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No.43292の一覧
[0] (習作)『汝、感情(リリカル)を焚べよ』(リリカルなのは×ダークソウル及びブラボその他)[ベリーイージー](2019/06/14 00:00)
[1] 序章『亡霊、欲望を焚べる』[ベリーイージー](2019/05/29 16:52)
[2] 序章『亡霊、欲望を焚べる』Ⅱ[ベリーイージー](2019/05/29 16:53)
[3] 間章『少女、厭世を焚べる』[ベリーイージー](2019/06/27 21:40)
[4] 間章『少女、執着を焚べる』[ベリーイージー](2019/06/27 21:40)
[5] 零章『隠者、情動を焚べる』[ベリーイージー](2019/08/14 22:53)
[6] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅱ[ベリーイージー](2019/08/14 22:53)
[7] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅲ[ベリーイージー](2019/08/14 22:53)
[8] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅳ[ベリーイージー](2019/08/14 22:54)
[9] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅴ[ベリーイージー](2019/08/14 22:54)
[10] 間章『旅人、因果を焚べる』[ベリーイージー](2019/08/14 22:54)
[11] 間章『先人、応報を焚べる』[ベリーイージー](2019/08/14 22:54)
[12] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅵ[ベリーイージー](2019/08/14 22:54)
[13] 零章『隠者、情動を焚べる』Ⅶ[ベリーイージー](2019/08/14 22:55)
[14] 間章『少女、未知を焚べる』[ベリーイージー](2019/08/14 22:56)
[15] 一章『賢者、情念を焚べる』[ベリーイージー](2019/08/16 02:01)
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[43292] (習作)『汝、感情(リリカル)を焚べよ』(リリカルなのは×ダークソウル及びブラボその他)
Name: ベリーイージー◆16a93b51 ID:0eb4fd94 次を表示する
Date: 2019/06/14 00:00
更に注意1・題名変えました。前のは『その日彼女は欲望を焚べた』です。
注意2・一部キャラ(三期?)不遇(もしかしたらアンチ描写?)、偶に誰か出落ち気味に退場したりします、ファンの人はごめんなさい・・・
注意3・前回投稿分と展開が変わってます、大筋はそのままだけど一部露骨に出番が減ったり・・・ですがイベントの順序が変わったりで再登場あるかも、とだけ。



・・・それはある種の『回顧録』、少し先の話。



カッとライトが石壁を照らす、カツカツとせわしなく足音が暗い空間に響く。

「……」

進むは重装備の影、虫に獣避けかあるいはガス等への警戒かフードに外套。
男か女か、あるいは人ではない何かか、又ソロ(一匹狼)か集団の切り込み役か最低限それすらも定かではない。

「…………」

目的はあるダンジョン、そこにいるとされるとある人物にコンタクトすること。
彼ないし彼女はその為にそれなりに高い報酬で雇われた人物。
本人が法の側か、白か黒か、あるいは『灰』なのかもこの場は関係ない。

「……っ」

やがて目的地、正確にはそこに続く道を見つける、獣道と形容することすら憚れる悪路。
あるいは目的の人物やその仲間ならショートカット用のルートがあるかもしれないが。

「っっ…………」

出かけた溜息を堪え彼ないし彼女は進む、悪路を強引に踏み分け進んで進んで。

「っ!?」

ある地点で警戒、周囲に気配が。

『……』
『……』
『……(ニヤリ)』

それは半透明の影、概ねやや黒い霞のような体の数人が立ち塞がる。
ある者は恰幅の良い皮鎧の大男、ある者は質素な貫頭衣の痩身の女、あるいは性別すら判断できない原色の衣装に仮面の何者か。
どこか殺気だった様子の彼等がジリジリと旅人を囲んで。

カツンッ

「……そこまで!」
『っっ!?』

一喝、女の声が包囲していた影の動きを止める、彼等は渋々と声に押され下がっていく。
そして入れ替わるように現れたのもまた『黒』。

「失礼した、あれ等は人見知りするタチでね」
「……」

少し気まずそうに頭を下げる『黒』に彼ないし彼女は軽く会釈だけ返す。

「……旅人、ではない、か……人かな目的は、ならば奥でしょう」

彼の容姿から背景を推測し一応合点した様子で先を促す『黒』。
先導する(恐らくは)彼女を彼ないし彼女は警戒の表情でやや離れて追う、何故なら『黒』の異常さはある意味先程の何人かの影以上なのだから。
それは正に『黒』、暗黒その物から削り出したかの如き辛うじて人型とだけ判る。
加えて動く度にギシと軋み、具体的には『骨と骨』が擦れ合うような異音がし、可笑しいが精々自律する影程度で人らしいシルエットの三人は到底比べられない。

