俺が何をしたって言うんだ。
確かに俺は昔から霊が見える。
1回だけだが「ヒーロー」も見たことがある。
だからと言ってなぁ…。
「私は死神だと言っておるだろうがたわけ!」
これはねぇよ。
dream 2. 『Death and Strawberry and Star』
いきなり俺の部屋に上がりこんできた黒い侍らしき着物を着た女。
自称死神。
「ありえねぇ…」
「貴様まだ信じぬか!」
「だからホロウを退治しにソウルソサエティから来た死神だってんだろ?」
「そうだ!」
「信じられるかボケェ!!」
なんてやり取りをしてたらおふくろに心配されるわ親父はでしゃばるわで俺は疲れていた。
「あー分かったからとっとと出てけクソガキ」
そう言った途端体は動かなくされるわ俺に憑いてたおっさんは成仏させられるわで俺はさらに疲れることになった。
そしてこの死神とやらの説明によると、
とにかくそのホロウとか言う悪霊を退治しにきたらしい。
「だったらこんなトコいねぇでさっさとソイツ片付けてこいよ!」
「いや…それがこの辺に来てから気配を感じなくなってな…」
「はぁ?」
ウオオオオオオオオンン!!!!!
「おい!今の声!」
「何か大きな力に感覚を阻害されているような…」
「おい!死神!」
「何だ?」
「今の声だよ!」
「何?」
オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
(コレは間違いなく虚の声!しかしまだどこか聞こえづらい…なのにこいつは私より早く気づいた!?)
「きゃぁ!」
「遊子の声…!?」
「貴様はここで待ってろ!」
「バカ野郎!襲われてるのは俺の家族だぞ!」
まだ体が動かねぇ!それでも力を込める!
「うおおおおおおおおお!!!!!」
バキィン!
体を縛っていた何かが壊れた!よし!
「何!?バカな!人間に出来るわけが!」
ドアを開けると廊下に夏梨が倒れていた、額を怪我してる!!
「一兄ィ……」
「大丈夫か夏梨!」
「壁が壊れて…お父さんが…背中から血を流して…何かでっかい…のが…」
気を失った夏梨を寝かせて1階に急ぐ!
クソッ!何が起きてやがる!
「待て!貴様!」
壊れたテーブル、
気を失ってるおふくろ、
おふくろを抱えながら血を流して倒れている親父、
そして。
「あのとき見た奴…か?」
いや違う、何処となく似てはいるが見た目は殆ど違う。
「そうか、お前らがホロウなのか…」
間違いねぇ、こいつはあの日俺たちを襲った奴の仲間だ。
ふと目線を横にすると右手に遊子を握っているのが見える。
「テメェ…!遊子を放しやがれ!!」
「オオオオオオオオ!!!!!」
ドスゥ!!!
「グゥッ!ッカハッ!ゲホッ!ッハァ!」
バットを手に殴りかかるが逆に殴られて吹き飛ぶ!クソッ!
「何をやっている阿呆が!」
死神がホロウの腕を斬り、遊子がその拍子で放り投げられた!
それを受け止める!
「遊子!大丈夫か!?」
「狼狽えるな小僧!まだ誰一人魂を喰われてはおらん!」
「まてよ!ホロウは魂を喰いに来てんだろ!?じゃあ何でウチの!」
「霊的濃度の高い魂を求め彷徨う際に、無関係の人間を襲うのは間々あることだ」
「ってことは…」
「そうだ、死神が見え、鬼道を破る。貴様程霊的濃度の高い人間は初めて見た」
「じゃあ…」
「そうだ…奴の狙いは貴様だ!」
「俺…なのか?俺のせいで親父が血だらけになって、おふくろは倒れてて、遊子と夏梨は…」
「待て!私はそんなつもりで言ったわけでは」
ゴドォン!
ホロウに死神が吹き飛ばされる!
畜生!何なんだこのふざけた状況は!
「っざけんなよ…テメェ…いい加減にしやがれ!俺が喰いたいなら俺とサシで勝負しろ!」
「莫迦者がッ!」
ホロウが俺に襲い掛かる!
ふざけるな!このまま素直に喰われてたまるかよ!
だが、次の瞬間俺が見たものは───
バギン!
「ガハァッ!」
俺を庇ってホロウに噛まれる死神だった。
「くうっ!」
ザシュ!
