺』が『偽者』だったって事。俺自身が思い出せずに気付かないんだから、周りが知る事も出来ない。しかも、御丁寧に自己暗示を使って、少しだけ性格も変わってた。「いや、自分でも良く考え付いたなって思うよ? 今なら。最悪の可能性を考えて随分前から仕込んでたモノが最後の最後で使えたんだから」本当にそう思う。俺が忘れていたのはこの事とそれに関連する幾つかの事例えば、俺が違和感を持たないように、クローンにハヤテ達を近づけて、感覚を同じにしたりとか記憶操作と暗示で、本当に必要な物は別荘の中に閉まって置くとか死ぬ瞬間にしか暗示が解けなかったり、記憶が戻らなかったりとかそのクローンは、肉体的には中身が有っても、精神とかそういうのは、俺自身が人形に繋がった時と同じように動かしていたとか自分でビックリです。「刹那達には…」「伝えないよ。ソレを含めての策なんだから」「…外道だな。アギ」「ケケケ、女ノ敵ダナ」「しかし…コレでアギ様とゆっくり暮らせます。マスターも何時でも麻帆良を出れますし。」確かにね。ソレが夢だから今まで必死に策を練ってきた。自分自身も騙して、周りも騙してやって来た。やっと…やっと…「その通り。俺は漸く自由に、ゆっくりと暮らすための条件をそろえた。其処でだ、真名さん、エヴァさん。二人はどうする?」「決っているだろうが。約束したのを忘れたのか? 世界を創るとな!!」「私は…少し遅れるだろうね。後始末をしなければいけない。」まぁ、仕方が無いね。「それじゃあ、俺の事は秘密という事で。」「あぁ、感づかれない為にも、暫くはエヴァンジェリンさんの所で厄介になろう。良いかな?」「構わん。全ては未来の平穏の為だ。私は…少々疲れた」「ソレは、俺もだよ。エヴァさん…ショックな事に人間じゃ無くなっちゃったしねぇ」「「「「はぁ?」」」」いや…うん。舐めてましたソロモン。クローンの方は余り影響が無かったんだけど、本体であるこの体はダメでした。膨張した魔力で破裂しそうになって…防衛本能と生存本能の思うが侭に外気で魔力を押さえつけて、精霊さん達にも協力して貰ってたら…「人間の侭、人外に成っちゃったんだよねぇ…殺されない限りは不老不死ですよ。」「本当か? 本当に…」「うん。吸血鬼じゃないけど…ずっと一緒だね。」「やれやれ…私はどうすれば良いのか? 一人だけお婆ちゃんに成るのは不公平だと思うんだが?」「時が来たら私が噛もう。それで、大丈夫な筈だ。茶々丸、血液のストックを有りったけ集めておけ。私のよう成るまでには最低でも三百年は居る。毎日飲まなくても大丈夫だが…最初から、強い者の血を飲むと堕ちるからな」「畏まりました」「それじゃあ、取り合えず。寝ても良いかな? 精神的疲労が酷いんだ」俺はそう言って、その場で落ちた。死の瞬間を体験させられたんだ。発狂しなかった事を褒めて欲しい朝起きると、タツミーが隣で寝てた。驚いた。「アギ様? 朝食はお粥にしましたが…」「ありがとう、まだ胃が元の調子に戻ってないからね。普通食はキツイんだよ。」朝食をゆっくりと食べて、また寝る。体の…特に内臓とかの調子がまだ、元に戻ってないからね。無理に動けない。そんな、別荘生活が一週間ほど続いて体が動く様に成った。エヴァさんは、既に学園長との契約を破棄してきたそうだ。学園長もソレを了承した。しかし、最低でも今年は麻帆良に残るという条件でだ。あのジジイもエヴァさんにはチャンと卒業して欲しいんだと。変なところで人間味が有るな。エヴァさんも、一応ソレで納得した。コレからは夜の仕事もしないらしい。するとしても余程の事が無い限りしないとの事。ソレと、今は何が在っても家から出ないと言って来たらしい。買い物は茶々丸に任せるんだって。更に十日経って、全快した。体調も、魔力も問題無し。「それじゃあ、始めますか」従えた魔神を五体召喚する。内二体は真名に干渉して悪魔ではなくその前の姿に戻す。「始めるのか? アギ」アスモがニヤリと笑う「主を呼び捨てにするな、アスモ」アスタロト、今の姿はその前のイシュタル。