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No.5934の一覧
[0] 【習作】真・恋姫†無双×Fate [JJJ](2009/05/22 00:33)
[1] 真・恋姫†無双×Fate 第二話[JJJ](2009/01/17 19:04)
[2] 真・恋姫†無双×Fate 第三話[JJJ](2009/01/18 14:04)
[3] 真・恋姫†無双×Fate 第四話[JJJ](2009/01/18 22:23)
[4] 真・恋姫†無双×Fate 第五話 (修正)[JJJ](2009/01/19 23:09)
[5] 真・恋姫†無双×Fate 第六話 (修正)[JJJ](2009/01/22 20:57)
[6] 真・恋姫†無双×Fate 第七話[JJJ](2009/01/24 17:55)
[7] 真・恋姫†無双×Fate 第八話[JJJ](2009/01/31 10:02)
[8] 真・恋姫†無双×Fate 第九話[JJJ](2009/02/04 00:25)
[9] 真・恋姫†無双×Fate 第十話[JJJ](2009/02/09 18:08)
[10] 真・恋姫†無双×Fate 第十一話[JJJ](2009/02/11 22:33)
[11] 真・恋姫†無双×Fate 第十二話[JJJ](2009/02/16 13:51)
[12] 真・恋姫†無双×Fate 第十三話[JJJ](2009/02/21 23:15)
[13] 真・恋姫†無双×Fate 第十四話[JJJ](2009/02/21 23:42)
[14] 真・恋姫†無双×Fate 第十五話[JJJ](2009/02/23 19:41)
[15] 真・恋姫†無双×Fate 第十六話 [JJJ](2009/02/26 17:27)
[31] 真・恋姫†無双×Fate 第十七話[JJJ](2009/12/20 13:25)
[32] 真・恋姫†無双×Fate 第十八話[JJJ](2010/01/17 22:19)
[33] 真・恋姫†無双×Fate 第十九話[JJJ](2010/01/26 15:30)
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[5934] 【習作】真・恋姫†無双×Fate
Name: JJJ◆200c38fd ID:db135e25 次を表示する
Date: 2009/05/22 00:33
 目が覚めた時、瞳に映ったのは一面の青い空だった。
 その空は、あの日病室から見上げた空のように澄んでいて、白く輝く太陽はすべてを包み込むかの如く優しく揺らめいていた。
 ――無意識のうちに手を伸ばしていた。もしかしたら手が届くかもしれないと、あの美しい空に触れることができるかもしれないと―そう思ったのかもしれない。
 感じたのは日の光そして……浮遊感。


「……って、なんじゃそりゃあああああああああああっ!」
 

気づいた時には絶賛落下中だった。状況を確認しようと視線をずらすとその先にはそびえ立つ岩山が映った。……まずい。下があんな岩山なら確実に死ぬ。そう思って下を見ると、頭に黄色の布を巻いた三人組がこちらを見上げて呆けている姿があった。

「……っ!よけろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 正気に戻ったのか立ち上がって降ってくる俺から離れようとする男たち。だが一人、太った男が出遅れている。

「っあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

目を閉じて衝撃に備える。だが全身をたたきつける衝撃は、背中に感じるやわらかな弾力に変わっていた。
「あ、あれ……?」
 目を閉じたまま全身を確認する。右手、左手と確認していくも体におかしな点は見つからなかった。ただ、背後に心地よいウォーターベットのような柔らかさを感じた。
「だ、大丈夫か、おめぇ……?」
「あ、あぁ」
 あわてて立ち上がると後ろには先ほど上空から見た男が不安そうな顔をしながらこちらを見ていた。こぶのように垂れ下がっている頬肉と鎧にしまいこめなかったのだろうはみ出ている腹。
 まさか、あの贅肉のおかげで助かったのか?上を仰ぐと自分が落ちてきた空が見える。あの高さから落ちてきて無傷などと常識では考えられない。しかし、現に自分は無傷であるし、下敷きになった男も、ふぅっと溜め息をついて立ち上がってきていた。
「ハ、ハハ……そんなばかな」
「何が馬鹿なだ、てめぇ!」

