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No.5293の一覧
[0] 今朝夢で見たものを元になんとかSSを書いてみます(ネタ)[どり~む](2009/06/02 22:43)
[1] 第1話「なんと初回はお読みしやすいように文字数少なめに!」[どり~む](2009/01/06 23:48)
[2] 第2話「設定、一人語り過多なので読むのが面倒になったらあとがきを読んで下さい」[どり~む](2009/01/06 23:47)
[3] 第3話「なんかもう既に書いてて胃が痛い」[どり~む](2009/01/06 23:49)
[4] 第4話「毎回書いてるときに変な声が出そうになります」[どり~む](2009/02/08 00:28)
[5] 第5話「消されるなこの思い 忘れるな我が痛み」[どり~む](2009/01/21 19:49)
[6] 嘘予告「だって1回はやってみたいじゃないですか」[どり~む](2009/01/21 19:55)
[7] 第6話「ようやく本編開始時期になります」[どり~む](2009/01/06 23:55)
[8] 第7話「NHKラジオ聞いてたら<わたしにできること>が流れて大笑い」[どり~む](2009/01/06 23:58)
[9] 第8話「新年一発目がこんな話でごめんなさい」[どり~む](2009/01/06 23:40)
[10] 第9話「ネットは時間ドロボウすぎると思います」[どり~む](2009/01/21 19:56)
[11] 第10話「現世のまま20話超えそう」[どり~む](2009/01/13 19:54)
[12] 第11話「喫茶店でも開かないとマスターなんて呼ばれそうにないです」[どり~む](2009/01/13 19:51)
[13] 第12話「タイトルはだいたい響きや雰囲気優先ですのであまり気にしない方向で」[どり~む](2009/02/19 21:55)
[14] 第13話「あの世界は不思議アイテムが多すぎる」[どり~む](2009/01/21 19:47)
[15] 第14話「でちゃった♪」[どり~む](2009/02/19 21:56)
[16] 第15話「まさか3話もかかるとは…」[どり~む](2009/04/12 19:31)
[17] 第16話「深夜のテンションで書き終わった翌日ビクビクしながら推敲した回」[どり~む](2009/03/29 19:23)
[18] 第17話「とくに何もない話」[どり~む](2009/02/08 00:27)
[19] 番外編1「起きたら書きあがっていたものを見てこれは酷いと作者は思った」[どり~む](2009/02/08 00:25)
[20] 第18話「あんな奴…投稿しなくても寂しくなんかないんだからねっ!とか言って欲しい」[どり~む](2009/02/19 21:50)
[21] 第19話「ひとまずこれでお別れです」[どり~む](2009/02/22 20:29)
[22] 第20話「ついスルーしがちだけど痛かったりします」[どり~む](2009/03/29 19:23)
[23] 番外編2「持っていかれた…ッ!」[どり~む](2009/05/19 19:57)
[24] 第21話「いとも容易く行われるありえない行為」[どり~む](2009/05/19 19:58)
[25] 第22話「動き出した新たな勢力」[どり~む](2009/06/02 22:41)
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[5293] 第18話「あんな奴…投稿しなくても寂しくなんかないんだからねっ!とか言って欲しい」
Name: どり~む◆39e52559 ID:12833398 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/02/19 21:50
「もしもし、おじさんですか?」

