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No.41032の一覧
[0] 【習作】SAOで救済[紙カタ](2015/07/19 06:57)
[1] 第一話[紙カタ](2015/03/04 18:27)
[2] 第二話[紙カタ](2015/03/04 09:55)
[3] 第三話[紙カタ](2015/03/04 10:06)
[4] 第四話[紙カタ](2015/03/04 10:19)
[5] 第五話[紙カタ](2015/03/07 08:06)
[6] 第六話[紙カタ](2015/03/12 18:02)
[7] 第七話[紙カタ](2015/03/18 00:08)
[8] 第八話[紙カタ](2015/03/22 09:40)
[9] 第九話 異世界救済に乗り出すそうです[紙カタ](2015/04/03 08:58)
[10] 第十話 マブラヴ編終了[紙カタ](2015/05/05 19:38)
[11] 第11話 帰還そしてリゾート[紙カタ](2015/06/10 07:43)
[12] 第12話 フルメタ編[紙カタ](2015/07/16 03:25)
[13] 第13話 自慢[紙カタ](2015/07/18 00:36)
[14] 第14話 ブラックブレット編[紙カタ](2015/07/20 06:04)
[15] 第11話改訂 帰還そしてリゾート[紙カタ](2016/04/06 05:14)
[16] 第12話改訂 フルメタ編[紙カタ](2016/04/06 04:53)
[17] 第13話改訂 自慢[紙カタ](2016/04/06 05:04)
[18] 第14話改訂 ブラックブレット編[紙カタ](2016/04/06 05:07)
[19] 第15話 ゲート編その1[紙カタ](2016/04/06 05:10)
[20] 第16話 ゲート編その2[紙カタ](2016/04/06 05:12)
[21] 第17話 ゲート編その3[紙カタ](2016/07/25 10:12)
[22] 第18話 複製人間[紙カタ](2016/08/28 07:39)
[23] 第19話 婚約[紙カタ](2017/07/03 12:17)
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[41032] 第三話
Name: 紙カタ◆30a00978 ID:945c91d1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/03/04 10:06
平成26年4月7日

