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No.41032の一覧
[0] 【習作】SAOで救済[紙カタ](2015/07/19 06:57)
[1] 第一話[紙カタ](2015/03/04 18:27)
[2] 第二話[紙カタ](2015/03/04 09:55)
[3] 第三話[紙カタ](2015/03/04 10:06)
[4] 第四話[紙カタ](2015/03/04 10:19)
[5] 第五話[紙カタ](2015/03/07 08:06)
[6] 第六話[紙カタ](2015/03/12 18:02)
[7] 第七話[紙カタ](2015/03/18 00:08)
[8] 第八話[紙カタ](2015/03/22 09:40)
[9] 第九話 異世界救済に乗り出すそうです[紙カタ](2015/04/03 08:58)
[10] 第十話 マブラヴ編終了[紙カタ](2015/05/05 19:38)
[11] 第11話 帰還そしてリゾート[紙カタ](2015/06/10 07:43)
[12] 第12話 フルメタ編[紙カタ](2015/07/16 03:25)
[13] 第13話 自慢[紙カタ](2015/07/18 00:36)
[14] 第14話 ブラックブレット編[紙カタ](2015/07/20 06:04)
[15] 第11話改訂 帰還そしてリゾート[紙カタ](2016/04/06 05:14)
[16] 第12話改訂 フルメタ編[紙カタ](2016/04/06 04:53)
[17] 第13話改訂 自慢[紙カタ](2016/04/06 05:04)
[18] 第14話改訂 ブラックブレット編[紙カタ](2016/04/06 05:07)
[19] 第15話 ゲート編その1[紙カタ](2016/04/06 05:10)
[20] 第16話 ゲート編その2[紙カタ](2016/04/06 05:12)
[21] 第17話 ゲート編その3[紙カタ](2016/07/25 10:12)
[22] 第18話 複製人間[紙カタ](2016/08/28 07:39)
[23] 第19話 婚約[紙カタ](2017/07/03 12:17)
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[41032] 第15話 ゲート編その1
Name: 紙カタ◆30a00978 ID:dce1c4d9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2016/04/06 05:10
「修学旅行?」

「うん、来週の木曜から行くんだ」

そう言えば明日奈も小学六年生になったし、もうそんな時期かぁ。

「ふーん、で、何処行くの?」

「えーとね。αγ117341CDっていう世界の日本。銀連加盟もまだで、通商条約とか未整備だから転送も自動人形も殆どない世界なんだって」

ランドセルからしおりを取り出して教えてくれた。

「へー」

特にこれと言った特徴が無い世界だったかな?

