水晶が映し出す映像を見ながら、モニターも見る。ネギと超の戦いが始まった。正直な所、デタラメ過ぎて笑ってしまいそうに成る。時間跳躍…移動なのか? まぁ、ソレの弱点というか欠点は分かったけどね。無理です。攻撃する動作がいるからね、ソレを感知して防げれば対抗出来そうだけど決め手にはならないよ。「反則のオンパレードだねぇ」「あの二人のみだがな」本当にねぇ…主人公強いよ。航時機使い同士の戦いは、デタラメの一言に尽きる。超が航時機を使い、ネギの後ろを取れば。ネギが航時機を使い超の後ろを取る。映像を通して、見る二人の戦いは見ていても楽しい物では無い。映像の中で、超がネギの持つ航時機の限界を見抜き優位に立ったかのように言うがそうは思えない。一度だが、超はネギの攻撃を喰らっている。超の持つ航時機は背中に背負っている物なのだろう。ちがくとも、アレが無ければ航時機が使えない事が分かる。自分でバラしてるんだもん。気付かない方がどうかしている。自分で、『AI』とか言っちゃだめだよ。俺の隣でエヴァさんも呆れてるし。何よりも、超とネギの遣り取りがツマラナイと感じてしまう。『事ここに至って、頭の良い君は解かっているハズネ。私の計画が意味する物を』「前のエヴァさんより、敵の親玉やってるよねぇ」「五月蝿い!! アレはバカピンクの所為だ!! ジジイ!! 貴様は笑ってないで、どっか行け!!」エヴァさんの強制転送。続いて結界。コレで、俺達以外が此処に来る事は出来ない。流石エヴァさん。普通の魔法使いでは出来ない事を、平然と遣ってのける!! 理由がお子様の八つ当たりなのが、可愛いです。「それにしても…」「そうだな…」嗤ってしまう。『私の同士に成らないカ? 悪を行い世界に僅かながらに正義をなそう』耐えられません。ソレは虚空から響いた。場違いな二つの笑い声が超とネギの二人の耳に入る。その出所は直ぐに解かった。空中に展開されるモニターから聞こえてくる。ソレは笑い声でありながら嗤い「何がオカシイ?」「兄さん?! それに師匠!!」二人は、そのモニターに集中する。モニターの中の二人は腹を抱えて肩を震わしながら、荒い息を付いていた。『いや…ねぇ?』『そうだな…「悪を行い世界に僅かながらに正義をなそう」何ぞと言われたら嗤うしかない。』「……アナタなら解かるハズダ。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル!!」『悪い魔法使いだからか? そんなモノは私が気に入ったから名乗っただけに過ぎん。私は私が思うままに、己の正義で生きてきた。偶々ソレが他の奴等に取って悪い事だった。それだけだ』エヴァンジェリンに続いて、アギが言う『「この世界の不正と不均衡を正す」って言うのは素晴らしい事だと思うよ? でもさ、夢を見すぎ。自分がドレだけ反則してるか解かってるの? お前には言う資格は無いんだよ。それにねぇ』『はっきりとした善と悪が在るって本当に思っているの? 所詮それは大多数が指示したモノでしかない。グレーゾーンが有るからコソ世界は動いてるんだよ?』「…私なら巧くやれる!! 資金も資材も蓄えた!!」『無理だね。今すぐにでも破綻させられる計画が成功すると?』「どういう意味ダ!! 貴方達とは不可侵・不干渉を契約した!!」クツクツと嗤いながら、アギは超に言った『エヴァさんとだろ? 俺は『満足』とは言ったけど了承はしてないんだぜ?』『私も、アギに協力してはいけないとは契約していないなぁ。そうだろ? 超鈴音?』「!? ……ならば、今から言う事実を知っても言えるか? ネギ坊主も良く聞くネ。七月二十七日、アギ・スプリングフィールドは死ぬ。」超の一言は悲しいほどに、全員の耳に届いた。「どういう事なんですか超さん?!」最初に反応したのは、ネギだった。未来人の言う事だ、この場で苦し紛れの嘘を吐くとも思えない。「言葉の侭ネ。これでも、私の邪魔をするカ? アギ・スプリングフィード!!」畳み掛けるように超は言う「アナタの死んだ後には、ホンの少しの内臓の一部が残っただけダ!! 見るも無残に跡形も無く死ぬ運命が待ち受けて居るぞ?! 此処で歴史が変われば生き残れる!! それでも邪魔をするカ!!」アギ・スプリングフィールドは薬草を吸って、煙を吐き出すと詰まらなそうに言った。『で? それだけ?』超とネギの顔が驚愕に彩られる。『ありがとうねぇ。教えてくれて、コレで回避出来るよ? 最初からお前は間違えてるんだよ。お前と言う『未来』を決める因果が此処に有る時点で、お前の計画は破綻している。成功確率は二分の一ではない。二十%以下だ。』「に、兄さん?」『ネギ、速くやっちゃえよ? 心配せずとも何とかなるから、お前はお前の「正義」…我儘を貫き通せば良いんだよ。分かったか?』「はい!! 超さん、往きます!!」「ま、待つネ!! アギ・スプリングフィールド!! 本当に回避出来ると思っているのカ?! アナタの考えを当て嵌めれば!!」『エヴァさんが居る。頼りに成る友人が沢山居る。ソレが…俺とお前の違いだよ。超鈴音、お前は麻帆良祭が始まったと同時にネギを監禁すれば良かったんだ。薬を使ってもな』「?! そんな…馬鹿ナ…」一瞬だけ思考の海に入ってしまう。研究者…探求者故の弊害かも知れない。ソレは、致命的な隙だった。雷華崩拳!!雷を纏った一撃が超の背中を捉える。致命的な一撃。超の背負っていた機械・航時機が破損する。「しまっ!!」まだ使える。まだ完全には壊れていない。超は時間を跳ぼうとして、更なる一撃を浴びせられる。桜花崩拳突風を纏う一撃が完全に、超の航時機を打ち砕いた。「超さん、僕の…僕達の勝ちです!!」モニター越しの映像を見ながら、溜め息を吐く。正直な所、気が重い。まさか、未来人から自分の死を告げられるとは思わなかった。想定の範囲外だ。約一ヶ月。俺が殺されるまでの残された時間。相手が解からない。俺を殺して得をするのは、魔法使いの連中だろう。ネギを担ぎやすくなる。でも、ソレは無いと考える。普通の魔法使いや少し強いくらいの魔法使いなら撃退出来る。英雄クラスは動かないだろうし…動いても逃げる事は出来る。近衛詠春の戦いを見た感想だ。逃げる事は出来る。巧く行けば撃退も可能だ。ヘルマンは完全に消滅したから、復讐も無い。人形は俺の力に気付いていないだろうし…ヘルマン達の会話を聞いていれば解かる。「…アギ」「解かってる。用意をしよう。敵が誰かも解からないし…七月が終わるまでは麻帆良に居られない。」巻き込まれる可能性の方が高い。確実にだ。近衛このかや桜咲刹那達と関係を切るのには丁度良い時期だし。卒業まで居るのは辛い。「護ってね?」「仕方がないな…護ってやるさ」早めに終わる。一日一話。そう言えばですが、この間、演劇見てきました。面白いね、演劇。ガラパは面白い友人に感謝。以下略『デュオが時を止めて解除した時、一話出来上がってた話は有名』『BIN氏は本当に二度死ぬ』『20~23日にかけて読者に絶望をプレゼントするBIN便が贈られるようです。』