今日は小学校の入学式、両親どころか父方の祖父母も来てくれた。

妹の絵見に懐かれすぎて、実家に残して来たさくらと、祖父母の家に贈ったさくらも来ていた。

祖父母のさくらは着物を着させられていて。

桜色の布地に色とりどりの花びらをあしらった艶やかな着物で、

髪もそれに合わせて結われ、正に晴れ着という感じの出で立ちだった。

祖父母によく懐いてて、可愛いがられてるのが分かる。

自動人形は例え虐待されても、それが主人なら従うが懐くかどうかはそれぞれだ。

使えども敬わずは、自動人形に許された数少ない自由意志の一つ。

と言っても、仕える事を基本とし奉仕する事に喜びを感じる自動人形だから、それも一つの奉仕の型だ。


実家のさくらも妹のお世話をしてるのが楽しそうで何より。




クラスが二つしか無いので、労せずして詩乃と同じクラスになれた。

入学式も終わり、最初の登校日。

先ず始めは定型文を言わされる自己紹介タイムである。

「……玲奈です。すきなものは新幹線です。よろしくお願いします」

「朝田詩乃です。好きなものは読書です。よろしくお願いします」

六歳の詩乃の第一印象は特に目立つものがない子だった。

将来の顔立ちの良さは、今からでも垣間見えるが、それだけ。

年の割に落ち着いた感じはしたが、何処にでも居そうな子だった。

先生に引率されてぞろぞろと学校施設を案内されてる間も、つまんなそうにしてたが其れだけ。

僕は何しに東北に来たんだっけとつい考えてしまった。

そうだ、詩乃がトラウマを抱えないようにしたかったんだ。

歴史に修正力でもない限りその願いは多分もう叶ってる。

核融合炉に自動人形、ナノマシンにゼタフロップス級計算機

これだけ歴史を変える発明をして、同じ場所同じ日同じ時間同じような強盗事件が起きるなど有り得ない。

だから、その修正力を確かめる意味で、これは保険のような行動なのだ。

取り敢えず、詩乃と一緒に行動出来るようにしよう。

「読書って、朝田はどんな本読むの?」




平成26年5月20日

タンパク質プリンターで基底膜を構築しつつ、其処に

幹細胞を植え付ける手法で、1日で主要な臓器を作成する方法を開発。

臓器移植が簡便化される。




平成26年5月28日

核融合実証炉の長期運転試験が終了。

実用炉の生産を開始。

運転プログラムの改善で820メガワットに出力向上、発電コストも1.6円に低下。



式典というのは面倒臭い。

テープカットに決まりきった演説。

出席だけとはいえ、長時間拘束されるのは苦痛だ。

其処でお偉いさんに呼び止められるのも仕事の内とはいえ、早く帰りたいのは変わらない。

マスコミのスタッフに自動人形が多く使われてるのが確認出来ただけでも収穫だろうか。

カメラマンなど、高いセンスが求められる部分は流石に人間が主流だったが

音声やアシスタントは、既に自動人形が多く使われている様だ。




平成26年6月10日

今日は僕の誕生日。

特に特別な催しなどはしない予定だったが、武蔵達によるサプライズパーティーが企画されてた。

料理は勿論、歌や楽器の演奏、大道芸やマジックなど、僕を楽しませようと様々な芸をしてくれた。

特に驚いたのは、武蔵達が歌った歌や演奏はオリジナルで作ったらしい事だ。

聞けば僕の好む音楽の傾向から分析して作ったらしい。

彼女たちの成長が何よりも嬉しいプレゼントだ、本当に僕の喜ぶ事を分かってる。

「ありがとう、堪らなく嬉しいよ」

「それは何よりです。――以上」

そう答えた武蔵は少し得意気な表情をしていたような気がした。




平成26年6月28日

先日のサプライズパーティーが嬉しかったので、自動人形に資する開発を暫くしていこうと思う。

自己修復皮膚と自己修復脂肪層の実用化による、メンテナンス間隔の長期化はなった。

次は味覚センサーの更なる高性能化と食物からもエネルギーを摂取できるように

つまり物を一緒に食べれるようにしたいと思う。

生体部品を使うのは簡単だけど、維持に別系統のシステムが必要になり手間だ。

だから機械的な仕組みで食物の粉砕、溶解、脱水を実現しなければ成らない。

エネルギーを別に求めるなら簡単だが、最低でも食物から摂取した分だけで分解したい。



触媒で脂質、糖質、タンパク質をエタノールとアルコールに分解し、燃料電池を駆動できるようにした。

エネルギー収支は取り敢えずプラスというレベルだが、

自動人形も食卓を囲めるようになったのは、大きな進歩だろう。


「どう?食べる感覚は」

細胞プリンターで作ったA5ランク牛肉を村山と共に食べながら感想を尋ねる。

「人間の感じる食感というのは、こういった感覚だったのですね。なかなかどうして興味深いです。――以上」

人間並みの密度の口内センサーに換装された器官は食感、食味、匂いを人間と同じ様に感じられる。

村山が確かめるようにゆっくりと咀嚼してるのが印象的だった。

牛脂にテカる唇が実に艶めかしい。


取り敢えず、有機物の摂取だけで稼働エネルギーを賄えるようになり、

自動人形搭載型人工子宮の実用化まで至った段階で開発は一段落させた。

しかし、自動人形と言えば重力制御、重力制御と言えば自動人形だと思う。

同時に何個も食器を浮かべたいし、複数の箒や銃器を操らせたい。

自動人形の名を語るなら、一つの完成型だろう。

いい加減、統一理論の完成とその応用にまで守備範囲を広げなくては、にっちもさっちも行かないと感じる。




平成26年8月10日

自動人形技術を応用して、脳を除いた全身の義体化技術を発表。

医学界にセンセーショナルを巻き起こす。




平成26年8月14日

統一理論とその応用理論をネットで公開。

神に与えられた頭脳とは凄い物で、ピースをある程度揃えたら全体像が一気に浮かんでくる。