「おお、優姫ちゃんどうしたこんな時間に」

「明日の日程を教えていただこうかと思いまして」

「いいけど何かあったのか?」

「なんとなくなんですけど、明日もしかしたら何か起こるかも知れないのでフォローに回れるように先回りしておこうかと」

「…また虚か?」

「まぁ今回は予知じゃなくて勘なので、一応です一応」

「いつも悪いな、俺も動けたら良いんだが……」

「もう6年前とは違ってこっちもそこそこ力は身につけましたから大丈夫ですよ。それに今回はこっちも3人でピクニックですし」

「それなら良いんだが…。しっかしあれからもう6年か……一護の言う『ヒーロー』ってのは結局何者なんだろうなぁ」

「え゛? いやぁー何なんでしょうねぇ」

「浦原は得体が知れないとか言ってたけど、俺からすれば優姫ちゃんと同じく真咲と一護の命の恩人だから一度礼を言っておきてぇんだがなぁ」

「ん~その辺は私も関わりの無いところですから何とも言えませんね。あの手のものは正体不明と相場が決まってますし」

「そうかぁ、それじゃ明日の日程はファックスで送っておくわ。頼むな、優姫ちゃん」

「はいはい了解です」

「それで「きません」……はい」



しばらくするとファックスで32ページにわたる『黒崎家ピクニック祭り ~ポロリもあるよ~ 蛙飛び込むラッシュアワーの音 in Summer』が送られてきた
おじさんは一度脳の検査に行っておいたほうが良いと思う。



















dream 12.   『Hints On Hero』



















いやー夢の国ってここじゃないの?
織姫ちゃんとルキアさん連れてピクニックとか前世からすると考えられない日曜日だよ。
夢の国を探す俺の名を誰もが心に刻むと良いさ!アレのアニメのOPは良かった。スープー乗りたい。


「黒崎家も楽しそうで何よりだね」

「うむ、虚の出る気配もないようだし今日は何事もなく休日を過ごさせてやれそうだ」

「遊子ちゃん達もはしゃいでるね。いいなぁ、あたしも混ざりたいなぁ」

「ダメよ織姫ちゃん。一応私たちが来てるのはナイショなんだから」

「はぁい…あ、このから揚げ美味しい!」

「フフフ…私もやればこのくらいは作れるのさ」

「こちらのエビフライと言うのも中々…天ぷらとはまた違う美味さが」

「あーやっぱり和食専門だったりするの?」

「うむ、大体そのような感じだ。おお、この玉子焼きも美味い」

「あ、それあたしが作ったの」

「中がトロッとしてて美味しいねこの玉子焼き」

「えへへ、そう?」


時間は昼。
朝から先回りして、少しはなれた地点から黒崎家を見守りつつの昼食。
ほのぼのとした穏やかな流れの中、春の陽気も手伝ってやや眠くなってくる。
あー、このまま何も起きずに無事帰れますように。






なんて思ったのがいけなかったのだろうか。
500m程離れた地点にホロウが現れたらしく、ホロウ特有の嫌な霊圧を感じてしまった。
なんて空気の読めないやつだろうか。俺が直接始末しておきたいくらいだ。


<<来たねー>>

<<来てしまいましたね>>


一護クンには悪いがコレも経験値稼ぎだと思って我慢してもらおう。
持ってたおにぎりを一気に食べてルキアちゃんの方を向く。


「ルキアちゃん、あっちの方角500mくらいにホロウが出た」

「何?」


ルキアちゃんが懐から伝令神機?とかいうケータイを取り出しカチカチ弄り始める。


「いや、指令は来ていないようだが」

「うーん、それほど強く霊圧を発してはいないようだから捕捉が遅れてるのかな?」

「あちゃー…黒崎くんせっかく家族でお出かけだったのに……ねぇ優姫ちゃん私たちじゃ…」

「織姫ちゃんの優しさに私が泣きそう。とりあえずちょっと様子見てくるからルキアちゃんは一護クンに電話ヨロシク」

「何!?危険だ優姫!」

「アディオス」


何か言われる前に即瞬歩。
あっさり使ってるみたいだけど実は結構苦労したのよ?
自転車乗りたての子供みたいにガスガス転んで怪我しては治癒。またガスガス転んではの繰り返しだったもん。

さーて今日のホロウさんはっと。あ、いた。


「スピカ」

<<はい>>

右手にスピカを顕現。勿論ノートモード。

「『結界』」


ステルスを張って観察開始ー。
チート過ぎてもはや笑える段階だなこのスキルは、便利すぎる。




さてさて今回のホロウは……ホロウ?
顔を見るとマーダーピエロもどきって感じで、あとはマント羽織ったへんな衣装のハゲなんだけどこれマジでホロウなの?
サイズも5,6mくらいでやたらでかい人型だし、仮面も下半分しかないよ?
でも一応胸に穴開いてるからホロウなんだよな……。
何でホロウ穴って大体胸に開いてるんだろう…あ、心が乾くとか満たされないって表現か。
にしてもこんなやつ原作にいたか?