「ああ、ここです」
「っ!?」

ある程度道を進み幾つかの階段を超えて、ある扉の前で黒い女が立ち止まる。
がそこで彼女は首を傾げ、続く彼(彼女)は警戒の表情で身構える。
激しい剣戟、明らかな戦闘行為が。

「ええと、開けます、よ?」
「……」

二人は一瞬躊躇った後ゆっくりと扉を開けて。

『死ねいぃ!』

ドゴオッ

二つの影が中でクロスカウンター。
それぞれ鋲付きの腕帯『セスタス』と骨を削り出し打撃性を重視した『骨の拳』が交差し相手の顔面にめり込む。
黒を基調とした旅装だがどこか現代の流行から離れた装束『異国の装備』の女と、皮と金属を編み込み強度小回りを両立した『放浪の装備』の女が同時に倒れる。
その二人の横顔だけだが『炎の如き爛々と輝く赤い瞳』と『どこか怪しくギラつく黒い瞳』が一瞬見えた。

「ぐふっ、こんな、時代遅れに……」
「ぐ、お、社会不適合者に不覚を取るとは」

それぞれ相手の悪口を言いながら、重なるようにバタリと倒れた。

「……何時もの事ですね」
「っっ!?」

なのだが黒い女は気にせずスルー、二人の戦い(多分下らないことで始まった)から目を逸らし荒れた室内を片付け始める。
その片付けが終えねば彼(又は彼女)の仕事も終わらずと嫌々手伝おうとして。

パラリ

「……?」

拾ったそれは何らかの名を記したリストで。

『原罪の探究者アンディ―ル』
『渇望のデュナシャンドラ』
『憤怒のエレナ』
『エス・ロイエスの白王』
『最後の守り手アルシュナ』
そして『新たな原罪の探究者―――――

「っと、その資料で最後、ご協力感謝を」
「……っ」

途中で女が取り上げてしまった、何となく中途半端な気持ちになってしまう。

「ああ、気になるので?……そうですね向うの二人、困った同朋どもの復活には少しあるし」

僅かに考えてから黒い女がピラと数枚の書類を取り出す、さっきよりも新しく又詳細なもの。

「……話くらいはいいでしょう、『これ』とかどうです、最新版の……『イレギュラー』の話とか」

新たに見せられたそれは前のと違い更に詳しく、『茶のサイドテールの少女』に『紫の髪の年嵩の女』を初めとした容姿等もちゃんと乗っている。
当然似姿には名も記されていて、『大魔導師プレシア』『元評議会―――』『暗殺者ドゥーエ』と彼等から見た影響力の強い人物が並べられている。

「今の時代の主役と言っていいでしょうね、決して見過ごせない要素……この辺特に」

ほらと『なのは』、『シュテル』、最後に『オリヴィエ(ヴィヴィオ)』と。



零の章・最初に『二人』、それが欠けて『一人』になって・・・



昔々あるところに『白い竜』が一匹。
そいつはとても賢く、また異様なまでの口の上手さで人々を弄び続けました。
ある時は『権威』の象徴として大国の王を密かに操り、あるいは『信仰』の象徴として特別な武器を世の強者や英雄に与え戦いに駆り立てることも。

時々は人に気づかれ敗北したこともあるけれど、それでも体こそ無くしても何らかの形で世界を混乱させてきました。
前述したようにある世界では王を操り、ある世界では強力な『白く輝く』武器をばら撒いて戦場を荒らし。

そして、とある世界では欲のまま世界の理を我が物顔で侵したのです。
その竜の名は・・・



一人、ボロボロの衣装の女が荒野を駆ける、息を荒げそれでもその足は止まらない。

「……ああ、はあ、後少しで」

一人の女、いや能々見れば少し違う、その腕には毛布で包まれた小さな影。
小さな一つの、正確には一人の娘を抱え女は地を駆けていく。
十かそこらの小さな娘、震えるその背に手をやりながら女は前を見つめ必死に走る。
目的地はもう直ぐ、そこに彼女にとっての希望がある。