一度全体像が解れば後は、細かい所を埋めるだけそうしてサクサク構築できた。

重力制御も既に実験装置の製作に取り込んでいる最中だ。

自動人形の完成は近い。


「浮いた」

実験装置の中でセンサープローブが中空を浮遊する。

上方に向けて操作された重力がプローブを浮遊させてるのだ。

今の装置では直ぐ側の物体を浮かせる事しか出来ないが、理論上は遠隔操作や超圧縮なども実現できる筈だ。

取り敢えず、実験は成功。

次はこれを煮詰めなければ。




平成26年10月1日

暫く重力制御に掛かり切りだったが漸く発表できる段階に至った。

が、世間はまだ統一理論の検証であーだこーだと忙しいらしいので、暫くは深化に力を入れる。

特性の把握と核融合炉への応用とまだまだやれる事は多い。

しかし、ロケットエンジン開発は方針を見直すべきだろう。

重力制御で飛べるならロケットエンジンは必要ない。

超高効率の多段階核融合炉開発へと切り替えを決定。



多段階核融合炉、水素をヘリウム、酸素、炭素、ネオン、ケイ素と多段階的に融合させ最終的に鉄になるまでエネルギーを取り出す。

実験炉の基礎設計を開始。




平成26年10月10日

統一理論に基づいた常温超伝導物質と映像空中投影装置を発表。


モデルが通路を歩く度に衣装が移り変わる。

白のスーツ姿だった女性が次の瞬間に水着姿に、かと思えばチェックのワンピース姿へと次々と移り変わる。

対象に投影された映像が変わるだけだが、何もない空間から衣装が出現するインパクトは凄い。

マクロスの名シーンの再現、AR技術の究極に人々は驚き声を上げている。

「実に盛況ですな」

その様子をモニタールームで見てると声を掛けられた。

「いやー、皆さん驚いてくれてるようで何よりです」

「いやいや、発明もさることながら見せ方も上手だからですよ」

僕にお世辞を言う、人が良さそうなおっさんは吉岡さん、僕付きの広報担当者である。

「いえ、僕はアニメの名シーンを再現させただけですよ」

「なる程、しかしこの立体映像投影装置のお陰で色々と我々の仕事も変わって来そうですな」

そう言って吉岡さんは、プレスに配られたのと同じ携帯サイズの立体ディスプレイ投影装置を手で弄んでいる。

「このサイズで30インチのテレビモニターとして使えるのですから大した物です」

「そう言われると嬉しいですね」

「そう言えば、今は何を作られてるので?」

「統一理論の応用で重力制御関連を研究してます。次も世紀の発明になると思います。楽しみにして下さいね」

「ほう、企画屋としての腕が鳴りますな。ははは」




平成26年10月20日

主要防衛産業36社その他、国内重工業化学工業200社余りを中心に日本重化学工業連合体、通称日重が設立。

以後、政官財に於いて国内で多大な影響を与えて行くことになる。




平成26年12月8日

日重は超小型融合炉と重力制御装置を搭載した自動人形、鹿角かづのを発表。

角状のエンタングル重力子レーダーが特徴的な自動人形で、

重力障壁を展開し戦車砲を軽々防ぎ、重力制御により時速900キロで連続六時間飛行可能という超性能を誇る。



格納庫に集められた報道陣、目の前に置かれた90式戦車を重力制御で持ち上げてボールのように扱う鹿角の非現実的な光景に対して、各所からどよめきが湧き上がった。

会見では、モニターに重力障壁で戦車砲を防ぐ様子まで映し出され、マスコミ各社から質問が飛ぶ。

「一般販売はするのか?」

「スペックダウン型の販売はするつもり、戦車砲を防げるのは官用のみである。」

「融合炉搭載とあるが安全性は?」

「X線は重力障壁で防がれるので対外で被爆する事は無い。損傷時はアルファ粒子しか出ないように作ってる」

「エンタングル重力子レーダーとは何か?エンタングル透視装置と関係有るのか?その視程などは?」

「その通り、エンタングル透視装置の重力子版である。視程や分解能などは既存の電波式レーダーとは比べものに成らないとだけ」

「価格は?」

「官向けハイスペック仕様の場合、5000万円を目標としてる。一般向けは更に安くなる予定」

「どの様な役割を想定しているか?」

「全ての役割をこなせる用に作ったつもり。後方で重機の代わりから、前線で戦車や歩兵の代わりまでこなせる。人間という奉仕対象者が居れば何処へでも」




「想定問答通りか」

「想定通りで、何か気になる事が有るのでしょうか、――以上」

「いや、人間の発想力なんてこんなもんかとね」

会見の回答者は開発官でもないただの広報担当者、質問の回答はAIが出し、

本人は眼鏡型のプロッターから出力されたそれを読んでるだけだ。

まあ、AIを困らせる質問をされても困るが。


「数千倍の思考速度と多数のマルチタスクを可能とする我々の想定外の質問というのは常軌を逸した質問以外に有り得ないと思われますが――以上」

「そりゃそっか、所で武蔵さん実装した重力制御デバイスの調子はどう?」

手持ち無沙汰なので、武蔵のスカートを摘みヒラヒラさせながら聞いてみる。

「頗る順調です。センサー感度も上がり出来る事も増えました。通常奉仕に護衛にと益々役立てるかと――以上」

「そっかそっか」

「少々、行儀が悪いです」

あ、手を掴まれてしまった。

ヒラヒラさせるスカートに時折武蔵さんのお尻のラインが出て眼福だったのに残念。

次は手をむにむにするか、柔らかく温かい。

「ですが少々廃熱が多いので、其処を改良して頂けたら有り難いかと――以上」

「元々は鹿角用だからね。其処は頑張るよ」

今は応急的に実装してるに過ぎない、製品版は更にブラシュアップしなくては行けないだろう。


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