日々増え続ける平行地球との接触、その世界数は既に数千を超える。

知ってる物語と近似した平行世界の方が少ないから、僕としてみれば特にマークしてないその他扱いの世界だ。

調べてみると治安も良いし、特に問題ないのだろう。

まあ、明日奈の通ってるお嬢様お坊ちゃま学校が修学旅行に許可するぐらいだから、そう言う治安情報は第一に調べてるだろうし、今更なんだろうが

詩乃のトラウマとなる強盗事件は結局起こらなかった。

まあ、転送技術の普遍化で郵便局自体が市内には中央郵便局しか無いのだから仕方ない。

そして、それを代替するような事件も起こらなかった。

その事から考えて、歴史に強制力や修正力といった物は無いらしい事が分かる。

この点からして、状況はコントロール出来ると考えられた。

しかし、逆に明日奈たちが明日死ぬ可能性も否定出来なくなったのだ。

そのもしもが僕を少し不安にさせる。

「転送の未普及な世界だと交通事故が多いんだから、シールド印籠はしっかり携帯するんだよ」

「分かってるよ。ホント飛鳥くんは心配症だなあ」

「にしても今の時期に修学旅行かぁ」

あ、そうだ。

「明日奈、プレゼント、転送」

思考発声で済む事だけど、此処は演出の為に声を出して取り寄せる。

「ん?なになに、プレゼント?」

本当は誕生日に渡そうと思ってたんだけど。

もう一個準備してるから良いや。

「未加盟世界に修学旅行に行くなら丁度良いと思ってね」

そう言って箱を開けて中を見せる。

明日奈の細い腕にぴったり誂えた小さなデザインの茶の皮ベルトの熊耳の着いた金の腕時計。

「かわいい……有り難う。……で、これにはどういう機能があるの?」

ありゃ

「いきなりそれ?もうちょっと余韻というかさ」

「だって、飛鳥くんだもん。説明したいんでしょ」

うんうん、分かってる分かってると言いたげな様子の明日奈。

「したいけどさ。デザインも苦労して考えたんだよ」

「へー、飛鳥くんが考えたんだ。凄い可愛いよ。うん、可愛い」

時計の熊耳を指先で撫でながらそう言う。

「ま、其れじゃあ説明するよ。先ずはね……」





「特別回線にて緊急連絡です――以上」

その知らせは、今頃明日奈は向こうで東京観光でもしてる頃かな等と授業を聞きながら考えてる中、突然来た。

ピーピーピーという授業中の教室では大きな電子音を出しながら、

ちび武蔵がポケットから飛び出し、目の前で浮遊して緊急連絡が来た事を知らせる。

「先生、非常連絡なので失礼します」

「あ、ああ、分かった」

思考発声を用いてのサイレントモードで受ける

「αγ117341CDの地球と転送及び世界間移動が不通?……この間みたいにマイクロブラックホールが高速で太陽系を横切った可能性は?」

明日奈の滞在してる世界だ、偶然か?それとも必然か?僕の関係者としてテロに巻き込まれた可能性も考慮すべきか?

『事前探査の結果、周囲1光年に高速で移動する天体の類は存在しませんでした。タウ星系に設置されてるサブステーションからのデータによる高天原の分析では、未知の天体現象が可能性として高いとの事です』