「……座標○○×、△△○、×××、そこまで行けば……」

それは一見唯の数字の羅列、だがその実は女が秘伝とその人生の師伝えられてきた『遺産』であった。
『限られた者だけが知る符丁』『文明の変化により変質した言語や文法』その他幾つもの妨害めいた要素を超えて知ったのは一つの情報。

「あそこに辿りつければ……この子はもう狙われない、敵にも、味方顔をした敵にも!」

彼女(あるいは彼女達)には敵が多かった、その身に秘められた異能に『知識』、それは勢力関わらずそれだけで殺意の理由に成る。
だけどそれも後少し、全ての追手を撒くことの出来る奇跡の地に繋がるまでの。

「座標○○×、△△○……ここだ!」

道が見えた、彼女にとっての光の道で。

ズダンッ

「……そこまでだ」
「あ、ああっ!?」

同時に女の希望はその敵にとって絶望に続く地獄への道、だから妨害の意思を込めた弾丸が足元を穿つ。
ギラと向けられる銃口は不吉に光で照り、そこから一歩でも進めば容赦しないと女を震えさせる。

「……見つけたぞ、『禁忌』を侵せし罪人め!」
「見ろっ、娘も居るぞ!」
「くっ……」

足が止まった女達を、武装した集団が慌ただしくも囲む。
チャキと突きつけられた刃に女が歯噛みする。

「……動くな、我等に着いてきてもらおう」
「……ふざけるな、そんなこと!」

リーダーらしき相手の警告の言葉、だが胸中の娘を抱きしめて母親は睨み言い返す。

「……もう一度だけ言う、着いてこい」
「ふん、刺客の言葉等……誰が!」

叫んで彼女は護身用の頼りない刃物を引き抜き、娘をそっと地に置いてから己が敵達に飛び掛かる。
数に武装に戦闘経験始め明確な戦力差、どうしようもない差があるのに。
そして『だからこそ』不完全ながらもその望みは叶えられる。

「負けるはずが無いと、そう『油断』して私への止めの優先をと、だから……座標×××、ここよ!」
「貴公、最初から……」

『一致する数字』、その身に刃を突き立てながら女は笑う、その手から遺産の情報を訳した紙片が落ちる。
それは正に彼等が立つその場所、けれど『僅かに誤差といえる程度の距離』だけ違っていて。

「……まさかここは境界、『差異』が顕現する!?」
「御党首、辺りがっ」
「これは、世界が歪んで……」

最初は僅かな揺らめき、だが勢いを増して渦巻く様に大気の歪みとなる。
段々と伝播し離れていた集団にまで、まるで世界を撹乱するのように。
『ただ一人』、『完全に一致する座標の中心』女の手から落ちた布包みの中の少女を除いて。

「……火が、灯る、光が生まれ……影も、また……」
「そしてそれは差異を生む、か……」

『ここ』と『ここではない』どこかが繋がって、手遅れになった彼等はそのどこかへと飛ばされる。
だけどそこに差がある、座標が示す道の中心の少女だけは台風の中心の如く平静の道で、それ以外は全く性質が違うと。

「祖よ、感謝を、よくぞ……隠されし、道、後世に伝え……」
「……道は、どこに続く?」
「……さあ、市街かもしれない、あるいは荒野か極北か、でも……道はか細く、獣道でも、他よりずっと確かな……」
「道通りなら安全、外れれば……地獄、世界の境、不可視の壁に叩きつけられ後は砕けるのみか。
……ああ貴公、見事だ」

思わずの称賛、この先に続くは二つ、内の側には希望ながらその僅かでも外は地獄と形容するしかない場所、ただ座標のほんの僅かな差が結果を分ける。

「これで……決着よ、両者の全滅で」
「ママっ」
「愛しき私の娘、あなたは……生きて、ね」

そしてひゅううと風が一度吹いて、後はそこには何も残らず、きっと生き延びただろう生存者の痕跡すらも。



ゆらゆらと最初に『火』、揺らめき踊るそれに照らされて世界は『光』と『影』に。
それから様々な『差異』から成る複雑な世界に、世界はずっとそうやって形造られていて。



そしてその日も再び揺らめきが差異を生んだ。



『その』少女は少しだけ複雑な環境で生きていた。
父と母は互いにそれ以前の結婚歴が有り、それぞれ連れ子がいて更にその二人とも少女は大分年の差が有った。
大人二人と大人に成りかけてる二人、その下で少女だけが唯の子供と幾らかの閉塞感のまま生きていた。