んー…………あ!いた!こいついた!
確かあの仇のホロウが一護クンに負けた後、どっかで手術したときの第二段階っぽい!

ジャンプ読んでた頃はてっきりあの後ホロウとの戦いが熾烈になるかと思ったのにそのまま出番がなく尸魂界編。
インフレが加速して通常ホロウなんて忘れた頃に破面化(第三段階)して再登場したと思ったら一護パパにあっさり斬り殺されたやつだ!

俺が6年前に一度ボロボロにしたからこの時点で第二段階の登場なんだ…大丈夫かな一護クン……。
先日アジューカスを斬殺した俺からすればノーマルが仮面はがしたところでスライムがスライムベスになった程度なんだけど、
今の一護クンからすればちょっと苦戦度合いが上がるかなーって感じなんだよね。まいったなぁ。

一応やれるところまでやらせてみるか?
原作で苦戦したのは真咲さんの仇ということで頭に血が上ったからだった感じだし。
それにもう暫く後のイベントでメノスグランデ斬るもんな一護クン。このくらいの奴なら霊圧的には現状でも勝ってる。
……ピンチになったら手を出せば良いか。今の力を計るにはちょうど良いイベントになりそうだ。
よし、方針も決まったしルキアさん心配してるだろうから帰るか。












ピピピピピピピッ


「む、ようやく指令が来たな。全く遅いわたわけめ。方角、距離共に優姫の言ったとおりだな……私も先程気づいたと言うのに鋭い奴だ」

「やっぱり優姫ちゃんって凄いの?朽木さん」

「いや、もはや凄いとかそういう段階では…。先程のも間違いなく瞬歩だろうし」

「お褒めに預かり光栄の至り」

「……ここまで気配を殺して私の背後に回れる人間はそうおらん」


突如現れた俺に対してルキアさんから呆れにも似た視線を感じる。
やだなぁ、股座がいきり立つじゃない。いきり立つものはもう無いけど。


「ホロウ確認してきたよ。それより一護クンは?」

『ここだ』


草むらを掻き分けて一護クン登場。
既に死神化しているようだ。早くて助かる。


「おお、早かったね」

『つーかお前いくらなんでも一人でホロウ見に行くってのはどうかと思うぞ』

「お優しいねぇ一護クンは。で、実際見てきたんだけど今回のはちょっと手強いかもよ。雰囲気が違う」

「具体的には?」


ルキアさんの顔が険しくなる。休日出勤な一護クンに申し訳なさを感じているところにさらにドン!だからな。
良い子だ…。


「おっきい人型で仮面が上半分外れてた」

『いつもと霊圧が違う感じがしたのはそのせいか…』


まるで料理の説明を受けた人みたいなセリフだな。
そのうちソムリエじみた霊圧の微細な違いの解説とか出来るようになるんじゃなかろうか。


「流石、数をこなしてると言うことが違うね。危なくなったら私らがフォローに回るから気にせずやると良いよ」

『いや、それなんだけど何でお前と井上がいるんだ?ルキアがいそうなのは何となく予想してたけどよ。それに井上にも俺が見えてるみてぇだし』

「えへへー」


織姫ちゃんの太陽スマイルがさくれつ!俺の心が癒されていく!


