UC 0079.11
宇宙でもチラホラとMS同士の戦闘が始まりました。作業用ポッドを改造した棺桶ことボールも大量に報告されています。
一機一機の性能は低くても、数は力になります。
地上では、いよいよ連邦の反攻作戦、オデッサの奪還作戦が始まろうとしています。
その対応の為にキシリアさんは、黒い三連星を含むドム2個大隊をオデッサに追加で配備したそうです。
ウクライナ南部は平地が多いのでドムは活躍できそうですね! 山とか森林が多い場所では、グフの方が取り回しが良さそうですが。
しかし、地上での戦闘では宇宙ほどMSのアドバンテージはありませんので、2個大隊程度の増援では史実通りに苦戦するんだろうなぁ。
私たち親衛隊第一独立遊撃艦隊はサイド3で、お留守番です。今世では、まだ一度も地球に降りていないので、いつかは行ってみたいですね。
恐らく、私がこの戦争中に地球に行くことはないでしょうけどね。
サイド3から、苦戦が確実な地球戦線を見ているだけなのも歯痒いのですが、仕方ありません。宇宙でも、連邦の反撃が始まっているのだから。
ここで、ジオン軍のMSの編成をば、
小隊→3機
中隊→小隊×4=12機
大隊→中隊×4=48機
師団→大隊×4=192機
基本は、これなんですけど、定員割れでも師団ですし、シーマ艦隊のように18機でも中隊だったりします。増強中隊って呼ばれているのはご存知の通りですよね。
キシリアさんが言った台詞で、
「黒い三連星だけで一個師団に相当する」
こんなのがありましたけど、そんなことは、ありえませんよね?
3VS192、これで勝てるのならジオンは既に連邦に勝利して戦争は終わっていますね。キシリアさんは酸素欠乏症に掛かってしまったのかな?
言葉の綾だとは思いますけど。
まあ、通常戦力の一個師団なのかも知れないけど。通常戦力ってなんだろ? ミサイルとか戦車とかかな?
ちなみに、連隊はありません。あえて連隊と呼ぶなら、2個大隊くらいの規模に纏まったのを連隊、3個大隊で旅団とか呼ぶんでしょうかね?
あと、MSの運用ですけど、師団単位での運用をすることは稀ですね。今回のオデッサの場合は、防衛戦で場所もオデッサ近辺と限定的です。
この場合の補給はオデッサがベースになりますので、基本的に補給の心配がないので、多数のMSを纏めて運用できるわけです。
これが、侵攻戦だと補給の関係で師団単位での運用は難しくなります。
当然、これは宇宙でも同じです。宇宙の方が厳しいともいいます。母艦の数が限られているわけですから。宇宙でMSを師団単位で運用しようと思ったら、
予備機を含めた場合はムサイ64隻、予備機も無しの全力出撃の場合でも48隻のムサイが必要になるのです。
いかにMSを師団単位で運用するのが難しいのかが、分かったかと思います。
それはさておき、
私たちシーマ艦隊所属のMS増強中隊はMSの更新です。新型に更新して、どうなったかといいますと、
MS-14Fs シーマ、クスコ、ルーデル シーマ様専用ゲルググってワンオフ機じゃなかったのね。
MS-14F 他のみなさん。
MS-14F、ゲルググ・シュッズスタフェル? 略してゲルググSS。ゲルググ親衛隊仕様って意味ですか? 外見はマリーネみたいな感じですけど。
スペックはといいますと、
MS-14Fs、ゲルググ・シュッズスタフェル指揮官機
ジェネレーター出力 1490kw 推力 89,500kg
武装は、MRB-110ビームライフル、腕部110mm速射砲×2、ビームサーベル、40mm頭部バルカン。臀部に予備でMMP-80マシンガン、大型シールド
増設プロペラントタンクは4基装備
もう、一年戦争では、ほぼ最強に近いMSといっても過言ではないですね!
MS-14F、ゲルググ・シュッズスタフェル量産機
ジェネレーター出力 1440kw 推力 69,000kg
武装は、ビームライフル、腕部110mm速射砲×2、ビームサーベル、臀部に予備でMMP-80マシンガン、大型シールド
増設プロペラントタンクは2基装備
うん、量産機としては、この機体も一年戦争では最強かも知れない。
オマケ
MS-06R-2S マリア・アイリーン 私の愛馬は凶暴です。じゃなくて、私の愛機は変わりません。MS-14Fsだったら欲しかったなぁ。グスン。
ゲルググは盾も標準装備になって、安心感が増しましたね。予備にお尻にマシンガンも取り付けてあって、ビームライフルの弾が切れても安心です。
てっきり、MS-14Aが回ってくるとばかり思っていたので、嬉しい誤算ですね!