「次元転送を阻害する何かか……サブステーションのデータを見せて」

新たな平行地球と接触した場合、同時にサブステーションとして、くじら座タウ星系にも必ず次元転送モジュールを設置してる。

地球で何が有ろうとも、11光年離れた場所に一瞬で伝搬する現象なぞ、そうそう無い事だから設置されてる保険だ。

今回は、その保険が上手く機能した。

サブステーションを介して地球を観測した所、大規模な次元波が発生してたのだ。

発生源らしい地球では次元間通信だけでなく、マイクロワームホールを介した長距離通信やエネルギー伝送も阻害されるだろう規模の時空間変位量だ。

この現象の規模から行って、地球が吹っ飛んでても可笑しくない。

「取り敢えず、タウ星系から派遣できる超光速船を可能な限り早く地球圏に派遣して情報を集めてくれ。

同時に変位量を予測して補正する為に、インフラ関連を除いたうちの会社の全計算機資源の使用を許可する。何としても転送を復旧させろ」

僕は内心の焦りを隠して当面の指示を出す。

『了解しました。直ちに掛かります』

さて、どうするか……取り敢えず学校は早退するとして、僕が居るべき場所は……転送管理局か、いや違うなラボだ。

明日奈は大丈夫だろうか……、僕謹製のシールド印籠を持ってれば、戦車砲で撃たれようと、地球が吹き飛ぼうが生きてる可能性の方が高い。

しかし、それは印籠のバッテリーが切れる迄だ、何としてもバッテリーが切れる前に見付なくては。

バッテリーは最大利用で2時間は保つ筈、その間に何とか捜索隊を送り込まなければ行けない。

しかし、最速の星船でもタウ星系からでは4時間掛かる。

どうするべきか……

いや、此処は悩むより行動だな。

「先生!会社で非常事態が起きたので早退します。事情を説明する時間も惜しいのでウチ関連のニュースサイトを見て下さい。では」

事情の説明等求められては面倒なので、立て板に水とばかりにまくし立て転送で帰る。

『ヴン』






車道には自動車が溢れ、その脇の歩道を人がひしめくように進む光景は、転送が当たり前となってる明日奈達には新鮮な光景だった。

転送によるドアツードア、それは物流だけでなく人々のライフスタイルや文化までも大きくがらりと変える物だったからだ。

明日奈たちの暮らす日本、つまる所の第一基幹世界の日本では、道路に車道が殆ど無く、歩道ないしは緑地帯が殆どを占める。

その少ない車道もエアカーの離発着場所という意味合いが大きく、好き好んで地上を進んで動いてる車なぞメッタに見ない。

一部の趣味者が未だに地上車を保有してるが、利便性やガソリンなどのインフラ面とエアカーの廉価化も相まって、そう言う趣味者も絶滅寸前だった。

そんな所から、地上車が溢れる世界に来たのだ。

先ず地上車の多さに驚き、そして排気ガスの臭いに顔をしかめた。

そうして慣れて来ると、周りの様相も自分たちの世界とは違うと気付き始めた。

歩道を行き交う人々の中に自動人形が全く存在しないのだ。

明日奈達の日本では、自動人形、所謂機族の数は既に人口の二倍に達する。

外を行き交う人も機族の方が多い位だ。

「世界が変わるだけでこんなに違うんだ」

「凄いよね!車がこんなに沢山走ってるのなんて見たことないよ!」

同じ班員の髪をツインテールにした少女、片瀬志麻と共に感想を言い合う。

志麻"しーぽん"は明日奈の親友だ。

3年生の時から同じクラスだったが、コンピューターの授業内容が改定されたのを切欠によく話すようになり親友となったのだ。

今では、授業の事や家の事など、日常的な事を言い合える気の置けない友人だ。

そんな、しーぽんやその他の班員と共に銀座観光をしていた所で、とあるチラシを渡される。

それは、この子を探してますという文字と共に、ショートカットの綺麗な女の人が写ったチラシだった。

そのチラシには望月紀子と書かれていた。

「ねえ、明日奈あれなんだろ?」

「ん?」

明日奈が渡されたチラシを読んでると志麻に声を掛けられた。

其方に視線を向けるとそこには、薄らとパルテノン神殿のような建造物が浮かび上がって居た。

「立体映像だよね?でも何で道路の真ん中に、あんな所に投影したら車が通れないよ」

「多分、何かのイベントなんじゃないかな」

明日奈達が住む世界では、立体映像看板は珍しくとも何ともない。

だから班員のみんなも何かのイベントだと判断して見物する事にした。

明日奈もそう考えていた。




『空間補正プローブ突入……次元深度4.82、擾乱補正開始、次元深度6.24、6.28、6.31………7.83これ以上はプローブが圧壊します』

『超空間鉗子の出力を最大に』

『既に出力は108%、これ以上は冷却機系が保ちません』

やはり、力押しじゃダメだな。

上手く行けば超空間の擾乱を力ずくで補正できる筈だったのだが、高天原の支援を受けてもまだ不可能だったようだ。

僕の予測でも4割ほど確率は有ったのだがな。

さて、現状のカードは使い切った。

次は僕自身のカードを切らなければならないだろう。




STLを取り敢えず十万倍速に設定して、僕の頭の思考速度を早める。

そうして、如何に早く明日奈の安全を確保できるか考えるのだ。

そう、目標は次元間転送の復旧では無く、明日奈の救出が最優先だ。

しかし、今まで神に貰った権能をこの様に使った事が無かったから不安なのだ。

神の権能の科学的解明には未だに成功してない。

被験者となりうる人間が僕しか居ないから検証しようが無かったのだ、一体どんな副作用があるか想像もつかない。

下手したらこの権能を失うかも。

でも、今回はやるしかない。

「リンク開始」

その言葉と共に視界が変わる。

屋久島の雄大な自然が次々と映し出されて行く。

デフォルトで設定されてるデモ映像だ。

さて、思考しなくては、最優先目標は明日奈の救出。

それには何をすれば良いか可能性や実現性など、兎に角早く現実化出来る順に処理していく。

「先ずは、以前から温めてた超空間カタパルトを完成させるか。設計データH6を表示」

超空間カタパルトとは、空間を歪めて、数万光年を一瞬で移動させる方法だ。

因みに転送は転送ポートから2万キロが限界距離なので、話にならない。

「オモイカネの管制権を此方に」




目を開けると【シナプス活動及び血圧の異常を確認、非常停止しました】という文字が目の前で踊ってた。

何が起こった?

頭がクラクラする。

身体が物凄くだるい。

尋常じゃなく気持ち悪い。

鼻血がダラダラ出てる。

痛みが無いのが救いか。

「大丈夫ですか?圧迫を、止血します」

モニターしてた三河もとい国分寺さんが、直ぐに駆け寄って鼻頭を押さえてくれる。

そうしてると、ヴンという転送音と共に浅草が来た。

「医療マイクロマシンを持って参りました。失礼します――以上」

浅草は僕の首に転送注射器を押し当てるとカチリとボタンを押す。

短距離転送で動脈に冷たい薬液が注入されるのが感じられる。

「飛鳥様、大丈夫ですか?」

国分寺が聞いて来るが、ちょっと返す余裕は無いなぁ。

思念発声も集中できないので使えない。

吐き気は無いが、ひたすら気持ち悪い。

身体が自分のじゃ無くなったようだ。

浅草が僕の手を握ってくれるのが嬉しい。

何が悪かったんだろう?

最後に検証をする為に脳内シミュレータを使ったからだろうか?

モニターの一つに表示されてるグラフを確認するとバッチリと記録されてた。

どうやら、STLと脳内シミュレータは相性が悪いらしい。

それが分かっただけでも収穫か、まあ貴重なデータが幾つもの取れた。

検証は明日奈救出の後でゆっくりするとしよう。

マイクロマシンのお陰か、どうやら体調も戻ってきたようだし。

「さて……行動に移そうか」


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