『いやえへへじゃなくてだな…』


ざんねん!一護クンにはつうじない!
本当に♂ついてるのか一護クン。


「その話は後々ねー。今はとにかくホロウを倒してらっしゃいな」

「まぁ釈然としないものを感じるがとにかく行って来らァ!」


ザッと一護クンが駆けて行く。
そしてそれについていく俺達。


「今回織姫ちゃんは一護クンの戦い方やホロウがどんなものかよく見ててね」

「う、うん」

「六花は一応いつでも出せるようにね」

「六花と言うのは例の井上の能力か?」

「そ、この何時もつけてるヘアピンが斬魄刀の代わりって感じかな」

「ほう…それはまた珍しい」

「っともう着いたか」


場所は開けた原っぱ。
待ち受けるは本来仇となるはずだったホロウ。
そして飛び出していく一護クン。
さぁ戦いの始まりだ。



















一護が茂みを抜けた先には優姫の説明通り、今までの虚とは異なる人に近い姿、されど明らかに人とは異なる姿の虚がいた。
その後姿から発されているどこか異質な霊圧に臆することなく、一護はその巨大な斬魄刀を肩に乗せ歩み寄っていく。
すると虚がその口を開いた。嘲笑するかのような不快な声が辺りに響きわたる。


『ほぅ、死神か』

『デケェなお前、マジでホロウか?』

『ひ?ひひひひひひひひひひっ!!!』


振り返り一護の姿を見て突然、虚が笑い声を上げる。
だが一護にはその理由が分からずその眉間にさらにシワが寄るのみ。
何がおかしいのか問おうとした瞬間、虚の口が更に言葉を吐き出した。


『これは面白い!奴に借りを返しに来たのだが、その髪の色はお前あの時の餓鬼か!?』

『はぁ!?何言ってんだテメェ』

『ああ、もう姿が違うから分からぬか。ほれ、あの雨の日、貴様等母子を喰おうとしたワシを忘れたか』

『ッ!?』


その瞬間一護は理解する。
何故これ程までに自分の姿を見た虚が笑い声を上げたのかを。
コイツはあの日のホロウなのだ、あの日本体を潰され逃げ落ちたホロウなのだと。
そして『戦う力』を手にした自分の前に再び立ちはだかったのだと。


『ひひひひひひ!思い出したか小僧!何と言う幸運!あの時喰らい損ねた餓鬼が美味そうに肥えて再びワシの前に出てくるとはな!』

『ついてるな』

『ああ!全くだ!奴を殺して喰らう前にお前を喰ろうてやろうぞ!そして次はあの女だ!ひひひひっ!』

『いいや、ついてるのは俺の方だ!』


一閃。
瞬きをするより早く、虚の前に飛び上がった一護の斬魄刀が左肩から右腰にかけて体を切り裂く。
喜びに我を忘れていた虚は、反応が遅れたのか反応しきれなかったのか、刃をただただその身に受けるのみ。
激昂した虚は先程までの余裕が嘘のように声を荒げ、叫ぶ。


『こ!この餓鬼がぁぁぁぁぁぁ!!!殺す!殺してやる!!』

『ああ、かかってこいよ。全くついてるぜ俺は、これでまた一歩『あの人』に近づけるんだからな!』


一護は歓喜していた。これはまるで『ヒーロー』が自分に貸した課題であるかのように感じられたのだ。
もちろんそんな事は無くただの偶然だと言うことも分かっている。それでも嬉しかった。
あの日の遺恨を断つ事と、『ヒーロー』の強さに近づくことが同時に出来るのだから。

そう、この時一護は死神と自覚して以来初めて自分の為に戦うのだった。










───────── 優姫


おー、一護クン飛ばしてるねぇ。
最初はどうなるかと思ったけど意外と良い感じにスタートしたじゃないの。
特にピンチにでもならない限り俺達はこの離れた茂みから戦いぶりを観察させてもらおう。