 振り返ると先ほど見た他の男たち二人がこちらのほうへ走ってきた。
「何だ、てめぇ。どこから降ってきやがった!」
「いや、アニキ。ここはどうして降ってきた?って聞くとこだと思うんすけど」
 残りの二人は口元からひげを生やし、口から唾を飛ばしながらわめきたてる男と男のことを落ち着かせようとしている背の低い男だった。
「黙れチビ!おいてめぇ、何で空からなんか降ってきやがった!」
「いや、俺にもどうしてこんなことになったのかわからない」
「んだとぉぉぉ」
 そうだ、まずは状況を確認しよう。周りは赤茶けた荒野で遠くに岩山が見えて見渡す限り何もなくて
「ってどこだ、ここ?」 
「はぁ?」
そもそも昨日まで俺は遠坂と一緒にロンドンにいたはずだ、こんな荒野にいる理由がまったくわからない。
「いや、まてよ」
 昨日遠坂は―やっと実験の準備が出来た―なんて言っていたはずだ。そして―明日は手伝ってもらうからね士郎―と言っていて気付いたら、ということは……
「ま、まさか……遠坂」
「アニギィィィ!」
「おう、デブ!どっか怪我してねぇか?」
「……あぁぁ。だいじょぶだぁ」
「そうか。おいてめぇ、よくもうちのデブに怪我をさせてくれたな。代わりにお前の身ぐるみ全部おいていきやがれ!」
そう言って腰から剣を抜いてこちらに突きつけてくる。いろいろと混乱しているが……
「いや……怪我はないって言ってなかったか?」
「うるせぇ、なんでもいいから金目のもんよこしやがれぇ!」
確かに……どう考えてもこちらが悪いが、かといってこんな何も知らないところで身ぐるみを剥がれるわけにはいかない。いつか借りは返したいが今はだめだ。

男の身なりを確認する。剣を突き付けてはいるが、さすがに空から降ってきた男にはあまり近づきたくないのか腰が引けている。周りの男たちもとりあえず男にならって剣は抜いているもののどうしたらいいのかわからず戸惑っているようだ。
「アニキィ、もしかしてこいつ化け物かなんかじゃないすか」
「んなわけねぇだろ!それにこいつの首からぶら下がってるのみろよ、すげぇキラキラしてんじゃなぇか。かなりの値打ちもんだぜぇ」
「でも、こいつなんか変な格好してるじゃないすか。もしかしたら……」
「だとしてもだ!こいつは今丸腰だ。何も持っちゃいねぇ、しかもこっちは三人だ。怖がることはねぇ」
男の言葉でほかの男たちも目の色を変えた。男自身もあれだけ言った手前下手なところは見せられないのか先ほどよりもしっかりとした構えになっている。
ちっ。先ほどまでのようなおびえた構えならともかく今のようになってしまうとさすがに無手では対応しきれない。うまくいけば男から刀を奪って他の男たちを追い返せるかもしれないが、おそらく一人に対応しているすきにほかの男に襲われるだろう。
……魔術を使うか?
神秘の隠匿を破ることになるが、確実に切り抜けるならそれしかない。投影ならともかく強化なら、彼らに気づかれることもないだろう。意識を自分の中にむけ自己を埋没させていく。
「強化(トレース)開始(オン)」
「何、目ぇつぶってやがるてめぇ。お祈りかぁ?」
「ちっ、服が血で汚れちまうが仕方ねぇ。デブ!そいつを斬れ」
「あ~、分かっだ~」
太った男が剣を頭めがけて振り下ろしてくる直前、強化した体で体当たりし男の体を吹き飛ばす。
 十数メートルからの落下にも耐えた巨漢が吹き飛ばされていくのをみてほかの男たちが顔色を変えた。
「やろぉ!」
 ひげの男が横なぎの一閃を放つ。同時に背の低い男が背後から突き上げるように突きを放ってきた。後ろに下がってよけることもできないその同時攻撃を地に這うかの如く深くかがんでかわす。
「何ぃ!」
 二つの剣がぶつかり合って高い音を鳴らす。地に伏せた体勢から体を反らせバック転をする要領で跳ねると同時に膠着状態にあった二人の剣をつま先でけり飛ばす。
「くっ」
「アニキィ……」
空から落ちてくる剣をつかんでそのまま突きつけると男は怖気づいたように後ずさった。
「おっ、おい。お前今何しやがった!」
「アニキ、そんなことよりもどうすんすか。こいつやばいっすよ」
「ちっ、仕方ねぇ。お前ら、逃げるぞっ!
 男たちは太った男が飛ばされたほうに走りだしていった。一人残された俺は剣を置くともう一度状況を確認しようと周囲を見渡した。

 一面見渡す限りの荒野。遠くに山が見えるがそれも岩が積み重なってできたようなごつごつとした山だった。つまり、
「おれの知っているところではないってことか」
 こんなことになるような原因を考えると一つしか思い当らなかった。
「遠坂、お前のうっかりも……ここまで来たか」
 遠坂の研究している第二魔法は並行世界についてのものなんだが、昨日遠坂は並行世界の波を観測できるペンダントを作ったと言っていた。そしてその波を観測するためにペンダントに魔力を流してくれと言われてそして、
「どうしてこんなことになるんだよ、遠坂」
 いや、分かる。あいつのことだから細心の注意と準備をしてきたのはわかってる。現に今回の実験には3か月も前から寝る間も惜しんで頑張ってきているのを見てきた。ただ少し、本当に少しだけ
「うっかりしちゃったんだろうなぁ」
 完全に失念していた。ここしばらくはそんなことはなかったから忘れていたが、遠坂凛という人はここ一番というところでうっかりするという致命的な弱点を抱えていることに。