それと、Fs機にはパーソナルカラーが設定されましたよ!
シーマ様は、紫色の胴体とカーキ色の四肢で、膝から下のカバーは紫色 多分、史実とおなじ配色みたいな感じ。
クスコ・アルは、ピンク。全身ピンク! ピンクでもパーツによって色の濃淡はありますよ?
ルーデルは、灰色と黒のツートン ルーデルやったね! 脱モブだよ! まだ、台詞はないけどさ。
二人とも配色の構図はシーマ様とおなじ。
一般機は灰色がメインの塗装です。クスコ大尉のピンクのゲルググが目立ち過ぎます。
なぜ、ピンクにした・・・
UC 0079.11.10
いま私たちがいる場所は、地球静止衛星軌道にほど近い宙域です。
武運拙くオデッサでの戦闘は、ほぼ史実通りにジオンは負けてオデッサを放棄することで終わりました。もっとも、連邦軍も相応の出血は強いられましたが。
増援に送ったドム2個大隊が縦横無尽の活躍をしたみたいです。史実よりは善戦したのかな?
しかし、当然ですけど、こちらも無傷では済みません。
黒い三連星の一人、オルデガは戦死。ドム2個大隊も半数近くが撃破されて、残った部隊のうちオデッサから宇宙に脱出できたのは、僅かに12機のみでした。
残りのドムは、アフリカやアジアのジオン支配地域へと逃げ込んだみたいです。
まあ、ザンジバルやHLVの数が限られているから、全部のMSを宇宙に逃がすことなんて不可能だしね。ドムを宇宙に戻してリックドムに改修するよりも
地上で使用した方がメリットもあるから、アフリカとかで頑張って下さいとしか言えません。
既にゲルググの配備が始まっているからリックドムすら陳腐化するんだけどね。
私はドム系は、あまり好きじゃないですね。テストで乗ったけど、重く感じるんですよドムの動きって。
やっぱり地上用のドムを急遽宇宙用に改造しただけなのかなぁ。まあ、地上でのホバーは別かも知れませんけど。
所詮、リックドムはゲルググまでの繋ぎだしね。
ちなみに、ガイアとマッシュは宇宙に戻れた組みたいです。ジェットストリームアッタクは、どうするんだろ? 二人でやるとマヌケだよね?
それで、オデッサを脱出してきた艦艇の救出の為に、私たちも派遣されたわけです。
マ・クベが、
「ジオンは、あと10年は戦える」
とかいった、オデッサからの資源輸送船団の最終便の護衛と、イグルーで溺れていたMSの救助と回収が作戦目的です。
作戦目標が二つあります。この場合、どちらを優先すればいいのでしょうか? 参謀本部が下した答えは、
「どちらも救出しろ」
でした。おまえらいっぺん死んでこい!
二兎追うものは一兎も得ず。
小学生でも知ってる格言ですよ?
一石二鳥ですかそうですか。一挙両得、濡れ手で粟を狙いますか。弘法も筆の誤り、これは違うか。
とにかく、虻蜂取らずにならなければいいのですけど。
どうもジオン軍上層部は、旧日本軍臭がプンプンするんですよね・・・
それで、この場合の正解は、MSの回収を優先するが正解です。正確には、実戦を経験している熟練兵の回収です。優秀なパイロットは一朝一夕にはできないのです。
いくらシミュレーターで訓練できて、実機での訓練時間が短縮できるとはいっても、シミュレーターは所詮シミュレーターでしかないのです。
実戦に勝る訓練はなし。
MSは資源と部品と設備があれば簡単に作れますけど、兵を一から作るのには20年は掛かります。これは人間を作る場合か。
兵を養成して実戦で使い物にするにも数年は掛かります。
MSは破壊されれば、また作ればいいけど、熟練兵が死ねば補充は容易ではありません。
資源の回収よりも、人的資源の回収です。
まあ、余裕があれば資源輸送船団も救出しましょうかね。それに私たちの艦隊だけが出向いているわけじゃないんだし。
それなら、各々に明確な目標を与えた方が確実なのに、参謀本部ときたら・・・ 机上の空論に強くても、ね?
攻撃は馬鹿でもできるけど、防衛は馬鹿には務まらないのです。
グチグチいっても始まらないので、さっさと味方を助けに行きますか!