「グランドフィッシャー。中の上といったところか…中々手強いぞ一護……」

「あれ?そのケータイ、プリントアウト機能までついてるの?」


ルキアさんのケータイの上部分からジジジジジと情報が印刷された紙が出てきてる。
便利だねーそれ。何気に変なところはハイスペックだったりするんだよね尸魂界。
ていうかそう言えばあいつグランドフィッシャーとか言う名前がついてたなぁ。
すっかり忘れてた。


「うむ、調べたところ本来は頭部から生えた疑似餌で喰らう人間を選別していたようだが……」

「無いね」

「無いよね」


ルキアさんの動きがぴたりと止まる。
いや、だってあれどう見てもハゲじゃないですか。一応後ろに何か生えてはいるけど。


「……無いな、先程の会話から察するに恐らく奴が例の6年前の虚なのだろう。その時の負傷で消えた能力なのかも知れぬな」

「あれが…黒崎くんの……」

「私が聞いたときは四速歩行で毛むくじゃらのバケモノだったはずなんだけどね…何あの超進化、ダーウィン馬鹿にしてるの?」


本編の破面勢とかになるとグリムジョーさんなんか色々して面を取るだけで豹から人間になってるくらいだからなぁ。
いくらなんでも反則でしょアレ。


「あ、今モロに殴られた。大丈夫かなー…一護クン」

「やはりこちらで援護するべきか!」


我慢できなくなったのかルキアさんが茂みから飛び出したその時だった。


『来るなルキア!』

「な!何を言っておるのだたわけが!いいか!?奴は50年以上も死神を退けて」

『頼む!』

「ッ!?」

『頼む、手ェ出さないでくれ!これは、俺の戦いなんだ!』


一護クンが己の心情を吐露する。
そうか、何だかんだで結局こいつあの日のホロウだもんね。
原作では真咲さんの仇だからってのがあったけどこの世界でもやっぱり思うところはあったか。
……それなら仕方ないな。


「一護クン!」

『何だよ!』

「『分かってるだろうな』!?」


俺がニヤリと笑うと一護クンも視線はグランドフィッシャーに向けたままニヤリと笑みを返す。


『当然だ!『死んでも勝つなんて言わねぇ!戦って倒して、それでも生きて帰って初めて俺の勝ち』だ!!』


それを聞いて思わず俺の笑みが濃くなる。
分かってるならそれで良い。
左手を腰に、そして右手は横にビシッと薙ぎ最後に言いたいことを伝える。


「よろしい!ならば勝て!怪我ならいくらでも治してやる!」

『おう!』


ちなみに今のはこちらの昔の特撮での名ゼリフの一つだ。好きだねぇ一護クン。俺もだけど。
『ヒーロー』を目指すのは結構だけどそれで死なれたら他の皆はどうするんだって話だからな。
最期に「お前はなるべく生きろ」とか辛すぎるって話だよ。
マジ最終回手前にして泣きそうになったもん俺。ありがちと言われようがハッピーエンドが一番なのよー。


『ひひひっ!そっちにもおるのか!』


あ、やば。
俺達のやり取りでグランド…GFでいいや。
GFが俺達のほうに文字通り手を伸ばす。ルフィかお前は。


『危ねぇ!』


しかし一護クンはGFに牽制され間に合わない!
迫るGFの魔の手!俺達ピンチ!


「しまった!……なぁんて言うと思ったか」


GFの手は突如現れた壁に阻まれる。
火無菊、梅厳、リリィで『外部の拒絶』という特性を持つ三角形の盾を形成する『三天結盾』だ。要するにシールド。
ぐしゃあと突き指したような音がしたが気にしないでおこう。


「ナイス織姫ちゃん!」

「うん!」

「これが井上の力か!」

『はぁ!?』

『女ぁぁぁぁぁあ!!!』


ははは!見たか!既に織姫ちゃんは言霊が無くとも六花を使えるのだ!
織姫ちゃん情報皆無な一護クンのビックリフェイスが非常に心地良いね。
GFなんて怒り狂ってやがる。超楽しい。ゲェハハハハ!!