なんとか死神が一太刀入れてホロウが引き下がる。
「莫迦…者め…貴様が勝てんことは分かっていただろうが…自分が喰われれば済む話と思ったか…たわけが」
「わ、悪ィ…俺はただ…」
「気にするな…だがもう私は戦えぬ…このままでは皆喰われるだろう…」
その言葉に思わず拳を握る手に力がこもる。
「また…俺は何もできねぇのか…」
「家族を助けたいか」
「出来るのか!?」
「ああ…もうこれしかない…」
「どうすればいい!」
「貴様が……死神になるのだ!!」
「わかった!でもどうやって!?」
「即決だな…気持ちは分からんでもないが。まぁいい…とにかくこの斬魄刀を胸に突き立て私の力の半分を注ぎ込む」
「それで戦えるんだな!?」
「ああ…だが覚悟は良いか?下手をすれば…」
「覚悟なんざもう6年前から出来てるんだよ!」
そうだ、俺はとうにあの日からそんな覚悟は決めていた。
今回『ヒーロー』は来ない。
なら俺が遊子や夏梨の『ヒーロー』になってやるさ。
それに俺がここで喰われたらコイツは間違いなく次にアイツを狙う。
それは絶対にさせねぇ!
死神を立ち上がらせ、刀を胸に当てさせる。
「全くおかしな奴だ。普通躊躇するところだろうに」
「いいから早くやれよ死神、アレがいつまで待ってくれるか分かんねえぞ」
「“死神”ではない“朽木ルキア”だ」
「そうか、俺は黒崎一護だ」
お互い刀を掴む。
俺の胸の中心に刀を当てる。
そして。
「いくぞ」
「…ああ」
貫いた。
───────── 優姫
長ッ!
何チンタラしてんだよ!と素でハラハラした。
よくオリ主が原作に沿ってイベントを見守るだけの展開ってあるけど、
実際自分の立場になるとキツイなコレ!
っていうか斬魄刀解放しろよルッキーニ!
いや、されても話の流れが変わるから困るんだけどさ。
ホロウと死神の霊圧を感知してからステルスモード最大速度で飛んできたんだけどさー。
いやー手が出せないってすげーやきもきする。
黒崎夫妻がやられた瞬間マジで出て行きそうになった。
っていうかイベント戦じゃなければ速攻俺がブチ殺しに行ってる。
まぁ放っておくのも気分悪いので、こっそり窓から入って皆ある程度治しておいたんだけどね。
このぐらいなら問題無いだろう。
わったーしにーでーきることー♪
皆、致命傷の類は無かったので一安心。
もしかして真咲さんここで修正されちゃうんじゃね?とハラハラしてたけどナイス一護パパ。
そうこうしてるうちに死神化した一護クンがホロウブチ殺し。
背中に ド ン って見えそう。
いやーようやく原作1話ラストだね。
実に長かった。
本当に長いのはここからとも言えるけど。
今頃ルキアさん
「莫迦な!死神の斬魄刀があのような大きさになるだと!?」
とかビビってるんだろうなぁ。
アレ中身スッカスカですよ?
それと一護クンの漏れてる霊圧って大きすぎて周りの感覚鈍らせる効果あったのね。
もう慣れっこだからよくわからないや。
そして多分コレ以降使われない設定だね。
「スピカ、そのへんどうなの?」
<<おそらくマスターの場合既にあの霊圧に順応しているのかと>>
あー、それじゃあ一護クンが霊圧抑えられるようになっても感知能力のパワーアップは無しか。
重りを外したロック・リーみたいなことにならないかなぁと思ったんだが残念。
<<それよりも、そろそろ来ます>>
おっと、そういえばこの後浦原さんが来るんだっけ。
逃ーげよ。
今はまだバレたくない。
翌日、朝早く登校。
何故かって?ルキアさん学校初日だからだよ。
一護クンのリアクション含め色んな意味で楽しみ。
「おはよー!優姫ちゃん!」
「お早う、織姫ちゃん」
「もー!今朝はどうしたの!?」
「ゴメンゴメン、なんかやけに早く目が覚めちゃって」
「あたしだったら二度寝かゆっくりするかだよ?」
「ゴメンってば、って織姫ちゃん?その手は?」
「あ、これ?昨日ケガしちゃって…」
「ハァ…後でね」
「う、うん…」
そんな日常会話をエンジョイしてるとHRになった。
「お前ら喜べー。転入生だぞー」
来た来た。
「優姫ちゃん!転入生だって!」
「こんな中途半端な時期に不思議だねぇ」
いや、ホントに不思議だ。
一体どうやって手続きとかしてるんだろ。
「おっかしいなぁ…あたし今日パンくわえて来たけどぶつからなかったよ?」
「ん~ちょっと待って?織姫ちゃん今日遅刻とかは…」
「全然、余裕で間に合いました!」
「だよねぇ…じゃあ何でパンを?」
「昨日ご飯は外で食べると美味しいってテレビで」
「ああ…そういうことね…ちなみにパンをくわえるのは転入生の方だよ…」
「なーんだ。だからかぁ」
「たつきちゃん見てないで助けて」
「無理」
「薄情者め」
そんな天然さんを相手にしてるとルキアさん登場。
「朽木ルキアです。皆さんどうかよろしくお願いします」
なんか笑顔でキラァァァァ!ってオーラ出してやがる。
素を知ってるだけに噴出しそうだ!