「ケルベロス04より05と06へ。浮いているHLVから脱出してきたモビルスーツをワイヤーに捕まらせろ。周囲の警戒は私がやる」
今回のコールサインは三つ首のわんこ、地獄の門番です。ブラックジョークにしても、溺れている彼らにとっては笑えないジョークだ。
それに、パーソナルカラーの機体が四機もいたらコールサインの意味もない気がするのだけど。
「05了解」
「06了解ー」
溺れている地上用のザクやグフやドムを、レイチェル機とクレア機が捕まえてワイヤーに誘導する。
ワイヤーで曳航するのは各小隊の予備機のコ・パイたちです。
「た、助かった。ありがとう!」
「安心するのは、まだ早いですけど、安心して下さい」
「どっちなんだい、宇宙の蝶さんよ?」
「私たちシーマ艦隊にお任せ下さいってことです! ちゃんとパゾクまで送りますから」
「親衛隊の精鋭なら、安心だわな」
「はい、添乗員付きで、サイド6、月経由のサイド3行きですよ」
私は地球から上がってきたモブABCと、それぞれに軽口を言い合う。あ、モブAは軽口じゃないか。
なんていうのかな、保育園の引率の保母さんと園児の関係? それとも、ドナドナされてる牛かな?
そんな光景があちこちで繰り広げられるなか、
「腐肉漁りがおいでなすったか、04から01へ。棺桶がきました。排除します」
「こちら01、確認した。護衛の各機はヤツらを本当の棺桶に入れてあげな!」
「04了解! でも、棺桶に入れれる死体は木端微塵になりますね」
「それじゃあ、あれがヤツらの棺桶そのものってヤツだねぇ」
「07了解! 敵さんは棺桶に入ったまま、お陀仏させましょうや」
おー、ヴァルヴァロに殺られる予定のクルトさんが喋りましたよ。そういや、彼ってビグロにも乗っていたんだっけ?
史実ではシーマ艦隊にビグロが配備されてたのか? ビグロなんか乗せたらリリー・マルレーンの予備機のスペース全部なくなるよ。
予備機が身動き取れないだけで、搭載自体はそのままでも可能か? MSって普段は格納庫の隅に立っているだけだしね。
ザンジバルにコバンザメビグロはできないのかな?
「クルトは仏教に宗旨変えしたのかい?」
「こちら10了解。01、俺が話した事があって07が興味を持ったみたいですね」
「そういえば、ナカガワは日本人だったな」
「04から護衛各機、おしゃべりもここまでです!」
まあ、お喋りしていても、みんなちゃんと行動しているんだけどね。
「14(ルーデル)了解! ヤツらをヴァルハラへ案内してやります!」
「16(クスコ)了解しました。それでは、私は敵の死体を岩に、暗礁に変えましょう」
「みんな今日は饒舌だねぇ」
05小隊からの護衛はメルダースじゃなくてルーデルです。専用機ですしね。ルーデルやったね! ついに台詞が付いたよ。モブ卒業だよ!
そうじゃなくて、私は、わらわらと湧き出た棺桶の群れの中に突撃したのです。少数ですけどジムもいます。
「味方は、やらせないよ!」
バーニアを加速させて、棺桶に接近してビームライフルを一撃。さらに接近して、
「ボールだけにボールのように蹴ってあげる! くらえ、オーバードライブシュート!」
ボールだけにボールのように、蹴り飛ばして、ピンボールかビリヤードのように他のボールに激突して、もろとも粉砕。
うん、駄洒落も冴えてるね! と自画自賛です。
「用途は正しく使わなきゃ!」
「特務大尉殿、それ、サッカボールと違いますよ?」
ルーデル中尉に突っ込まれてしまった。なぜ?
ビームライフルを節約する為に、マシンガンに持ち替えてセミオートで連射。機動性、運動性が最悪な棺桶相手には、
「目を瞑っていても当てれます!」
「いや、それ、普通は無理でしょ? できるのはマリアだけだよ」
「私には、オーバードライブシュートの意味が分かりませんでした」
「あはは、言葉の綾ですってば」
回線が開いているから、シーマ様たちに私の戯言が聞こえてたみたいです。ちょっと恥ずかしかったですね。クスコ・アルって突っ込み持ちだったの?
「04から01へ。雑魚は私が引き受けますので母艦とサラミスをお願いします!」
「あいよ、任された! 07と10は付いてきな! 14と16は04と共に棺桶を蹂躙しろ!」
「「「「了解!」」」」
こうして一方的な殺戮が始まりました。