「そしてこれはお返しだ。『障壁』!」


GFの腕、その上空に円盤状の桃色魔方陣な障壁が展開される。
そしてそれをどうするかというとだ、頭上に掲げた俺の手を勢い良く下に振り下ろす!


「落ちろ!」


俺の手の動きにあわせて勢い良く落下した障壁は見事にGFの腕を切り落とした。
まぁアレだ、イメージとしてはギロチンみたいな感じ。
さっき出しておいたスピカノートを背中に隠して補助してもらっているのでかなりの硬度があり、腕がバターみたいにすっぱり斬れた。
魔法世界広しと言えど、この手のバリアを攻撃用に用いたのってそうそう無い気がする。


『ぎゃぁぁぁ!!!!』

『エグッ!』

「う!うるさいな!突っ込むヒマがあったら早く倒しなさい!ちなみに今のは正当防衛だ!」


どうしてみんなこうも緊張感を保てないのだろうか。不思議でならない。
俺はこんなにも真剣だと言うのに。恥ずかしい。
ルキアさんと織姫ちゃんなんかぽかーんとしてるぞ。その開いた口に指でも突っ込みたいくらいだ。
あ、ゴメンどっちかと言うと入れて欲しい、むしろしゃぶりつきたい。


「す、凄いな……」

「凄いね……」

「あれ?何その反応?」


まるで俺が馬鹿みたいじゃない、やめてよね。
いや、今考えていたことは馬鹿丸出しだけどさ。


「いや、ああいうのは普通、防御用だとばかり思っていたのでな…」

「椿鬼くんもビックリしてるよ…」

「えー…」


いいじゃない、手持ちのカードで応用効かして戦うっていいじゃない。
派手さが無くなって地味になるかもだけどそういうの好きなんだよね。
ギロチンはいささか絵的にどうかとは思ったけど。


<<……ユウキには拷問趣味が?>>

<<ありません>>


メイデン様は好きだけどね。

とかやってる間にも戦いは激しさを増していく。
あの図体でそこそこ素早い動きをするからズルイよなぁ。走る回る後ろを取る斬る防ぐ殴る避けるでもう大変。
もっとヘアッ!デュワッ!って感じのゆっくりした動きなら倒すのも楽なのに獣じみた速さなんだよねGF。
いや、でも一護クンもかなりのスピード出せてる……ってあれ瞬歩モドキ?


「ねぇルキアちゃん、一護クンのあの動きは」

「うむ、この前のインコのとき優姫が普通とは思えない速さで現れただろう?あの日、瞬歩の事を一護に聞かれたのだ。
 それで一応教えてはみたのだが全く使い物にならなくてな。実践でようやく少しずつ使えるようになってきたのはあやつらしいと言うべきか」

「瞬歩?それってさっき朽木さんが言ってたやつ?」

「うむ、死神が使う歩法で疲れはするが高速での移動が可能になるのだ。優姫が使った時は流石に驚いたぞ」

「へー瞬歩って言うんだ。慣れれば移動楽じゃないアレ」

「いや…そうも軽く習得された上、人の身でありながら容易く使われても困るのだが……ムッ!?」

「あちゃー…また喰らっちゃったね……」


やばー、最初はいけるかと思ってたけど今の段階でGF2の相手は厳しかったかなぁ…。
出血も多くなってきたしこれはもう手を出す必要があるか?
やっぱり今の段階じゃサポートしたほうがいのかなーと思ったその時だった。不意に一護クンが斬魄刀を高く掲げたのだ。


「む!?あの構えは!」

「知ってるの朽木さん!?」

「うむ!あれは「ブフー!」……どうした優姫」

「い、いや!なんでもない!ごめん!」


お腹痛い!まさかこっちの世界で「知っているのか雷電!」が聞けるとは思わなかった!
ナチュラルにやり始めるもんだからこれは不意打ちだよマジで!どんなミラクルだ!
最高のタイミングで横合いから殴りつけられるってこういう感じか!牛乳を口に含んでたら大惨事だったね!


