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No.43467の一覧
[0] [メモ]流血系魔法少女と吸血鬼[不可逆](2020/02/14 13:50)
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[43467] [メモ]流血系魔法少女と吸血鬼
Name: 不可逆◆4c37769b ID:d31df5c6
Date: 2020/02/14 13:50
 運命論者はかく語る。
 運命とは、人が生まれ持った、神から与えられし役割だと。
 
 神はかく語る。
 運命とは、当然の摂理であり、それに抗うこと自体が欠陥の証であると。

 悪魔はかく語る。
 運命とは、運命とは。

 吸血鬼はかく語る。
 運命とは、障害である。試練である。
 
 「だから、運命を嘆いて、それでも前に進む人間が、とても愛おしい。」
 「私たちは人ではなくなったけれども。」
 (運命に呑まれてしまったけれども)
 「手助けができるなら」
 (かつての自分たちと重なるから)
 
 吸血鬼は、全存在をエネルギーに変えてーー放つ。
 
 「命すら、惜しくないーー!」

ーーーーーーーーーー

 私の夢は魔法少女。だが、目の前の進路希望調査表には書けないし、戦うべき悪役なんて存在しない。それどこか下手なやり方で倒したらSNSで炎上して、叩かれて挙句の果てに人生まで叩き潰される。あと、納税とか面倒くさそう。
 「……でもなあ。」
 
 頰杖をつきながら、かれこれ三十分。
 何がどうあれ、私はこの授業中にこの空欄を埋めなくてはならなかった。

 チャイムのなる五分前にようやく手を動かした。
 母親が勧めた近所の看護大学を一番上にして、東京のどっかの大学の看護部を挟んで。最後にふざけて東京大学の医学部、と書いて前に送る。
 なんだか黒い何かがどんよりと胸中に溜まっていたが、窓の外を見てやり過ごす。
 そうして、気がつけばホームルームが始まって、終わっていた。

 学校では寂しい私。今日も帰宅が早かった。

 「ねえ、そこのお嬢さん?」
 いつもの帰り道。
 ふわふわの雪道をわっせわっせと踏みながら歩いている時、男の人に声をかけられた。
 そして振り向く「はいーー」

 句読点をつけるその前に。
 ーーーー私の左肩が千切られた。
 
 「僕の餌になってくれますか。」
  
 私自身の絶叫で、男が何を言ったのか聞き取れなかった。
 


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