「とりあえず、ここからどうするかなぁ」
 見渡す限りの未知の世界。そんな状況で戸惑っていると、
「おい、そこのお前」
と少しはなれた所から声をかけられた。
「ふむ、妙な格好をした奴だな。どこかの貴族の息子か?」
「いえ~、それにしても奇抜な格好ですよ星ちゃん」
「だが、胸に宝石をつけているぞ、やはりどこかの貴族と考えたほうが……」
 なにやら話し合いながら女の子が三人近づいてきている、青い髪に白い服を着た少女とメガネをかけた少女、そして長い金髪に頭にぺろぺろキャンディを刺した少女。三人ともコスプレとしか思えない格好をしているが、
「いや、頭にキャンディって、なんでさ」
 思わず突っ込んでしまった。
「おぉ~、これはいつでもどこでも食べられるようにしているんですよ~」
「そんなことよりおまえは何者だ?」
「あ、あぁ。俺は衛宮士郎、えっと……」
 そこからどう続けていいかわからない。
「ふむ、私は趙子龍」
「程立です~」
「戯志才と申します」
 戸惑っていると先に三人が答えてくれた。続けて
「さておぬし、どうして空から降ってきたのだ?」
「いや、俺にもよくわからないんだけど……」
「さてはおぬし化生の類か?」
 その瞬間、喉元に少女が抱えていた槍が突きつけられる。何の予備動作もないその動きに対応する暇もなかった。
 槍は既に喉に触れている。今少しでも動けば間違いなく貫かれるだろう。
「星ちゃん、その人は化け物じゃないと思いますよ~」
「しかし、風。化け物ではないなら何故あんなところから落ちてくるのだ?」
「うーん。五胡の妖術使いとか?」
「どちらにしてもろくなものではないな、やはりここで殺してしまうか」
槍に力が込められる。まずい、このままでは逃げられない。
「星殿、とりあえずここは陳留の刺史殿に任せてはいかがでしょうか?」
「ふむ、そうだな。ここでこ奴を殺して物取りと思われるのも不愉快だしな」
 そう言って少女は槍を引いてくれた。怒号に振り返ると遠くに砂煙と騎馬武者の群れ、そして翻る「曹」の旗が見えた。
「一応、引き渡すところまでは一緒にいましょうか」
「しかし官にあうのは気が進まないんだがなぁ」
「仕方ないですよ、星ちゃん。では縛って……あれ?」
 少女たちが話している隙に俺は駈け出していた。先ほどの戦闘で強化していたお陰で少女たちとの距離はみるみる離れていく。

「あれ~。逃げられちゃいましたねぇ」
「しかしあの早さ、やはり化生のものだったか」
「ふむ、馬でもないとあれには追いつけんな。しかしこれで面倒なことをしなくてすんだな」
「星ちゃん、それはどうかと思いますよ~」
「よいのだ、よいのだ。さて旅を続けるか」
「まさか、官に会うのが面倒臭くてわざと逃がしたんじゃ」

「はぁ、やばかったなぁ」
 突きつけられた槍の感触がぬぐえない。彼女たちの気が変わらなければ間違いなく殺されていただろう。
「それにしても妙なところだな、ここは」
 いや、実際ここの人たちから見ればおれのほうが変な人間なんだろうが……。
「あの服装と名前からすると、ここは中国か?」
 おそらくここは中国のどこかなんだろう。そう考えると彼女たちの格好も納得できる。問題は
「今が、いつかってことか」
あんな恰好をしている人が現代にいるわけがない。ということはおそらく数百年は過去に来ているのだろう。
「それにしても彼女たち、呼びあうときに風とか星ちゃんとか言ってたな」
俺に名乗った名前が偽名だったんだろうか、だとしても本人の前で話し合うわけがない。
 そして一番の問題は……
「帰る方法がわからないってことか」
 おそらく、この時代にも魔術を研究している人たちがいるだろうが、その人たちを頼ろうにもどこにいるかわからないし、さらに魔術は隠匿するもの。万が一会えたとしても手伝ってもらえるかはわからないし、もしもおれの魔術が見つかったら、ホルマリン漬けにされてしまうかもしれない。そして問題はそれだけじゃなく、
「手の平が黒ずんでる?」
 先ほど強化を行ったときいつもより多く時間がかかった。聖杯戦争の時から三年、毎日鍛錬は続けてきたがあれほど時間がかかったのは久しぶりだった。下手をすれば失敗してしまいそうなほどに。
「……どちらにしても魔術に頼るのはできるだけ避けたほうがよさそうだな」
 さっきはうまくいったがただの強化にあれだけ時間がかかってしまうようならば、危機的状況に追い込まれてからではすでに手遅れになってしまうだろう。とりあえず今は
「この辺を探索してみるか」
 馬や人が歩いていた跡をたどれば町に着くだろう。そう考えて俺は歩きだした。


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