『喰らいやがれ!『マイザァァァァァスラァァァァッシュ』!』


ギャァァァァァァス!!!
やりやがった一護クン!
あれは一昨年のヒーロー番組「超戦士 マイザージェード」で使われてた必殺技の1つだ!
素でやるなよ!死ぬだろうが!俺が!くやしい!でもかっこいい!


「なんと!斬魄刀に霊圧を纏わせ振り下ろすことでそれを飛ばすとは!」


そして再度解説役のルキアさんで痛恨の3コンボ!もうダメだ!主に俺の腹筋が!
チクショウ!皆して俺をはめようとしてるんじゃないだろうか!


『グギャァァァァ!!!!』


そしてそれを受けて大ダメージなGF。とっさにガードした腕が斬り飛ばされた。
すげぇ、もうノリが完全に特撮だよね。ピンチ状態から逆転の必殺技とか一護クン張り切りすぎじゃないの?


『コレで終わりだ!』


一護クンのハイテンションはそれだけに止まらず、斬魄刀に再び力を…って!斬魄刀が巨大化し始めた!!
当社比3倍くらいのサイズになってる!でかっ!更に刀身が銀色に輝き始めた!?
っていうかこれはアレか!もしかして「マイザージェード」終盤での必殺技!!


『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!『ファイナルドミネイト』!』

『ゴバァァァァァァァァ!!!!!!!!』


先の攻撃で怯んでいたGFに立ち直る隙も与えず、その巨大な斬魄刀で頭から真っ二つにする一護クン。
もう変な笑いが出てきそうだ。どうしよう…こんな形で原作解離起こすとは思ってなかったよ……。
「!」どれだけ使ったか考えたくない、驚きすぎた。


『お、おのれぇぇぇ……』


ドゴォォォォォォォン!


爆発したー!?
いやいや!普通はホロウって倒すとサァァァって消えていくんじゃないの!?何このノリの良さは!?
ていうかあの一護クンのやり遂げたって感じの爽やかな笑みは何!?


「ふぇぇぇぇ…凄かったね黒崎くん」

「まるでテレビで見るかのような決着だな」

「そうだね」

「ゆ、優姫ちゃん?目から光が消えてるよ!?」

「そうだね」

「まぁ…今回のようなケースは私も初めてだ…気にするな」

「そうだね」


微妙に先行きが不安になってきた初夏の午後でした。















『あとがきゴールデン』


皆…聞いて欲しい事があるんだ。
今回の投稿の遅れ、そして一護の壊れ具合、恐らく皆は作者のせいだと思ってるかもしれない。
だがそれは違うんだ。良く考えて欲しい…皆も思い当たるところがあるんじゃないかな……。
そう、今回の事件の真犯人、それは乾巧という男なんだよ!

と、ややカイザっぽく言いましたがもちろんそんな事は無く単純に時間が無かったとか中々上手く書けなかったとかそういう理由です。

一護に関してはやりすぎた気もしますが皆さんもH×H世界に行って具現化系の念を習得したらスタンドとか使いたくなると思います。そういうことです。
あーでも特撮関連のエピソードを過去話のどこかに入れておくべきでした。失敗。
ついでに次回からは一護も元に戻ると思います。


「そういえばコンはどうしたの?」と思ったあなた、良いところに気づきましたね。
実は初めから義魂丸状態で一護のポケットに入っていて、連絡を受けたら速攻入れ替わってきたと言う設定です。さっき書き忘れに気づきました。

「そういえばあの第二段階はなんだったんだろう」と思ったあなたは全くの同感です。
尸魂界編終わったあとに出てこられてもなぁ…と思ってたら見事なかませ犬でしたね。

「一護…お前…」と思ったあなたは自分の過去を振り返ってみて下さい。
かめはめ波や波動拳の練習したことある人いるんじゃないですか?


次回、降臨、満を持して。


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