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No.6137の一覧
[0] 【習作】俺と竹千代と時々泰朝[岡山兵庫](2009/01/25 20:57)
[1] おじゃるとハゲと朝比奈泰能[岡山兵庫](2009/01/25 23:31)
[2] 俺と竹千代と孕石主水[岡山兵庫](2009/01/27 02:41)
[3] 俺と信虎と駒井高白斎[岡山兵庫](2009/01/27 02:08)
[4] 俺と親父と太原雪斎[岡山兵庫](2009/01/30 23:23)
[5] 親父と雪斎と両家老[岡山兵庫](2009/01/31 01:19)
[6] 俺と信虎と山口親子[岡山兵庫](2009/02/02 02:25)
[7] 俺と橋介と藤吉郎[岡山兵庫](2009/02/10 01:00)
[8] 俺と信虎と山口(息子)[岡山兵庫](2009/03/07 23:29)
[9] 竹千代の駿河日記[岡山兵庫](2009/03/07 23:15)
[10] 親父と雪斎と両家老 其の二[岡山兵庫](2009/03/11 22:37)
[11] 俺と…家臣が増えて書ききれません[岡山兵庫](2009/03/11 22:37)
[12] 俺と親父と下克上被害者[岡山兵庫](2009/05/10 18:25)
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[6137] 親父と雪斎と両家老 其の二
Name: 岡山兵庫◆322ca49c ID:f1264bdb 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/03/11 22:37
氏真の帰国から日も経った今川館。


居並ぶのは今川を動かす首脳部である。
「この度の五郎様の初陣、見事なものであったと信虎様もおっしゃっておりました」
口火を切るのは朝比奈備中守、氏親、氏輝、義元の三代に渡って仕えている重臣中の重臣である。
ちなみに息子の泰朝は氏真の幼馴染。
「手勢を率いて敵側面を突くとは五郎様もなかなかに豪胆でありますな。これは将来が楽しみにございます」
太原雪斎、言わずと知れた義元の師であり、軍師であり、また自らも前線に立つ臨済宗の僧である。
尾張戦略を一手に引き受けていたりと、まさにオールマイティなじじい。
「これで今川も安泰ですな。目出度きことにございます」
二度目の登場、三浦左馬助。
尾張の笠寺砦の守将ですが氏真の凱旋に付いてきました。


「それにしても五郎様に5000貫ですか。差し出がましいかもしれませぬが、今川家は家督継承に関して流血を見ることのなき家で…」
義就の心配ももっともである。
事実、義元自身も兄である玄広恵探を討って家督を継承している。
義元の父である氏親の家督継承の際にも内紛は起こり、その際には若き北条早雲が活躍していたりする。
「それ以上は言うな、わかっておる。しかしな、わしだって何も好き好んで兄達を手にかけたわけではない。戦国の世といえども、親子兄弟相食むのは人の道理から外れておると最近頓に思うのよ。信虎様と五郎の様子を見ると、今更ながら少し羨ましくてな」
物心ついたころには寺に預けられ、呼び戻されたと思えば兄との家督争い。
義元が近親で頼れたのは寿桂尼くらいであった。
「御屋形様…」
「それに五郎は嫡子だし大丈夫であろう」
「しかし、信虎様の例もありますし…」
「確かにな。そこで考えたのだが、わしは五郎に家督を譲ろうと思っておる。」
「そ、それは真でございますか!家督争いの芽を摘むためとはいえ、五郎様は未だ15才、早くはありませぬか」
「いや、すまんすまん、いずれ、という話。まだ嫁ももらっておらんしな。5年程後、そうだな、あやつが20になったら譲ろうと思う」
「左様にございましたか。あ、もしや、5000貫の知行をお与えになったのはそのために…」
「そういうことよ。口ばっかのやつかと思うておったが武の才もないわけではなさそうだしの。治の経験を積ませれば、今川の家を守ってくれよう」
雑多に提言してくる五郎であるが、それは実践不足からくる不見識ゆえだと義元は思っている。
多少親馬鹿だと本人も自覚しているようではあるが。
それに、いかに雪斎と信虎という当代一といって過言ではない教師役がいようとも、実践に勝る訓練はないとも考えていた。
「それならば5000貫はよいかもしれませぬな、かなり独自なことができましょう。しかし補佐役はどうするおつもりにございますか」
「信虎様は当然として、西郷正勝、新野親矩、都築秀綱を付けようと思っておる」
「なるほど、その者達であれば安心して任せられますな」
「泰朝殿、竹千代殿もお付けになってはいかがでしょうか。五郎様とも仲がよく、ご両人ともなかなかに優秀ですぞ」
「うむ、そう言おうと思うていたところよ。弥太郎よ、構わぬか」
義元の願いは両人を次代の今川を担う人材とし、氏真の補佐とすることである。
そう、ここに会している雪斎や両家老のように。
「異議などあるわけがございませぬ。ありがたきことにございまする」


「しかし朝比奈殿はよき跡取りをもたれて羨ましいですな。どうですか、うちの娘を嫁になど」
「おお、御両家が姻戚になるとは好きことにございますな」
「こらこら、弥太郎を差し置いて二人で話を進めるでない。しかし、確かに好き縁組かもしれぬな、どうじゃ弥太郎?」
「実に好きお話でございますな。こちらからも是非にお願いいたしまする」
「それでは決定だな。目出度い目出度い。よし、誰ぞおらぬか、酒と肴を持ってまいれ!」
こうして酒宴は今日も続く。


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