『だから』何時からか少女は『内』に関心を向けるようになった。
ある時ふとした自覚、自分の中に自分以外の二つ、『それが子供らしいのだと末子扱いを享受する気配りや』と『周りの大人を追い一人前扱いを求めるカッコ着けや』。
それ等は偶にぶつかり喧嘩し、あるいは誰かが調子を崩せば残りが支えるような不可思議な関係性。



そんな風に少女、『高町なのは』はそんな少しだけの歪さを秘める少女だった。
今思えば『異なる心』が一つの目的で動いたのは『あの日』だけかもしれない。



二人と一人、あるいは三人、少女と幾らか年嵩に見える女性が手を繋ぎ、それを落ち着いた風貌の少年が見守るように続く。

「ふふ、お父さん、驚くかなあ……」

そういう少女、白い学生服の彼女は向かう先を見て微笑んだ。
父親、要人護衛で名を馳せる彼が空港で仕事から帰るのを待ち構えるのだ。
きっと堅物の父だってその石面皮を崩さんと。

「いや、怒るんじゃないかしら……学校帰り直行とか確かに意表を突くけど」

それに手を繋いだ女が苦笑気味に答える、少し生真面目な理由で苦言を一つ。
すると少女は不満げに口を尖らせ、その矛先を向けかけた所で後ろから声が掛けられる。

「まあまあ、口煩いお姉さんは好かれないよ……こっちで取り成してやればいいだろ」

少女を応援する言葉、それに気を良くし出かけたクレームが止まる、ほうとそれに後ろの少年が安堵する。

「……危ない危ない、機嫌悪くすると長いから」
「ごめん、助かったわ……」

少女には聞こえないその言葉に、だけど気づけた前を行く片割れが小さく礼を言う。
最近生意気になってきた少女の口の、偶に来る被害を好き好んでる訳ではない(既に十分痛い目を見たともいうが)

「……はは、まあもう直ぐで」
「あ、ほら……」

呑気に笑う少女と、微妙に引き攣り顔の二人、相反する彼等は目的の直ぐ近くまで着いて。

ゥウウウウウ

「……え?」
「サイレン」
「何がっ」

視線の先の空港、そこから響く不吉な音。
三人は呆然とし、それからまず少女が脱し行動を映す。
ダッと勢いよく前へ、『音の源』へ。

「……お父さん!」
「ちょっ、どこに!?」
「待て、事態の確認を……」

二人の静止の言葉、そして止めるような手を、だけど彼女は振り払いそして駆けていく。
家族の危機に立ち止まってはいられない、そんな風に急かす『二人』に押されるままに。

「……ごめんっ」
『なのは!?』

謝罪の言葉を残し少女の背は遠のき、それで慌てて残された二人も動く。
女性は一瞬迷うように辺りを見てから少女の後を、それを見てから残された最後の人物である彼は携帯端末を取り出す。

「……追うわ、そっちは」
「人を呼ぶ、消防に救急に……そっちも気を付けて」

最後にコクと頷き合ってそれから彼等は行動を移し、先行く一人とそれを慌てて追う一人、そして見送る一人となる。
『普段は喧嘩ばかりの見えない二人』、今日だけ一致したある種の奇跡。
それが齎した即断即決故の物理的な距離、その『差異』の意味をまだ誰も知らず。



その日もゆらゆらと灯火は揺れていた『運命の悪戯が分けた決定的な差』を暗示するかのように。





ってな訳で、もう何作目かになるリりなの&他クロス作品です・・・
あっ因みにフロムソフトウェア作品とのクロスといいつつ、現時点でのクロスはまだいっこ・・・
・・・いや別の連載を一年以上放っぽいて何やってんでしょう自分、いやなんかスランプでうーん・・・気分転換というかエンジンかけてく助走的な感じで・・・
・・・とりあえず次(本編)へと続く・・・


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