「また…この姿に戻れるとはな……長生きしてみるモノだ」アモン、今の姿は神々しい姿のアモン・ラー「やっとチャンとした召喚かよ…退屈だったぜ?」偉大なる王、バエル「呼び声に応じ、参りました。我等が王よ。」48の悪霊軍団を指揮する侯爵、クローセル呼び出した悪魔・旧い神。彼らが居なければ世界など創れない異界のへの門を開くのはイシュタル(アスタロト)その世界には何も無い。草木も光も空気も水も。何も無い。故に此処に世界が出来る。大地は彼等の領地を其の侭転移させる。太陽は、アモン・ラーが用意する。その太陽に熱を与え、更に燃やすのはアスモダイの炎。異界への門を固定したイシュタルが草木に力を与え、アモン・ラーが風送り、空気を入れる。大きく張られた結界に空気が満たされ循環する。核となるモノは、まだ出来上がらない。ソレを創る為には長い時が居る。しかし、コレだけでは住む事は出来ない。精霊達に頼み、光を世界に満たす。暗い世界が明るくなる。元から、彼等の領地には彼等の軍団は居ない。彼等は一人一人がその領地の王にして、実力者。「クローズ、水源を頼む。バエル…一番キツイけど…宜しく頼む。こっちの事が終わったら直ぐにアスモ達を還すから」「解かりました。」「まぁ…仕方が無いな。お前と契約したのは俺の意思だ。それに…ヤツは一度降してる。遅れは取らねぇさ」「頼む」最終目標は、七十ニ柱の内の三十体以上の魔神との契約と…海だ。バエルには一番キツイ作業を行ってもらう。俺もキツイと思うけど……コレぐらいはやって見せるさ。夢は直ぐそこなんだ。時間はドレだけ掛るかは解からない。十年掛るかも知れない。それでも…時間は有る。仲間も居る。やれない事は無い。途中途中、栄養剤等を補給したり、仮眠を取ったりして別荘内で二十日程経ってから、一段落が着いた。「これから、どうする? 連絡はするが…ソレまでの間、此処に留まるのも危ないだろう?」「…異世界とかに行く。出来るだろ? イシュタル?」「お任せ下さい。アナタが望むのなら、扉を造って見せましょう。遥か昔、神と呼ばれた存在として。そでしょ? アモン」「良いだろう。他の世界で養生しておけ。お前はソロモンが手にする事の出来なかった、我等が夢見たモノを掴もうとしているのだ。我等の名に懸けて、送り届けてやる」扉が開く。後は潜るだけだ。「…卒業したら私も行くからな。ソレまでにイロイロと用意しておけ」「私の分も頼むよ」「行ってらっしゃいませ、アギ様。私も、マスターと共に行きます」「ケケケ、俺ハ着イテ行クゼ?」笑ってしまう。何と言おうと俺は情に絆された。自分が思っていたよりも数段弱かったようだ。「それじゃあ、行くか。チャチャゼロ? 」「オウサ!!」俺達は扉を潜った。勿論、精霊達も一緒にね。「ぬぉ!! リアルモンスターハンター!!」「出タ瞬間ニ火球ハ無イダロ?!」「「何?!」」コレにて終幕。敢て、ネギ達のその後は書きません。ただ、解かっている事は、原作通りのメンバーが冒険する。それだけです。信頼関係も違います。ですが、ネギとアスナ・のどかの信頼関係は原作よりも強く。アギの死に拠って仲間の団結力も上がっているという事です。さて、気になる終りにしたのは以前感想で、『モンハンを書く前振り』的な事が書いて有ったのを三話ほど前のを書いてる時に思い出したので、やってみるか? 的な感じでしました。もしかしたら、書かないかも知れません。書くかもしれません。期待せずに居てくれたら、皆さんが忘れた頃に書いてるかも知れません。約一ヶ月と半分。大体二ヶ月なのか? という長い様で短い様な時間。お付き合いありがとうございました。碌に返信もしないBINですが、これからも、宜しくお願いします。以下略『主人公にすらドSなBIN氏』『て言うかこの世全てにドSなBIN氏』『て言うか俺らがドM』『でもそうしたのはBIN氏』『俺の腕はな、物語を書くために付いてるんだよ』『読者に絶望を与える漢BIN(連載終了的な意味で)』オヤスミ