美少女設定を強めすぎたか!
「オホォォォォォ!」
浅野くんが異常に興奮しておられる。
落ち着け、中身は年齢的にババァどころじゃないぞ。
200近いかもしれん。
しっかしアレが浦原製の特別義骸か、
それにルキアさんにはもうアレが埋め込まれてるんだよなぁ…頭が痛い。
ちなみに席替えして今は壁際、前に織姫ちゃん、後ろにモブ男子、隣に石田くんという配置だ。
毎日罪悪感で胸が痛い。
ルキアさんは…っと一護クンの隣か。
いやー、一護クンが来るのが楽しみだ。
そして二限目が終った休み時間。
一護クン登校。
「うーす」
「遅かったね、トラック突っ込んだらしいけど大丈夫?」
「おう、全員無傷だ」
「えっ!?黒崎くん家トラック突っ込んだの!?」
「みたいよー」
「アタシも今知ったよ…」
「いやー遊子ちゃんや夏梨ちゃんに何もなくて良かった♪」
「ああ…そうだな」
そして一護クン着席。
さ あ は じ ま り だ
「貴様…あなたが黒崎くん?」
「ん?」
「よろしく!」
ブフゥー!
もうおなか痛い!
すげえビックリしてるよ!
もう汗ダラダラだよ一護クン!
こらえろ!こらえろ俺!
「あ、彼女転入生の朽木さん」
「なっ…なんでてめぇ…」
「黒崎くん私まだ教科書とかないの。貴さ…あなたのを一緒に見せてもらってよろしいかしら?」
そう言って手を差し出すルキアさん。
「ね!」
見えた!手に「さわいだら殺す。」って書いてある!
「ね!」じゃねえよ!「ね!」じゃ!
面白すぎる!
そうしてルキアさんを連れて出て行く一護クン。
残念一護クン、もう少し周りの目を考えましょう。
転入生(女子)をいきなり連れ出すだなんておにーさん悲しいです。
騒ぎ出すクラスメイト、「ホゲェェェェ!!」と奇声を発する浅野くん。
実に面白い。
そういえばこの流れは、死神の力を失ったとか尸魂界に帰れないとかその辺の話かな?
あ、この感じは死神化したみたいだねぇ。
これから死神代行か。ご苦労様です。
その後、魂の抜けた一護クンの体は保健室行き。
昼休みに戻ってきた一護クン達を見つめていると「ハッ!」とした顔になったので「いい笑顔」を見せておいた。
一護クンの顔が青ざめていたような気がする。
失礼な奴だ。
『あとがきゴールデン』
ようやく死神化しました。
さーこっからがたいへんだ(浦原風に)
「前半いらねぇ」と思ったあなたは作者もわりと同感ですのでお気になさらず。
今回も話薄くてスイマセン。
「ねぇねぇ、ハリベルさんは出ないの?」と思ったあなたは本誌で出ておりますのでそっちでお楽しみ下さい。
作者の嫁のハリベルさんが頑張っております。
「ルッキーニ?」と思ったあなたは目ざといですね。
作者脳内でのルキアさんの別名です。特にロマーニャの縞パン娘とは関係ありません。
次回、お話…しよっか…発動。